熊本SUNNYで蕎麦猪口展2018。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

熊本SUNNYで蕎麦猪口展2018。

熊本市にあるBistro&Bar SUNNYの5周年。つまり、5回目の蕎麦猪口展。今年も機会をいただきました。おいしいお酒とお料理をいただきながら、蕎麦猪口と小皿豆皿をご覧いただくことができます。

藤吉憲典の蕎麦猪口は現在160種以上。テーマを絞って展示するのも面白いかも、ということで、SUNNYオーナーの藤川さんとご相談して、今年の蕎麦猪口は「幾何学文様」にフォーカスすることになりました。

幾何学文はもともとたくさんあるのですが、このテーマが決定してから、せっかくだからと新しい文様が誕生しています。おかげさまで、また文様の種類が増えました。

上の写真は、そんな新作のひとつ、鱗(ウロコ)文様。鱗文様自体は、古伊万里の昔からある伝統的な文様のひとつです。まったく古さを感じさせないのが面白さです。

小皿豆皿もお持ちします。幾何学文の蕎麦猪口は、染付(藍色)のものが多くなりそうなので、小皿豆皿は色とりどりで(^^)


Bistro&Bar SUNNY

藤吉憲典 蕎麦猪口小皿豆皿展

2016/6/23(土)-7/1(日)
※月曜定休
火・木・金・土:18時-26時
水・日:13時-16時、18時-26時

Bistro&Bar SUNNY
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL&FAX096-355-4188


 

梅雨入り3。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

梅雨入り3。

梅雨の季節に楽しみたい器をひとつふたつと紹介したら、どんどん紹介したいものがでてきました。我ながら、やっぱり文様の話が好きなんですね。

というわけで3つ目は、これまた蕎麦猪口です。

染付驟雨文蕎麦猪口 藤吉憲典
染付驟雨文蕎麦猪口 藤吉憲典

染付驟雨文蕎麦猪口

里芋の葉っぱと思しき大きな葉を傘代わりにした後ろ姿。驟雨(しゅうう)は、いわばにわか雨です。季節的には梅雨の後期の景色ですね。先日のブログ「梅雨入り。」でご紹介した「傘文」に描かれた雨の雰囲気に比べると、筆致の違いが面白いですね。驟雨では強い勢いを感じます。

梅雨入り。

驟雨文様も江戸時代から描き継がれてきている文様。実はこの文様に出会うまで「驟雨」という言葉を知りませんでした。季節を表す日本語は多種多様。文様を通じて学ぶことがとても多いのです。

梅雨入り。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

梅雨入り。

北部九州の梅雨入りが発表されました。5月のうちに梅雨入りしたのは、ずいぶん久しぶりのようですね。

有田・伊万里・鍋島・柿右衛門などと呼ばれる肥前磁器に描かれる文様には、季節を感じるものが数多くあります。

そのひとつ、この季節になると必ずご紹介したくなるのが、これ。

染付傘文蕎麦猪口 藤吉憲典
染付傘文蕎麦猪口:(藤吉憲典)

染付傘文蕎麦猪口

肥前磁器に描かれる文様は、現在も江戸時代から描き継がれているものがほとんどです。この傘文様も、古伊万里と呼ばれる江戸時代の骨董に描かれていたものを、藤吉憲典が復刻しているものですが、まったく古さを感じないどころか、ポップなデザイン。江戸の粋を感じます。

こんな器を使うのも、梅雨の楽しみ方のひとつです。

 

「目が良い」。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

「目が良い」。

先日は月に一度の 書道部@花祭窯 の日でした。

いろんな方と一緒に字を書いていると、「初心者です」とおっしゃっいながら、お帰りになるころにはとても良い雰囲気の字を書いて行かれる方がいらっしゃいます。

何年もかけても(毎週お稽古しているわけではありませんが^^;)なかなかきれいな字を書くことができないわたしとしては、1~2時間のうちにめきめき「お手本」に近い字を書けるようになる方を目の当たりにすると、すっかり感心してしまいます。

いったい何が違うのでしょうか。

お手本を書いてくれるダンナによると、その違いの第一は、「目が良い」ということ。

ここでいう「目が良い」は、「この形が美しい(きれいな字の)カタチなんですよ」というお手本を見て、その形の美しさのポイントを把握する力があるかどうか、とでもいうところでしょうか。そういえば、めきめき上手になる方は、デザインや造形の心得がある方に多い。形の捉え方に違いがあるのかもしれません。

次に、美術館での教育普及学芸員として第一人者である齋先生の説をお借りすれば、「運動神経が良い」

目で見た「このような形に文字を書くときれい」を、自分の手碗を伝って紙の上に実現(再現)する力、とでもいったところです。運動神経にもいろいろあって、足が早い、力が強いということだけが運動神経の良さなのでなく、思ったように繊細に手腕指を動かすことができるというのもまた、運動神経なのですね。

そして、なんといっても「集中力がある」

半紙に向かう1~2時間の集中力を感じます。そして、その集中力の背景には、その(筆で字を書くという)動作を楽しんでいる、という状態があります。楽しんでいるといっても、表情は真剣そのもの。真剣に向き合って楽しむことができている状態が、もっとも集中力が発揮される状態なのだと、見ていてつくづく思います。

月一度の書道部。個人的には目下、第二の要素である「運動神経」を鍛えるべく、くりかえし「書く」ことに勤しんでおります(^^)

 

 

 

 

「写し」の文化。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

「写し」の文化。

上の写真は、藤吉憲典のつくった「染錦鮑型向付」。古典がお好きな方なら、すぐにお気づきになると思いますが、北大路魯山人のつくった鮑型向付に、同様のものがあり、その「写し」です。

やきものの文化は「写し」の文化。「写し」とはすなわち、古典と呼ばれる古い名品に倣ったカタチや絵付をして、現代によみがえらせることです。例えば、藤吉憲典がつくる「器」に目を向けてみると、生み出される作品の8割くらいは「写し」または写しを組み合わせたもの、発展させたもの、ということになりましょう。

ただ、これは藤吉に限らないのはもちろん、古伊万里に限ったことでもありません。広く周辺を見渡せば、やきものの世界に限ったものではありません。古き良きものをまねるところから、スタートする。これはあらゆる分野で行われていること。

「写し」の本来的な意味は、『そのまま真似するのではなく、元よりももっと良いものにすること』にあり、そのことがもっとも大切であると考えています。またそのためには、一番最初にその形をつくり文様を描いた人がどのようなつもりでそれを生み出したのかにまで思いをはせることが必要です。以前にもこのテーマについては記事にしていました

文様の話、古典とオリジナル(1)

とはいえ自分の目できちんと見ないと、単純に「あの名品の写しだから良い」ということだけで、評価してしまうという失敗が起こります。またそれが、ほんとうに「写し」といえるものであればよいけれど、往々にして「表装だけを真似ている」なんてことが。

福原義春さんの著書『美-「見えないものをみる」ということ-』


「本歌取り」「見立て」によって日本人は文化を進化させてきた。これは「質を落としながらのコピー」とは根本的に異なる。


と書いてあります。これを読んだときに、「写し」の考え方を正しく表現するための言葉遣いとして、我が意を得たりの心境でした。

『美-「見えないものをみる」ということ-』については、こちらにもわたしにとってこの本は、精神的な拠り所のひとつとなっています。

本ふたつ

岡山土産、備前の徳利。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

岡山土産、備前の徳利。

先週末、ダンナ・藤吉憲典が岡山のギャラリー栂さんでの個展に顔を出してきました。個展でお客さまにお会いできるのが、なによりのありがたい機会です。
ご来場の皆さま、ほんとうにありがとうございます。

さて、栂さんのギャラリーがある和気町は備前の近く。当日の宿を備前にとってくださっていたので、個展会場に向かう前にあちらこちらの窯元の展示場を訪問することができたようです。よい感じの徳利をゲットしたと嬉々として見せてくれました。

備前徳利、香山窯

備前の徳利、香山窯

備前の徳利、香山窯

いいでしょう♪実物は写真よりももっと素敵です(^^)

我が家は磁器の器は自前でたくさんありますが、土ものは他所の作家さんのものを手に入れるのが楽しみのひとつです。

香山窯さんは現在三名の備前焼作家さんがおられるようで、花押を確認したところ、この徳利は柴岡力さんの作でした。

少し窯キズがあるということで、破格のお値段だったようですが、言われないと気づかないくらいの小さなキズでしたし、気づいたところで景色として味にこそなれ、です。姿かたちの美しさもさることながら、手に持ってわかるつくりの良さに、思わず「いい買いものしたね!」と撫でまわしてしまいました。

ダンナに「花挿しに欲しい」と打診してみましたが、「これは徳利」と却下され。これはそのうち自分で探しに出かけるしかありません。

備前にも行かねば、です。

 

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その5。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その5。

岡山・ギャラリー栂さんでの藤吉憲典作品展。昨日の初日は、既に追加のご注文をいただくなど、ありがたいスタートとなりました。

昨年来、「凝ったデザインの珈琲碗皿」がちょっとしたブームの藤吉憲典。今回も赤絵の技芸が満載のコーヒーカップ&ソーサーをいくつかお届けしています。

藤吉憲典 錦氷烈文珈琲碗皿

華やかな色彩に縁のゴールドが効いている錦氷烈文珈琲碗皿。

藤吉憲典、錦牡丹文(古九谷調)珈琲碗皿

九谷調の色遣いとやわらかい筆遣いが美しい錦牡丹文珈琲碗皿。

藤吉憲典 赤絵群馬文珈琲碗皿

こちらは藤吉憲典の定番となった九頭の馬で「うまくいく」錦群馬文珈琲碗皿

せひお気に入りの一客を見つけてくださいね(^^)


花祭窯 藤吉憲典作品展
4月17日(火)~4月27日(金)
(注)4月23日(月)は定休日
10:00~17:00

ギャラリー栂
岡山県和気町清水288-1(TEL0869-92-9817)(地図はこちら)

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その4。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その4。

本日、岡山のギャラリー栂さんでの藤吉憲典作品展は初日です。

野鳥とピラカンサスをテーマにした陶箱は、もう何代目でしょうか。いずれも気がつけば SOLD OUT。つくるたびに、形・サイズ・野鳥の枝へのとまり方・ピラカンサの枝ぶりなどが異なりますが、持つ雰囲気は一貫しています。

肥前磁器の伝統文化が現代的に昇華した」ものとして、わかりやすいひとつ。日本のお客さまには「新しいけれど、なんとなく懐かしい」、ロンドンのお客さまには「日本らしさ(日本人らしさ)が滲み出ている」作品と受け取っていただいているようです。

今回の箱は、蓋の枝ぶりがまた見どころ。平面から立体へ。その美しさをご確認ください(^^)

藤吉憲典、鳥陶箱


花祭窯 藤吉憲典作品展
4月17日(火)~4月27日(金)
(注)4月23日(月)は定休日
10:00~17:00

《美酒の会》4月21日(土)18時~(お食事5000円+お酒代)
美酒の会のご予約は、栂さんにお電話(TEL0869-92-9817)にて。

ギャラリー栂
岡山県和気町清水288-1(TEL0869-92-9817)(地図はこちら)

 

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その3。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その3。

ギャラリー栂さんでの個展は、2016年以来の2回目となります。その1回目の個展のときから「藤吉さんのサイを見たい」とおっしゃってくださるお客さまがあるとお聞きしていました。

ひとつ制作するのに、かなりの時間と手間と精神力を要するサイ。これまでに制作したものは、すべてロンドンのギャラリーで “SOLD OUT” 。今回の栂さんでの個展に、小さいサイがなんとか間に合いました。

藤吉憲典、サイ

ぜひ、サイに会いに来てください(^^)


花祭窯 藤吉憲典作品展
4月17日(火)~4月27日(金)
(注)4月23日(月)は定休日
10:00~17:00

《美酒の会》4月21日(土)18時~(お食事5000円+お酒代)
美酒の会のご予約は、栂さんにお電話(TEL0869-92-9817)にて。

ギャラリー栂
岡山県和気町清水288-1(TEL0869-92-9817)(地図はこちら)

 

豆大福の幸せ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

豆大福の幸せ。

来週からはじまる個展の出荷準備でバタバタとしていたところ、ダンナから差し入れで、思わず笑顔に(^^)

和菓子このわさんによる季節のお干菓子については、これまでも何度か書いてきたのですが、そもそもは「豆大福」のおいしさにノックアウトされたのが、このわさんとの出会いだったのでした。

器の梱包の手を休めて、お茶の時間にしました。

茶碗は、はしんたん窯・橋本さんの土もの。菓子皿は、磁器作家・藤吉憲典の菊型皿。お抹茶は、八女・星野製茶園。そしてお菓子が、このわさんの豆大福。

「豆大福があるから」を理由にささっとお茶、の贅沢です(^^)