読書『マーガレット・サッチャー 政治を変えた「鉄の女」』(新潮選書)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『マーガレット・サッチャー 政治を変えた「鉄の女」』(新潮選書)冨田浩司著

「イギリスのことをもっと知りたい!」の気持ちがずっと続いていて、本を見つけては少しづつ読んでいます。図書館で新刊コーナーをチェックしていたところ、昨秋出たこの本を発見!

サッチャーさんといえば、わたしにとっては、70年代後半から80年代にかけての「イギリス・政治・女性リーダー」のアイコン的イメージです。彼女に対して自分が持っている表面的なイメージと、断片的な記憶を補足しようと手に取りました。

読んでよかったです。サッチャーさんのことを書くことはすなわち、戦後の現代史を紐解くことをも意味するのだと、分かりました。東西冷戦の時代の、なんとなく記憶に残っている、いろいろな事件の背景や、そのとき政治の世界でどういうことが起こっていたのかを、垣間見ることができました。

日本の小中高校での歴史教育が、近現代史にほとんど時間を割かないことはたびたび多方面で話題に上りますが、その一部分を埋めてくれる本の一冊だと思いました。レーガン(米)、コール(独)、ミッテラン(仏)、ゴルバチョフ(ソ)など、わたしの世代には耳なじみのある各国の政治家の名前が出てきたのも、読みやすさにつながりました。

そして、ここ数年なかなか落ち着くところの見えない英国のEC離脱問題についても、そこにいたるまでの時代の欧州とイギリスの関係を眺めることができました。

著者の冨田浩司氏は、外務省から研修留学と大使館勤務とで7年英国に滞在したという方。この『マーガレット・サッチャー』の前に『危機の指導者チャーチル』(新潮選書)を書いておられるとのことで、次に読むべき本が決まりました(^^)