カボス収穫。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

カボス収穫。

週末は花祭窯の創業地、佐賀・花祭の草刈りに行ってきました。夏の間に茂った草木、特に木をなんとかしないといけないなぁ、と思いながら。蔓(つる)植物が木を伝って上へ上へと延びていくので、蔓を外しながら草刈り枝落とし。蔓の正体のひとつは葛(くず)。紫色の葛の花が美しくて、甘い香りがして、ついつい手が止まってしまいます。

花祭にはいろいろと果樹を植えています。梅雨時の梅、夏のブルーベリー、初秋のカボス、秋の栗と柿、冬の金柑。定期的に収穫ができるといいのですが、採り頃が短いと、そのタイミングで花祭に行けないこともあり、悩ましいところです。

山間部にある花祭は、すでに稲刈りが終了していました。あぜ道には、これから咲こうとしているヒガンバナと思しき緑の茎がすっくと並んでいました。毎年その季節になると実りをもたらし、旬を知らせてくれる果樹や草花。えらいなぁ、とつくづく思います。

これから冬に向かっては、草木の伸びも少しは緩やかになるでしょう。実はこのシーズンこそが、木を伐り整える好機なのだと思います。今年のうちに、庭を少しは整えよう!と、ここで宣言(^^)

 

一日大学生体験。@郷育カレッジ

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

一日大学生体験。@郷育カレッジ

花祭窯のある福津市には、市民のための生涯学習の仕組み「郷育カレッジ」というものがあります。

福津市には「郷育カレッジ」があります。

本日はその講座のひとつ、「一日大学生体験をしよう」に参加してきました。気持ちの良い青空のもと、向かったのはお隣の宗像市にある福岡教育大学

プログラムは「キャンパスツアー→ミニ講義→学食ランチ体験」。

キャンパスツアーでは大学図書館のなかへ。教育大学だけあって、教育学に関する蔵書の数はおそらく九州一とのこと。戦前からの学校教科書など、貴重な資料が保管してある書庫にも入らせていただきました。

ミニ講義では、健康科学センター貫名英之先生による60分の健康講座。学術的でありながら素人にもわかりやすい語り口での講座は、60分もあっという間でした。

そして最後はお楽しみの「学食」。学食で昼食をとるなんて、何十年ぶりでしょう(笑)カツカレーが370円ほど…さすが学食。とっても楽しかったです。

自由時間には、学内にある本屋さんへ。あまり大きな書店ではありませんでしたが、こちらも教育学関連の書籍がずらりと並んでいました。

4時間弱の滞在でしたが、とっても面白かったです。
お取り計らい下さった大学の職員さん、講義を担当してくださった先生、ほんとうにありがとうございました!

 

おいしい野菜の贅沢。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

おいしい野菜の贅沢。

今年の三月から、お隣の町・宗像の竹松農園さんからお野菜を購入しています。おいしいだけじゃありません。つくっている方の顔、野菜作りの考え方・方法が見えて、安全安心。「食の安全・安心」という言葉は、最近、その言葉の意味の大切さに反してあちらこちらであまりにも気軽に使われているような気もしますが、それを疑わなくてもよいというのはとっても贅沢なことです。

安心感の背景にあるのは、竹松さんの農園運営のスタンス「ゆっくり、じっくり、自然にまかせて」という姿勢です。無農薬・無化学肥料という具体的な方法の背景にある、骨太な考え方、信念。

竹松さんのお野菜を食べるようになってから、我が家では「野菜が食卓の主役」のメニューが、俄然増えてきています。

竹松農園 https://www.facebook.com/takematsu.farm/

 

 

読書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』山口周(光文社新書)

先日読んだ、池上彰さんの『考える力がつく本』で、ドン・キホーテ創業者の安田隆夫さんとの対談のなかに「書店めぐりをしているとありますよね。(中略)本のほうから手招きするんです。」という会話がありました。今回の本はまさにそうでした。

2017年7月20日初版。実のところ著者のお名前も存じませんでしたが(汗)、タイトルと副題の『経営における「アート」と「サイエンス」』に惹かれ、パラパラと中をめくり、飛び込んできたいくつかのキーワードで即決購入。一気に読みました。

以下、備忘。


  • 「美しい」と人が感じるとき、それはなにがしかの合理的な目的に適っている、というのがカントの指摘
  • 「直観」はいいが「非論理的」はダメ
  • 論理的にシロクロのはっきりつかない問題について答えを出さなければならないとき、最終的に頼れるのは個人の『美意識』
  • 千利休は最初のチーフクリエイティブオフィサー
  • 不確実性の高い意思決定においては、(中略)経営者の「直観」や「感性」、言いかえれば「美意識」に基づいた大きな意思決定が必要
  • モノの消費というのは機能的便益を手に入れるための交換という側面が弱くなり、自己実現のための記号の獲得という側面が強くなっていた
  • 外観もテクノロジーも簡単にコピーすることが可能ですが、世界観とストーリーは決してコピーすることができない
  • 世界観とストーリーの形成には高い水準の美意識が求められる
  • 生活の中から失われた「美」は、やがてそこに暮らす人の感性を鈍麻させ、鈍麻した感性を持った人々が、(中略)社会の美を根こそぎにしていく
  • 「システムに良く適応する」ということと「より良い生を営む」というのは、まったく違うこと
  • 「より高品質の意思決定」を行うために「主観的な内部のモノサシ」を持つ
  • 「顧客に好まれるデザイン」ではなく「顧客を魅了するデザイン」
  • 一目見て、イイものはイイ、ダメなものはダメ
  • 14世紀のイタリアから始まったルネサンスでは、(中略)「人間性=ヒューマニズム」の回復が起こった(中略)、それまで神様に委ねられてきた「真・善・美」の判断を、自分たち人間が担うようになった

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』より


文様の話、紫陽花。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

季節外れですが、久しぶりに色絵の紫陽花文様を描いてもらったので

文様の話、紫陽花(あじさい)。

紫陽花の文様も、江戸時代の古伊万里にも描かれている古典文様のひとつです。染付つまり藍色だけで描かれている場合が多く、それはそれで、藍色の濃淡による表情の違いがなんとも美しくもあるのですが、個人的に、より好きなのは、色絵で描かれた紫陽花です。

梅雨時は雨の日やはっきりしないお天気が多く、だからこそこの季節に花開く紫陽花の色彩の鮮やかさに心惹かれる人が多いのだな、と感じます。器に描かれる紫陽花もまた、色彩の鮮やかさが嬉しい。それが、わたしが「色絵で描かれた紫陽花」が好きな理由なのだと思います。

錦紫陽花文蕎麦猪口 藤吉憲典

紫陽花の花の楽しさは、小さな花(=ガク)の集合であること。これを丁寧に描いて可愛らしく美しく表現するのは、とても集中力が必要なようで。実際、描くところを見ていても、とても細かい作業の連続で、頭が下がります。

藤吉憲典のつくる錦紫陽花文蕎麦猪口はこちらからご購入できます(^^)

文様の話、馬。

こんにちは。花祭窯おかみ/磁器作家・藤吉憲典の妻兼マネジャーふじゆりです。

9月に入り、朝晩涼しい今日この頃。「天高く、馬肥ゆる秋」なんて言葉も頭に浮かびます。ということで、

文様の話、馬。

古伊万里の文様にもたくさん登場する馬。雲と組み合わせた「天啓群馬(てんけいぐんば)文」は中国・明時代のやきものにルーツのある、たいへんおめでたい文様のひとつです。

牛と同様、神様の乗り物とされた馬。農耕民族にとって、生活に欠かせない重要な存在でもあり、活動の象徴です。江戸時代に花開いた磁器文化。語呂合わせで文様におめでたい意味を持たせるのは、この時代の粋なユーモアでした。

馬が九頭で「うま く」いく。

午(うま)年生まれであるつくり手・藤吉憲典のオリジナルは、珈琲碗皿に群馬の文様。吉祥の動物と言われている馬を、さらに九頭並べて語呂合わせ。おめでたさも倍増です(^^)

 

 

花祭窯と藤吉憲典、秋以降の予定。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

今日から九月。ということで、

花祭窯と藤吉憲典、秋以降の予定。

このほかに、出来れば11月に花祭窯でお茶会をしたいな、とも考えています。

作り手・藤吉憲典はこの八月、少しだけゆっくり夏休みをとることができました。また秋から冬に向かって、器・アートいろいろなものが生まれてくるでしょう。

各地で一人でも多くの方とお会いできるのを、楽しみにしています!

 

読書『考える力がつく本』池上彰

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『考える力がつく本』池上彰(プレジデント社)

先日読んだ、池上彰さんと佐藤優さんによる『僕らが毎日やっている最強の読み方』(東洋経済新報社)の、池上さん版。という感じでしょうか。『本、新聞、ネットの読み方、情報整理の「超」入門』というサブタイトルがついています。

読書『最強の読み方』。

大きな違いは、「第7章 リーダーたちは何を読んできたのか」で、池上さんと企業トップの方との、本対談。7章から成っているのですが、この7章目がページの半分以上を占めています。もとはプレジデント誌で連載の「トップの読書術」。企業トップとひとことで言っても、「おすすめ」として挙げる三冊はそれぞれに特徴があり、とても面白かったです。

そのなかでも、わたしにとって一番インパクトがあったのが、富士フィルムホールディングス会長兼CEO古森重隆さんのことば。

「人生で起こる問題を解決するのは、ノウハウではないんです。自分が人生で身につけてきた知恵、考え方、勇気、美学、情熱といった人間としての総合力が解決するのです。」(「考える力がつく本」より)

本を読むことは、その総合力を養う方法のひとつなのですね。

 

 

 

 

文様の話、木賊(とくさ)。

こんにちは。花祭窯おかみ/磁器作家・藤吉憲典の妻兼マネジャーふじゆりです。

文様の話、木賊(とくさ)。

とくさ。「木賊」とも「十草」とも書きます。トクサといえば、茶花に使われ、日本庭園に欠かせない植物のひとつです。実際のトクサは見た目に「節」が特長的なのですが、器の文様としては「縦線」で表されることが多いです。いわば「ストライプ」ですね。古伊万里の江戸時代から定番の文様のひとつです。

「木賊文様」というと、上の写真のような染付の縦線をイメージすることが多いのですが、実は赤絵で描いても、木賊。

錦木賊文珈琲碗皿 藤吉憲典

染付の藍色一色で描かれると、いかにも「日本の古典的な文様」という感じがしますが、赤絵で多様な色を加えると、ガラッとイメージが変わるのが面白いですね。

たかが縦線されど縦線。線一本でも、つくり手により、描く対象により、まったく表情が異なってくるのが、木賊文様の面白さです。

 

文様の話、唐草の美。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

文様の話、唐草の美。

自分のこのブログで「唐草」をキーワード検索してみたら、津屋崎等辺ミュージアムで紹介している古伊万里の陶片の写真が続々と現れました(笑)

唐草の文様のついた陶片をたくさん拾っている、ということなのです。それはつまり、唐草文様が、古くからずっと愛され続け、描き続けられている文様だということでもあります。力強い唐草、繊細な唐草、やっつけ仕事的に描かれた雑な唐草…。古の陶工たちが描いた唐草を見ていると、この文様の魅力の普遍性を感じます。

牡丹唐草(ぼたんからくさ)、微塵(みじん)唐草、蛸(たこ)唐草…ひとことに唐草といっても、モチーフは様々。唐草の蔓の中心に何を据えるのかによっても、バリエーションが無限に広がります。

日本だけではありません。中国からシルクロードを遡ってイスラム圏、ヨーロッパ。唐草が地域・文化圏そして時代を越えて愛されてきたことがわかります。そして、やきもの(陶磁器)だけでなく、さまざまなものに文様として取り入れられていることも、皆さんご存知の通り。

日本でやきものに描かれる唐草文様は生命力の象徴。子孫繁栄の願いが込められたおめでたい文様として描かれています。