津屋崎朝勉強会、続行中。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

本日は2017年最初の「朝勉デー」でした。

津屋崎朝勉強会、続行中です(^^)

この朝勉も、2012年に津屋崎に工房を移転してきてから始めた取り組みの一つです。今日は2017年初めの朝勉ということで、「2017年の決意表明を書に」をテーマに実施しました。

参加者がほぼ全員個人事業主なので、1月は事業的にも年度初め。というわけで書かれた文字も、個人的な目標もあれば事業的な目標もあり。「愛」「勇気」「初心」「塩」などなど、各々に個性的な面白い決意表明となりました。

この朝勉強会、月に一度集まって仕事の進捗状況や課題を発表しあうというもの。いわば「最近どう?」を確認する場です。気心の知れた数人で実施しているため、お互いにざっくばらんな意見交換ができます。またそれぞれが自分自身の事業の「現在」を口に出して語ることで、自分のなかでの整理の機会にもなっています。

全員が異業種で、事業を起こすまでのキャリアもさまざまなので、これまでの経験・ものの見方・切り口が異なるのが魅力の一つ。課題解決に向けて意見が欲しい場合にとても助かります。参加者の知恵だけでどうにもならないことも、それぞれの交友関係から「あの人に聞いてみたら良いかも!」ということがしばしば。これもまた大きな魅力です。

2012年の朝勉強会スタート時から続いている重要なルールはみっつ。

  • 自分のことは棚に上げる。

自分のことは見えなくなっているときでも、他者のことはよく見えることがありますよね。なので「自分ができているかどうか」なんていうのは二の次で、思いついたアドバイスは遠慮なく口にすることがルールです。

  • 朝令暮改、大いに結構。

月に一回の開催なので、「そういえば前回言っていたあれ、どうなった?」に対して、状況がまったく変わっていることもしばしば。当然それもまた良しとして話が進みます。

  • 去る者追わず、出戻りOK。

それぞれの事業の進み具合や個人としての考え方、いろんな変化のタイミングがあるのが普通なので、そんなときお休みしやすいように半年ごとに「継続しますか?」確認をしています。勉強会への参加をやめたからといって個人的なお付き合いのスタンスは変わりません。

そんなこんなで、いつの間にか5年も続いていたんですね。参加したいと言ってくださる方がお一人でもある限り、続けていきたいと思っています。

文化サロン@花祭窯、はじまります。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

文化サロン@花祭窯、はじまります。

「文化サロン」ってなんとベタな…と思うものの現段階でベストなネーミングを思いつかず(汗)いずれいい案が出てきたら名前が変わる可能性があります(笑)

もともと不定期の週末に実施していた

「論語を声に出して読もう」をリニューアル。

原則として2017年は2月から毎月第一土曜日の朝8時半から10時までの1時間半で予定。

内容は

  • 論語を声に出して読もう
  • 書道

を中心に、その時々の思いつきで。道具は全てこちらで用意します。

  • 参加費は、道具代としてお一人さま100円。

会員制ではなく、その都度募集をかけます。書道をしようと思うとスペースが案外必要なので、定員は毎回申し込み先着5名さまほど。自分たちの趣味で行うので、参加者がなくても実施いたします(^^)

ご興味のある方は、お気軽に花祭窯のフェイスブックページからメッセージくださいませ。

文化サロン@花祭窯への問い合わせはこちら。https://www.facebook.com/Hanamatsurigama/

ワクワク(^^)

「祝の器展」本日最終日。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

「祝の器展」本日最終日。

2016年もお世話になりました。ありがとうございました。

毎年、12月は一年間の感謝を込めて花祭窯での展示企画をしたいと思いながら、できたりできなかったり。今年は12月22日から本日29日まで「祝の器展」として展示ができて、ホッとしています。

この展示でつかったのは、江戸時代からつい近頃まで使われていたという朱塗りのお膳。ご近所さんからのたいせつな預かりものです。

ご主人がお亡くなりになってから、それまで続けていたお正月の習慣もすっかりやめてしまったと。昔からのお道具が蔵に眠っているから、それよりは使ってもらうと嬉しいのよ、とおっしゃって、わたしたちに預けてくださったお道具のひとつです。

藤吉憲典染付の器、赤絵の器

「祝の器展」を見に来てくださった方、みなさんがこれをご覧になって喜んでくださいます。「なつかしい」とおっしゃるご年配の方だけでなく、若い方からも「かわいい~!」の声。

一人でも多くの方にこの風景を楽しんでいただくことも、花祭窯がここでできる仕事のひとつかもしれないと、ありがたく嬉しくなります。来年もこのような機会を必ずつくろうと、手帳に予定を書き入れました。

2016年の祝の器展もあと数時間。
今年も一年、ありがとうございました<(_ _)>

2016読んだ本ベスト5。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

今年もたくさんの本に助けられました。
本に順位をつけるのはいかがなものか?とも思ったのですが、2016年に読んだ本のうち、自分に与えた影響の大きな本、という視点で振り返ってみました。
(それぞれの本の画像をクリックすると、アマゾンの書籍紹介のページで本の内容詳細をご覧いただくことができます)

2016年読んだ本ベスト5。

第5位 THE CURATOR’S HANDBOOK

400ページの分厚い本です。途中挫折するかと思いながらの読みはじめでしたが、終わってみれば内容の面白さに最初から最後まで通し読み。キュレーターとはなにか?という漠然とした問いかけから、実際に美術館・ギャラリーなどのスペースで展覧会をつくるための具体的な個別のノウハウ・事例・考え方が網羅されています。かといってマニュアル書ではない奥深さ。

第4位 SUPERFLAT COLLECTION

展覧会図録です。豊富な展覧会の写真がもちろんメインではあるものの、桃居オーナー広瀬一郎さんと村上隆さんによる陶芸対談をはじめ、コレクター対談、熊倉功夫先生の寄稿など、文章によるアプローチが見逃せない一冊でした。

第3位 地域を変えるミュージアム

2013年発行後すぐに購入して読んだ本。再び読み返しました。美術館・博物館のもつ力と、地域で果たすべき役割を思い起こさせてくれる本なので、たびたび引っ張り出して読んでいます。ひとくちにミュージアムによる場のデザインといっても、さまざまなアプローチがあることを、事例を通して教えてくれる本です。

第2位 南方録

南方録は、さまざまな訳本・解説本が出ています。いずれもかなりボリュームのある本が多く、どれを選んだらよいか迷っていたときに見つけたのが、これ。訳注はついていますが訳本ではなく、南方録そのままです。現代語ではないため読みにくく、正直なところ、勉強不足のわたしには何が書いてあるのか理解できないところも多々(笑)。ところがそれでも伝わってくるものがあるので不思議です。茶道稽古の実践とともに、これからも繰り返し読んでいきたい本です。

第1位 大きな羊のみつけ方 「使える」美術の話

2016年わたしに一番影響を与えた本は、宮城県美術館の教育普及担当学芸員(当時)である齋正弘先生による『「使える」美術の話』。このブログでも何回もとりあげました。

美術の使い方。

本を読む時間は移動中や、寝る前などの隙間時間が多いのですが、それでも読みたい本を読む時間は、わたしにとって大きな栄養補給になっています。

来年も嬉しい本との出会いを期待しつつ(^^)

杵と臼で餅つき。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

本日はご近所で恒例のお餅つきでした。

杵と臼を使ってのお餅つき。

セイロで蒸しあげたもち米を石臼に入れて、杵で餅つき。
ここ津屋崎に越してきてから、この景色を毎年見ることができています。ありがたいですね。

餅をつき、ちぎる、丸める。

この作業のなかに、自然と役割分担や協力関係が生まれるさまは、見ていて・参加していて、なんとも面白いのです。

参加者は老若男女。主催なさる方の厚意による餅つきは「ご自由にお越しください」のスタンスで、実際にはじまってみないと、誰が来るのか、何人くらいくるのか、いつくるのかがわかりません。でも、そんななか、出来ることをできる人が進んでやっていく。人手が足りないときは声をかける。目配りしている人がさりげなく采配する。年長者がやり方のコツを伝授する。

なるほど餅つきがあたりまえの風景であった時代・場所においては、子どもからお年寄りまで、それぞれがその場所で役割を担うことが、自然に行われていたのだろうな、と感じられるひと時です。

ありがとうございました(^^)

花祭窯で祝の器展。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

近所の店先に「柚子」をみつけました。
もうすぐ冬至ですね。

2016年の展示の締めは

花祭窯で「祝の器 展」。

毎年12月には感謝の気持ちを込めて、ここ津屋崎の花祭窯で藤吉憲典のうつわ展示を、と思っています。個展の日程やあれこれでできない年もありますが、今年は、やります!

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花祭窯 祝いの器 展

2016年12月22日(木)~12月29日(木)
午前11時~午後5時
期間中無休

花祭窯:福津市津屋崎4-8-20にて
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展示期間中は無休ですので、営業時間内であれば事前の連絡無しにお越しいただいても大丈夫です(^^)

江戸時代から現代にかけて使われていたという塗りのお膳に、藤吉憲典の器を並べてセッティングいたします。楽しい展示になるよう、いろいろ考え中。もちろん気に入った器はお買い上げいただくことができます。

忙しい年末、ちょっぴり息抜きに花祭窯へいらっしゃいませんか。お待ちいたしております。

手帳選びが楽になったワケ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

数年前まで、11月ごろになると気になりはじめ、本屋さんをハシゴしたりネットで探したり、お気に入りを見つけるまでにかなり時間がかかっていた「来年の手帳選び」。

今年は12月半ばのつい先日、さくっと2017年版が決定。たまたま立ち寄った本屋さんで手帳コーナーを見つけ、「そうえばまだだった」と思い出し、15分もかからずに決まりました。

手帳選びが楽になったワケは、
革の手帳カバー。

数年前にオーダーで革の手帳カバーを作ってから、手帳選びが断然楽になりました。あたりまえですが、この手帳に合う中身だけを探せばよいのです。外側は気に入ったけれども中身が気に入らない、あるいはその逆、ということがありません。

年々「中身だけ(リフィルと言ったらいいのかな?)」を出すところも増えてきているように思います。身近なところでは無印良品やコクヨCampusなどの定番ノートがあります。わたしが見た限り、今のところB版よりもA版サイズの方が「中身だけ」はバリエーションが豊富です。でもバッグへの入れやすさ、手にとっての扱いやすさを考えて、B6でつくりました。

さてよく聞かれるのが

手帳カバーをオーダーでつくったら、高くありませんか?

わたしの場合は、手帳カバーをつくるまえに比べて毎年の手帳への出費が格段に減ったので・・なにしろ中身だけ買えばよいので・・長期的に見てコストパフォーマンス抜群。そのうえ「使い込んだ革の手帳カバー」というだけで、なんだか「ちょっと仕事のできる人」に見えるような気がして勝手に嬉しくなるという…(笑)

「良いものを長く使いたい」という嗜好のある方にはおススメです。

この手帳カバーをはじめ、革小物のオーダーをお願いするのは、津屋崎千軒内にあるcokecoさん。そんなお店が近所にあるというのがまた、ありがたいことですね。
手作り靴と革小物のお店cokeco 

博多ライトアップウォーク2016

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

11月23日(木)から11月27日(日)まで、
博多祇園から呉服町周辺の11の寺社で

博多ライトアップウォーク2016 開催中。

南方流茶道の道場である円覚寺でも、お庭がライトアップ。
今年もこのシーズンがやってきました。

円覚寺では26日(土)27日(日)両日に限り、18時から20時まで、
お抹茶をいただきながらお庭を眺めることができます。

今年はお点前はありませんが、
夜のお寺でお抹茶をいただきながらお庭を愛でる
なかなかレアな体験です。

なお、入場には博多ライトアップウォークの入場券と、
当日円覚寺にて販売の呈茶チケット(500円)が必要です。
詳しくは、博多ライトアップウォーク2016公式サイトでご確認くださいね。
博多ライトアップウォーク2016 http://hakata-light.jp/

国際学芸員サミット2016@九州陶磁文化館-その2

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

国際学芸員サミット2016@九州陶磁文化館 の続きです(^^)

九州陶磁文化館で開催された国際学芸員サミット2016

11月13日(日)行われたシンポジウムの聴講に行ってまいりました。
有田焼400周年を記念して佐賀県が開催。

「世界の学芸員が語る有田焼・佐賀の魅力」

ご参加の学芸員の方々は、オランダ・イギリス・トルコから
日本やアジアの陶磁器を専門とされる学芸員の方々7名。
九州陶磁文化館の鈴田由紀夫館長がコーディネーターをおつとめでした。

お一人あたり10分と予定されていたトークはとても短く感じましたが、
それでも15時から始まったシンポジウムは終了予定の17時を大きくオーバー。
欲を言えば、あらかじめ用意された発表だけでなく、もっと踏み込んだご意見も伺えたら‥と。
もともとはディスカッションも予定されていたようでしたが、時間切れでした。

とはいえ、海外で日本の陶磁器を専門に研究なさっている方々の視点を垣間見るという、
滅多にないチャンスに参加することができ、ワクワクしました。

皆さんの発表を聴くなかで、今回わたしが一番心に留まったのが
どの国の学芸員さんの口からも出てきた「出島」というキーワード。
各国の美術館に収蔵されている有田焼はじめとした日本の陶磁器から見える、
海外交易における歴史上の「出島」の役割の大きさ。

普段「伊万里港(佐賀)から輸出したから古伊万里と呼ばれる」説が頭にありますが、
長崎出島の果たした役割は、有田のやきものにおいても重要であった!
そんな当たり前のことを、あらためて認識したシンポジウムでした。

そしてなによりも、海外で日本の陶磁器を研究する方々の熱い想いが
とてもありがたく、嬉しくなるシンポジウムでした。

この「国際学芸員サミット」は佐賀県が企画した今回が第一回目、ということでしたが
来年以降も続くのかな?ぜひ継続していただけたら嬉しいな、と思います。

美術の使い方。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

先日「学芸員研修に行ってきました」をアップしたばかりですが、
その続きです。

宮城県立美術館の教育担当学芸員・齋正弘先生の著書

『大きな羊のみつけ方- 「使える」美術の話』

が、手元に届きました。

本の帯にある

「美術を使おう。美術館を使おう。」

これこそが、わたしが学芸員研修に参加した、いちばん大きな理由でした。

美術はもっと普通に、いろんな人に開かれているはずのもの。
美術館も博物館も敷居の高いものではなく、
もっと当たり前にみんなの生活のなかに登場してしかるべき、という気持ち。

そして、そのきっかけにもなる美術館や博物館で行われる「ワークショップ」と呼ばれる参加型の催し。
この大半が「トーク」か「なにかを作ってみる作業」であることにずっと疑問がありました。

その根っこにあったのは、
まずは『見る=鑑賞する』ことが先なのでは?」という思い。
「じゃあ、鑑賞ってどういうこと?」への自分自身の理解の曖昧さ。
「使える」美術の話は、その思いに答えてくれるものでした。

いわく

  • 「描く、分かる、知る」だけが美術じゃない。
  • 自己表現としての「鑑賞」。
  • 美術は、すべての人間が、全部一人一人違うということを基盤に、
    人間全体の世界観を拡大してゆくということが存在の意義(=仕事)。

などなどなど。

美術館での長年の美術教育の実践に裏付けられた齋先生の言葉は、
たいへん説得力に満ちていて、しかも哲学的で面白い!
読めば読むほど理解が深まり、ただいま3周目を読んでいます(笑)

美術教育を考える小学校や中学校の先生方にも、
ぜひ読んでほしい本です。