「祝の器展」本日最終日。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

「祝の器展」本日最終日。

2016年もお世話になりました。ありがとうございました。

毎年、12月は一年間の感謝を込めて花祭窯での展示企画をしたいと思いながら、できたりできなかったり。今年は12月22日から本日29日まで「祝の器展」として展示ができて、ホッとしています。

この展示でつかったのは、江戸時代からつい近頃まで使われていたという朱塗りのお膳。ご近所さんからのたいせつな預かりものです。

ご主人がお亡くなりになってから、それまで続けていたお正月の習慣もすっかりやめてしまったと。昔からのお道具が蔵に眠っているから、それよりは使ってもらうと嬉しいのよ、とおっしゃって、わたしたちに預けてくださったお道具のひとつです。

藤吉憲典染付の器、赤絵の器

「祝の器展」を見に来てくださった方、みなさんがこれをご覧になって喜んでくださいます。「なつかしい」とおっしゃるご年配の方だけでなく、若い方からも「かわいい~!」の声。

一人でも多くの方にこの風景を楽しんでいただくことも、花祭窯がここでできる仕事のひとつかもしれないと、ありがたく嬉しくなります。来年もこのような機会を必ずつくろうと、手帳に予定を書き入れました。

2016年の祝の器展もあと数時間。
今年も一年、ありがとうございました<(_ _)>

杵と臼で餅つき。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

本日はご近所で恒例のお餅つきでした。

杵と臼を使ってのお餅つき。

セイロで蒸しあげたもち米を石臼に入れて、杵で餅つき。
ここ津屋崎に越してきてから、この景色を毎年見ることができています。ありがたいですね。

餅をつき、ちぎる、丸める。

この作業のなかに、自然と役割分担や協力関係が生まれるさまは、見ていて・参加していて、なんとも面白いのです。

参加者は老若男女。主催なさる方の厚意による餅つきは「ご自由にお越しください」のスタンスで、実際にはじまってみないと、誰が来るのか、何人くらいくるのか、いつくるのかがわかりません。でも、そんななか、出来ることをできる人が進んでやっていく。人手が足りないときは声をかける。目配りしている人がさりげなく采配する。年長者がやり方のコツを伝授する。

なるほど餅つきがあたりまえの風景であった時代・場所においては、子どもからお年寄りまで、それぞれがその場所で役割を担うことが、自然に行われていたのだろうな、と感じられるひと時です。

ありがとうございました(^^)

冬至は柚子(ゆず)風呂。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

昨日の朝、ラジオから流れてきた「今日は冬至です!」の声に促されました。

冬至は柚子風呂。

さっそく柚子を調達するため近所に散歩にでかけました。
ここ津屋崎千軒には国指定有形文化財の「藍の家」があります。我が家から徒歩2分ほどの距離。もとは明治34年に建てられた藍染めを主とする染物屋さんで、古民家好きの方々が観光に訪れる場所になっています。

そんな藍の家、ボランティアの方々によって運営されており、その軒先でご近所の農家さんが持ってきた旬のお野菜や果物が時々少し売られているのです。ご近所散歩のついでに立ち寄り、運良く新鮮な野菜が手に入ればラッキー!というのがわたしのスタイル。

目論見どおり、藍の家で柚子ゲット(^^)
完熟の柚子。ぷかぷかと湯船に浮かべると、芳香に包まれてなんとも贅沢です。

日本の四季折々の習慣には、日常のなかにさりげなく非日常を取り込む面白さがありますね。気が付いたときに、できそうなことを取り込むだけで、気分が盛り上がり楽しくなることをあらためて感じた冬至でした。

花祭窯で祝の器展。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

近所の店先に「柚子」をみつけました。
もうすぐ冬至ですね。

2016年の展示の締めは

花祭窯で「祝の器 展」。

毎年12月には感謝の気持ちを込めて、ここ津屋崎の花祭窯で藤吉憲典のうつわ展示を、と思っています。個展の日程やあれこれでできない年もありますが、今年は、やります!

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花祭窯 祝いの器 展

2016年12月22日(木)~12月29日(木)
午前11時~午後5時
期間中無休

花祭窯:福津市津屋崎4-8-20にて
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展示期間中は無休ですので、営業時間内であれば事前の連絡無しにお越しいただいても大丈夫です(^^)

江戸時代から現代にかけて使われていたという塗りのお膳に、藤吉憲典の器を並べてセッティングいたします。楽しい展示になるよう、いろいろ考え中。もちろん気に入った器はお買い上げいただくことができます。

忙しい年末、ちょっぴり息抜きに花祭窯へいらっしゃいませんか。お待ちいたしております。

次なるお題は、床の間。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

先日お友だちと話していて笑ったのですが、「幾つになっても知らないことだらけ」というか、「年を重ねるごとに知らないことが多いことに気づく」ということが実感としてあります。
というわけで、わたしの

次なるお題は、床の間。

先般、仙厓さんの掛け軸がやってきたので

仙厓さんがやってきた!

長らく自由に遊んでいた床の間に、掛け軸がかかりました。

掛け軸がかかると、その掛け軸について知りたくなります。
掛け軸のかけ方や、床の間空間の使い方の道理を知りたくなります。
そう、まさに知らないことだらけ。

床の間にかかっている掛け軸は、

  1. 誰の書いた(描いた)ものなのか。
  2. 何と書いて(なにが描いて)あるのか。
  3. その意味するところは。

それに対して

  1. 日本最古の禅寺である博多聖福寺の住職であった仙厓和尚によるもの
  2. 「指月布袋図」で、「を(お)月様幾ツ 十三七ツ」と書いてあり
  3. 月は円満な悟りの境地を象徴しており、布袋さんと子どもが指さすそのはるか彼方にその月はある。この月のように悟りの境地というのは、容易に到達できるものではない。

というようなこと。

この三つの問いに対しては、そのお軸ごとに調べたり確認したりして、知識として学んでいくわけなのですが、今回はたと立ち止まったのが「このかけ方でいいのか?」でした。

お茶会への出席やお手伝いは、床の間や掛け軸の在り方を体験する実践的な機会で、その都度勉強をしていたつもりが、いざ自分で床の間に掛け軸をかけるとなると、その空間の使い方に迷いが生じました。

「難しく考えなくても、格好良く収まったらいいのでは」という安易な気持ちで掛けてみたものの、花を生けるのか、香炉を飾るのか、試しにあれこれ並べてみたものの、いまひとつ決まりません(汗)

最終的には空間が格好良く収まればよいのだけれど、それもまずは床の間というものの道理を少しは理解したうえでこそ、うまくいくものなのかもしれないと思い至りました。

というわけで、少し勉強してみます(^^)

個展の準備・藤吉憲典展@町田ももふく

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

昨日は終日個展の準備でした。

12月3日(土)~12月10日(土)
東京・町田 ももふく で藤吉憲典展

つくり手が忙しいのは、この個展に向けての制作からお届け完了まで。
なにより、個展を主催してくださるギャラリーさんに、無事に作品を送り届けることです。

朝、今回の個展に向けての最後の窯があがりました。
早めに仕上げようと言いながら、ギリギリまでいいものを作りたいと欲が出るので、個展会場に並ぶ顔ぶれが揃うのは、毎回直前になります。

さて、個展の準備。

  1. 窯から上がった器は、器の底の、釉薬がかかっていない部分がざらついているので、手で触って引っかからないくらいに、サンドペーパーできれいに仕上げます。
  2. それから、連番をつけてそれぞれに張ります。
  3. 連番と、品名と、価格をリストにします。
  4. それぞれの器を割れないように厳重に梱包します。
  5. そして、発送。

おおよそここまでが、昨日一日かけた個展準備仕事。
もちろん、一番時間をかけるのは、

その前にある、制作時間です(^^)

梱包作業が順調に進むと、少し安心。
あとは、運んでくださる業者さんと、届け先のギャラリーさんに、信頼してゆだねます。

今年度〆の個展。
皆さまのご来場お待ちしております!

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藤吉憲典展
12月3日(土)〜10日(土)
12時〜19時 会期中無休
※最終日17時まで
ももふく
〒194-0013 東京都町田市原町田2-10-14-101
Tel/Fax 042-727-7607
地図 http://www.momofuku.jp/map/

花祭窯的、海のある日常。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ) ふじゆり です。

花祭窯から海岸までは徒歩1分・・・もかかりません。
ここ津屋崎に来てから

海のある日常の贅沢

を享受しているなぁ、とつくづく感じます。

環境の変化がつくり手・つくるものに与える影響の大きさは、
頭で考えていた以上のものがあると、つくづく思います。

つくり手であるダンナ・藤吉憲典の1日のはじまりは、海岸散歩。
すっかり日課になっています。

海岸散歩。
砂浜を結構な距離歩くので基礎体力づくりになり、
同様のご近所散歩人とのちょっとした社交タイムであり、
自分の今日の体調を見極めるバロメータとなり、
浜辺への漂着物を見つけるビーチコーミングタイムであり、
なによりも最大のリラックスタイム。

朝食のあとは、魚市場(おさかなセンターうみがめ)へ。
まずはここで魚をチェックして、その日の晩ご飯が決定。
もともと魚が食卓に乗ることの多い藤吉家でしたが、
ここにきて週の半分以上が魚になりました。

夏のあいだは、もちろん海水浴も。
透明度が高く、遠浅なので、比較的安心して海遊びできます。
足元を魚の群れが通ったりするのはなんとも贅沢。

我が家には残念ながら「釣り人」はいませんが、
冬になると、イカやらナマコやらが浜辺にうちあがり、
春先にかけては、ヒジキやワカメが収穫できます。

 

実は江戸時代の古伊万里にも、魚や貝殻はたくさん題材として使われてきました。
文様として描かれるだけでなく、貝型の香炉や皿などカタチにも反映されています。

つくり手・藤吉憲典もまた、こうした古典の写したくさんをつくってきていますが
古典のお手本イメージに、実際の海の体感が加わることで、
「写し」が「本歌取り」に高まることを感じます。

 

かくいうわたし自身の海との主な関わりは、
海の恩恵を感じればこそ、ときどき海岸のゴミ拾い、です(^^)

遠来のお客さま。

こんにちは。花祭窯・ふじゆりです。

夏らしいお天気の続く津屋崎千軒。

ここ花祭窯は海に近いことに加え、古い日本家屋で風通しがよく
外から玄関に入って来られると、一瞬涼しさを感じていただくことができます。
それでもこう暑い日が続くと、さすがにエアコンの必要性を感じる今日この頃。
建物に穴をあけなければならないのが、なんとも悩ましいところです。

さて

花祭窯には福津市外からお越しくださるお客さまも多くいらっしゃいます。
県外・九州外からと遠来のお客さまも多く、ありがたいなぁとつくづく感じています。

皆さん、ここでゆっくりと時間を過ごしてくださいます。
ここ津屋崎は、位置的に「ついでに」というよりは「目指して」来る場所なので、
できるだけ楽しんでいただけるといいな、と思っています。

昨日いらっしゃったお客さまは、京都からの若い料理人さん。
九州方面への用事に合わせて、花祭窯へもお立ち寄りくださいました。

直前にお電話をいただき、ちょうどつくり手も在宅していたのでお会いできました。
個展会場でお会いして以来の約1年ぶりで、話も弾みました。

次回お越しの際は、ぜひ1~2日前にご連絡くださいとお願いをしました。
というのも、せっかくお越しくださっても不在だったら、とても申し訳なくて残念だからです。
それから、お茶を点てて差し上げるのに、そのほうが準備ができるので。

皆さま、花祭窯へお越しの際は、ぜひあらかじめご連絡くださいませ<(_ _)>

茶室「徳り庵」~名前の由来

こんにちは、ふじゆりです。

そういえば、まだこちらでちゃんとご紹介していませんでした。

花祭窯の茶室「徳り庵」

「とくりあん」と読みます。
変形三畳の狭小茶室です。

お茶室の定義は「茶を目的とした空間」
「自然」と「美」を感じるたたずまいでさえあれば自由な解釈が許されるものだとわかり、
徳り庵では「茶室はこうあるべき」にとらわれずにつくりました。

徳り庵の名前の由来は、ふたつあります。

その一、徳利(とっくり)

茶室に入ってふぅっと一息、おちついたら、まず天井を見上げてみて欲しいのです。
土壁がそのまま天に向かってすぼまっていきます。
徳利のなかから上を見たら、こんな景色かしら、という感じ。

花祭窯茶室徳り庵

↑この写真は、天井をつくる過程での骨組み図。
竹の力を借りてつくったこの曲線面に、土壁を塗って完成しています。

 

その二、徳不孤必有隣

「徳は孤ならず必ず隣有り」と読みます。
論語にある孔子の言葉です。
素読を通して親しんでいる論語の言葉からなにかもらいたいな、と思っていたところに見つけました。

意味は「たくさんの人と交わるなかで徳が養われ、親しく理解しあえる仲間ができる」というようなこと。
そんな仲間を迎え、お茶を飲み、語らえる場所でありたいという気持ちをこめて。

余談ですが
この名前を決めて数ヶ月後のこと。
ダンナが急に「あーっ」と大声。
いったいなにかと思ったら「これ、親父がよく書いてたんだ!」と。

20年以上前に亡くなった藤吉憲典のお父さんは書道の先生でした。
掛け軸や色紙に文字や水墨画をたくさん残していましたが、
生前、友人などが訪ねてきたときに、色紙や短冊に書いて差し上げていたのが
この「徳不孤必有隣」であったと、急に思い出したらしく。

これを聞いてますますこのお茶室の名前が気に入っています(^^)

 

 

読書の贅沢。

こんにちは!ふじゆりです。

ここ数日、お掃除をしながら来る年に意識を向けています。

今年は自分がこれまでに培ってきた思いや、大切にしたいと思っていることを
言語化してくれる本にたくさん出会うことが出来ました。

↓先だってこのブログでご紹介した本↓をはじめ、古典・新著かかわらず
福原義春さんの『美-「見えないものをみる」ということ-』
岡倉天心『The Book of Tea』

必要なタイミングで、必要な本に出会うようになっているのだなぁ、と感じます。

その最新がこちら。図書館で目が合いました。
「スローシティ 世界の均質化と戦うイタリアの小さな町」

スローシティ世界の均質化と戦うイタリアの小さな町

町づくりとは違いますが、花祭窯もまた、「均質化」に逆行する仕事、特化することを良しとしています。

藤吉憲典作陶理念 のなかで

一人の手でつくるからこそできる仕事、
画一化・巨大化の対極にあるものづくりをします。』 と。

均質化せず、自分を貫く。
それはシンプルなことではありながら、そうあり続けることができるのは
ある意味とても贅沢なことなのかもしれないな、と思いました。

「スローシティ 世界の均質化と戦うイタリアの小さな町」のあとがきに
「場所のセンスを取り戻す」とありました。

「場所のセンス」

なるほどなぁ、と思わずうなずく言葉でした。

一軒の窯元、一人の作家ができることのなかで、
少しでも地域に貢献できることがあるといいな、と思いつつ。