お客さまからの手紙。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お客さまから嬉しいお手紙をいただきました。

町田ももふくさんでの藤吉憲典展初日にお伺いしたとき、少しお話することができた方でした。
自分の好きな作家もののうつわを少しづつ選んで食器棚に並べ、楽しんでいらっしゃるということで、器ひとつひとつ、とても丁寧にご覧になられていたお客さまでした。

そのお客さまから、丁寧なお手紙をいただきました。
お客さまの感性に響く個展であったことが伝わってきて、ダンナともども、嬉しくなりました。

あちらこちらで個展におじゃましたとき毎回思うことなのですが、藤吉の個展を開いてくださるギャラリーにお越しになるお客さまは、とても丁寧にうつわをご覧になってくださいます

じっくり丁寧に。ときには何時間もかけてご覧になられます。

それぞれのお客さまが器に対する愛情を持ってくださっていること。
そして、ギャラリーのオーナーさんが愛情をもって作家の器をお客さまにご紹介してくださっていることが伝わってきます。

つくり手と使い手の間の橋渡しをしてくださるギャラリーさん。
お客さまからのお手紙をとおして、藤吉憲典はギャラリーのオーナーさんにとても恵まれているとあらためて感謝の午後でした。

「習う」と「慣れる」。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

先日から「茶道」であったり「一汁一菜」であったりというテーマの流れで、
ぼんやりと考えてみたことが、

「習う」と「慣れる」。

わたしにとって茶道は、身につくまで繰り返し繰り返しやっていきたいことです。
そもそも茶道を始めた元にあるのは、「やきものや」という職業柄の知識欲。
でも、実際にはじめると、そんなこととは関係なく、面白さ奥深さにひかれました。
これも指導してくださった方のおかげなのですね。

一汁一菜の朝食も、ほんとうにおいしいと感じるから自然と続いているわけで、
ただ「体に良いから」というだけでは慣れるまで続かないだろうな、と。
そしてそのきっかけを与えてくださったのは、漢方医の先生であり、
その方に習ったからこそ、の習慣なのですね。

「習うより慣れよ」という言葉があるわけですが、半世紀近く生きてきた実感としては
「習ったうえで、習いながら、慣れるまで繰り返す」というのが腑に落ちる今日この頃。
どちらも大事。

でも、もっと正直に言ってしまえば
自分の気持ちが向かないことに対しては、習っても習っても身につかない。
かといって慣らそうとしても、そもそも「慣れるまで繰り返す」に至らない。
あ、あくまでも自分の場合ですが(汗)

「習う」も「慣れる」も本人の気持ち次第。
だとすると、最初に「習う」のきっかけを作ってくれる人の影響力というのは、とてつもなく大きい。
「最初に誰に習うか」によって、その分野に対するその後の姿勢は大きく変わるような気がします。

お茶にしても食習慣にしても、それ以外に今自分の身についている「いい習慣」を振り返ると、
いい指導者に巡り合えたからこそ楽しんでいる幸運を感じます。

感謝(^^)

一汁一菜(いちじゅう いっさい)。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

昨日「立冬が過ぎ」と書いたばかりでしたが、
ここ福岡でも、朝が冷え込むようになってきました。

朝は温かいお味噌汁。

が嬉しい季節です。

我が家は長いこと「朝はホームベーカリーのパンとコーヒー」だったのですが、
今年に入って、漢方医の先生とたくさんお話しする機会があり、
あらためて「食養生」ということを考えた結果たどり着いたのが

朝食は一汁一菜。

というわけで、ごはん・味噌汁・お漬物 の朝食です。

厳密には「一菜」にはお漬物は入らない、とする向きもあり、
だとするとおかずが一皿必要なのか?となりますが
そこはまあ、都合よく解釈することにして(笑)

ごはん・味噌汁・お漬物の朝食をはじめて、
おいしいうえに、合理的でもあると感じています。

朝ご飯をゆっくり食べる時間がとれないときでも、
お味噌汁さえあれば、すぐに体が温まります。
以前「お味噌汁は、飲む点滴」という話を医療関係者の方から聞いたことがありました。
そういえば起き抜けであまり食欲がわかないときでも、
温かい味噌汁を少しとると、体が目を覚ますような感じがします。

うちは晩御飯の時は削り節でお出汁をとることが多いのですが、
朝は常備している「昆布と椎茸の出汁」を使えば短時間でできます。
前の晩から水に昆布と干し椎茸を入れて置いておくだけ。
冷蔵庫に常備しておけば、いつでも使えて便利です。

漬物は、ぬか床のなかから取り出して切るだけ。
かわいらしい小皿豆皿にお漬物、
お気に入りのごはん茶碗にアツアツご飯でご機嫌です。

このお手軽さ!
最初に「食養生」と書きましたが、じつはお手軽さという面からも
一汁一菜朝食、おすすめです。

<耳より情報>
ごはんとお味噌汁とお漬物について、深い考察をなさっているサイト。
創業400年の日光たまり漬の上澤梅太郎商店「上澤の朝食」では、
一汁三菜のルーツなどについても知ることができます(^^)
http://www.tamarizuke.co.jp/uwasawa/index.html

風炉から炉へ。お茶のお稽古。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

風炉から炉へ。お茶のお稽古。

今日は月に数回のお楽しみ、お茶のお稽古に行ってきました。
11月になると釜をかけるのが「風炉(ふろ)」から「炉(ろ)」に変わります。

立冬を過ぎ、肌寒くなってきたところに、炉。
火(炭)の位置が客の席に近くなり、なんとなく暖かい感じがします。
ちょっとした道具の位置の変化も、おもてなしの配慮なのですね。

さて、道具が変わると、点前作法も変わります。
今年の春から濃茶のお点前を修業しているわたくし、
風炉の手前も覚えないうちに炉に変わり、気もまた新た。

とはいえ茶道のお稽古において「変化」は日常茶飯事。
季節だけでなく行事や設定によって、道具も作法も微妙に変わります。
なので、物覚えの悪さを自認するわたしは、南方流に入門するにあたり決めました。

茶道を頭で覚えようとせず、体に染みつくまでやろう。

果たして何年、何十年かかることやら気の長い話ですが、
そう最初に決めたので、お稽古中に作法を途中で忘れても間違えても、笑顔。
教えてくださっている先生方には、出来の悪い生徒で申し訳ないところでありますが‥。

ただ、頭で作法を覚えていなくても、心がけできることがあります。
それは、一つ一つの所作をできるだけ丁寧に、できるだけ美しく、と心がけること。

元来せっかちでバタバタと大雑把な性格なので、
この心がけをしていくだけでも、自分にとって大きな精神修養になると信じています。

実際のところ、気持ちが整っていると、お点前がひととおり終わるまで
「丁寧に美しく」の心がけを持続することができますが、
雑念があると、お点前の最中にこの心がけを持続することさえ難しいのです。

さて本日、自分なりには丁寧で美しいお点前を心がけることができました。
毎回あたたかく見守り、根気強く指導してくださる先生方、先輩方のおかげです。
感謝。

11月は大相撲九州場所。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

11月と言えば、大相撲九州場所。

九州場所の相撲観戦が我が家の年中行事に加わって早8年目。
今年もこの季節がやってまいりました。

「相撲は美しい」

これは2010年発刊のPenの特集号表紙のコピーです。

相撲を観に行く楽しみは、贔屓の力士の応援だけではありません。
実際に本場所の会場に足を運ぶようになって、
ほんとうに相撲は文字通り美しいと感じます。

そのひとつが、土俵と土俵まわりの美しさ。
本場所のたび丁寧に手仕事でつくられる土俵の美しさと、釣り天井の風情
その下に控える審判員の親方たちの姿。

次に、呼び出しや行事の方々の衣装
相撲観戦の日は朝から会場に入るのですが、
結びの一番に向けてだんだんと位が上がり衣装が豪華になっていく
その変化の面白さを見るのも楽しみなのです。

そして土俵入りで見られるお相撲さんの化粧回し
色とりどりに華やかな化粧回しのお相撲さんがずらりと並ぶさまは圧巻です。
土俵入りの様子はテレビ中継でも映されますが、ぜひ生で見てもらいたいひとつ。

さらに、なんといっても所作の美しさに見られる形式美。
横綱土俵入りはもちろん、取り組みのたびに繰り返される仕切りも
実際に足を運んでみると、ひとつひとつ目を離すことができず
あっという間に時間が過ぎてしまいます。

個人的には、故・先代九重親方の横綱千代の富士時代の土俵入りが
(子どもの頃でしたのでテレビでしか拝見したことはありませんでしたが)
とても美しく、実際に見ることができたらどんなに素晴らしかっただろうと思います‥。

結びの一番終了後の弓取り式も素晴らしい。
このころになると客席を立って帰りはじめる人も多いのですが、
最後まで見ないともったいない儀式です。

もちろん、お相撲さんの取り組みの姿自体が美しい、もあると思いますが、
それを取り巻く装飾的な要素。ここに美しさの愉しみがあると感じます。
大相撲は日本の伝統美をあちらこちらに垣間見ることのできる空間だと思います。

一度ぜひ、足を運んでみませんか(^^)

染付の定番人気~知ると楽しい文様のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役ふじゆりです。

いよいよ明日、6月25日(土)からはじまる熊本SUNNYさんでの
『藤吉憲典 蕎麦猪口展』を存分に楽しむ!をテーマに
文様について小話を展開しております。

これまでにご紹介したのはこちら。


江戸時代から人気の定番文様の蕎麦猪口

うえの写真は左から

  • 染付独楽筋文蕎麦猪口(そめつけ こますじもん そばちょこ)
  • 染付波兎文蕎麦猪口(そめつけ なみうさぎもん そばちょこ)
  • 染付酒樽文蕎麦猪口(そめつけ さかだるもん そばちょこ)

蕎麦猪口に限らず、肥前陶磁の文様は江戸時代にたくさん生まれました
そして、その当時の文様が今でもたくさん引き継がれ、描かれています。

今回の三つも江戸時代からの人気文様。

染付独楽筋文蕎麦猪口

シンプルな横線文様です。
いわば「ボーダー柄」ですね。

それが肥前陶磁的には「独楽筋(こますじ)文」となります。

シンプルな横線文様をまわり続けるコマの様子に見立てた名付けは、
独楽⇒まわり続ける⇒縁起が良い
という、いかにも江戸気質な解釈からだといわれています。

というわけで、独楽筋文もまた吉祥文様のひとつ。

 

染付波兎文蕎麦猪口

人気のウサギは、江戸時代から染付・赤絵さまざまに描かれています。
なかでもこの波兎は超定番の人気文様です。

もともと日本では桃山時代から工芸品に波兎が描かれるようになったとか。
おそらくは神話「因幡の白兎」にちなんでデザインされたと思われる「波」と「兎」の組み合せ。
これまた 波兎⇒波に乗り飛躍する というような江戸的おめでたい解釈。

対してやきもののルーツ中国では、明の時代に「月に兎」の題材がよく描かれています。
これは「月に不老不死の霊薬をつくる兎とガマが住んでいる」という伝説を題材にしたものだそうです。

というわけで、この波兎文の背面には月が描かれています。
日本由来の縁起と中国由来の縁起を担いだおめでたい吉祥文様です。

 

染付酒樽文蕎麦猪口

日本では日常の道具類を「宝」として図案化したものが数多くあり、酒樽はそのひとつ。
宝なので、やはり吉祥文様。婚礼をはじめとした祝儀に用いられます。

酒樽に盃の連続文様は見た目にもおめでたい感じがわかりやすいですね。

「外濃(そとだみ)」と呼ばれる絵付けの方法で、
まわりを染付の藍色にし道具を白く浮かび上がらせています。

 

いずれも江戸時代からの定番文様。
蕎麦猪口の文様の面白さ、ぜひ現物を手にとってご覧くださいね(^^)


藤吉憲典 蕎麦猪口展
2016.6.25(土)-7.3(日)

Bistrot & Bar SUNNY
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL096-355-4188

月曜定休

営業時間
火/木/金:18-26時
水/土/日:13-16時18-26時

赤絵の蕎麦猪口~知ると楽しい文様のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役ふじゆりです。

6月25日(土)からはじまる熊本SUNNYさんでの
『藤吉憲典 蕎麦猪口展』を存分に楽しむ!をテーマに
文様について小話を展開しております。

これまでにご紹介したのはこちら。

●松竹梅~知ると楽しい文様のこと

●立てば芍薬座れば牡丹~知ると楽しい文様のこと

●植物・気象・動物~知ると楽しい文様のこと


かわいくておめでたい赤絵の蕎麦猪口

うえの写真は左から
染錦扇文蕎麦猪口(そめにしき おうぎもん そばちょこ)錦桃文蕎麦猪口(にしき もももん そばちょこ)
赤絵万暦鳳凰文蕎麦猪口(あかえまんれき ほうおうもん そばちょこ)

いずれもおめでたい吉祥文様です。

染錦扇文蕎麦猪口

扇は神事、舞い、儀式の場に欠かせない道具です。
末広がりの形がめでたく、吉祥文様のひとつ。
江戸の古来から人気です。

赤は魔除けの意味を持つ色
吉祥文様を赤で描くことで、その意味を特に強くします。

お正月はじめ、お祝いの席に喜ばれる文様です。

 

錦桃文蕎麦猪口

桃の実も、おめでたい吉祥文様のひとつ。
桃を吉祥文とするのは、やきもののルーツ中国に由来します。

中国では三果文(さんかもん)と呼び、仏手柑・桃・石榴 の三つの実ものが
「子宝の象徴」「魔除けの力を持つもの」として人気です。

日本でも、神話で鬼を追い払うのに桃が使われたり、
昔話で桃から子どもが生まれてきたり、
やはり「子宝」「魔除け」の実として昔から親しまれています。

 

赤絵万暦鳳凰文

「赤絵万暦(あかえまんれき)」というのは、やきものの文様の描き方の様式のひとつです。

鳳凰(ほうおう)は中国で神聖視された霊獣のひとつ。
良いことの兆しを告げる吉兆の霊獣です。
中国では龍や麒麟(きりん)と並んで吉祥文様として描かれる人気文様。

これもまた、お祝いに喜ばれる文様です。

 

今日は赤絵のおめでたい文様を三つご紹介しました。
蕎麦猪口の文様の面白さ、ぜひ現物を手にとってご覧くださいね(^^)


藤吉憲典 蕎麦猪口展
2016.6.25(土)-7.3(日)

Bistrot & Bar SUNNY
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL096-355-4188

月曜定休

営業時間
火/木/金:18-26時
水/土/日:13-16時18-26時

植物・気象・動物~知ると楽しい文様のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役ふじゆりです。

6月25日(土)からはじまる熊本SUNNYさんでの
『藤吉憲典 蕎麦猪口展』を存分に楽しむ!をテーマに
文様について小話を展開しております。

これまでにご紹介したのはこちら。

●松竹梅~知ると楽しい文様のこと

●立てば芍薬座れば牡丹~知ると楽しい文様のこと


蕎麦猪口の文様は楽しい

蕎麦猪口の文様の楽しさは、その題材の多様さ。

本日の写真は左から
染付朝顔文蕎麦猪口(そめつけ あさがおもん そばちょこ)
染付傘文蕎麦猪口(そめつけ かさもん そばちょこ)
染付群馬文蕎麦猪口(そめつけ ぐんばもん そばちょこ)

この三つを見るだけでも、それを感じていただけるのではないでしょうか。

草木や花などの植物がテーマになったもの
雨と傘、気象や自然現象がテーマになったもの
動物がテーマになったもの

朝顔文

我が家の近所の朝顔も咲きはじめました。
夏の風物詩ですね。
日本では薬草として平安時代から親しまれていたようです。

渡来種が多く、色カタチさまざまな種類のある朝顔。
江戸時代にはこうした「変化朝顔」を栽培するブームがあったといわれています。
観賞用として人気が出て、いろいろなデザインに用いられたのでしょう。

蕎麦猪口では、染付(そめつけ)の藍色だけでシンプルに描かれることもあれば、
赤絵を用いて華やかに描かれることもあり、
朝顔ひとつとってもたくさんのデザインが残っています。

傘文

古伊万里からつづく古典文様には、自然現象をデザイン化したものも数多くあります。
荒波、小波、雪、氷、雨、風・・・・・

形のない現象をデザイン化する方法は、日本の織物の文様や
日本画での描かれ方など、いろんな分野からお互いに学びあっていたようです。

さて、この傘文。
自然現象の雨の文様である一方、宝文様でもあります。

中国八吉祥と呼ばれるおめでたい文様のなかに宝傘があります。
傘を持つ人物が描かれていないのは「隠れ蓑」「隠れ傘」に由来があり、
かぶると体が見えなくなるという想像上の傘だから。
隠れ蓑と同様、鬼や天狗の宝物である道具の一つと伝えられています。

それゆえこの傘文の蕎麦猪口も、吉祥文様の蕎麦猪口として愛されています。

群馬文

馬は牛と同様に、神の乗りものとされています。
ともに農耕民族にとっては生活に欠かせない重要な存在で、活動の象徴・招福の縁起物です。

雲とあわせて描かれる「天啓群馬(てんけいぐんば)」の文様は、
良い兆しを伝えるものとして、特におめでたい文様として慶ばれています。
そのほかにも、馬を九頭描いて「うまくいく」と語呂合わせした江戸の気風が感じられるものも。

蕎麦猪口の文様の面白さ、
ぜひ現物を手にとってご覧ください(^^)


藤吉憲典 蕎麦猪口展
2016.6.25(土)-7.3(日)

Bistrot & Bar SUNNY
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL096-355-4188

月曜定休

営業時間
火/木/金:18-26時
水/土/日:13-16時18-26時

立てば芍薬座れば牡丹~知ると楽しい文様のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役ふじゆりです。

6月25日(土)からはじまる熊本SUNNYさんでの
『藤吉憲典 蕎麦猪口展』を存分に楽しんでいただきたいので、
今日からしばらく文様について小話を展開してまいります。

これまでにご紹介したのはこちら。

●松竹梅~知ると楽しい文様のこと


蕎麦猪口の文様は楽しい

上の写真の蕎麦猪口の名前は、
染付外濃牡丹文蕎麦猪口(そめつけ そとだみ ぼたんもん そばちょこ)。

※豆知識
外濃と書いて「外ダミ」。
絵付の絵具である染付の藍色で塗りつぶすことを「ダミ」といいます。
この文様は、牡丹の花の外側を塗りつぶしてあるので「外ダミ」。

牡丹の花は富貴の象徴

やきもので牡丹のデザインと聞いてぱっと思い浮かぶものは

牡丹唐草文(ぼたんからくさもん)

牡丹唐草文 藤吉憲典

かも知れません。

立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花。

牡丹も芍薬も、花だけ見るととても区別がつきにくいのですが、
やきものに描かれているものは、おおむね牡丹と解釈されています。

その理由は、やきものが中国の影響を受けたものであること。
中国では唐の時代から牡丹の花は富貴の象徴であり、百花の王としてとして人気の高い花なのです。

ですから、同じように華やかに描かれた花でも、縁起を担いで「牡丹」と解釈。

上に紹介した牡丹唐草文のほかにも、岩牡丹文(いわぼたん)、牡丹繋文(ぼたんつなぎ)、短冊牡丹文(たんざくぼたん)など、さまざまに描かれています。

牡丹が文様になっている蕎麦猪口はこちら。

 

小皿豆皿のこと

こんにちは、ふじゆりです。

北部九州、梅雨入りのニュース。
小雨のなかに紫陽花があざやかです。

さて

小皿豆皿のこと

手塩皿とも呼ばれる径3~4寸ほどまでの小さいお皿。
写真のように、ままごとのような実用品です。

わたしが蕎麦猪口に次いで魅入られたのが、この小皿豆皿。
見て楽しい、使って便利、手のひらにのる愛らしさ。
蕎麦猪口同様、蒐集心をくすぐる小品です。

「こんなに小さくて、なんに使えるの?」という声を何度もお聞きしたことがありますが、
そのたびにお返事しているのが、「実はとっても使い勝手がいいんですよ」ということ。

刺身の醤油皿であったり珍味皿であったり、というのが一番簡単な説明の仕方ですが、
小皿豆皿でわたしが一番助かっているのは、来客時やちょっとした行事の食卓での使い方です。
塗りのトレーや重箱に豆皿を配置して、少しづついろんな料理を盛っていくだけで
あら不思議。華やかで贅沢な雰囲気になるんです。

小さなお皿ですから、盛り付けにたくさんの量は要りません。
料理というよりも、珍味や箸休めになるようなものでいいんです。
ありあわせのものをちょっとづつ盛れば、それだけでなんとなく格好がつく。

「準備の時間がないけれど、おもてなしの気持ちを表したいとき」に最適・最強だと感じています。
わたしは大雑把な性格なので、繊細で美しい盛り付けをするのは苦手。
なので、お皿に任せてしまおう、というわけです。

 

小皿豆皿を探す

小皿豆皿と聞いて、京都の「てっさい堂」さんを思い浮かべる骨董好きの方も多いと思います。
古伊万里も数多く扱っておられるてっさい堂さんは小皿豆皿など小品の充実も有名な名店で、
○○画報はじめ、さまざまな媒体で小皿豆皿の提供や、取材記事を目にします。

わたしも数回行ったことがありますが、毎回その品揃えに圧倒されます。
普段資料として写真でよく見ているものが、そのままたくさんあるというのはすごいことですね。
江戸時代の古伊万里の豆皿を手に入れることができます。

古伊万里の小皿豆皿を見たいならば、もう一箇所、おすすめはやはり
佐賀県の九州陶磁文化館にある柴田コレクションです。
美術館ですから、収蔵品の購入はもちろんできませんが、閲覧には最適です。

柴田コレクションには、江戸時代のさまざまな形・絵付の小皿豆皿があります。
時代を網羅した膨大な数のコレクションは、肥前磁器の宝です。
常設で専用の展示室があり、定期的に展示品が入れ替えられるので、何度でも足を運ぶ楽しみがあり。
骨董屋さんのようにその場で手にとって見ることは出来ませんが、生きた資料だとつくづく思います。

(補足)九州陶磁文化館では、収蔵品を手にとってご覧になりたい場合は、事前申請により、
その理由により許可がおりた場合には、学芸員さん立会いのもと手にとることもできます。

 

そして、最後にちょっとだけ宣伝(笑)

藤吉憲典の小皿豆皿は、こうした肥前磁器の歴史から学んで、復刻したり、あらたに作り出しています。
現在その数約40種。これからもまだまだ増殖しそうです。