津屋崎陶片ミュージアム:H290616なまやけ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

津屋崎陶片ミュージアム:なまやけ。

漢字で書くと「生焼け」。つまり、ちゃんと焼成できていなかったもの、ですね。

津屋崎陶片ミュージアム

見込に山水文を描いた皿でしょうか。あるいは浅めの小鉢。絵がずいぶんと簡略化されています。素朴と言えば素朴ですが。裏には文様がまったくなく、銘もついていません。量産品だったのかしらと思われます。

最初、土ものかな、と思いました。色合いとニュウ(ヒビ)の入り方が、萩っぽいなぁ、と。でも、絵付は伊万里っぽい。で、どうやら磁器の生焼けかな?と。

磁器を窯で焚くときに、酸化焼成と高温での還元焼成という方法があります。「生焼け」は酸化焼成で焼いた場合にでやすいのだそうです。他にも呉須の青色が鮮やかに明るい色に上がる、生地がやや黄味がかった色合いになる、などが酸化焼成した場合の特徴としてありますが、いずれも焼成温度が低かったり、時間が短かったりと、しっかり焼けていないときにあらわれやすい特徴なのだそうです。

ちなみに還元焼成をすると、より硬質な磁器に焼きあがります。花祭窯では、本窯焼成は必ず還元をかけています(^^)

 

津屋崎陶片ミュージアム:H290615蓋ものいろいろ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

津屋崎陶片ミュージアム:蓋ものいろいろ。

江戸中期~後期の蓋ものの、蓋。

家庭の料理で「蓋もの」を使って出す機会がどんどん減ってきている昨今です。が、こういうものを見ると、やっぱり蓋ものいいな、かわいいな、と思うわけです。

津屋崎陶片ミュージアム

写真向かって右側は、瓢箪(ひょうたん)の実と蔓(つる)、葉っぱがいい感じに描かれています。蓋ものに限らず古伊万里によく見る文様の題材です。ひっくり返して内側を見ると、口縁部は墨弾きで○×。見込は瓢箪の蔓を描いているようです。全体にやわらかい筆遣いで、なんとなくユーモアも感じる文様の組み合わせが魅力的ですね。文様がきちんと丁寧に描かれていることから、江戸中期のものではないかと推測。

津屋崎陶片ミュージアム

一方左側は、間取に獣面の組み合わせでしょうか。間取の窓のなかに描かれているのは山水(さんすい)文が簡略化されたもののようにもみえます。つくり手・藤吉憲典の解釈は、龍の文様にいろいろと装飾がついたものではないかと。年代別文様事典を見ていると「唐花」とされている文様にも似ているようです。

こちらはひっくり返すと口縁部の縁地文に雷文様と呼ばれる卍の変形のような地文、見込には松竹梅。地文も松竹梅もかなり崩れてしまっていますが(^^;)外側の文様と内側の文様とで、ずいぶんと雰囲気が異なる器です。

表も裏も、職人さんによって、文様から文様へと意味を考えずに描き継がれているうちに、原形をとどめず訳が分からなくなっている状態、というのが一番正しい解釈かも知れません。たくさん描きこんであって面白くはありますが、雑な絵付だとやっぱり少し残念です。こちらは「雷文様」と粗雑な絵付から、江戸後期かなぁ、と推測。

津屋崎陶片ミュージアム

こういう、仕事ぶりまでもイメージできる楽しさがまた、陶片の面白さです。

読書『経営者のためのリベラルアーツ入門』

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

現在読んでいる本は、

『経営者のためのリベラルアーツ入門』高橋幸輝(かんき出版)

このところの読書の流れで「宗教概要」→「世界史」と来た結果、その時代時代の「哲学」を少しは学んだ方が理解しやすいよね、ということがたくさん出てきました。

そういえば、大学1年目の教養学部の時に、哲学の担当教授が「デカルト」を研究しているマニアックな先生で、とても面白かったのを今でも強烈に覚えています。

さて哲学の本を読んでいくにしても、どこから手を付けたらいいのかしらと思ったときに、指南書として見つけたのがこの本でした。

本屋さんで「世界史」の本を探した時も感じたのですが、今回も学生向けではない「リベラルアーツ」という切り口の本が思いのほかたくさんあったことに、多少の驚きを感じました。しかも最近出ているものがたくさん。この『経営者のためのリベラルアーツ入門』も2016年3月第一刷です。もしかしたらちょっとブームなのかもしれませんね。

正直なところ、リベラルアーツってなに?とその正体がぼんやりしていましたが、この本によると「豊富な学問、教養」であり、それをもとに「どう考えるか、どう感じるかが重要」ということのようです。

そして、学ぶべきたくさんの分野のなかから、この本では「哲学」「文学」に絞りこんでわかりやすく推薦してくれています。この本を読みながら「次に読みたい本リスト」にまたどんどん名前が増えています(^^)

 

 

 

花祭窯は20周年を迎えました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

6月9日ロックの日は創業日。

花祭窯は20周年を迎えました。

ありがとうございます。

ずっと、周年祭というのをしたことはなかったのですが、17年目のときに、ふとここまで続けてこれたことの感謝を表したいと思い、開窯記念にお茶をお出しするということをはじめました。

20年続いたというよりは、20年あきらめずに今に至っている、というのが実感です。

それでも20年続けてくることができたのは、いろんな方がいろんな形でサポートしてくださったおかげであることを痛切に感じています。ダンナもわたしも、ほんとうに感謝の気持ちでいっぱいです。

まだまだ道半ば。「花祭窯を応援してきてよかった」と思っていただけるように、全力で取り組んで参ります。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

イタリアに思いをはせてみた。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

イタリアに思いをはせてみた。

福岡県の出先機関である福岡アジアビジネスセンターが開催した「欧州ビジネス相談会」に参加してきました。名前に「アジア」とついていますが、アジア地域以外についてもフォロー体制があり、海外展開においてアドバイスを求めたいとき、気になるセミナーがあるときなどに、ときどきお世話になっています。

今回は、イタリアの専門家として福岡で仕事をしている方と、イタリアからいらっしゃっている女性に、いろいろとお話を聞くことができました。

彼女たちと話をしていて、とても感動した言葉がありました。

「わたしたちイタリア人は、生活の基盤に芸術を欲しているのです」

彼女たちはアート関係の仕事をしているわけではなく、彼女の話し方からも、それは特別なことではなく、イタリアはそんな国なのだという誇らしさを感じました。

その後も「手づくりの一点もの」に高い価値を置く、「アルティスタ・アルティザン(感性と技術力を持ち合わせた芸術家)」が尊敬を集めるなど、ワクワクするような言葉が続き、これはぜひイタリアに行かねばと思いをはせたのでした。

 

今こそアートが重要。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

今こそアートが重要。

今朝、ロンドンのギャラリーオーナー・ジェリーから届いた言葉です。

いつどこでなにが起こるかわからない不安な状況のなかで、今こそ人々の心の拠り所としてアートが必要なのだと、それが本来アートの持つ力だと教えてくれました。

遠くからでも、ほんの少しでも、わたしたちにもできることがあるのだと信じることのできる言葉でした。

 

藤吉憲典陶展、無事終了いたしました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

西麻布・桃居さんでの「藤吉憲典 陶展」無事会期を終了いたしました。

7回目となりました桃居さんでの個展。初日からたくさんのお客さまがお越しくださり、初日~2日目と在廊していたダンナ・藤吉憲典も、たくさんの方とお話しすることができたと喜んでおりました。

ご来場くださいました皆さまに、心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

今回実はつくり手は「かなり偏ったマニアックな品揃え」となってしまったことを少し心配しておりましたが、会期終了後に桃居のオーナー広瀬さんから、良い展示であったという声が各方面から届いたと嬉しいご連絡をいただき、ホッとしたのでした。

次回はまた1年置いて2019年に桃居さんでの個展機会をいただいております。

今回も在廊中に、桃居オーナーの広瀬さんと、つくり手藤吉憲典はたくさん話をしたようです。次回個展はまた少し思いきった内容になるかもしれません。精進してまいりますので、どうぞご期待くださいませ。

 

古九谷(こくたに)様式。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

本日5月26日(金)初日を迎える、東京西麻布の桃居さんでの「藤吉憲典 陶展」。見どころのひとつとして楽しんでいただきたいのが、

古九谷(こくたに)様式。
現代に藤吉憲典がつくると、こうなる。

先日のブログでご紹介した「柿右衛門様式」と同様に、

5月26日(金)は桃居さん個展初日。

「古九谷様式」を現代に解釈した器もぜひご覧いただきたいのです。

ともに赤絵(上絵)の技法ながら、鮮やかで華やいだ柿右衛門様式に対して、渋く滋味深い古九谷様式。この表現方法の幅広さに、日本人の感性の豊かさを感じます。

実は古九谷様式の色遣いは、アート作品にも取り入れていました。

藤吉憲典 サイ

古典的な古九谷様式からアート作品へ、そして食器へと戻ってきたらこうなった(トップ画像のマグカップ)。というわけです。

お時間ありましたら、ぜひお立ち寄りくださいませ。


藤吉憲典 陶展

2017年5月26日(金)~5月30日(火)
11時~19時(最終日17時まで)会期中無休

桃居(とうきょ)
東京都港区西麻布2-25-13
TEL03-3797-4494

 

 

【読書】『世界全史「35の鍵」で身につく一生モノの歴史力』

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

【読書】『世界全史「35の鍵」で身につく一生モノの歴史力』

先日、『池上彰の世界の宗教が面白いほどわかる本』を読んだところでしたが、

読書『池上彰の世界の宗教が面白いほどわかる本』

同じタイミングで購入した『世界全史「35の鍵」で身につく一生モノの歴史力』。ロンドンのギャラリーでお客さまと直接お話しする機会に恵まれ、なんとか会話を交わすなかでわたしが感じたこの機会に世界史と宗教のことを、勉強しよう」の流れで見つけた本です。

世界史を学びなおすというのが今ブームなのでしょうか。あるいは今まで自分が目を向けていなかっただけのことかもしれませんが、本屋さんに行くと学習参考書だけでなく世界史の本がかなり多岐に存在することに気がつきました。

あまりにたくさんあるので、実際にページをめくったりネットで書評を調べたり、本選びに少々時間をかけました。で、もうすぐ全部読み終わるところなのですが、この本にしてよかった!と思っています。

本の「はじめに」で著者・宮﨑正勝さんが「普通の市民やビジネスパーソンに世界史を伝えるにはどうしたらいいのか、試行錯誤を繰り返してきました。」と書いておられますが、その結果としてできたというこの本は、興味深くサクサク読める世界史でした。

巻頭と随所に図版・地図が豊富に載っているのも、世界の地理・地勢・地名が頭に入っていないわたしにとって、確認しながら読み進められるので非常に便利です。学びなおしの最初にこの本に出合えたのは、とってもラッキーでした。

読んでつくづく感じたのは、宗教への理解を少しでも広げようと思ったら、世界史と地理の学び直しが必須だなぁ、ということでした。

宗教と世界史については、ほかにも本を物色してみようと思います(^^)

 

5月26日(金)は桃居さん個展初日。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

5月26日(金)は桃居さん個展初日。

2005年から1年おきにお世話になっている西麻布の桃居さんでの個展。藤吉憲典にとって、毎回が挑戦の機会です。


藤吉憲典 陶展

2017年5月26日(金)~5月30日(火)
11時~19時(最終日17時まで)会期中無休

桃居(とうきょ)
東京都港区西麻布2-25-13
TEL03-3797-4494


桃居のオーナー広瀬さんが今回個展案内状用に選んでくださったものは、柿右衛門調(様式)の酒器でした。柿右衛門といえば国の重要無形文化財であり、佐賀有田の柿右衛門窯で代々継がれているものです。でも「柿右衛門」という様式は、柿右衛門窯だけのものではありません。

藤吉憲典陶展2017桃居

染付と赤絵の技とともに余白の美が見どころとなる柿右衛門調。ダンナに聞くと、ぎっしりと描き込むタイプの絵付よりも、余白をいかに生かすかが問われるデザインのほうが、より神経を使うのだそうです。

今回の「藤吉憲典 陶展」での見どころのひとつは、間違いなくこの柿右衛門調の器。様式のひとつですから、他のいろいろな様式と同様、以前からよくつくってはいましたが、今回は特に力が入ったものができたようです。

柿右衛門様式、藤吉憲典がつくるとこうなる。

ぜひご高覧下さいませ。