藤吉憲典の龍-来年の干支「辰」の盃が出来ました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉憲典の龍-来年の干支「辰」の盃が出来ました!

一昨年までの一周(12年)は干支の置物(箸置き)を作っていましたが、その前の一周は干支の盃を作っておりました。満を持して(!?)盃に回帰、とでも言いましょうか。

もともとは、ふだんお世話になっているご近所の方々にお年始としてお礼かたがたお届けするために作り始めた「干支もの」。長らく販売用ではありませんでした。それが、次第に「販売してほしい」という声が増えてきて、お分けするようになり。

今年は珍しく12月の頭には完成しました。このところずっと年末ぎりぎりだったり、年明けてからだったりしたので、「おおー!」という感じです。お買い求めくださるお客様のことを考えれば、11月下旬から12月初めごろには出来上がっているのが、一番よいのだと思いますが、そこは作り手のペースに委ねているもので。

干支辰 藤吉憲典 龍盃

東京は南青山の百福さんで、お買い求めいただくことが出来ます。
百福さんの公式サイト https://www.momofuku.jp/

大阪阿倍野の暮らし用品さんでは、12月9日(土)~19日(火)の酒器展に並びます。
暮らし用品さんの公式サイト https://www.kurashi-yohin.com/

花祭窯のギャラリースペースでは、プラス二種類ご用意。

干支辰 藤吉憲典 龍盃

干支辰 藤吉憲典 龍盃

吉祥の霊獣「龍」。縁起を担いで良い一年を迎えたいですね♪

師走!でカレンダーめくったら、仙厓さんから肩透かしを食らわされた。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

師走!でカレンダーめくったら、仙厓さんから肩透かしを食らわされた。

ここ何年も、わたしの仕事場のカレンダーは出光さんの仙厓さんカレンダーです。朝から「いよいよ師走!」とカレンダーを勢いよくめくったら、出てきたのが、これ。

仙厓さんカレンダー

もうね、一気に脱力です(笑)

タイトルは「三福神虎渓三笑画賛」。「寿老人 大国夷子 虎渓の三笑ノ 狂言スル」とあります。カレンダーに記された解説によると、「虎渓三笑」は中国の故事で、笑い話のようです。それを三福神が特別の演目として演じ大笑いしている、という、福々しく笑顔あふれるおめでたい画。

おかげさまで好い具合に肩の力が抜けました。気忙しくなってくる十二月ですが、皆皆さまもどうぞごゆるりと参りましょう。

仙厓さん、大好きです♪

博物館リンクワーカー人材養成講座 2023。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

博物館リンクワーカー人材養成講座 2023。

九州産業大学地域共創学部の緒方泉教授が音頭をとり、毎年開催してくださっている講座です。「博物館リンクワーカー人材」というキーワードがタイトルに入ったのは、2021年からですが、学芸員技術の向上と美術館博物館施設の地域社会への貢献を目指した数々のプログラムに、もう7年もお世話になっています。

今年度もオンラインでの開催です。そもそもはコロナ禍下で集合研修が出来ない!という状況からのZoom活用だったと記憶していますが、Zoomのおかげで、11月から12月にかけて毎週6回の連続講座に、九州のみならず全国から学芸員・関係者が参加するという、稀有な連続講座に育っています。これって、実はとてもすごいことだと思います。

冒頭30分間、担当講師によるテーマ発表があり、そののち3-5名のグループ「語り場」に分かれて意見交換情報共有。その後、各グループからの発表でフィードバックという次第です。第1回目は九州産業大学美術館の学芸室長・中込先生と、香椎丘リハビリテーション病院のソーシャルワーカー・藤さん。数年前からスタートしている、美術館とリハビリテーション病院両者の連携についての発表でした。わたしは残念ながら第1回は参加できませんでしたが、後日動画で共有してもらえるはずですので、発表を拝聴するのを楽しみにしているところです。

第2回は甲賀市教育委員会事務局歴史文化財課の佐野正晴氏による『「歴史文化財課 佐野さんの民具図鑑」の作り方』でした。上の写真は、花祭窯のある津屋崎で民具の集まる場所、登録有形重要文化財「藍の家」。

以下備忘。


  • 「美術(館)サービス提供者自身の健康」という視点。孤立を防ぐ。
  • 慢性的・全国的な課題「満タンの収蔵庫」「未整理民具の山」「人手不足」。
  • 民具➜地域回想法。
  • 市民向け映像コンテンツの制作➜「民具図鑑」。
  • 行政各部署、市民団体等との協力=役割分担・負担分担による「持続可能化」。
  • 民具+α:民俗学、歴史学、地域密着情報、最新の研究動向、現代社会の動き…。
  • 民具×○○のコラボ。
  • 「民具を守る仲間」を増やしていく。
  • 「緩やかな保存」の視点。民具を使いながら保護していく。
  • 「ひっかかり」を作ることにより、興味を引く=「民具図鑑」動画において「オチ」も大切な構成要素。
  • 民具図鑑を観る➜資料館に足を運ぶ、小中学校が教材として採用する、博物館浴・地域回想法のアウトリーチを伸ばす…
  • まずは学芸員自身が楽しんでできることが大切。
  • 学芸員が楽しんでいる➜一緒に働く仲間も楽しくなる➜観てくれる人・館に来る人も楽しい。
  • 増え続ける資料➜どう保存するか、どう活用するか。
  • デジタル画像・ポジフィルムでのアーカイブ、動画でのアーカイブ。
  • 地域全体で観たときの、資料保存の考え方。ランク付け、取捨選択。

甲賀市教育委員会事務局歴史文化財課の佐野正晴氏による『「歴史文化財課 佐野さんの民具図鑑」の作り方』と、「語り場」より


甲賀市教育委員会事務局歴史文化財課「歴史文化財課 佐野さんの民具図鑑(YouTubeチャンネル)

民具を巡る「慢性的・全国的な課題」は、ここ福津市でも同じことです。「民具図鑑」の制作は、もしかしたらここでもできることかもしれず、なんとか提案できるといいな、と思います。

暮らし用品さんの「酒器展」に、藤吉憲典も参加いたします。

おはようございます。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

暮らし用品さんの「酒器展」に、藤吉憲典も参加いたします。

暮らし用品さんでは先日初めての個展が無事終了したばかりでありますが、12月に開催される「酒器展」にも参加することになりました。なので、引き続きの告知です。

さっそく案内状が届きました。今回の酒器展は、暮らし用品さんとしても初めての試みだそうで、暮らし用品さん自体が、どんな展示になるかとても楽しみにしているとおっしゃっていました。藤吉憲典も、複数の器作家さんの作品とご一緒する器の企画展は、ここ10年以上ありませんでしたので、なんだかワクワクしています。

陶・磁・ガラスの作家八名の、酒の器をご覧いただくことが出来ます。オーナーの米田さんからは、お正月向けに、酒器以外にも何かあれば、ということでしたので、ハレの席で使えそうなちょっとした食器も並びそうです。藤吉憲典は、ふだんから作っている酒器に加え、来年の干支「辰」に合わせて龍の文様を入れたおめでたい盃や、広東碗型の龍の蕎麦猪口などをお届けする予定です。昇龍の書画もお届けしようかな、などと考え中。先日の個展とはまた異なった顔ぶれとなりますので、ぜひ楽しみに♪


暮らし用品 酒器展

【参加作家】井上美樹、岩田圭介、高梨良子、西川聡、浜野まゆみ、藤吉憲典、村木雄児、渡邊心平(五十音順)

【会期】2023年12月9日(土)~12月19日(火)※水・木曜休み

【時間】11:00~18:00

【場所】大阪市阿倍野区阪南町1-45-15

【電話】06-6628-2606

暮らし用品さんの「酒器展」に、藤吉憲典も参加いたします。

実山忌の献茶式とお茶会でした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

実山忌の献茶式とお茶会でした。

今年最後のお茶会は、実山忌でした。南方流の円覚寺に伝承される『南方録』。千利休、南坊宗啓、立花実山の三名の存在があって、『南方録』が出来上がっているのだと解釈しています。その一人、立花実山を祀る茶会は毎秋十一月。円覚寺本堂での献茶式とご焼香に続いては、和尚様による『南方録』の読解があります。南方録の解釈は、自分一人で本を読んでも困難なばかりですが、和尚様が毎回「わかる方も、わからない方も、お聞きください」とおっしゃってくださるので、気持ちが楽になります。

南方録の講話が終わると、残茶拝復のお茶会です。今年のお茶会では、濃茶の亭主を一席務めるよう指名されました。南方会のお茶会で亭主を務めるのは、ずいぶんしばらくぶりです。コロナ禍下では使っていなかった三畳のお茶室を、久しぶりに開いてのお点前ということもあり、前日のお掃除と準備が終わった後、お茶室の確認とお点前の確認を先生にお願いしました。ご多忙のなか、先生や先輩が残ってご指導くださり、ほんとうにありがたいことです。

さて当日は、前日に練習をしたものの、緊張で軽くパニックになりつつ、お点前。正客の先生が「おいしい!良くきれいに練れていますよ」とおっしゃってくださったのに救われて、随所で点前を凡ミスしながらも、なんとか席を務めることが出来ました。三畳のお茶室で温かく見守ってくださったお客様、水屋をサポートしてくださった皆さま、そして常日頃からお稽古をつけてくださっている先生方と同輩の皆さまに、心より感謝の一日でした。

ところで、茶道流派の「南方流」と「南坊流」は違うの?というご質問をいただくことがあります。これについては、わかりやすい説明が茶道南方流の公式サイトにありました。

Q.「南方流なんぽうりゅう」と「南坊流なんぼうりゅう」と、どう違うのですか?
A.そもそもは同じ志で茶の稽古をしておりますが、現在は「南方流」、「南坊流」はそれぞれ別の組織で活動をしております。
円覚寺での稽古は「南方流(なんぽうりゅう」になりますので、お間違えのないようお願い致します。

南方流茶道のご案内(茶道南方流公式サイト)より

次のお茶会は、年明けの初釜茶会となります。とても楽しみです♪

このあとなにかご予定がおありですか?と聞かれないようなお点前を目指します。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

このあとなにかご予定がおありですか?と聞かれないようなお点前を目指します。

月に2回のお茶のお稽古は、自分に向かい合う貴重な時間です。「自分に向かい合う時間」って、どういうことだ!?と問われれば、お茶のお稽古におけるわたしの場合は「自分の性分を否応なく認識させられる時間」と置き換えることが出来ます。

週末に予定されているお茶会で、濃茶を点てる係を仰せつかりましたので、先日のお稽古ではそのお点前を見ていただくことに。濃茶のお稽古に取り組んでいたのは、もう何年も前になります。基本のお点前の復習ということになりますが、それでもまた手順を思い出すのに四苦八苦。

そしてわたしにとっての一番の難敵は、手順以前に、一つ一つの所作がおろそかになってしまうことです。頭で考えはじめると、とたんに急いた動きになり、雑になってしまいます。ほんとうに、何年やっても何度やっても同じパターンの繰り返しで、我ながら呆れます。そんなダメダメぶりを最近書いたような気がする…と思い見直したところ、前回書いてから、まだふた月と経っていませんでした(汗)。

お濃茶のお点前を見ていただいた後に、先生方からいくつかのご指南をいただきました。そのなかのひとつが「一つ一つの所作を、もっとゆっくりすると、もっときれいに見えますよ」ということ。これまでにも数えきれないほどいただいているご指導です。「せっかちな性格が出てしまいますね」と弁解すると、「わたしもね、先生からよく『このあとなにかご予定がおありですか?』って聞かれていたのよ」と。そして「大丈夫。何度も何度も繰り返してやっていくことで、少しづつ身に付いていくから」とおっしゃってくださいました。

「このあとなにかご予定がおありですか?」というのはつまり、「お点前をそんなに急ぐ理由が何かあるのですか?」ということですね。ゆったりとエレガントな先生が、かつてそのようであったとは全く想像できず、わたしを励ますために作り話をしてくださったのかもしれません。それでも信頼する先生から「大丈夫」と言っていただいたことで少し安心し、それがいつになるかはわかりませんが、大丈夫になるまで稽古を積むべしと、あらためて思えたのでした。

というわけで、わたしのお茶修行は続きます♪

暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」スタート!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」スタート!

久しぶりの大阪個展は、阿倍野の暮らし用品さんです。ちゃんと調べてみましたら、関西方面での個展は2017年が最後となっておりましたので、なんと6年ぶり。関西方面の皆さま、たいへんたいへんお待たせいたしました。

大阪・阿倍野にある暮らし用品さん。数年前から、常設で藤吉憲典の器を扱ってくださっています。暮らし用品さんでは初めてとなりますので、暮らし用品さんのお客さまに「はじめまして」のご挨拶をする気持ちです。常設ではふだん使いに取り入れやすい器を中心にお届けしておりますが、個展ではアイテムを絞り込まずに、「藤吉憲典」の様々な顔をご覧いただけるよう、お届けしています。

暮らし用品さんのインスタグラムでも、器をご紹介いただいております。気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

藤吉憲典陶展 暮らし用品

暮らし用品 藤吉憲典 陶展

【会期】2023年10月28日(土)~11月7日(火)※水・木曜休み

【時間】11:00~18:00

【場所】大阪市阿倍野区阪南町1-45-15

【電話】06-6628-2606

郷育カレッジ「ふくつ散歩 福間南編」に参加して参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ「ふくつ散歩 福間南編」に参加して参りました。

午前中、散歩に参加して来て、お昼ご飯を食べて、今ブログを書いています。お天気が良く、風もなく、快適なお散歩日和でした。たくさん歩いてきましたので、とても眠たくなっています。

郷育カレッジ講座のなかでも定番の人気講座となりつつある「ふくつ散歩」シリーズ。なかでも「福間南編」は、シリーズが始まった当初から散歩コースをつくって協力してくださったエリアです。このシリーズはどのエリアも参加希望者が多く、抽選になることがほとんど。わたしも福間南編への参加は、5-6年ぶりかしら、というところでした。

今回は「文化財コース」と名付けられた約4.5キロの道のりを、1時間半ほどで歩きました。ところどころ名所で立ち止まり、その解説をボランティアガイドさんから聞きながらの散歩です。おおまかに、亀山神社➜鉄道引き込み線の跡➜須賀神社➜八龍(うがみ)神社というルート。ところどころで、地元の方が待っていてくださり、解説をしてくださいました。うがみ神社は「八龍」でうがみと読むのですね。前回も行ったはずなのですが、今回あらためて気がつきました。

それぞれの名所についての解説資料が事前に配られましたので、実際に歩いた後に復習すると、ちょうど良い感じになります。ウォーキングマップも配られましたので、後日自主的に歩いてみようと思ったときにも、歩けます。そして「ウォーキングの効果的な歩き方」なる冊子までいただきました。こういう資料があると、次のお散歩に向けてのモチベーションにつながります。いたれりつくせりのふくつ散歩福間南編でした。

続・表装の楽しみ、ますますワクワク。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・表装の楽しみ、ますますワクワク。

表装の楽しみがひとつ形になって、ますますワクワクしていると投稿したのは、つい1カ月前のことでした。

展示した状態のビジュアルイメージがもたらす「わかりやすさ」が嬉しくて、もうひとつ、パターンを増やしました。手はじめに縦長作品・横長作品を表装しましたので、次は「全紙」です。この三種類があれば、壁面に飾ったときのサイズ感、見え方が、おおよそイメージできるのではないかと思います。頭ではわかっていたつもりのことですが、全紙を表装するとかなり大きくなりますね。やはり作品本体がポンと置いてあるのに比べると、「ここに飾ったらどんな感じになるか」が各段にイメージしやすくなります。これは額装にした場合もまったく同じことが言えますが、表装の良いところは、丸めて持ち歩けること。

藤吉憲典 円相龍図

額装にはじまり表装が続きと、このところ立て続けにお世話になっている大崎周水堂さん。スタッフの方々にも、なんとなくわたしの人となりというか、オーダーの「癖」のようなものを、少しづつ理解していただきつつあると感じます。生地の選びかた、切り替えの仕方など、あまりにもシンプルで、「掛軸の常識」から離れていることもあるので、ベテランのスタッフさんや表装職人さんからは、その都度「一般的にはこのようにするのがほとんどで、藤吉さんの希望するようにすると、このように見える可能性がありますが、ほんとうに大丈夫ですか?」の確認が入ります。ときには、作業に入る直前で電話確認が入ることも。こちらはもともと素人です。その相手に面倒がらずにひとつひとつ説明し確認してくださることを、とてもありがたく感謝しています。

アドバイスを取り入れる部分と、我流を貫く部分。掛軸という伝統的なスタイルを、現代の藤吉憲典の書画作品を見せる方法として、どのように生かせるか。今回は大物でしたので、大崎周水堂さんの店先で出来上がりを確認する際、スタッフの方が二人がかりで広げてくださいました。「こんな生地があったんですね」「初めてのことで心配しましたが、良い感じに上がりましたね」などなど、感想をつぶやいてくださるスタッフの方と一緒に出来上がりの確認ができるのは、嬉しい瞬間でもあります。

長く立体を扱ってきておりますので、平面の面白さ・わかりやすさが、とても新鮮です。展示機会に皆さんにご覧いただけるのが楽しみです。

香椎宮献茶式と報恩寺の野点茶会、2023。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

香椎宮献茶式と報恩寺の野点茶会、2023。

前日の準備とお掃除は、雨で思うように進まず「出来るところまで」で散会でした。「明日は止むといいですね」と心配された当日は朝から雨もなく、予定通りに報恩寺のお庭で野点が出来ました。

まずは香椎宮での献茶式。わたしは今年はお点前が良く見える場所に座ることが出来て、所作のひとつひとつを拝見しながら献茶式を体験することが出来ました。香椎宮での献茶は76年目ということで、来年が人の人生に例えれば喜寿(77歳)にあたるという宮司さんのお話。なるほどそのように例えると、その年月の長さをあらためて感じさせられるなぁと拝聴しました。南方流茶道はもちろんそれ以前から続いているのですが、「献茶式」という儀式があることで、後に続く人たちがその歴史を知る機会となるのだと思いました。

献茶式が終わり、お弁当を食べたら、いよいよ野点です。今年は50名ほどの参加者があり、25名づつの2席で開催。3年ぶりに再開された昨年は、当日が雨でお堂内でのお茶でしたので、実質的には4年ぶりの野点でした。

久しぶりにお庭でいただくお茶は、開放感を感じるとても良い時間となりました。枯れ葉が頭上から降ってくるし、御座の上を歩く蟻は気になるし、土のうえに座るので人もお茶碗も不安定にならないよう気を配る必要もあります。けれども、そんなことすべてを含めて、外ならではの風情がとても面白く有難く、貴重な機会となりました。

今年のお茶会は、あとは来月11月の実山忌です。こちらも楽しみです。