銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(7)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(7)

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(1)~(6)まで、ザ・和食器な器ばかりご紹介してまいりました。

が、実は今回ぜひ手に取っていただきたいもののひとつが、珈琲碗皿なのです。

藤吉憲典 錦氷烈文珈琲碗皿

錦氷烈文珈琲碗皿 藤吉憲典

氷烈(ひょうれつ)文と呼ばれるこの文様、氷が溶けはじめる春の気配を感じさせる古伊万里でも人気の文様です。ただ、古伊万里で描かれているのはほとんどが染付(呉須)によるブルーの濃淡での表現。これを赤絵(上絵)でこんなふうに蘇らせるのが、藤吉憲典ならではの温故知新。

写真ではわかりにくいかもしれませんが、お皿もカップも、縁に金をのせることで、引き締まった上質さがでています。お皿とカップの色調を大胆に変えているのも、色の組合せの妙を熟知しているからこそできることです。

そして、知ってほしいのが、この珈琲碗皿の持ちやすさ。手でつくっているからこそできる軽さと、ハンドルのやわらかいカーブ。こればかりは実際に手に持ってみて、初めて実感していただけるものと思います。

今回、珈琲碗皿をいくつもお持ちしています。ぜひ、手に取りにお越しくださいませ。


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

 

 

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(5)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(5)

染付祥瑞文六角筒猪口 藤吉憲典

染付祥瑞六角筒猪口 藤吉憲典

六面それぞれに異なる文様がぎっしりと描き込まれています。5客組のイメージでつくっている六角猪口ですが、ひとつとして同じパターンの組み合わせはありません。

こういう遊びがあることも、「個人作家が作った器」を使う愉しみのひとつになると思います。食器もつくる作家である以上、同じものを同じようにつくる腕の確かさがあるのは、当たり前のこと。そのうえで、あえて遊びを入れるのが、面白さ。正直なところを言えば、「同じものばっかり繰り返し描いていると、飽きる」というのもあるようですが(笑)

ひとつひとつよく見ると、遊びがあることに気づいてニヤリとできるのも、藤吉憲典の器の面白さです。ぜひその目でご覧になったくださいませ(^^)


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

 

 

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(4)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(4)

藤吉憲典 染付葡萄文菊型皿

藤吉憲典 染付葡萄文菊型皿

思えばこの小皿の方をつくったのは、前回2年前の銀座黒田陶苑さんでの個展に合わせてのことで、案内状の表紙に使われたのでした。これがとても使い勝手が良かったので、少しサイズを大きくして作ってみたのが、今回の新作です。

カタチがとても美しく完成度の高い器を見ると、絵を付けなくても十分なのではないかという気がすることがあります。でも、そこに絵をつけることで、さらに完成度の高いものをつくりあげるのが、絵付からやきものの道に入った藤吉憲典の真骨頂なのだと思います。

小皿で良いものができたからといって、単純にサイズを拡大しても良いものになるとは限りません。むしろ「そのサイズだからこそ決まる」ものが多い。ですが、この形・この文様に関しては、良いものができあがりました。


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(3)

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銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(3)

錦葡萄文徳利と筒猪口 藤吉憲典

やきものに描かれる葡萄(ぶどう)の文様は多様です。組み合わせで描かれることも多く、「鹿(しか)葡萄」「栗鼠(りす)葡萄」「葡萄に竹垣」「葡萄に蝶」葡萄に花唐草」など、染付でも赤絵でも多様に描かれています。

写真は、徳利に赤絵の栗鼠葡萄(りすぶどう)。筒猪口は葡萄だけになっていますが、バランス的にちょうどよい感じです。

藤吉憲典が言うには、絵付をするときに、細かくたくさん描き込むのは実はある程度訓練を積めば、それほど難しくないそうです。センスが問われるのはむしろ、いかに余白を生かす絵付ができるかどうか。そういう意味では日本画と同じですね。やきものは立体である分、三次元的な空間把握のデザインセンスが要りそうです。

もし「赤絵の器は、食卓で使いにくいのでは」と思っている方がいるとしたら、それは「描き込み過ぎ」の赤絵の器のイメージによるものかもしれません。我が家には赤絵の器がたくさんありますが、食卓に花を添えてくれる赤絵の器は、とても使い勝手が良いものです。

ぜひ銀座で、使い勝手の広がる赤絵の器を手に取ってみて、実感してください。

 


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(2)

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銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(2)

染付波兎文段付皿 藤吉憲典

藤吉憲典 染付波兎文7寸皿

段付きのお皿は、古伊万里からの人気文様を写しています。写真は6寸皿ですが、柄違いで6寸皿と7寸皿をお持ちする予定です。

古伊万里写し 染付段付き皿 藤吉憲典

ベーシックな丸いお皿。6寸~7寸皿は何を盛ってもさりげなく決まる、食卓の強い味方です。昨今は同じ文様で枚数を揃えるご家庭は減っていて、文様違いで取りそろえ、ご家族それぞれが好きな文様を使うという方が増えてきています。我が家で使っているこの手のお皿も、2枚と同じものはなく。

ぜひ実物を見て、あなた好みの「美」を見つけてください。


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
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銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(1)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(1)

いよいよ来週7月14日(土)初日を迎えます。今日から少しづつ、会場にお持ちするものをご紹介してまいります。

染錦鮑型向付(魯山人写し) 藤吉憲典

魯山人写し 藤吉憲典

魯山人写し 藤吉憲典

写しとは言いながら、魯山人のつくったものを手元に置いて作ったわけではありませんので、正確には「写し」とは呼ばないのかもしれません。

これを創るときに藤吉憲典が手元に置いていたのは、ほんものの鮑貝。工房のある津屋崎は、砂浜まで歩いて行けるので、このような素材が手に入ります。素晴らしい環境。「模様から模様をつくらず」と言ったのは、近代陶芸の巨匠のひとり富本憲吉ですが、藤吉憲典もまた佐賀時代からずっと、そのスタンスを大切にしています。

つくりも絵付も、丁寧でありながらおおらかさを併せ持ちます。料理人さんの心に響く器になっていると思います。ぜひ銀座で手に取ってご確認くださいませ。

 

銀座黒田陶苑さんと北大路魯山人との繋がりについては、銀座黒田陶苑さんのサイトにある社史でもご紹介されていました。


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

読書『建築の条件 「建築」なきあとの建築』(LIXIL出版)(序章~第7章)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『建築の条件 「建築」なきあとの建築』(LIXIL出版)(序章~第7章)

福岡acad.で建築の勉強会をはじめるにあたり、(株)藤井設計室・藤井さんご夫妻にご相談に行ったときに、「この本を読んでみて」とお借りした本のなかの1冊です。

読むのに少々時間がかかりました。理由は明らかで、わたしがこのところ読んでいる本のなかでは珍しく「文体が固かった」ことと「他論文や他著からの引用が多かった」こと。つまり学術的な文章だったから、ということですね。時間はかかりましたが、内容は実に興味深く、途中で放棄することなく(笑)読了です(^^)

以下、備忘。


  • 社会が建築をつくる(序章)
  • 視覚に先鋭化していく方向と、視覚を相対化していく方向(人間に内在する問題)
  • 近代市民社会の発生は、芸術や娯楽をそれまでの貴族のたしなみから解放し、多くの人々が享受できるものへと変容させた。(第5章消費性)
  • 消費され消えていくデザイン(第5章消費性)
  • 世のなかが強い個性を敬遠する状況(第5章消費性)
  • 無個性、少衆、カタログ化は、強いひとつの個性に対立する概念である。(第5章消費性)
  • 間々田孝夫『第三の消費文化論―モダンでもポストモダンでもなく』(ミネルヴァ書房、2007年)(第5章消費性)
  • 富のある者は、富の形(スタイル)を欲するのではなく、純粋に生活の質を上げるために富を使うのである。もちろんそこにそれぞれの美的趣味はあるだろうが、それが社会的にひとつの形に昇華することは現在のところないように思う。(第6章階級性)
  • 平準化はファッション、建築に限らず、さまざまな社会現象として現れたのだが、芸術も例外ではなかった。(第6章階級制)
  • グローバルとローカルの相克は有史以来存在した。政治・経済・文化の拡張が見られるところには、程度の差こそあれ二つのベクトルが必然的に顕在化する。(第7章グローバリゼーション)
  • スロー文化(第7章グローバリゼーション)
  • この時(国民国家の境界線が溶解した時)、文化が国民国家の秩序維持のツールである必然性を失うのである。(第7章グローバリゼーション)

 

『建築の条件 「建築」なきあとの建築』(LIXIL出版)(序章~第7章)より


続き(第8章~終章)はまた次回(^^)

 

 

【開催報告】福岡acad.建築の勉強会:第1回建築の歴史

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

【開催報告】福岡acad.建築の勉強会:第1回建築の歴史

Meet Me at Art の最初の勉強会を無事開催することができました!

【福岡acad. 建築の勉強会シリーズ 第1回 建築の歴史】講師は株式会社藤井設計室・藤井昌宏氏。このブログでも何度かご紹介していた「お酒を呑みながら建築のお勉強」を、より多くの方と共有しようという試みです。お酒は飲みませんが。

初めての開催で、まずは「告知」が一番の課題であったのですが、結果として会場の部屋のサイズに程良い人数となりました。和気あいあいとした雰囲気で開催出来たと思います。

反省点は、時間配分を上手にできなかったこと。受付から終了まで、3時間半に及ぶ内容でしたが、それでも時間が足りませんでした。皆さんとの交流・意見交換の時間を30分は確保したいと思っていながら、うまく進行することができなかったのは、わたしの未熟故。次回は時間配分をもう少し考えます。

講師の藤井さん、キレッキレのトークでした。「お酒を呑みながら‥」のときからさらに内容がブラッシュアップされ、一度話を聞いたことがあるはずの面々(わたしやダンナ)も、また新たな視点を得ました。「建築の勉強会」というタイトルの枠に収まらず、建築の歴史を軸とした、哲学的な思索の場に高まっていたように思います。

今回の勉強会を受けて、わたしのなかで宿題になったのは下記のようなことでした。

  • 「なぜ」。なぜここにあるのか?なぜこんな形なのか?
  • もとの意味は分からなくなっても、形だけは残っている。
  • 「バランスの良いもの」が残っている。
  • どこが「バランスの良さ」なのか?
  • 「残そう」という意図。
  • 後世に残るものをつくれるか?
  • 何を残し伝えることができるか?
  • 余力・余剰・合理性

終了後のアンケートでは、ほとんどの方が、今後予定しているプログラムにも参加したいと意思表明してくださり、とても心強く思いました。

当日ご参加くださいました皆さま、運営面でお手伝いくださいました皆さま、ほんとうにありがとうございました!

 

福岡acad.建築の勉強会にあたって(後編)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

福岡acad.建築の勉強会にあたって(後編)

福岡acad.で開催する勉強会の特長をどう伝えたらより伝わるか。

以下備忘。


わたし自身は「つくる人」ではありませんが、「つくる人」をずっと見続けてわかってきたのは、「過剰もできる」うえで「削ぎ落す」ことの大切さ、難しさ。もっともセンスとバランスが問われる部分だと感じます。

平面にしても立体にしても「いかに空間を把握するか」を鍛えることが、そのセンスを養うことになるのかな、と。この勉強会で一緒に訓練していきたいと思います。


日本の古い木造建築も、観るべき部分がたくさんあります。私の住んでいるここ津屋崎も、素晴らしい古い木造建築の残っているエリアではありますが、残念かな「町並み」として成立しているとは言い難く。

国内外問わず、古きよきものを残すことができているところと、できていないところ。なにが違うのだろうと考えたときに、微力でも自分たちに出来ることがあるならば、やりたいと思うのです。この勉強会も、そのひとつになればと。


童話や逸話や小説など「お話」のなかに登場する空間を実際に目にすると、ストーリーのイメージがますます膨らんだり、これまでのイメージがガラッと変わったり、いろんなことが自分のなかで起こります。

文字情報と視覚情報。勉強会では、それぞれがものの見方に与える影響を体感しつつ考える機会にもなると思います。


博物館学芸員の実習のなかで、人は町並みや建物に無意識に「自分のルーツ」を探すというようなことを学びました。そこに自分のルーツ=つながりを感じることで、心に安定をもたらすことができます。

学校では学べない建築の話を、広がりをもって学ぶことができるのが、この勉強会の魅力になると思います♪


エジプト・ルクソール。明らかに自然の岩の存在感とシンプルな構成の建物を対比させようという意図が見えるこの建築物は、葬祭殿として建てられたものだそうです。

近代以降は、アートも建築も、出来上がった時点から作者の手を離れ、作者の意図に関係なくそれぞれの受け手(市民)の解釈に委ねられます。伝えたい意図があるときに、それをセンス良く表現できるかどうかもまた、作者の腕の見せ所。


モリスといえば、壁紙!そしてアーツアンドクラフツ運動!

アートなのかデザインなのか工芸なのか!?という議論は今でもときどきありますね。個人的にはたしかに「工芸の地位はもっと上がっていい」とも思いつつ、正直なところ「なんでもいいじゃん」とも思います。言葉でどんな区分けをしたってそのモノ自体は変わらない、と。便宜上、意図的に言葉を使い分けることはもちろんありますが。

この勉強会で学ぶことは、そんなことを考え直すきっかけにもなるはずです。


藤井さんのFBページで写真を見ていると、自分が心惹かれる傾向があることがわかります。それぞれの写真の、何がそんなに自分の心を引っ張るのか。この勉強会ではそんなことも自問しながら取り組むと面白いだろうなと思います。


第2回目以降の勉強会も、わたし自身が一番楽しみにしているところです。

 

 

福岡acad.建築の勉強会にあたって(前編)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

福岡acad.建築の勉強会にあたって(前編)

皆さんに告知するにあたり、福岡acad.で開催する勉強会の特長をどう伝えたらより伝わるか、ということを考えました。難しいですね。伝えることができたかどうかは、正直かなり怪しいところですが、伝えようとしたことで、自分自身にとっての、この勉強会の特長がとても明確になりました。

以下、備忘。


その地理的・歴史的背景を知ると「社会が建築をつくる」ことが実感として見えてきます。この言葉は「社会が芸術をつくる」「社会がデザインをつくる」とも置き換えられるのではないでしょうか。

藤井さんが実際に現地を歩き見てきたことが、どのようにその後のアーティスティックな仕事の基盤となって生かされているのか、その一端を垣間見ることができるのは、とても興味深いことです。


解説を聞きながら歴史を辿って建築物を眺めると、建築と芸術とは境界線の無いものであったのだと、あらためて思い至ります。また、時代時代に現れたものが、現代まで連続的につながっていることがわかります。

現代の自分たちの仕事は歴史の文脈のなかでどう語ることができるのか、この勉強会を通してイメージを膨らませましょう(^^)


建築を含んだ風景写真。「きれいだなぁ」「すごいなぁ」「行ってみたいなぁ」から、さらにどこまで踏み込むことができるか。踏み込む方向は人ぞれぞれだと思いますが、藤井さんの解説は、その踏み込みをサポートしてくれるものです。

藤井さんの撮って来られた写真を見ることは、わたしにとって「見る」力を鍛えることにつながっています。ぜひご一緒に「見る訓練」をしませんか。


「本歌取り」は日本文化のすぐれた一面でもありますが、真似ることから文化を発展させてきたのは、実は古今東西同様であると、建築の歴史を学ぶなかで見えてきました。建築しかり、工芸しかり、デザインしかり。ただここで肝要なのは、真似のその先。本家よりもっとよいものにすることですね。

そんなことも、勉強会で一緒に考えることができたら楽しいだろうな、と思っています。


神のための建築、王のための建築、富裕な人のための建築、普通の市民のための建築…。建築の歴史を眺めることは、その対象(誰のための)について考えることでもあり、わたしにとっては、西洋史や西洋美術史を解釈しようとするときの手掛かりにもなっています。

切り口は「建築」ですが、いろんなところにつながっていることを実感できる機会です。


昨年ロンドンに行ったとき、郊外に残る古代ローマ帝国時代に整備されたという街を歩く機会を得ました。藤井さんのスライドを見せていただいていたおかげで、体験が深まるのを実感しました。

実際に足を運んだときに何を見て感じるか。この勉強会はその体験をサポートするベースとなる素晴らしい機会だと思います。今後、海外視察をご予定している方にもおススメです!


尊敬している学芸員の齋正弘さんは、美術の「び」は「『びっくり』の、び」だとおっしゃいました。そう解釈すると、アートとか芸術はわからない!という人も、受け入れやすくなるかもしれないと。建築の歴史をふりかえることは、現代のわたしたちが価値を感じるものの基準がどう築かれてきたのかを考える大きなヒントになると思います。


後編につづく。