お茶の幸せ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お茶の幸せ。

写真は、上海でお土産にいただいたプーアール茶を淹れたところ。美しく深い琥珀色とわたしの好きな香りと味わいで、至福の一杯でした。いえ、正確には三杯いただきました(笑)このお茶をいただきながら、上海の藤吉憲典個展でご来場のお客さまにお抹茶を点てて差し上げたときの、皆さんが喜んでくださったご様子を思い返しておりました。

仕事で海外に出るようになって(その海外が、ロンドンであったり台湾であったり上海であったりするからなおのことかもしれませんが)あらためて、日本の抹茶だけでなく、中国茶も、紅茶も、それぞれのお茶文化をそれぞれの国で大切に培ってきていることを感じています。「お茶を飲む」という行為は、その前後の時間・空間を含めて、字面のイメージをはるかに超える「ふくよかさ」を生み出すものであると思いました。

寒さに向かう季節、温かいお茶を入れてホッとする時間を楽しんでおります。

 

お茶を習う楽しみ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お茶を習う楽しみ。

月に2回ほどの茶道のお稽古。南方流に入門してから5年以上が過ぎました。先日、お稽古に行ったときにつくづくと感じたことは、わたしはこの場所に来るのが好きなのだなぁ、ということ。

お茶を習う動機は人それぞれにあると思います。わたしもそもそもの発端は「陶芸家の嫁になったから、知っておいた方がいいかな」という、どちらかといえば義務感からでした。スタートは裏千家の先生についていましたが、妊娠出産をきっかけにしばらくお休み期間があって、福岡への転居もあって南方流で再スタート。

再スタートの時も、義務感とまではいかないものの、仕事の意識が強かったように思います。それが5年を経た今では、純粋に「習いたい」「お稽古に行きたい」という欲求に。この変化は何だろうと、ちょっと考えてみたのでした。

その要素はいろいろとあるのですが、わたしにとって一番大きいのは、そこに集う「人」の魅力であることに、あらためて気づきました。「こんなふうに齢を重ねたい」と感じる先生方が、男性女性問わず何人もおられるのです。

自分の近い未来を重ねて憧れる存在があることが、気持ちの拠り所になるという経験を、お茶のお稽古を通してしています。こういう場所を持つことができるのは、ありがたいことですね。

 

献茶と野点。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

献茶と野点。

茶道南方流の大切な行事のひとつ、香椎宮への献茶式と、報恩寺での野点に参加してまいりました。写真は野点を行った報恩寺のお庭。台風のあとで10月にしては少し暑かったものの、晴れて良いお天気となりました。

神社本殿での、禅寺茶道による献茶の儀。神仏がひとつの時間と空間を共有する、厳かでありながら晴れやかさも感じる、ひとことでは形容しがたい場です。

報恩寺は香椎宮の神殿の裏(西側)にあります。 日本禅宗の始祖・栄西禅師が建久3年(1192年)に開いたわが国最初の禅寺といわれており、「建久報恩寺(けんきゅうほうおんじ)」跡の石碑が立っています。

天正14年(1586年)火事により焼失したものを、聖福寺塔頭の禅寺である円覚寺・第十七世猷山和尚の発願により復興修理したところからはじまり、円覚寺と報恩寺、そして香椎宮とのご縁が続いているようです。

栄西禅師が1190年に宋の天台山にあった菩提樹を香椎宮に送り、これが日本に初めて伝来した菩提樹だと言われていますが、 その由来を示す菩提樹の木が報恩寺の庭にあります。

それにしても、野点のお茶をいただくのは気持ちが良いですね。毎年、この場に居る機会をいただくありがたさを感じます。

(参考サイト)お寺めぐりの友香椎宮の境内社めぐり(福岡市)

 

誕生日だったので。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

誕生日だったので

ちょっぴり贅沢。小さな金の小槌の洋菓子にしようか、このわの和菓子にしようか、さんざん悩んだ末に、今年は和菓子に軍配があがりました。

写真は、菓乃実と名前のついた、宗像大島産甘夏を葛寄せにした夏の和菓子です。地元の旬を採り入れた菓子をいただくことのできる贅沢。もちろんこのひとつだけで終わるわけはなく(笑)、麩の餅、本葛桜、それに定番の塩豆大福もいただきました。

おかげさまで、いいお誕生日になりました(^^)

菓子器に用いた小皿は、藤吉憲典の創業時からのロングセラー、浅葱楕円小皿

 

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(8)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(8)

銀座黒田陶苑の黒田さんから、藤吉憲典が2年前の個展の時にいただいたテーマは「古っぽいものが見たい」ということだけ。それをどう受け取り、形にして届けるかは、つくり手に全面的に任されました。

そして今回の個展に際しては、案内状に記された「肥前磁器の美」という言葉でした。そして「持ってくるかどうかを悩む作品がある場合は、持ってきてください」という一言。

それを受けて、「肥前磁器の美をご覧いただく個展ならば、制作したのは少し前になるけれど、ぜひ持っていきたい」と頭に浮かんだのが、これでした。

藤吉憲典 金襴手角瓶

金襴手角瓶 藤吉憲典

藤吉憲典 金襴手角瓶

江戸末期から明治期にかけての短い期間に「蔵春亭三保蔵」のブランドで、欧州へと海を渡った輸出伊万里を復刻したもの。カタチといい、絵付といい、まさに当時の肥前磁器の美意識と伝統技術とが結集したものと言えるでしょう。

このモトとなる当時の角瓶は、千葉県にある国立民俗博物館に所蔵されているほか、個人のコレクターでお持ちの方もあります。蔵春亭の地である佐賀県の九州陶磁文化館には、染付の山水文で同じ形のものがあります。

骨董の実物よりも、もっと美しく理想的な姿に復刻するのがつくり手・藤吉憲典の腕の見せ所。博物館所蔵レベルの美意識を具現化する技術を、ぜひその目でご覧になってください。

 


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

 

 

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(7)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(7)

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(1)~(6)まで、ザ・和食器な器ばかりご紹介してまいりました。

が、実は今回ぜひ手に取っていただきたいもののひとつが、珈琲碗皿なのです。

藤吉憲典 錦氷烈文珈琲碗皿

錦氷烈文珈琲碗皿 藤吉憲典

氷烈(ひょうれつ)文と呼ばれるこの文様、氷が溶けはじめる春の気配を感じさせる古伊万里でも人気の文様です。ただ、古伊万里で描かれているのはほとんどが染付(呉須)によるブルーの濃淡での表現。これを赤絵(上絵)でこんなふうに蘇らせるのが、藤吉憲典ならではの温故知新。

写真ではわかりにくいかもしれませんが、お皿もカップも、縁に金をのせることで、引き締まった上質さがでています。お皿とカップの色調を大胆に変えているのも、色の組合せの妙を熟知しているからこそできることです。

そして、知ってほしいのが、この珈琲碗皿の持ちやすさ。手でつくっているからこそできる軽さと、ハンドルのやわらかいカーブ。こればかりは実際に手に持ってみて、初めて実感していただけるものと思います。

今回、珈琲碗皿をいくつもお持ちしています。ぜひ、手に取りにお越しくださいませ。


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

 

 

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(3)

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銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(3)

錦葡萄文徳利と筒猪口 藤吉憲典

やきものに描かれる葡萄(ぶどう)の文様は多様です。組み合わせで描かれることも多く、「鹿(しか)葡萄」「栗鼠(りす)葡萄」「葡萄に竹垣」「葡萄に蝶」葡萄に花唐草」など、染付でも赤絵でも多様に描かれています。

写真は、徳利に赤絵の栗鼠葡萄(りすぶどう)。筒猪口は葡萄だけになっていますが、バランス的にちょうどよい感じです。

藤吉憲典が言うには、絵付をするときに、細かくたくさん描き込むのは実はある程度訓練を積めば、それほど難しくないそうです。センスが問われるのはむしろ、いかに余白を生かす絵付ができるかどうか。そういう意味では日本画と同じですね。やきものは立体である分、三次元的な空間把握のデザインセンスが要りそうです。

もし「赤絵の器は、食卓で使いにくいのでは」と思っている方がいるとしたら、それは「描き込み過ぎ」の赤絵の器のイメージによるものかもしれません。我が家には赤絵の器がたくさんありますが、食卓に花を添えてくれる赤絵の器は、とても使い勝手が良いものです。

ぜひ銀座で、使い勝手の広がる赤絵の器を手に取ってみて、実感してください。

 


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

ー肥前磁器の美ー銀座黒田陶苑。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

―肥前磁器の美-銀座黒田陶苑。

七月は銀座黒田陶苑さんで2回目の、藤吉憲典展。昨日到着した案内状を開いて、とっても嬉しくなりました。

そこにあったのは「-肥前磁器の美―」の文字。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典展

藤吉憲典のつくる器を形容する言葉として、これほどシンプルでありながら本質をついたタイトルは無いような気がします。

個展初日まで、あとひと月。どうぞご期待くださいね。


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223


 

紫陽花三昧。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

紫陽花三昧。

紫陽花、育てるのに何回かチャレンジしたのですが、根付かなかったり、根付いて大きくなってきたと思ったら間違えて切られてしまったり…で、我が家にはなかなか紫陽花が定着してくれず。もっぱら道々で他所の紫陽花を楽しんでおります。

そんな今朝、今年はきれいにたくさん咲いているからと、ご近所さんから「家じゅう紫陽花で飾りなさい!」と紫陽花の贈りもの。嬉しくて、床の間、玄関、展示棚、お手洗い…あちらこちらに活けました。

紫陽花 白磁徳利(一輪挿し) 藤吉憲典

紫陽花 染付微塵唐草文長角花器 藤吉憲典

紫陽花 染付市松文花掛け 藤吉憲典

紫陽花 白磁花入 藤吉憲典

中国茶をぐい呑みで。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

中国茶をぐい呑みで。

お友だちが上等な中国茶葉を分けてくださったので、ウキウキとティータイム。お茶の色を楽しみたかったので、色が見える器に淹れようと思ったのですが、わたしが持っている中国茶器の揃いは、土もの(陶器)。というわけで、サイズ的に近い(厳密にはやや大きめでしたが(汗))ダンナ・藤吉憲典作のぐい呑みでいただくことに。

で、上の写真です。色を見て「おお~!」飲んでみて「おお~!」と、二度楽しい。とってもおいしくて、好みの味でしたので、これはどんなお茶なのだろうとお茶が包稀ていたパッケージを確認したところ、プーアール茶のようです。

わたしは中国茶を飲むのは好きですが、詳しくはないので、さらに『中国茶の基本』なる本で探してみたところ「プーアール茶の熟茶」であるらしいことが判明。プーアール茶は「黒茶」と呼ばれるもののひとつなのですね。この色合いに納得です。黄金色をした中国茶も好きなのですが、今回このお茶をいただいてみて、自分の好みはどちらかというとこっち(熟茶)だ!とわかりました。

「お茶の色も楽しみたい」と思うときは、やっぱり杯は磁器の白い生地のものだと、より色が映えますね。実は今年に入ってから「中国茶器」のオーダーをいただいている藤吉憲典。そのためいろいろと資料を集めておりましたが、そろそろ本制作に取り掛かることができそうです。素敵な磁器の中国茶器もどうぞお楽しみに(^^)