銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(11)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(11)

龍のレリーフ。

先日読んだ『建築の条件「建築」なきあとの建築』(坂牛卓 著)のなかに「かつてアートとは、その形の持つ美しさ、それを生み出した造形技術によって、見る者に、見る者の能力を超えた超越性を感じさせ、感動させたのである。」とありました。

この龍のレリーフは、少なくともわたしにとっては、まさにそういうものの一つです。こつこつと彫り上げていく過程を近くで眺めていて、ほんとうによくやるなぁ、すごいなぁ、とその技術と根気に感心。青磁の釉薬がかかり、窯からでてきた時の美しさに感動しました。

ぜひ実物を手に取って、その目でご覧いただきたいものです。

青磁龍硯と水滴 藤吉憲典

 

藤吉憲典 青磁龍硯

藤吉憲典 青磁龍水滴

 


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月19日(木)まで。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

 

 

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(10)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(10)

本日16日(月)は、銀座黒田陶苑さんの定休日につき、お休みです。
明日7月17日(火)~19日(木)の後半でお待ちしております。

「日本国内では、どこに行けば見ることができますか?」

藤吉憲典のアート作品について、ときどきいただくお問合せです。

今回の銀座黒田陶苑さんでの個展は、そのお問い合わせに対して「個展期間中は銀座黒田陶苑さんでご覧ただくことができますよ!」とお返事できる、とてもありがたい機会となっています。

龍の子 藤吉憲典

藤吉憲典 オブジェ 龍の子

龍の被り物をかぶった「龍の子」たちに、ぜひ会いにいらしてください!


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

 

 

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(8)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(8)

銀座黒田陶苑の黒田さんから、藤吉憲典が2年前の個展の時にいただいたテーマは「古っぽいものが見たい」ということだけ。それをどう受け取り、形にして届けるかは、つくり手に全面的に任されました。

そして今回の個展に際しては、案内状に記された「肥前磁器の美」という言葉でした。そして「持ってくるかどうかを悩む作品がある場合は、持ってきてください」という一言。

それを受けて、「肥前磁器の美をご覧いただく個展ならば、制作したのは少し前になるけれど、ぜひ持っていきたい」と頭に浮かんだのが、これでした。

藤吉憲典 金襴手角瓶

金襴手角瓶 藤吉憲典

藤吉憲典 金襴手角瓶

江戸末期から明治期にかけての短い期間に「蔵春亭三保蔵」のブランドで、欧州へと海を渡った輸出伊万里を復刻したもの。カタチといい、絵付といい、まさに当時の肥前磁器の美意識と伝統技術とが結集したものと言えるでしょう。

このモトとなる当時の角瓶は、千葉県にある国立民俗博物館に所蔵されているほか、個人のコレクターでお持ちの方もあります。蔵春亭の地である佐賀県の九州陶磁文化館には、染付の山水文で同じ形のものがあります。

骨董の実物よりも、もっと美しく理想的な姿に復刻するのがつくり手・藤吉憲典の腕の見せ所。博物館所蔵レベルの美意識を具現化する技術を、ぜひその目でご覧になってください。

 


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

 

 

読書『建築の条件 「建築」なきあとの建築』(LIXIL出版)(序章~第7章)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『建築の条件 「建築」なきあとの建築』(LIXIL出版)(序章~第7章)

福岡acad.で建築の勉強会をはじめるにあたり、(株)藤井設計室・藤井さんご夫妻にご相談に行ったときに、「この本を読んでみて」とお借りした本のなかの1冊です。

読むのに少々時間がかかりました。理由は明らかで、わたしがこのところ読んでいる本のなかでは珍しく「文体が固かった」ことと「他論文や他著からの引用が多かった」こと。つまり学術的な文章だったから、ということですね。時間はかかりましたが、内容は実に興味深く、途中で放棄することなく(笑)読了です(^^)

以下、備忘。


  • 社会が建築をつくる(序章)
  • 視覚に先鋭化していく方向と、視覚を相対化していく方向(人間に内在する問題)
  • 近代市民社会の発生は、芸術や娯楽をそれまでの貴族のたしなみから解放し、多くの人々が享受できるものへと変容させた。(第5章消費性)
  • 消費され消えていくデザイン(第5章消費性)
  • 世のなかが強い個性を敬遠する状況(第5章消費性)
  • 無個性、少衆、カタログ化は、強いひとつの個性に対立する概念である。(第5章消費性)
  • 間々田孝夫『第三の消費文化論―モダンでもポストモダンでもなく』(ミネルヴァ書房、2007年)(第5章消費性)
  • 富のある者は、富の形(スタイル)を欲するのではなく、純粋に生活の質を上げるために富を使うのである。もちろんそこにそれぞれの美的趣味はあるだろうが、それが社会的にひとつの形に昇華することは現在のところないように思う。(第6章階級性)
  • 平準化はファッション、建築に限らず、さまざまな社会現象として現れたのだが、芸術も例外ではなかった。(第6章階級制)
  • グローバルとローカルの相克は有史以来存在した。政治・経済・文化の拡張が見られるところには、程度の差こそあれ二つのベクトルが必然的に顕在化する。(第7章グローバリゼーション)
  • スロー文化(第7章グローバリゼーション)
  • この時(国民国家の境界線が溶解した時)、文化が国民国家の秩序維持のツールである必然性を失うのである。(第7章グローバリゼーション)

 

『建築の条件 「建築」なきあとの建築』(LIXIL出版)(序章~第7章)より


続き(第8章~終章)はまた次回(^^)

 

 

【開催報告】福岡acad.建築の勉強会:第1回建築の歴史

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

【開催報告】福岡acad.建築の勉強会:第1回建築の歴史

Meet Me at Art の最初の勉強会を無事開催することができました!

【福岡acad. 建築の勉強会シリーズ 第1回 建築の歴史】講師は株式会社藤井設計室・藤井昌宏氏。このブログでも何度かご紹介していた「お酒を呑みながら建築のお勉強」を、より多くの方と共有しようという試みです。お酒は飲みませんが。

初めての開催で、まずは「告知」が一番の課題であったのですが、結果として会場の部屋のサイズに程良い人数となりました。和気あいあいとした雰囲気で開催出来たと思います。

反省点は、時間配分を上手にできなかったこと。受付から終了まで、3時間半に及ぶ内容でしたが、それでも時間が足りませんでした。皆さんとの交流・意見交換の時間を30分は確保したいと思っていながら、うまく進行することができなかったのは、わたしの未熟故。次回は時間配分をもう少し考えます。

講師の藤井さん、キレッキレのトークでした。「お酒を呑みながら‥」のときからさらに内容がブラッシュアップされ、一度話を聞いたことがあるはずの面々(わたしやダンナ)も、また新たな視点を得ました。「建築の勉強会」というタイトルの枠に収まらず、建築の歴史を軸とした、哲学的な思索の場に高まっていたように思います。

今回の勉強会を受けて、わたしのなかで宿題になったのは下記のようなことでした。

  • 「なぜ」。なぜここにあるのか?なぜこんな形なのか?
  • もとの意味は分からなくなっても、形だけは残っている。
  • 「バランスの良いもの」が残っている。
  • どこが「バランスの良さ」なのか?
  • 「残そう」という意図。
  • 後世に残るものをつくれるか?
  • 何を残し伝えることができるか?
  • 余力・余剰・合理性

終了後のアンケートでは、ほとんどの方が、今後予定しているプログラムにも参加したいと意思表明してくださり、とても心強く思いました。

当日ご参加くださいました皆さま、運営面でお手伝いくださいました皆さま、ほんとうにありがとうございました!

 

福岡acad.建築の勉強会にあたって(前編)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

福岡acad.建築の勉強会にあたって(前編)

皆さんに告知するにあたり、福岡acad.で開催する勉強会の特長をどう伝えたらより伝わるか、ということを考えました。難しいですね。伝えることができたかどうかは、正直かなり怪しいところですが、伝えようとしたことで、自分自身にとっての、この勉強会の特長がとても明確になりました。

以下、備忘。


その地理的・歴史的背景を知ると「社会が建築をつくる」ことが実感として見えてきます。この言葉は「社会が芸術をつくる」「社会がデザインをつくる」とも置き換えられるのではないでしょうか。

藤井さんが実際に現地を歩き見てきたことが、どのようにその後のアーティスティックな仕事の基盤となって生かされているのか、その一端を垣間見ることができるのは、とても興味深いことです。


解説を聞きながら歴史を辿って建築物を眺めると、建築と芸術とは境界線の無いものであったのだと、あらためて思い至ります。また、時代時代に現れたものが、現代まで連続的につながっていることがわかります。

現代の自分たちの仕事は歴史の文脈のなかでどう語ることができるのか、この勉強会を通してイメージを膨らませましょう(^^)


建築を含んだ風景写真。「きれいだなぁ」「すごいなぁ」「行ってみたいなぁ」から、さらにどこまで踏み込むことができるか。踏み込む方向は人ぞれぞれだと思いますが、藤井さんの解説は、その踏み込みをサポートしてくれるものです。

藤井さんの撮って来られた写真を見ることは、わたしにとって「見る」力を鍛えることにつながっています。ぜひご一緒に「見る訓練」をしませんか。


「本歌取り」は日本文化のすぐれた一面でもありますが、真似ることから文化を発展させてきたのは、実は古今東西同様であると、建築の歴史を学ぶなかで見えてきました。建築しかり、工芸しかり、デザインしかり。ただここで肝要なのは、真似のその先。本家よりもっとよいものにすることですね。

そんなことも、勉強会で一緒に考えることができたら楽しいだろうな、と思っています。


神のための建築、王のための建築、富裕な人のための建築、普通の市民のための建築…。建築の歴史を眺めることは、その対象(誰のための)について考えることでもあり、わたしにとっては、西洋史や西洋美術史を解釈しようとするときの手掛かりにもなっています。

切り口は「建築」ですが、いろんなところにつながっていることを実感できる機会です。


昨年ロンドンに行ったとき、郊外に残る古代ローマ帝国時代に整備されたという街を歩く機会を得ました。藤井さんのスライドを見せていただいていたおかげで、体験が深まるのを実感しました。

実際に足を運んだときに何を見て感じるか。この勉強会はその体験をサポートするベースとなる素晴らしい機会だと思います。今後、海外視察をご予定している方にもおススメです!


尊敬している学芸員の齋正弘さんは、美術の「び」は「『びっくり』の、び」だとおっしゃいました。そう解釈すると、アートとか芸術はわからない!という人も、受け入れやすくなるかもしれないと。建築の歴史をふりかえることは、現代のわたしたちが価値を感じるものの基準がどう築かれてきたのかを考える大きなヒントになると思います。


後編につづく。

 

 

映画「ゲティ家の身代金」

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

映画「ゲティ家の身代金」

写真は、親戚のおじさんが「ドンキで見つけた」という面白グッズ100万円札。

上映時間133分、ストーリーに引っ張り込まれてあっという間でした。この映画が公開されると知った時の「ゲティさんのことを少しでも知りたい」というある種実務的な目線は、映画が始まってすぐに、すっかり忘れ去られておりました。

ゲティさんのこと。

ジャンルとしてはサスペンスになるのですね。たしかにドキドキしながら観ていました。そしてまた、イタリアのシーンも、イギリスのシーンも、中東のシーンも、美しいシーンが多くて、その美しさにもドキドキ。

クリストファー・プラマー演じるジャン・ポール・ゲティの存在感が圧倒的でした。ジョン・ポール・ゲティ3世を演じたチャーリー・プラマーもとってもキュートでした。

ひとつだけ残念だったのが、予告編などで目にしていた映像で、本編に見つけられなかったものがけっこうあったこと。撮り直しと編集の結果なのでしょうね。133分はわたしにとっては決して長くなかったので、もっと映像を盛り込んだバージョンがもしあるのならば、ぜひ観たいなぁなどと思いつつ。

もちろん「美術品のコレクション」のもつ側面をいくつか垣間見ることもできました。J・ポール・ゲティ美術館に訪問できる日がますます楽しみになってきました。

 

梅雨入り2。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

梅雨入り2。

梅雨シーズンになると嬉しくなる文様は、食の器だけにとどまりません。

染錦蛙と紫陽花陶箱 藤吉憲典
染錦蛙と紫陽花陶箱 藤吉憲典

染錦蛙と紫陽花陶箱。「染錦(そめにしき)」というのは、「染付(そめつけ)」と呼ばれる藍色を出す絵具を使う絵付けと、「錦手」とか「赤絵」と呼ばれるカラフルな上絵の具を使う絵付との組み合わせで文様を描く技法です。

梅雨空の下に色とりどりの紫陽花が映えるように、この陶箱も染付の濃い藍色のなかに、色とりどりの紫陽花を描いています。そして、カエル。

花祭窯の創業の地である花祭は自然豊かで、梅雨時になるとこのような鮮やかな緑色のアマガエルが常に家の周りにおりました。

この陶箱のデザインは藤吉憲典のオリジナルですが、身の周りの自然を取り込んで描く在り方は、江戸の昔の肥前磁器の文化を踏襲しています。

 

平成30年度学芸員技術研修会

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

平成30年度学芸員技術研修会

今年度も開催決定!のご案内をいただきました。写真は、この研修会がきっかけで昨年「教育普及プログラム」の在り方を学びに押しかけ訪問した宮城県美術館。

「学芸員技術研修会」は、文化庁事業「大学における文化芸術推進支援事業」の採択を受けて、九州・沖縄8県で開催される研修会です。

わたしが初めて参加したのは、2年前。この研修会の存在を偶然ネットで見つけ、ダメでもともとと事務局の先生に参加希望のメールを書いたところ、わたしの仕事・立ち位置を理解し、快く受け入れてくださったのでした。

学芸員研修に行ってきました。

「美術館・博物館の学芸員」の肩書の無いわたしにも道を開いてくださったのは、事務局を務める、九州産業大学美術館の緒方泉先生。この学芸員技術研修会のすごいところは、各研修を担当するプロフェショナルな先生方を全国各地から招聘していることと、そこを目指して意欲的な学芸員の方々が九州内外から集まって来られることだと思います。が、それが継続的に実現しているのも、ひとえに事務局の先生の熱意やお人柄によると、つくづく感じます。

平成30年度も魅力的な研修テーマがずらり。「展示グラフィック」「資料保存」「展示制作」「照明技術」「梱包技術」「博物館教育」「ユニバーサル・ミュージアム」「著作権」など…

もしこれを読んでおられる学芸員さんがいらっしゃったら、ぜひご参加をお勧めいたします!開催場所は九州ですが、例年、九州外からの学芸員さんも参加なさっています(^^)

 

読書『新・怖い絵』(KADOKAWA)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『新・怖い絵』(KADOKAWA)

つい先日、中野京子さんの本をやっと手にしたという話を書いたばかりでしたが‥。

読書『名画の謎』(文藝春秋)シリーズ。

面白いと、連続的に手に取ってしまう性質でして、『怖い絵』シリーズの最新ものを発見。中野京子さんの解説には知的な毒がちりばめられていて、それが麻薬的な面白さになっているように感じます。「名画」の解説として普通は「ちょっと書きにくい」ことを、ウィットに富んだ言い回しで、わたしたちにずばり届けてくださる。作品の背景にある歴史・西洋史の流れを熟知しておられるからこそ、ですね。

そんな『新・怖い絵』から、思わずうならされた文章5つ。


  • 結局、イデオロギーがあろうとなかろうと、いいものは残る。
  • 「時間」は過去から現在を通って未来へ一方通行に流れているとは限らない。
  • 現実が芸術に影響を及ぼすように、芸術もまた時に現実に影響を及ぼす。
  • 論理より美意識のほうがはるかに陶酔を誘う。陶酔は愚かさに似ているが、美意識に殉じる道はやはり煌めいている。
  • 仮装や仮面は何のためか。自己を開放するためのものだ。価値を転換するためのものだ。社会の序列も礼儀作法も性も個も捨てて、変容するためのものだ。

『新・怖い絵』(KADOKAWA)中野京子(著)より


この勢いで、『怖い絵』シリーズにさかのぼって読んでいくことになりそうです。