小説家追っかけ読書:坂東眞砂子さん。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

写真は、なんとなくイメージ。

小説家追っかけ読書:坂東眞砂子さん。

ここ数年の追っかけ読書。思い返せば小説家のスタートは原田マハさんだったのかもしれません。カズオ・イシグロ氏平野啓一郎氏ときて、ここ2~3か月は坂東眞砂子さんの著書を読んでいます。平野氏の著書については、まだまだ読めていないものがたくさんありますが、いったん休憩中。

平野啓一郎氏の著作を数冊読んで「文体」の妙にひっかかり、読み辛さをも含めた魅力を感じていたところでしたが、今読んでいる坂東眞砂子さんの著作については、それぞれの著書を覆う「民俗学的なもの」に惹きつけられています。

坂東眞砂子=映画化もされた小説『死国』。彼女の著書を読んだことが無かったにもかかわらず、そのホラーのイメージに引っ張られてずっと敬遠していました。ホラーとかオカルト、苦手なのです。

なんのきっかけだったか一冊手にとったところ、全編にわたる民俗学的な雰囲気に、びっくり。ご本人が自覚なさっていたかどうかは存じませが、読みながら「民俗」「民族」「土着」という言葉が何度も頭をよぎりました。民俗学的フィールドワークを思わせる世界観。

わたしがここ数カ月で読んだものは、第二次世界大戦の影が濃いもの、3.11の影が濃いものが複数あり、それらは著者晩年の作ばかりであることがわかりました。これらの著作のなかで、小説家だからこそできる社会に対する問いかけの方法を見せられました。小説の姿を借りて描かれることで、むしろ真に迫るということがあるのだろうな、と。

亡くなられたときまだ55歳であられたことに驚き、それまでに出された著作の多いことに驚き、イタリアでデザインを学びタヒチにも住んでいたという経歴に驚き。

少し時代を遡って読んでみたいと思います。