2017年上半期読書ベスト5。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。早いものでもうすぐ2017年も折り返し地点。ということで今回は、ふじゆり的2017上半期読書ベスト5。

2017年上半期読書ベスト5。

第5位 ハムレット

今さらのシェイクスピア。先日読んだばかりですが、まだその余韻が残り、たびたびページを開いています。言葉の面白さ、言葉遊びの知性を見せつけられました。久しぶりに演劇が観たくなってきました。

第4位 最強の読み方

視野の広げ方を考えさせられた本でした。新聞・本・雑誌・インターネット、それぞれの媒体をそれぞれの特色を理解してどのように活用していくか。佐藤優氏と池上彰氏のやり方を、ほんの少しでも自分のやり方に採り入れていくことができれば、世界の見え方が今と変わってくると理解できる本でした。

第3位 会話もメールも英語は3語で伝わります

ロンドン訪問を前に4月に手に入れた本。振り返ってみるとブログには書いていませんでした。テレビなどでも紹介された人気本らしく、英語で「伝える」ための考え方をわかりやすく紐解いてくれています。この本に書かれていることをしっかり押さえれば、もっと気楽で伝わる英語でのコミュニケーションが実現できそうです。

第2位 世界全史「35の鍵」で身につく一生モノの歴史力

世界史を学びなおしたいと思ったときに見つけた、わたしに必要なのはまさにこの本!でした。お話として面白かったので、どんどん読み進めることができたのが第一の魅力。世界史の流れと地理の変遷がこの1冊に納められているので、読後も他の本を読んで歴史的背景を確認したいときなどに、辞書的な使い方もしています。

第1位 楽園のカンヴァス

堂々の2017上半期第1位は、原田マハ『楽園のカンヴァス』。ずいぶん前に読んだような気になっていましたが、原田マハさんの著書を読みはじめたのは今年に入ってからのことだったのでした。下手な指南書よりも、絵画・芸術に対する鑑賞の興味をかきたててくれる本だと思います。


小説、ノウハウ本、教科書、戯曲と、我ながら面白い顔ぶれになりました。下半期もどんな本に出合えるか、楽しみです(^^)

 

ハムレットがこんなに面白いとは

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

先日読んだ『経営者のためのリベラルアーツ入門』(高橋幸輝・かんき出版)のおすすめから、シェイクスピアの文庫を少しづつ読み進めています。『マクベス』からスタート。2冊目に『ハムレット』を手に取ったのですが、

ハムレットがこんなに面白いとは知りませんでした。

過去に一度くらい読んだのではないかと思っていましたが、どうやら読んでいなかったようです。あまりに面白くて、思わず引き込まれたセリフを書き写しています。そうなんです。機知に富み、ときにブラックユーモアの利いたセリフまわしに、すっかり参りました。

これはつまり、生み出したシェイクスピアがすごい!ということに加え、それを日本人に伝わるように橋渡し=翻訳してくださった方のすごさ!ですね。

思わぬところで「伝える」の奥深さ、大切さを実感させられました。

『マクベス』『ハムレット』と悲劇が続いたので、次は喜劇に向かってみようと思います。

 

 

読書『経営者のためのリベラルアーツ入門』

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

現在読んでいる本は、

『経営者のためのリベラルアーツ入門』高橋幸輝(かんき出版)

このところの読書の流れで「宗教概要」→「世界史」と来た結果、その時代時代の「哲学」を少しは学んだ方が理解しやすいよね、ということがたくさん出てきました。

そういえば、大学1年目の教養学部の時に、哲学の担当教授が「デカルト」を研究しているマニアックな先生で、とても面白かったのを今でも強烈に覚えています。

さて哲学の本を読んでいくにしても、どこから手を付けたらいいのかしらと思ったときに、指南書として見つけたのがこの本でした。

本屋さんで「世界史」の本を探した時も感じたのですが、今回も学生向けではない「リベラルアーツ」という切り口の本が思いのほかたくさんあったことに、多少の驚きを感じました。しかも最近出ているものがたくさん。この『経営者のためのリベラルアーツ入門』も2016年3月第一刷です。もしかしたらちょっとブームなのかもしれませんね。

正直なところ、リベラルアーツってなに?とその正体がぼんやりしていましたが、この本によると「豊富な学問、教養」であり、それをもとに「どう考えるか、どう感じるかが重要」ということのようです。

そして、学ぶべきたくさんの分野のなかから、この本では「哲学」「文学」に絞りこんでわかりやすく推薦してくれています。この本を読みながら「次に読みたい本リスト」にまたどんどん名前が増えています(^^)

 

 

 

【読書】『世界全史「35の鍵」で身につく一生モノの歴史力』

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

【読書】『世界全史「35の鍵」で身につく一生モノの歴史力』

先日、『池上彰の世界の宗教が面白いほどわかる本』を読んだところでしたが、

読書『池上彰の世界の宗教が面白いほどわかる本』

同じタイミングで購入した『世界全史「35の鍵」で身につく一生モノの歴史力』。ロンドンのギャラリーでお客さまと直接お話しする機会に恵まれ、なんとか会話を交わすなかでわたしが感じたこの機会に世界史と宗教のことを、勉強しよう」の流れで見つけた本です。

世界史を学びなおすというのが今ブームなのでしょうか。あるいは今まで自分が目を向けていなかっただけのことかもしれませんが、本屋さんに行くと学習参考書だけでなく世界史の本がかなり多岐に存在することに気がつきました。

あまりにたくさんあるので、実際にページをめくったりネットで書評を調べたり、本選びに少々時間をかけました。で、もうすぐ全部読み終わるところなのですが、この本にしてよかった!と思っています。

本の「はじめに」で著者・宮﨑正勝さんが「普通の市民やビジネスパーソンに世界史を伝えるにはどうしたらいいのか、試行錯誤を繰り返してきました。」と書いておられますが、その結果としてできたというこの本は、興味深くサクサク読める世界史でした。

巻頭と随所に図版・地図が豊富に載っているのも、世界の地理・地勢・地名が頭に入っていないわたしにとって、確認しながら読み進められるので非常に便利です。学びなおしの最初にこの本に出合えたのは、とってもラッキーでした。

読んでつくづく感じたのは、宗教への理解を少しでも広げようと思ったら、世界史と地理の学び直しが必須だなぁ、ということでした。

宗教と世界史については、ほかにも本を物色してみようと思います(^^)

 

読書『最強の読み方』。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

『僕らが毎日やっている最強の読み方』(東洋経済新報社)

ジャーナリストの(わたし的には「週刊こどもニュース」の)池上彰さんと、作家の(わたし的には「外務省のラスプーチン」の)佐藤優さんのお二人による、「新聞・雑誌・ネット・書籍から『知識と教養』を身につける70の極意」を公開したものです。

お友だちがSNSで紹介してくださっていたのを見かけたその日に、たまたま出かけた本屋さんで真っ先に目に飛び込んできて、即買い。面白くて、早く一つでも実践したくて、あっという間に読み終わりました。

もともと本が好きなので、毎日少しでも本を読む時間は確保しています。それがほんの少しでも「知識」「教養」として自分の血肉になっていると信じたいものの、年齢を重ねても、あるいは重ねるほどに、己の浅さに赤面するという場面が多々あり。

「知の巨人」であるお二方のスキル。読みながら思わず感嘆すること数知れず。この本の素晴らしい所は、そのスキルのなかから自分の生活のなかに無理なく取り入れることができそう!と思えるものがひとつふたつ見つけられるように、落とし込んでくれているところです。

「新聞の読み方、雑誌の読み方」「本の選び方」、そして具体的におススメの雑誌名・著書名も載っています。「ネットの使い方・位置づけ」も、ネット環境との付き合い方を考える良い指針になりそうです。

教養はコツコツと積み上げていくことでしか養われないとよくわかりますが、そのためにすぐにスタートできる方法が見いだせる、有難い本です。

 

 

村上隆著『創造力なき日本』。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

久しぶりに、村上隆さんの本。
『創造力なき日本-アートの現場でよみがえる「覚悟」と「継続」』(角川書店)

2012年10月が初版ですので4年以上前の本になりますが、巻頭の「はじめに」に書かれている著者の「憂う」状況は、いまだ日本を覆っているように思いますし、そうそう簡単に変化するものでもなさそうです。

読みながら、とても真っ当なことをおっしゃっていると思いました。「自分は嫌われている」ということを本のなかでもたびたび書いておられますが、ほんとうのことを言ってしまうから、嫌がられてしまうのですね。

目次からいくつか抜粋すると(順不同です)

  • 「仕事」と「夢」を混同するな!
  • 芸術家における「成功」とは何か?
  • 「続けていくこと」と「戦略」の重要性
  • 形なくして心は伝わらない
  • 受け手に対するサービスの精神
  • 教えられることと、教えられないこと
  • 「何を残すか」ということ

などなどなど…

ともあれ、モノづくりをなさっている方で「結局、趣味の域を抜け出せずにその創作活動を終える」ことになりたくない!と思っている方には、ご一読をお勧めします。ここに書かれていることが全てだとは思いませんが、知っておいたほうがいい考え方だと思います。

 

 

続『楽園のカンヴァス』

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

原田マハさんの「楽園のカンヴァス」

読後、その世界観から抜け出すのがもったいなくて、そのまま2周目に入ってしまい、やっと昨日、一段落しました。久しぶりにお話のなかにすっぽり入りました(笑)

その本のなかから、特に心に響いたいくつかの言葉を以下にご紹介します。


(原田マハ『楽園のカンヴァス』より)

名前や制作年のような、いってみれば「記号」に頼るのではなく、作品そのものの力と「永遠性」を見抜く慧眼を見るものがもっているか。

名画はときとして、こんなふうに、人生に思いがけない啓示をもたらしてくれる。

「目」と「手」と「心」、この三つが揃っているか。それが名画を名画たらしめる決定的な要素なのだ。

真作のみが持つ強力な磁石。

 

美術館とは、芸術家たちが表現し生み出してきた「奇跡」が集積する場所。動物園や植物園は、太古の昔から芸術家たちが表現の対象として見つめ続けた動物や花々、この世界の「奇跡」が集まるところ。

アートを理解する、ということは、この世界を理解する、ということ。アートを愛する、ということは、この世界を愛する、ということ。

美と驚きに満ちたこの世界を

新しい何かを創造するためには、古い何かを破壊しなければならない。
他者がなんと言おうと、自分にとって、これが最高にすばらしいと思えるものを作り出すには、そのくらいの覚悟が必要なんだ。

世界を敵に回してでも、自分を信じる。

絵を見る喜びを伝えよう

(原田マハ『楽園のカンヴァス』より)


この本を紹介してくれたお友達に、心より感謝です!

 

 

むなかた自炊塾で食育を考えた。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

むなかた自炊塾のオープン企画に参加してまいりました。

美味しい野菜の味を知ろう!
〜 菌ちゃん野菜のススメ

むなかた自炊塾とは、九州大学持続可能な社会のための決断科学センター准教授である比良松道一先生が代表を務める活動グループ。比良松先生は、九州大学での「弁当の日」や「自炊塾」の講義だけでなく、年間60回を超える食育に関連する講演を全国各地でなさっています。

むなかた自炊塾で行っているのは、九州大学の講義をベースとする宗像版市民向け講座。市内産地見学ツアー、市内レストランシェフによる簡単な調理実習、漁業者・農業者との交流、みそ作り体験、大学教員によるお話などを通じて自炊力の向上と食にまつわる多様な知識修得ための持続的プログラムを立案し、実行します。(むなかた自炊応援団FBページより)

今回は、特別ゲストに佐世保市を拠点に活動するNPO法人「大地といのちの会」吉田俊道先生をお迎えし、

野菜が本来持つ力に関するお話を聞き、想像を超える野菜の味を体験するという、一般参加OKのオープン企画でした。

ユーモアたっぷりのお話に大笑いしながらの講義で学んだのは、

  • 食文化=普通の家庭にあった和食文化の継承の大切さ。継承者の育成の大切さ。
  • 自炊を日常化する=自炊を通して、食の向こう側にある(農業・漁業その他たくさんの)社会を俯瞰することの大切さ。
  • 団らん=みんなで食卓を囲むなかで生まれる心の交流の大切さ。

文字にするとこんな感じになるのですが、この字面では表し尽くせない大切なお話を聞くことができました。

食べるものがわたしをつくる。

“まずは1品でもいいから、自分で野菜をつくる”

あらためて、ここからはじめようと思います。

 

 

「習う」と「慣れる」。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

先日から「茶道」であったり「一汁一菜」であったりというテーマの流れで、
ぼんやりと考えてみたことが、

「習う」と「慣れる」。

わたしにとって茶道は、身につくまで繰り返し繰り返しやっていきたいことです。
そもそも茶道を始めた元にあるのは、「やきものや」という職業柄の知識欲。
でも、実際にはじめると、そんなこととは関係なく、面白さ奥深さにひかれました。
これも指導してくださった方のおかげなのですね。

一汁一菜の朝食も、ほんとうにおいしいと感じるから自然と続いているわけで、
ただ「体に良いから」というだけでは慣れるまで続かないだろうな、と。
そしてそのきっかけを与えてくださったのは、漢方医の先生であり、
その方に習ったからこそ、の習慣なのですね。

「習うより慣れよ」という言葉があるわけですが、半世紀近く生きてきた実感としては
「習ったうえで、習いながら、慣れるまで繰り返す」というのが腑に落ちる今日この頃。
どちらも大事。

でも、もっと正直に言ってしまえば
自分の気持ちが向かないことに対しては、習っても習っても身につかない。
かといって慣らそうとしても、そもそも「慣れるまで繰り返す」に至らない。
あ、あくまでも自分の場合ですが(汗)

「習う」も「慣れる」も本人の気持ち次第。
だとすると、最初に「習う」のきっかけを作ってくれる人の影響力というのは、とてつもなく大きい。
「最初に誰に習うか」によって、その分野に対するその後の姿勢は大きく変わるような気がします。

お茶にしても食習慣にしても、それ以外に今自分の身についている「いい習慣」を振り返ると、
いい指導者に巡り合えたからこそ楽しんでいる幸運を感じます。

感謝(^^)

陶芸の近現代史から見た、位置。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

毎晩、寝る前の15~30分は本や雑誌を読む時間です。
子どもが生まれてからずっと「寝る前の読み聞かせ」をしていた、
その流れで習慣になったもの。

短時間の読書ですが、わたしにとっては、なかなか意義深い時間です。

昨晩の読書を終わって思い立ったのは

陶芸の近現代史から見た
磁器作家・藤吉憲典の立ち位置。

を検証してみよう!ということ。

読んでいたのは、2016年10月26日のブログでご紹介した
村上隆さんのスーパーフラットコレクション展図録

のなかで繰り広げられていた

桃居オーナー広瀬一郎さんと村上隆さんによる陶芸対談。

広瀬さんの作成された「生活陶芸の時代区分」の表は、
なるほどとってもわかりやすく、ああそういうことか!と合点。

明治時代からの陶芸史についての分析では
昨年(2015年)佐賀有田の九州陶磁文化館で明治有田超絶の美の展覧会に伴う
鈴田由紀夫先生の講演会で聴いた「国策としての明治有田」の話がよみがえり。
現代の工芸界における「クールジャパン」が明治時代の国策と重なって見え、
思わず苦笑したのを思い出しました。

そしてなによりも、このお二方の陶芸対談は、自分たちが窯を独立した時期が
どういうタイミングだったのか、背景にあったものをバックアップしてくれるものでした。

対談で解説されている明治時代以降の動きを整理したうえで、
これから来たる2020年代からの30年の動きを考えたとき、
自分たちがここ数年目指してきた方向性は、
広瀬さんや村上さんが言っていることと、たまたま合致している。かも(笑)

そんな面白い発見もありました。

陶芸の近現代史。
興味ある方は、ぜひ村上隆さんのスーパーフラットコレクション展図録
後ろのほうにある対談をチェックしてくださいね!