「津屋崎千軒なごみ」で一人朝活。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。上の写真は津屋崎千軒のなかに数ある路地のひとつ。人一人やっと通れるところに、アジサイがきれいに咲いています。

「津屋崎千軒なごみ」で一人朝活。

2022年4月から指定管理者が変更となった「津屋崎千軒なごみ」。福津市津屋崎エリアの観光案内拠点です。運営者が変わるとこんなに変わるのね、な改革ぶりが目に見えて面白い今日この頃。オーナーは「市」なので、公的施設故の制約はもちろんありながら、そのなかでどこまでできるか!?公的施設だからこその利点をどう生かすか!?の気概を感じます。

さて地元民として「なごみ使い倒し」を企んでいます。花祭窯から徒歩3分にあるせっかくの施設、有効に活用したいもの。そのひとつとして試してみたのが「なごみ de 一人朝活」。なごみのオープンが朝9時なので、朝活と言うほど早朝ではありませんが。

月曜の朝、さほど人の気配がいたしませんでしたので、悠々と使えました。好きな場所に陣取り、スマホ片手に頭のなかのウォーミングアップ。公的な場所でのフリーWi-Fi環境整備が大幅に遅れている福津市内にあって、貴重で快適なWi-Fi空間です。現在のなごみスタッフの方々は、地元観光ビジネスについてのアンテナがとても高いうえ、グローバルな視点をお持ちの逸材揃いでおられます。おしゃべりをしつつ情報交換&意見交換&事務連絡。そうしているうちにカフェサービスがオープン(10-16時)したので、お茶タイム。この日は「桃のハーブティー」をいただきました。メニュー数は多くは無いものの、お茶も珈琲もさりげなくこだわりが感じられます。

席を立つ11時頃まで、人の出入りはさほどありませんでしたので、フリースペースでゆっくり一人ブレストできました。もし密閉空間が欲しいときは、和室を貸切ることも可能です。公的施設ゆえ、1時間当たりの賃料は数百円ととってもお得。平日午前中はそれほど混んでいないようなので、実際に出かけてみてから、気分や状況に応じて借りるのもいいな、と思いました。もちろん、複数人でのミーティングにも良さそうです。和室=畳ですので、ふだん椅子と机で仕事をしている方にとっては、目先が変わる効果もありそうです。

わたしにとって、ちょうどよい距離のところに、ちょうどよいスペースが出来ました。これからちょこちょこお世話になります。

ありがとうございました!『美の壺 File543「青と白の粋 染付の器」』アンコール再放送。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ありがとうございました!『美の壺 File543「青と白の粋 染付の器」』アンコール再放送。

昨年。藤吉憲典が取材協力し、本放送のあった『美の壺』。

「美の壺」から過去の名作回を選んで放送する「美の壺・選」アンコール再放送に「染付」の回が選ばれ、2022年6月4日(土)朝6:45~、6月9日(木) 23:00〜 、6月10日(金)12:30~と立て続けに放映されました。

今回の再放送・再々放送で初めてご覧になった方も少なくなかったようで、先週はお問合せもたくさんいただきました。誠にありがとうございました。なによりこのように素敵な映像を作ってくださったプロデューサーはじめ「美の壺」番組撮影チームの皆さんに、あらためて感謝する機会となりました。

来月の黒田陶苑さんでの個展にも、染付をたくさんお持ちする予定です。写真は、個展用に先日窯から上がったものの一部。どうぞ楽しみになさってくださいね!

銀座黒田陶苑さんの「藤吉憲典 個展」案内状が届きました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

銀座黒田陶苑さんの「藤吉憲典 個展」案内状が届きました。

久しぶりの黒田陶苑さんでの個展です。ダンナ・藤吉憲典は、まさに個展用の新作をどんどん作っている最中。「-なつ そめつけ-」と、タイトルに入れていただいておりました。7月の開催ですので、染付の涼やかな感じがちょうどよい季節です。もちろん、赤絵(色絵)の作品も、染錦の作品もご覧いただけます。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展

藤吉憲典 個展 -なつ そめつけ-
2022年7月16日(土)-7月21日(木)(※18(月)は定休日)
午前11時-午後7時
銀座黒田陶苑 アネックス
東京都中央区銀座6丁目12-14銀緑館2F
TEL03-3571-3223


DMご希望の方には、6月末からお届け予定です。どうぞお楽しみになさってくださいね!

ロックの日は花祭窯創業日-次の四半世紀へ-26年目に入りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ロックの日は花祭窯創業日-次の四半世紀へ-26年目に入りました。

おかげさまで花祭窯は次の四半世紀へとスタートいたしました。続けて来たというよりは「やめなかっただけ」ではあるものの、やめるという選択をせずに来れたのは、ひとえに支えてくださる方々のおかげです。創業以来、ほんとうにたくさんの皆さんに助けられて参りました。ありがとうございます。

なんの後ろ盾もないダンナが陶芸家などという職業を続けて来れたのは、冷静に考えるほどに驚異的なことで、おかみとしては25周年はなにか記念的なことをすべきなのかしらなどとも考えたのですが、結果として、いつものように淡々と仕事をする記念日となりました。一つの通過点に過ぎず、いまだ目指すステージがいくつも頭上にあると思えば、これもまた、わたしたちらしいと思います。

ただ昨年来、NHKBSプレミアム『美の壺』の染付の回で取り上げていただいたり、福岡アジア美術館で初の「純粋に観覧いただくのみ」の展覧会を開催したり、コロナ禍を経てロンドン個展が再開の運びとなったり、ここまで続けてきたことに対して、周囲の環境がお祝い・応援してくれている気配を強く感じています。ありがたいことですね。

次の25年後には、前の25年よりももっと大きな進歩を遂げることが出来たと胸を張って言えるように、頑張りたいと思います。磁器作家・藤吉憲典ならびに花祭窯を、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!

読書『中原中也全詩集』中原中也(角川ソフィア文庫)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『中原中也全詩集』中原中也(角川ソフィア文庫)

久しぶりに中原中也。初めて中原中也の詩にふれたのは、小学生低学年の頃だったと思います。おそらく教科書に詩が載っていたのだと思うのですが、今となっては定かではなく。ただただ「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」にノックアウトされたのが、最初の出会いです。

その後、中也に執着していたわけではありませんでしたが、進学した大学が「湯田温泉」にありましたので、どうしたって「中原中也」の影が見え隠れするのです。まあ、それを言ったら「種田山頭火」もそうなのですが。30年ほど遡る当時「金子みすゞ」は実は現在ほどメジャーではなく。これは、金子みすゞについての本を読むとどういうことかすぐにわかりますので、また別の機会に。とにかく湯田温泉の街を歩いていると、中也や山頭火の気配がするというのは、面白いものでした。山口という場所はとても不思議なところで、わたしは大好きです。

さて大学を卒業後はまたしばらく中也のことは忘れていましたが、思い出させてくれたのが、息子の誕生。『にほんごであそぼ』です。NHKのEテレ子ども向け大人気の同番組。そのなかに「サーカス」「よごれちまった悲しみに」など、中也の詩がいくつも出てきて久しぶりに再会したのでした。

と、個人的に十数年周期で中原中也の詩を読んできたところへ「全詩集」があるという話を聞いて、飛びついたのがつい先月のことでした。上の写真は、中也の写真としてはあまりにも有名なもので、本書の表紙です。それにしても、いつ見てもアップに耐える美形ぶり。肝心の「全詩集」は厚さ3センチを超えるずっしりとした文庫で、まあ、読みごたえもばっちりです。

ざっと全編読んでみて思ったのは、わたしにとって響く詩は、昔も今もあまり変わらないということ。「サーカス」「汚れちまった悲しみに…」「生ひ立ちの歌」「早春の風」「湖上」「一つのメルヘン」「また来ん春…」「月夜の浜辺」。

未発表の詩もたくさん載っているのですが、これはどうなのかな、と思いました。この手のモノを読むときにいつも思うのですが、故人には選択権が無く、ただ、まだ出すべきでないから未発表だったのではないかしらと思うと、読んではいけないような気がするのです。と思いつつ、目を通してしまいましたが。

巻末の大岡昇平による「中原中也伝」が読み応えありました。

この時期になると何か植えたくなる。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーター

この時期になると何か植えたくなる。

なぜなのかはわかりませんが、木々の緑、生命力がみなぎってくる、そんな季節だからなのでしょうね。昨年一昨年は、空心菜の種を蒔いていました。その前にはプチトマトを植えたこともありました。今年は、何か植えたいな~!とつぶやいたらご近所さんが「ゴーヤと青じその苗、要りませんか?」と声をかけてくださったので、遠慮なくいただくことに。ありがとうございます!

そもそも花祭窯の小さな露地は、狭いながらも「日本庭園」ですので、野菜を植えるのはNGです。隅っこの日がほとんど照らないところに、ほんのちょっぴりお野菜スペースを作っていますが、シソの苗5つも植えたら、もう一杯。ゴーヤは駐車場わきのフリースペース(!?)に植えてみました。ここは日当たりが良く、低い塀が網状になっているので、ゴーヤの蔓が伸びていくには最適かもしれません。

↑ゴーヤと、↓シソ。

どちらも繁殖力が強く、丈夫に育つという評判ですので、ずぼらなわたしでも元気に育ってくれることでしょう。毎日伸び具合をチェックするのが楽しみな今日この頃です。

梅雨のはしりの花祭窯の庭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

梅雨のはしりの花祭窯の庭。

花祭窯の小さな露地では、柘榴の木に初めて花がつきました!と書いたのは、ついひと月ほど前のことでした。その後次々に花がつき、嬉しくてやや興奮気味(笑)。そのザクロの花も、ふだん下から気を見上げていると、なかなか花がついているのに気がつきにくいのですが、2階の縁側から見下ろすと良く見えるのです。

というわけで、今回は2階から眺めた露地の様子を撮ってみました。

柘榴の木。葉っぱも新芽が赤いので、ちょっと紛らわしいのですが、ところどころに鮮やかな赤が見えるのが、ザクロの花です。

花の近くによると、こんな感じです。

南天の花も、今が満開。この感じだと、今年はたくさん実がつきそうです。

花桃の実も見事についています。毎年「食べれるのかしら」と思いつつ、試したことがありません。

ドクダミの花。そろそろドクダミチンキづくりです。

わたしの読書ベスト30-ひとことコメントその4。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

わたしの読書ベスト30-ひとことコメントその4。

先日張り切ってアップした「わたしの読書ベスト30-小説編。」。3回にわたって各タイトルへの「ひとことコメント」を書いて参りましたが、ついに今回ラスト30位までです。


24.ミザリー(スティーヴン・キング)
25.ハプスブルグの宝剣(藤本ひとみ)
26.イタリア・ルネッサンス(塩野七生)
27.手袋を買いに(新美南吉)
28.おおきなかぶ(ロシア民話)
29.蜘蛛の糸(芥川龍之介)
30.ジキルとハイド(スティーヴンソン)

『ミザリー』といばキャシー・ベイツ。映画が先でした。小説で読み直したのは、ずいぶん後になりましたが、映画で抱いたイメージが変わることはなく、違和感なく読み終わりました。ストーリーがわかっていても、小説は怖かった。小説の方が自分の脳内でイメージが膨らむので、怖さが倍増するということもあるかもしれません。

勝手に「藤本ひとみ祭り」と称して読んだここ数年でした。どれもこれも面白かったのですが、どれか一つと言われたときにパッと浮かんだのが『ハプスブルグの宝剣』。藤本ひとみさんの数ある著書のなかで、「男性が主役で格好良い」的なパターンが少ないなか、やや異彩を放つ一冊。個人的にはぜひ映画化してほしいと思っています。

そして、やっと塩野七生さんの本を読了できた!わたしにとって記念すべき『イタリア・ルネッサンス』シリーズ。シリーズ4冊「1 ヴェネツィア」「2 フィレンツェ」「 3 ローマ」「4 再び、ヴェネツィア」全部通して読んで欲しい本です。とにかく美しく、時間と空間を超えて旅をしたような読後感がたまりません。

続いて『手袋を買いに』『おおきなかぶ』と絵本2冊。絵本は自分が小さいときに読んだもので、息子が生まれたときに読み聞かせたいと思い、実際に再読したものがたくさんあります。『ぐりとぐら』だったり『ミッフィー』だったり、挙げはじめればきりがありません。そんななか、登場人物(と、狐)と一緒になってものすごくハラハラして、ラストにグッとくるのが『手袋を買いに』『おおきなかぶ』なのです。

ベスト30の最後に近くなって、『蜘蛛の糸』を思い出しました。これはわたしにとっては小説というよりは、お説教的なものでありました。最初に読んだのは小学低学年の頃だったと思います。「本を読んですごく考えさせられた」体験のかなり初期にあったものでした。芥川龍之介の本は、ほかにももっとあったはずですが、パッと思い出せませんでしたので『蜘蛛の糸』一択です。

最後に『ジキルとハイド』が滑り込み。「ジキルとハイド」的なものは、10代後半から20代前半のころ、個人的にかなり関心の高かった分野でした。ドロドロとして根源的なもの、人の本質を感じさせるテーマであり、当時も今も「あるよなぁ」と思わされるのです。


いやぁ、面白い振り返り。ちょっとした、自分の棚卸になりました。また何年後かに、ベスト30出し直してみたいと思います。

わたしの読書ベスト30-ひとことコメントその3。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

わたしの読書ベスト30-ひとことコメントその3。

先日張り切ってアップした「わたしの読書ベスト30-小説編。」。その後、あれも入ってない、これも入れ忘れたと続々とベスト30候補のタイトルが思い出され、心のなかで謝罪している今日この頃です。一度書き出したことによって、記憶の奥底にあるものがのそのそと出てくる面白さを感じています。

本日はひとことコメント16位から23位まで。


16.サロメ(原田マハ)
17.サロメ(オスカー・ワイルド)
18.恋(小池真理子)
19.バックミラー(星新一)
20.妊娠カレンダー(小川洋子)
21.変身(カフカ)
22.15の夏(佐藤優)
23.蟹工船(小林多喜二)

同じタイトルの『サロメ』、わたしは原田マハさんの『サロメ』を読んでから、続けて本家本元のオスカー・ワイルドを読みました。この順番は、わたしにとっては正解でした。マハさんのストーリーでオスカー・ワイルドその人への興味が高まったところで本人の書いた本を読むことで、行間の深読みが出来たような気がします。

小池真理子さんの本は、実はほとんど読んでいません。最初に(たぶん最初だったと思います)読んだ『恋』のおどろおどろしさに、もういいかな、と思っちゃったのですね。一冊で、小池真理子ワールドお腹いっぱい。ただ、読んでいる最中は本を閉じることが出来ずに、一気に読んだのを覚えています。

星新一さんにハマったのは小学生の時。学校の図書室にあったのだと思います。短編集を読み漁っていました。彼の描くSF的世界観は、ときにコメディチックで面白く読めるものがほとんどであった印象なのですが、ときに振り返って空恐ろしくなるようなものもありました。数あるショートショートのなかで心に残っているのが『バックミラー』。この世界観のイメージは、いまだにカラー版で脳内再生されます。

つづいて小川洋子さん。『博士の愛した数式』ももちろん読みましたし、興味深いお話ではありましたが、わたしのベストは『妊娠カレンダー』。ママレードを大量に作り続けるくだりがなんとも気持ち悪く、それでいてなぜかわかるような気もして、そんな自分をも気持ち悪く思いながら読んだのでした。

カフカの『変身』を初めて読んだのは、10歳ごろだったと思います。「朝起きたら巨大な虫になっていた」という設定は、比喩的なストーリーとしてではなく、奇妙なリアリティをもって迫ってきました。とても他人ごととは思えず、「自分がそうなった時」を想定しながら読んでいました。大人になったあとも何度か読んでいますが、初めて読んだ時のような恐怖は無く。

『15の夏』は、私小説と位置付けて良いのかな、と思いつつランキングに入れました。知の巨人・佐藤優氏の本は何冊も読んでいますが(読んでも読んでも追いつきませんが)、実用書が圧倒的に多いなかにあって、一層この本の輝きを感じます。いろいろな意味で新鮮さを感じた本でした。

そしてなぜかここにランキングした『蟹工船』。「日本のプロレタリア文学の代表作」とされますが、プロレタリア文学のなんたるかは、わたしにとってはよくわかりません。ただただ、蟹工船の吐き気をもよおすような痛み・苦しみだけが印象に残っています。あ、そういう意味では『あゝ野麦峠』も同じです。こう考えると、日本の文学作品からのベスト30入りがもっと出てきそうです。


さあ、次回で30位までのコメントが揃います!

↓1位から5位までのコメントはこちら↓

↓6位から15位までのコメントはこちら↓

わたしの読書ベスト30-ひとことコメントその2。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

わたしの読書ベスト30-ひとことコメントその2。

先日張り切ってアップした「わたしの読書ベスト30-小説編。」。ベスト30をアップしてから、こうして数日たってくると、さらに『注文の多い料理店』が入ってなかった!『雨ニモマケズ』も失念してた!となり、自分に呆れております。実のところ『注文の多い料理店』は、必須でした。

とりあえず、1位から5位までのひとことコメントその1を出しましたが

本日は、6位から一気に15位まで。


6.グレート・ギャッツビー(フィッツジェラルド)
7.神の火(高村薫)
8.黄金を抱いて翔べ(高村薫)
9.照柿(高村薫)
10.人間失格(太宰治)
11.お父さんのバックドロップ(中島らも)
12.優しくって少しばか(原田宗典)
13.ひとまねこざる(H.A.レイ)
14.風にのってきたメアリー・ポピンズ(P.Lトラヴァース)
15.超老伝-カポエラをする人(中島らも)

『グレート・ギャッツビー』も、わたしのなかの「読んでいなかった名作を」シリーズです。この切なさ、狂気、登場人物の「ダメさ加減」への共感は、先述の『アンナ・カレーニナ』に近いものがあります。

7.神の火8.黄金を抱いて翔べ9.照柿高村薫。大阪でサラリーマンをしていたころの上司が「このハードボイルドがおすすめ!」と教えてくれたのをきっかけに、はまりました。このあと『マークスの山』や『レディ・ジョーカー』などが出てくるのですが、わたしのなかでは、特に初期の『神の火』『黄金を抱いて翔べ』の2冊が最高傑作です。ひとつには、当時法人営業職で歩き回っていた大阪のビジネス街のこと細かい描写と、大阪の特定のエリアがもつ陰鬱で怪しい雰囲気が、まさに日々目にしていたそのままで、たまらなかったのですね。

『人間失格』。ほんとうはこの本は1位なのかもしれないのですが、1位に入れるのが癪なので、10位にもってきました。小学校高学年から大学生の頃までほぼ毎年、繰り返し読んでいたと思います。読むたびに自分の受け取り方が変わるのが面白かったのです。太宰=ダメ男のイメージはずっと変わりませんが(笑)。

中島らもは『お父さんのバックドロップ』『超老伝-カポエラをする人』。らもも一時期読みまくりましたが、わたしにとってのベストはこの2冊です。切なくて涙が出てくる前者と、笑い過ぎて涙が出てくる後者。どちらも「らも」そのものです。

30年ほど前によく読んでいた原田宗典が、ここ数年読みまくっている原田マハと兄妹であるという衝撃の事実を知ったのは、つい先日のこと。わたしにとって原田宗典といえば『優しくって少しばか』なのです。

絵本『ひとまねこざる』は、シリーズがたくさん出ていますね。わたしが幼少期読んでいたのは『ひとまねこざる』『ひとまねこざるときいろいぼうし』『じてんしゃにのるひとまねこざる』の三冊。単純に「カワイイ」とだけ言ってはいられないおさるのジョージのキャラクターが好きでした。

実のところ『風にのってきたメアリー・ポピンズ』は、わたしにとってオカルト的な本でした。ちょっと怖い、気持ち悪い、だけど目を離すことが出来ない…という感じ。指をポキポキと折って、飴として子どもたちに与える場面など、とても恐ろしく。挿絵は素敵なのですが、頭のなかでイメージする場面は生々しかったものです。


今回は同じ著者のものが複数含まれましたので、一気に15位までコメントで振り返ることが出来ました。30位まであと2回くらいでできそうかな、と思います♪