最近の、花祭窯の庭。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

最近の、花祭窯の庭。

お天気がくるくると変わる今日この頃。花祭窯の小さな庭にも確実に春がやって来ています。

花祭窯
枯山水に水が残っているのは、突然の雷雨の後だったから。春雷でした。
ご近所さんからいただいたスノードロップ。毎年可憐な花を咲かせてくれます。
花祭窯
自生している名を知らぬ花。青紫色がきれいなんです。
花桃もそろそろつぼみが大きくなってきました。
実はどこからかまぎれこんできた水仙。大きめの花で存在感。
南天の赤い実もまだきれいです。

読書『夜想曲集』(早川書房)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『夜想曲集』(早川書房)カズオ・イシグロ著

副題が「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」。そういえば『充たされざる者』の主人公も音楽家でした。

わたしにとっては、カズオ・イシグロの短編を読むのはこれが初めてでした。これまでさんざん長編を読んできただけに、一編読み終わるたびに「あらっ、もう終わり」と拍子抜け(笑)しましたが、余韻の残る読後感は短編でも健在で楽しめました。

ひとつのアルバムに見立ててつくられたという短編集。単純に「音楽のそばにあるストーリー」ということだけでなく、そこにある切なさというか、例えるならば夕暮れというか曇り空的な雰囲気が共通して感じられる五編でした。

まずはサクッとカズオ・イシグロワールドに触れてみたい、という方にお薦めの一冊。個人的には、次の長編が待ち遠しいところです。

読書『藤森照信の茶室学』六耀社

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『藤森照信の茶室学』六耀社

「日本の極小空間の謎」というサブタイトルのついた『藤森照信の茶室学』。久しぶりに取り出して読み直しています。以前、床の間について考えていた時に、この本が参考書のひとつとしてとても勉強になったのでした。

空中に浮いた茶室が有名な藤森照信さん。この本には茶室の歴史とそこに対する見解が述べられていて、勉強になるだけでなく、読み物としても面白いです。茶道の世界の方が書いたものではないところが、読みどころ。陥りがちな「こうあるべき」を取り払うのに最適です。

巻末の第七章の対談で藤森さんと茶室談義を展開しているのは、つい先日、建築界のノーベル賞といわれる「プリツカー賞」を受賞したとのニュースが流れた磯崎新さん。

アマゾンでチェックしたところ、既に中古しかありませんでしたので、今後価格の上がっていく本であろうと考えられますが、建築や茶室に関わる方には、とてもおススメの一冊です。

スタート地点に立ちましたね。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

スタート地点に立ちましたね。

たびたびこのブログにも書いていますが、博多の円覚寺で受け継がれている茶道南方流に入門しています。昨日はその懐石茶会の日でした。毎年春の恒例行事で、わたしも入門の翌年から参加しています。

今年はまったく景色が異なりました。というのも、今回はなんと亭主として参加したのです。入門から六年。こんな日が来るとは、一晩明けた今も、なんだか不思議な感じです。

この懐石茶会は正式には「初伝披露懐石」と呼ぶそうです。一定のお稽古を積んだ段階で先生から声がかかり、日頃の成果を披露する「稽古懐石」。お稽古の一環だから大丈夫ですよ、と先生方はおっしゃってくださったものの、特に年が明けてからの二か月間は、試験を控えた学生時分に戻ったような緊張感でした。

お炭手前からはじまり、お料理の給仕、濃茶手前、薄茶点前。利休さんのいう「二時(ふたとき)を過ぎず」すなわち「ふたとき=四時間を越えてはならない」のとおり、ちょうど四時間ほどでおさまる席になります。

お手伝いで参加していたときは、亭主を務める皆さんの集中力のすごさにただただ感嘆していました。いざ自分で務めてみると、やはり四時間集中し続けるのはたいへんなことでした。今振り返ってみると、お料理の給仕が済んだころ=時間にして二時間ほど経った頃には、緊張はしているのに集中が切れてしまっていたように感じます。

お客さまをもてなす大切な濃茶手前・薄茶手前はその後にあるのですから、まったくもって修業が足りていないことを痛感しました。後座(濃茶・薄茶)の手前をなんとかやり通したものの、席に入って見守ってくださった先生がどれほどハラハラなさったか、申し訳ないかぎりです。

片付けまですべて終わり、師匠である和尚様にお礼のご挨拶に伺ったときにかけていただいたのが、タイトルのことばです。そうです。やっと、スタート地点。亭主を務めることによって、自分に足りないものを強烈に自覚することもできました。ここからまた、お稽古を積んで参ります。

お稽古を付けてくださった先生方、茶会開催の段取りを進めてくださった本部の方々、前日から当日にかけての準備と運営をサポートしてくださったすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。そして、わたしの遅々たる茶道精進を見守ってくれる家族にも。

2019年3月10日は、わたしにとって大切な節目のひとつとなりました。

単発講座「知識要らずの美術鑑賞」@朝日カルチャー福岡教室

こんにちは。Meet Me at Art(ミートミーアットアート)藤吉有里です。

単発講座「知識要らずの美術鑑賞」@朝日カルチャー福岡教室

「対話型鑑賞(ビジュアルシンキング)」で美術のミカタ(見方)を深めましょう。

ご縁があって 「対話型鑑賞(ビジュアルシンキング)」の手法を用いた 「知識要らずの美術鑑賞」講座をすることになりました。朝日カルチャーセンター福岡教室での、入会不要の単発講座です。興味のある方はぜひお気軽にご参加くださいませ。

昨今美術館のワークショップにも増えてきた「対話型鑑賞法」。本講座では、他者の目(キャプションなどで得られる知識)を通してではなく、自分自身の目(心・価値観)で美術鑑賞を楽しむ方法についてお話します。美術鑑賞は、誰もがもっと気軽に楽しめるもの(と、わたしは思います^^)。「わかる、わからない」の前に、あなた自身の「好き、好きじゃない」を大切にして美術鑑賞を楽しむきっかけをつくる体験講座です。


「知識要らずの美術鑑賞」@朝日カルチャー福岡教室

日時:2019年4月5日(金)13時半~15時
場所:朝日カルチャーセンター福岡教室
受講料:朝日カルチャーセンター会員2,484円、非会員3,024円
講師:Meet Me at Art フリーランスエデュケーター 藤吉有里

お申込み・お問合せは
TEL 092-431-7751(朝日カルチャーセンター福岡教室)へ


お待ちしております(^^)

単発講座「肥前磁器面白雑学」@朝日カルチャー福岡教室

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

単発講座「肥前磁器面白雑学」@朝日カルチャー福岡教室

肥前磁器面白雑学―窯元おかみが語るエピソードあれこれ―

ご縁があって「肥前磁器(ひぜんじき)」に関する講座を「窯元おかみ」の視点でお話しすることになりました。朝日カルチャーセンター福岡教室での、入会不要の単発講座です。興味のある方はぜひお気軽にご参加くださいませ。

肥前磁器の歴史や技術的なことについては、その道の専門家が多数いらっしゃいますので、「花祭窯のおかみ視点」というのが、わたしがお話しする意味になると思います。窯の創業以来今まで、お客さまから現場でたくさんのご質問をいただいてきました。そんなご質問=皆さんの興味にお応えするような内容をお話しできればと思っています。


肥前磁器面白雑学―窯元おかみが語るエピソードあれこれ―

日時:2019年4月10日(水)13時半~15時
場所:朝日カルチャーセンター福岡教室
受講料:朝日カルチャーセンター会員2,268円、非会員2,808円
講師:花祭窯(はなまつりがま)内儀(おかみ) 藤吉有里

お申込み・お問合せは
TEL 092-431-7751(朝日カルチャーセンター福岡教室)へ


朝日カルチャーさんの申込ページが出来上がりましたら、あらためてご案内いたします(^^)

春はそわそわ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

春はそわそわ。

3月に入り、なんとなく「変化」の兆しを見たり聞いたりする機会が増えてきました。梅が散り、早咲きの桜がちらほらとお目見え。お天気も晴れたり雨が降ったりくるくると変わります。春ですね。

年度末から年度初めに向かう季節なので、学校や会社など、4月からを新年度とする枠組みのなかで動いている人たちに変化が現れるのはあたりまえですね。そして、そういう人々の人口構成に占める割合が多いからこそ、そうでない人にとってもなんとなく「変化」や「進化」の時期になるんだろうな、という気がします。

このところ我が家に公私さまざま嬉しいお客さまが立て続けにいらっしゃるのも、春だからかしら、と思ったり。季節に後押しされて新しい一歩を踏み出すことができるなら、その波に乗るのもひとつの方法ですね♪

さて写真は、この季節人気の「桜」の蕎麦猪口。ご近所、宮地嶽神社では、寒緋桜が満開です(^^)

お客さまがいらっしゃると、

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お客さまがいらっしゃると、

きれいになる♪

ここ数日、立て続けにちょっぴりあらたまったお客さま。おかげさまで、ふだん後回しになっていた仕事場の掃除やお片付けが少しばかり進みました。写真は珍しく「足の踏み場がある」ダンナの仕事場。普段はあまりにも雑然としているので「開かずの間」です。

ふだんからギャラリースペースは、いつお客さまがいらしても最低限大丈夫なようにしておかねばと気にかけています。それでも気がついたら棚が乱れていたり、ほこりが目についたり、お花を生けなおすタイミングだったり、ということが少なからず。

「この日、お客さまがいらっしゃる」は、「整理整頓清掃」への最大の動機付け。今日も、おかげさまですっきりです。

3月といえばお雛さま。

おはようございます。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

3月といえばお雛さま。

もう長年我が家の3月を彩り続けているお雛さま。檜扇を持たないお雛さまも、毎年恒例のご愛敬。今年も出て来てくれました。個人的な話ですが、実家にはお雛さまがありませんでした。お雛さまに限らず、季節の行事に関わる飾り物がまったく無かったような。

節句を楽しむようになったのは、ダンナと花祭窯を創業してこの仕事をスタートしてからです。やきものの文様には四季折々の自然や行事にまつわるものがたくさんあり、それらを扱うことによって、自然と意識が向くようになってきました。

創業当時読んでいた本の顔ぶれは、やきものの文様、やきものの歴史に関する本などと並んで、日本の年中行事に関するもの、お祝いの文化に関するものなどが多々。大人になってから(というか結婚してから)、季節行事の愉しみを知ることになった、というところです。

ともあれ、3月になった=お雛さまを飾ろう!と気軽にできるありがたさ。季節の行事にまつわるもの・ことが生活のなかにあるのは、単純に楽しく、気分も華やぎます。

ところで、お内裏さまとお雛さまの並び方。どちらが右か左かの決まりは、地方によって異なるようですね。我が家では、その時の気分で(^^)