年末に、ご飯茶碗とお椀を新しく。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

年末に、ご飯茶碗とお椀を新しく。

今年はご飯茶碗を二つも割ってしまいました。恥ずかしながら、我が家で一番割るのはわたしです。たいていは洗い物をしているときに、うっかり手を滑らせて…というパターン。ただ自分用のご飯茶碗は、結婚以来割ったことがありません。無意識が働いているのでしょうか、不思議なものです。

そんなわけで、お正月を前にダンナと息子の飯碗を新調することに。「次に飯碗を作るときは、うちの分もお願いします」と、ダンナにお願いしておりました。食器を作って売る商売ではありますが、自宅用はついつい後回しになってしまいます。数日前に、今年末最後の窯ででき上がりました。

上の写真は、いくつかの選択肢から息子が自分用に選んだ「染付菊花文飯碗」。作り手はもちろん、藤吉憲典。こういうことが当たり前にできるのは、仕事柄の贅沢ですね。ダンナに感謝です。審美眼とまで言わずとも、「これが好き、これがいい」と、自分の使うものを自分の目で選ぶ力をつけることは、実は生きていくうえで大切なことなのではないかと、わたしは思っています。

さて我が家の食卓は「ご飯と味噌汁」が基本なので、飯碗と汁椀は一年中フル稼働。一番大切な器、食卓の中心になる器です。少しキズが気になっていた塗の椀も、この際だから新調することにいたしました。塗り物は、塗りなおしなどで修復できるのが魅力ですが、修理もまた時間のかかる仕事ですので、もう一組予備があれば万全です。

磁器以外の器は、お取引先の器やさんや、知り合いの作家さんのところから買うことが多いです。仕事柄、信頼できるお店や作り手さんを知っているのは、こういうときに助かります。足を運べないときは、まずはお取引先のオンラインショップを拝見して、写真と文章で探し物をするのが常。今回は、大阪の暮らし用品さんが扱っておられる安比塗の素敵なお椀を、手に入れることができました。

安比塗の椀(暮らし用品さんにて)

お正月に、新年に新しいものをおろすのが本来なのかもしれません。でもせっかく手に入ったもの、一日でも眠らせておくのはもったいない!ということで、年末にさっそく使い始め。お気に入りの飯碗と汁椀があれば、毎日のごはんがますます楽しいことを、改めて感じている年末です。

本日は弁当の日。

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本日は弁当の日。

せっかくつくったお弁当の写真を撮るのを失念しておりましたが…。本日は、息子の通う中学校で「弁当の日」です。ここ福津市内の公立小中学校では、数年前から「弁当の日」が行われていて、我が息子も小学校の高学年の頃から張り切って作っています。そういえば一昨年にも「弁当の日」でブログを書いていました^^

今年は弁当の献立に使う食材の買い物から一緒にすることに。近所のスーパーに行って、食材物色。献立が先に決まっているので、買うものは明確です。ひとつひとつ、手に取りながら値段を確認。想定していたものが無いときは、代替となるものを探すなど、柔軟に対応できるようになってきました。

レジを通った後の息子の一言は「けっこう高くなっちゃったね」。そのことに気づいてくれただけでも良いことです。「毎日お弁当を作るようになったら、献立ありきじゃなくて、食材ありきで考えると、コスパが良いのだよ」と返しつつ、「弁当の日はイベントだと思って、いいんじゃない」とフォローすると、「うん、わかってる」と。

ハンバーグをつくるというので、前の晩からの仕込みを行うかと思いきや、朝早く起きて作るということで、いつもより1時間早く起床。母たるわたしとしては、今回はできるだけ手を出さずに、なんとか時間内に完成させるべく、助言係に徹しました。1時間後、無事に本人のイメージ通りのお弁当が出来上がりました。

高校生のお子さんがあるお友だちとおしゃべりしていたときに、「うちの子は毎朝自分でお弁当つくって持っていくよ」と聞き、そういえば、自分の高校時代はあたりまえのように親が作ってくれていたけれど、「自分で作る」という選択肢もあったのだと今更ながらに振り返ったことを思い出しました。

お弁当をつくる子どもだけでなく、そこに関わる親にとっても学びのある「弁当の日」です。

昨日は冬至だったので。

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昨日は冬至だったので。

二十四節気のひとつ、冬至。晩御飯にはかぼちゃ(南京/なんきん)を添え、お風呂には柚子を投入しました。前日に友人が柚子を届けてくれたので、明日はもう冬至だ!と気づいたのでした。冬至と言えば、子どものころから「昼が一番短い」とか「柚子湯」とか「かぼちゃを食べる」とかのイメージです。かぼちゃについては、名前の前後に「ん」のつくものをいただくと良いのだということですね。友人のおかげで、冬至らしい晩を過ごすことができました。

最近は、冬至と言えば「一陽来復(いちようらいふく)」という言葉を聞くようになりました。これは中国の『易経』に載っている言葉だということですね。中国では冬至を暦のはじまりと位置づけ、「冬至節」を祭る儀式は重視されていたということです。秋分以降、次第に短くなってきた昼の時間が、この日を境に反転して伸びていくので、「太陽の復活の日」と位置付けられていると。

こんなふうに、暦にまつわる行事があるとき、いつもわたしが引っ張り出すのが、『和のしきたり 日本の暦と年中行事』(日本文芸社)です。国立歴史民俗博物館教授(当時)新谷尚紀先生の監修です。事典的な使い方ですが、開くたびに新しい発見があります。

そして巻頭の「はじめに」に書いてある一文が、いつも心に刺さります。曰く


各世代が捨ててしまわなかった「しきたり」や「習わし」には、世代を超えた生活の知恵や技の結晶が詰まっています。(『和のしきたり 日本の暦と年中行事』日本文芸社より)


時を経ていつ捨てられてもおかしくなかったものが、受け継がれてきているということの妙に、思いを馳せる冬至でした。










読書『雑煮365日 お椀ひとつで一汁一菜』(NHK出版)

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読書『雑煮365日 お椀ひとつで一汁一菜』(NHK出版)松本栄文 著

週末農業をしているお友だちが、もち米を届けてくれました。我が家の年末の餅つきは「餅つき機」が大活躍。人手が必要なのは、お餅を丸める作業ぐらいですので、楽ちんです。今年はいつもよりたくさんお餅を作ろうかな、と思っていたところに、図書館で発見したのが、本書。

料理研究家の土井善晴さんが『一汁一菜でよいという提案』で「ご飯を炊いて、お味噌汁さえ作ればOK」と説いて、世の台所を安心させてくれたのは、もう4-5年前のこと。具沢山のお味噌汁はそれだけで立派におかずを兼ねるという考え方は、経験的に「そのとおり!」と思っていても、「手抜き」の反論を恐れれば口に出しにくいものでもありました(笑)。そこに「料理研究家の土井善晴」氏のお墨付きが付いたのですから、万々歳。

さて本書『雑煮365日』は、言ってみれば「おかずを兼ねる具沢山の味噌汁(汁物)に、さらに餅が入る」という提案です。お餅はいわば「ご飯」ですから、「ごはん・味噌汁・おかず」が「一椀」で完了する優れものということ。これは確かに魅力的ですね。さっそく中を見てみますと、春夏秋冬の旬の食材を使ったメニュー紹介に始まり、一月から十二月まで、各月一日から末日までの雑煮献立がほんとうに載っています。これはすごい。

個人的に「これは絶対作って食べてみよう!」と思ったのは、「鍋焼き」「かき玉」(春)、「鶏つみれ」「鰻とかいわれ大根」(夏)、「みぞれいくら」「薄揚げと九条ねぎの南蛮」(秋)、「豚汁」「白菜と牛しゃぶ」(冬)。

お餅をついたら、さっそくチャレンジしてみようと思います^^

豆皿に羊羹(ようかん)。

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豆皿に羊羹(ようかん)。

先日読んだ、「酒と肴まつ」さんによる『豆小皿料理一〇一銭』(秀和システム)に触発されて、ふだん食卓で何気なく使っている小皿豆皿を、料理の載っている状態で撮って残していってみようと思い立ちました。とはいえ、ふだんからあまりにも当たり前に使っているため、気が付けば食事が終わり「あ!撮るの忘れた!」のオンパレード。まあ、一日三食、おやつを入れたらそれ以上に機会がありますので、気長に撮ることにいたします。

食事のタイミングだとバタバタしがちですが、おやつは比較的気持ちに余裕があり、最初の一枚は羊羹となりました。

村岡総本舗の切り羊羹(紅練)/染付霊芝文小皿 藤吉憲典

染付霊芝文小皿 藤吉憲典
村岡総本舗の切り羊羹(紅練)/染付霊芝文小皿 藤吉憲典

佐賀県小城市は羊羹の町。花祭窯が佐賀にあったときは、小城市内の羊羹屋さんを制覇すべく、毎週末のように羊羹やさんに足を運んでおりました。羊羹、お店によってずいぶん味も変わります。村雲羊羹(むら雲堂本舗)の白練りの羊羹もおいしいですし、八頭司伝吉の小豆羊羹も大好きです。

写真の、村岡総本舗さんの紅練りは、手軽に買える定番羊羹のひとつですが、色の美しさがたまりません。数種類ある切り羊羹のなかで、わたしが味的に一番好きなのは「本練り」なのですが、ビジュアル的に美しく決まるのは「紅練り」かもしれないな、などと思いつつ。毎年10月から1月までの期間限定商品でお正月に買っておきたい黒豆羊羹は、さらに華やかな美しさでおいしく、手土産にも最高です。

小皿豆皿の楽しさをアピールするはずが、いつのまにか小城羊羹の宣伝になっていました(笑)

花祭窯の師走の庭。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯の師走の庭。

ここ数日、真冬の寒さが続いています。部屋は暖めていても、キーボードを打つ指先がかじかみます。冬ってこんな風でしたね。毎年めぐってくるけれど、何度めぐってきても寒さに慣れることが無いのが、我ながら不思議です。

花祭窯の師走の庭。

この冬最初の水仙は、植えた覚えのないところから、可愛らしい花を咲かせてくれました。雨で球根が流れたりしたのかな、などと思いつつ。水仙は冬のはじまる12月から、初春、3月頃まで、種類が変わりながらずっと姿と香りで楽しませてくれます。

花祭窯の師走の庭。

花の少ない今の時期、彩を放ってくれているのはサザンカ。濃いピンクと黄色の華やいだ姿は、鉛色の雪空の下に明るさを届けてくれます。今年は咲きはじめが例年より早めでしたので、足元を見れば花弁のじゅうたん。昨日掃除したばかりですが、一日経てばこんな感じです。

10月下旬に吊るした干し柿は、すでに食べごろを迎え、たくさんあったものが最後の一列になってしまいました。お正月用に、なんとか死守したいところ(笑)

花祭窯の師走の庭。

今年は台風でもう実がつかないかな、とあきらめていた南天に、わずかですが赤い実を発見。こういうのが、とても嬉しいです。

花祭窯の師走の庭。

続・蕎麦猪口棚。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・蕎麦猪口棚。

念願の蕎麦猪口棚!を大川家具ドットコムさんのご協力でフルオーダーメイドしたのは、この夏のことでした。花祭窯のギャラリースペースで、まさに才色兼備で働いてくれています。おかげさまで、いまだ日に何度も眺めては、ニヤニヤしています。

この蕎麦猪口棚を、大川家具ドットコムさんで商品化してくださいました。もともとのサイズは、花祭窯のオーダーに合わせて作ってありますが、お客様のご要望に合わせて作っていただけるそうです。セミオーダーですね♪一つ一つ、熟練の大川家具職人さんが手掛けてくださるからこそできることだと思います。

藤吉憲典の蕎麦猪口ファンのお客様のなかにも、なかなか思ったような飾り棚に出会えないというお声がありましたが、その解決の選択肢の一つになるのではないでしょうか。個人のお客さまだけでなく、お店の什器としてご検討のお客さまにも、おすすめできる蕎麦猪口棚です。手掛けてくださる家具職人さんの腕が素晴らしいです。

そして現在、この蕎麦猪口棚は家具の産地・福岡県大川市の「ふるさと納税」の返礼品として、ご紹介されています。ふるさと納税をご検討中の方で、コレクション棚をお探しの方は、チャンスです。

ふるさと納税サイト【ふるさとチョイス】福岡県大川市ふるさと納税返礼品 コレクション棚(蕎麦猪口棚・グラス・陶器)

家具は決して安いお買い物ではありませんが、素晴らしいものに出会えれば、日常空間を良質にしてくれるプライスレスの価値があると思います。ふるさと納税で地域に貢献しつつ、手に入れることができたら、最高ですね。

 

読書『豆小皿料理一〇一銭』(秀和システム)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『豆小皿料理一〇一銭』(秀和システム)酒と肴 まつ

小皿・豆皿を使った盛付写真がカラフルで楽しいレシピ本です。「豆小皿」という言い方があるのねと思ったら、これは、著者の造語だそうです。「豆小皿」可愛い響きです。

まずタイトルを見て、これは「小皿豆皿」を扱うものとしては読まなければ!と思い、中のページを開いて、そのビジュアルの楽しさにワクワクしました。骨董の器を数多くお使いです。手描きのものだけでなく、転写紙(シール)のものもあり、金継ぎでなおしたものも多く、よりどりみどり。いずれも道具に対する愛情を感じました。すべての料理について、レシピだけでなく器の出どころも書いてあるのが、嬉しいです。

メイン料理をドーンといただくのではなく、小さな器に多彩な料理を少しづつ盛っていただくことによって、自然とバランスの良い食事になり健康的でもあるというくだりには、なるほどと思いました。年齢を重ねるにつれて「ちょっとづつ、いろいろ食べたい!」と思うようになるのを感じていますが、それは身体がバランスの良い食事を欲しているからなのかもしれません。

レシピは、わたし個人的にはやや難易度が高く感じました。材料にしても、近所のお店でふだん使いの買い物では手に入りにくいものもあるかな、と。そこは、さすがプロのお料理屋さんのレシピということですね。この本を読んで自分で作るよりは、「酒と肴 まつ」さんにおじゃましてご馳走になりたいです^^

ということは、手に入りやすい普段の食材で、簡単な小皿豆皿料理をご紹介したら、それもまた喜んでもらえるかもしれませんね。わざわざ作るというわけではなく、ふだんの食卓で登場する小皿料理・豆皿料理をご紹介するだけでも、小皿豆皿の楽しさを知っていただくことができそうだと、この本からヒントをいただきました。

それにしても、秀和システムさんはIT系の実用書・ビジネス書に強いイメージでしたが、思いがけず料理本。本書を手に取ったとき、思わず出版社名を二度見して確認してしまいました(笑)

鶴竜関、日本国籍取得。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

鶴竜関、日本国籍取得。

写真(上下とも)は、2013年の九州場所・福岡国際センター。鶴竜関の日本国籍取得は、藤吉家にとって、とても嬉しいニュースです。

2013年九州場所

息子が「鶴竜ちゃんが好き!」と言い出したのは、3歳か4歳の頃でした。鶴竜関の取り組み時間になると、画面の前で緊張して見守り、勝てば上機嫌になり、負ければ悲しくて(悔しくてではなく)泣き、励ましのファンレターを書き。そんなに好きならばと、幼稚園年長さんの冬、九州場所に連れて行ったのでした。

長時間の観戦に5歳児の集中が続くものかしらと、午後から入場したものの、杞憂でした。午後からでも5-6時間にわたる取り組みを、飽くことなく楽しんだ息子。それからほぼ毎年、九州場所開催中の一日(開場の朝8時半から終了の18時まで)を福岡国際センターで過ごすのが、藤吉家の定例行事となりました。

息子が小学校一年生の時には、東京出張に伴い、当時鶴竜関の居た両国の「井筒部屋」へ、ダンナの作った「特製鶴竜湯飲み」を手土産に持っていきました。アポなし突撃訪問でしたが、部屋の前まできたときに偶然中から鶴竜関が出てきたのです。湯飲みを直接手渡すことができたうえ、鶴竜関から「一緒に写真撮る?」という優しい心遣い。その時撮った、やさしい顔の鶴竜関と、緊張しきった顔の息子の写真は、宝物です。

ここ1-2年は、鶴竜関の親方であり日本での親代わりでもあった元・井筒親方(元・逆鉾関)が急逝したり、ケガでの休場が続いたり、ファンとしてはとにかく「頑張って!いつも応援してるよ!」としか言えない状況が続いていました。そのなかで、今回の明るいニュース。誰よりも、亡くなった親方が喜んでくださっているのではないかと思いました。

年明けの初場所、鶴竜関は進退をかけた土俵となります。なんとか、元気に土俵に上がってくれることを祈っています。来年の九州場所のときには、もしかしたら鶴竜関は親方になっているかもしれません。それでも、会いに行くことができたらと、一年先の九州場所を楽しみにしている今日この頃です。

九州陶磁文化館「特別企画展 柴澤コレクション」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

九州陶磁文化館「特別企画展 柴澤コレクション」

佐賀県立九州陶磁文化館(以下、九陶)は、肥前磁器に携わるすべての人の宝物です。特に常設展示室を持つ「柴田夫妻コレクション」は、師匠を持たない肥前磁器作家・藤吉憲典にとって「師」ともいえる存在。その九陶で「特別企画展 柴澤コレクション」が開催されるとあり、情報を追っていました。SNSにアップされるコレクション画像の顔ぶれに「これは…見たい!!」と思いつつ、わたしは足を運ぶことができなかったので、ダンナ・藤吉憲典に託しました。

素晴らしい展示だったようです。見終わったその場から、ダンナから興奮気味の電話がかかってきました。曰く「すごかった。自分はまだまだ、もっともっと勉強しないと…!」。作り手にこう思わせるコレクションを公開してくださった、コレクターの故・柴澤一仁さん、九陶の皆さんに心より感謝です。

興奮冷めやらぬダンナ、九陶の方に「柴田コレクションみたいに、ぜひ常設室を作って展示してください!」とお願いしてきたようです。柴田コレクションはコレクションルームがあって、定期的に展示替えをしながら、いつでも見ることができるようになっていて、それは学びたい者にとって、とてもありがたいことなのです。九陶のなかに「柴田コレクション」と並んで「柴澤コレクション」の常設展示室ができたら、こんなにありがたいことはありません。

お土産に買ってきたもらった図録を眺めるほどに、「現物を見たい!」の思いが募りました。作品に添えられている解説も、学芸員さんたちの熱意が伝わってくるもので、とても嬉しく読んでいます。また一冊「手元に常に置いておく本」が増えました。ただ、総目録の写真が小さいのが残念でした。一覧性が高いので資料としての使い勝手はとても良いのですが。願わくば、柴田コレクションの時のように、コレクション一つ一つを大きな写真で見ることのできる図録を、時代別の分冊でもよいので作って欲しいと思いました。

佐賀県立九州陶磁文化館 特別企画展 柴澤コレクション

「特別企画展 柴澤コレクション」は、今週末2020年12月13日までです。会期残りわずかですが、肥前磁器の作り手は、必ず見に行くべき展覧会だと思います。