やきものができるまで(磁器の制作工程)・前半

こんにちは。花祭窯の番頭役・ふじゆりです。

いよいよ本日7月16日(土)が初日です。
銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典(ふじよしけんすけ)個展。
原点回帰=肥前磁器の伝統文化をしっかり感じていただくことがテーマになっています。

その事前知識になれば、ということで

↓肥前磁器についてこれまでに書いた記事はこちら↓

○肥前磁器(ひぜんじき)とは?

○染付(そめつけ)・赤絵(あかえ)・染錦(そめにしき)

○古伊万里(こいまり)のこと


本日は

磁器の制作工程について(前半)

染付(そめつけ)・赤絵(あかえ)・染錦(そめにしき)」でもご紹介したように、
絵付だけでも技法の分かれる肥前磁器。

今も有田焼に残る磁器制作工程の完全分業は、
作業工程を細かく分けて、専門家・職人化したものです。

「高度に専門職化することにより、効率的に質の高いものを生み出すための方法」と解釈されがちですが、
そもそもは磁器制作をはじめた佐賀藩による
「他の藩に磁器制作の技術がまとめて流出することを防ぐための政策」でした。

磁器制作の工程は、次のような流れになります。

土こね

磁器制作がはじまったのは、佐賀県有田にある「泉山」で陶石が採れたことによりますが、
現在は泉山で採取できる良質の陶石はわずかになっています。
肥前磁器の磁器土(陶石)は、現在ではほとんどが熊本県天草で採れたもの。
天草陶土」と呼ばれています。

天草で採取された陶石は「土やさん(陶土屋さん)」によって精製され、
色味など、生地のタイプによっていくつもの種類の陶土となります。
花祭窯でも、色味により数種類使い分けています。

さて土やさんから買ってきた土を、ロクロがしやすいようにこねます。
土に含まれる主に空気を抜くのが目的だそうです。

有田には「土こね三年」という言葉があり、
最初の工程である土こねを習得するのに3年かかるといわれています。

成形

土がこねあがったら、形をつくります。
現在藤吉憲典がつくっているものとしては
ロクロ、またはタタラ、あるいは彫塑の方法による成形です。

削り

形ができたら生地を自然乾燥させます。
適度に乾燥したら、高台(器の底)を削って整えます。
このとき、いかに削る量が少なくて済むかが、ロクロの腕の見せ所です。
また口縁が輪花(りんか)縁のように装飾が必要なものも、このときに削って形をつくります。

乾燥しすぎると土が固くなって作業がしづらくなり、生乾きだと触ることによって形が崩れてしまうので
「適度な乾燥度合い」の頃合がだいじです。

素焼き

生地が十分に乾燥したら、素焼きです。
素焼きは最初の焼成です。藤吉憲典は現在は電気窯を使っています。
最高温度900度くらいまで引き上げます。素焼きでは9時間程度焼成します。

 

次回は、絵付けからの工程をご案内いたします(^^)


藤吉憲典個展

2016年7月16日(土)-21(日) ※18日(月)定休日。
11時‐19時
銀座黒田陶苑 2F展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

地下鉄・東京メトロ銀座駅A-2出口より徒歩2分、JR新橋駅銀座口より徒歩5分
http://www.kurodatouen.com/info

古伊万里(こいまり)のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役・ふじゆりです。

いよいよ今週末に迫ってまいりました。
7月16日(土)が初日の銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典(ふじよしけんすけ)個展では、
原点回帰=肥前磁器の伝統文化をしっかり感じていただくことがテーマになっています。

その事前知識になれば、ということで

↓肥前磁器についてこれまでに書いた記事はこちら↓

○肥前磁器(ひぜんじき)とは?

○染付(そめつけ)・赤絵(あかえ)・染錦(そめにしき)

 

本日は、質問されることの多い「古伊万里ってなに?」について。

古伊万里(こいまり)のこと

一般的に、1600年代~1800年代の江戸期に、佐賀県有田で作られたやきもの
=肥前磁器を「古伊万里」と呼びます。

有田で作られたやきものが、伊万里港から舟であちこちに出荷されたことから
「伊万里」の名がついています。

時代の流れによって分けられます。
「初期伊万里」「前期伊万里」「中期伊万里」「後期伊万里」。
江戸中期の伊万里は「盛期伊万里」とも呼ばれます。

初期伊万里(1600年代初期)

1610年佐賀県有田で、日本最初の磁器の焼成に成功しました。
豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に朝鮮から陶工を連れ帰り、佐賀藩のもと有田で磁器制作がはじまったのです。将軍家や諸大名への贈答品が主に作られており、「上手(うわて)もの」と呼ばれていました。

前期伊万里(1600年代中期~1700年頃)

朝鮮の技術ではじまった磁器制作は、中国の技術を取り入れることによりさらに進化していきます。
内乱によって輸出ができなくなった中国の景徳鎮(けいとくちん)窯に代わって、
東インド会社が有田から東南アジア・ヨーロッパへと輸出するようになりました。
ヨーロッパからの要望により、色絵や金襴手(きんらんで)の技術がはじまりました。

 

中期伊万里(1700年頃~1780年頃)

献上ものや輸出ものは、佐賀藩による品質の維持管理が徹底しており、
鍋島様式や柿右衛門様式の完成度が増し、豪華絢爛な金襴手も盛んになっていきます。

1757年中国景徳鎮の欧州輸出が再開されると、東インド会社との取引が終了し、
国内需要(武家向けや、庶民向け)への転換期に入っていきます。

 

後期伊万里(1780年頃~1860年ごろ)

国内向けの大量生産がはじまります。
人材の流出により肥前磁器の技術が各地に広がり、全国各地で磁器生産の動きが活発になります。
「下手(げて)もの」と呼ばれる簡素な絵付けの庶民向けの食器がつくられはじめました。

1860年代以降は、さらに印刷装飾法の普及などにより大量生産の仕組みが向上し、
価格競争も始まり、それに伴って品質の低下が著しくなりました。
このころのものは「幕末伊万里」と呼ばれますが、「古伊万里」の範囲から外されることもあります。

 

さて、今回の銀座黒田陶苑さんでの「藤吉憲典個展」
オーナーの黒田さんから「古臭いものを作ってほしい」とのご希望でした。

初期伊万里~中期伊万里の献上品のように、
つくりも絵付けも、裏も表もしっかりと丁寧に作りこんだものを、お届けいたします。


藤吉憲典個展

2016年7月16日(土)-21(日) ※18日(月)定休日。
11時‐19時
銀座黒田陶苑 2F展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

地下鉄・東京メトロ銀座駅A-2出口より徒歩2分、JR新橋駅銀座口より徒歩5分
http://www.kurodatouen.com/info

染付・赤絵・染錦

こんにちは。花祭窯の番頭役・ふじゆりです。

7月16日(土)が初日の銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典(ふじよしけんすけ)個展では、
原点回帰=肥前磁器の伝統文化をしっかり感じていただくことがテーマになっています。

そこで、そもそも肥前磁器ってなに?どんなもの?というところをしばらく書いていこうと思います(^^)

↓前回は「そもそも肥前磁器とは?」を書きました↓

○肥前磁器(ひぜんじき)とは?

本日は、絵付の種類について。

 

染付(そめつけ)・赤絵(あかえ)・染錦(そめにしき)

うえの写真は
染錦(そめにしき)梅に鶯文(うめにうぐいすもん)蕎麦猪口。

肥前磁器で用いられる絵付の三つの技法「染付・赤絵・染錦」を説明するのに
ちょうど良い文様だったので登場してもらいました。

染付(そめつけ)

染付とは、呉須(ゴス)と呼ばれる絵具で描かれたものを指し、色は色です。
現在は色呉須と呼ばれる、青以外の色の呉須もいろいろと開発されていますが、
一般に「呉須」というと、昔からあるコバルトを原料に含む青の発色をする絵具を指します。

その呉須を用いて描かれた青色の絵付が「染付」
うえの写真でいうと梅の枝が伸びるふもとの「青色」で描かれた部分です。

染付は別名「下絵付(したえつけ)」とも呼ばれます。

「下絵付」は染付の工程から来た呼び方。
ロクロやタタラなどで形ができた磁器は、まず「素焼き(すやき)」の窯に入ります。
この素焼き窯から出てきた状態に絵を付けるのが、染付。
染付で絵がついたら、釉薬(ゆうやく)と呼ばれるガラス質を上からかけて
「本窯(ほんがま)」と呼ばれる窯に入ります。

釉薬の下に描かれているから「下絵付」なんですね。

赤絵(あかえ)

本窯から出てきたあと、釉薬のうえに施される絵付けが「赤絵」です。

写真でいうと赤・緑・黄色・黒などの色で描かれている部分
釉薬のうえなので「上絵付(うわえつけ)」とも呼ばれます。
また色とりどりの絵具が使われるところから「錦手(にしきで)」とも呼ばれます。

染付と赤絵(錦手)を組み合せた絵付けが「染錦(そめにしき)」。
写真の染錦梅に鶯文蕎麦猪口の名前は
絵付技法の「染錦」文様名の「梅に鶯文」そして器の形状である「蕎麦猪口
この三つが組み合わされているのです。

 

染付と赤絵は絵付でもまったく技法が異なり、
江戸の昔から、染付の職人さんと赤絵の職人さんは、完全に分けられていました。
現代でも、染付と赤絵の両方に熟練している人はとても少ないのです。

 

さて、染付も赤絵も大好きだという藤吉憲典の個展では、
文様の楽しさを存分に味わっていただけることと思います。

今回の銀座黒田陶苑さんでは、季節柄、染付中心。
染付のなかに赤絵がぽっと色をさす楽しさも見出していただけると幸いです。


藤吉憲典個展

2016年7月16日(土)-21(日) ※18日(月)定休日。
11時‐19時
銀座黒田陶苑 2F展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

地下鉄・東京メトロ銀座駅A-2出口より徒歩2分、JR新橋駅銀座口より徒歩5分
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銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展

ぜひご来場くださいませm(__)m

肥前磁器とは?

こんにちは。花祭窯の番頭役・ふじゆりです。

7月16日(土)が初日の銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典(ふじよしけんすけ)個展では、
原点回帰=肥前磁器の伝統文化をしっかり感じていただくことがテーマになっています。

そこで、そもそも肥前磁器ってなに?どんなもの?というところをしばらく書いていこうと思います(^^)

 

肥前磁器(ひぜんじき)とは?

九州北部地方の肥前国=現在の佐賀県で確立されてきた、磁器の伝統的な陶芸技法・文化です。
陶器の原材料は土。磁器の現在量は石。

日本の磁器発祥の地といわれている
佐賀県有田を中心に発展してきたもの「肥前磁器」と呼んでいます。

一般的には「有田焼」「伊万里焼」「鍋島」「柿右衛門」などと呼ばれるものを含めた総称です。

1610年、朝鮮から連れてこられた陶工・李参平(りさんぺい)が
佐賀有田の泉山陶石を使って焼いたのがはじまりといわれています。

朝鮮半島からもたらされた技術ではじまった磁器作りは、
その後、中国・景徳鎮(けいとくちん)窯の磁器技術などをお手本として進化、
さらに日本独自の技術・文化・職人気質が加わりながら発展してきました。

その歴史、おおよそ四百年
その歴史のなかで陶工たちが遺してくれた数々の名品は、
現在も肥前磁器に関わる者にとって大きな宝であり、
藤吉憲典にとっては、これ以上ない師匠です。

写真は
染錦花鳥文(そめにしきかちょうもん)大鉢  作・藤吉憲典

これもまた伝統的な文様のひとつです。
染付の藍色と、色とりどりの上絵(赤絵)。
ハレの日に嬉しい吉祥文様は時代を経ても色あせません。

ということで次回は、たびたび登場する「染錦」「染付」「赤絵」について書きますね♪

 


藤吉憲典個展

2016年7月16日(土)-21(日) ※18日(月)定休日。
11時‐19時
銀座黒田陶苑 2F展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

地下鉄・東京メトロ銀座駅A-2出口より徒歩2分、JR新橋駅銀座口より徒歩5分
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銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展

ご来場を心よりお待ちいたしておりますm(__)m

百合が咲きました!~知ると楽しい文様のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役・ふじゆりです。

百合が咲きました!

季節の草花を題材にした肥前磁器の文様

先日から蕎麦猪口の文様についていろいろと記事を上げてきましたが、
蕎麦猪口に限らず、肥前磁器には季節の草花を題材にした文様がたくさんあります。

そんななか、実はあまり見当たらないのが、百合。

百合と思われる文様が無いことはないのですが、
大量にさまざまに描かれている桜・朝顔・菊などに比べ、目にすることがとても少ないのです。

錦百合文蕎麦猪口 藤吉憲典

花祭窯・藤吉憲典のつくる百合文様の蕎麦猪口は、
藤吉憲典のオリジナルデザイン。

古伊万里のお手本に百合の蕎麦猪口が見当たらなかったので、つくってもらったのでした。
姿のインパクトだけでなく香りの自己主張もしっかりとする強さをもち、
花の種類も多い百合く、花農家さんでも積極的に栽培されている人気の百合。

やはり山野に自生・群生するものには、特別な力強さを感じます。

 

 

花祭窯のフェイスブックページでも情報発信中です(^o^)
https://www.facebook.com/Hanamatsurigama/

 

 

 

7月は銀座黒田陶苑さんで個展です。

こんにちは。花祭窯の番頭役ふじゆりです。

7月に入りましたね。

熊本ビストロ&カフェSUNNYさんの3周年記念「藤吉憲典蕎麦猪口展」
先週末をもちまして、おかげさまで無事終了いたしました。

期間中ご来場くださいました皆さま、ほんとうにありがとうございました!
地震のあとの難しい状況のなか、蕎麦猪口展決行のご決断をなさった藤川さんに心より感謝しています。
ありがとうございました。

 

7月は銀座黒田陶苑さんです。

銀座黒田陶苑さんでの個展は、これが初めて。

3月の岡山のギャラリー栂さんといい、今年は初めての場所での個展機会に恵まれています。
ほんとうにありがとうございます。

本日個展案内状を発送いたしましたので、ご希望の方には今週中にお手元に届くと思います。

 

さて、銀座黒田陶苑さん。
きっかけは数年前にさかのぼります。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展

案内状にもメッセージをいただいているとおり、
藤吉憲典にとっての「やきもののルーツ」である「肥前陶磁」へ原点回帰する機会をいただきました。
肥前陶磁の師匠と位置づける九州陶磁文化館の「柴田コレクション」はじめ、
江戸の陶工の残した名品に、あらためて感謝と敬意をこめての個展になります。

黒田さんのおっしゃった「古臭いもの」と、藤吉が理想とする温故知新がどう共鳴するのか、
とてもワクワクしています。

初めて藤吉憲典のやきものに出会う方々ももちろんですが、
これまで長く藤吉の器を愛してくださっている方々にも、ぜひご覧いただきたい個展です。

銀座黒田陶苑 http://www.kurodatouen.com/


藤吉憲典個展

2016年7月16日(土)-21(日) ※18日(月)定休日。
11時‐19時
銀座黒田陶苑 2F展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

地下鉄・東京メトロ銀座駅A-2出口より徒歩2分、JR新橋駅銀座口より徒歩5分
http://www.kurodatouen.com/info

ぐるりと一周~知ると楽しい文様のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役ふじゆりです。

7月3日(日)まで開催中の熊本SUNNYさんでの
『藤吉憲典 蕎麦猪口展』を存分に楽しむ!をテーマに
文様について小話を展開しております。

これまでにご紹介したのはこちら。


和食器には「正面」があることが多く、
どこが正面なのかは、器の形や文様の向きで判断されるのですが
今回ご紹介の蕎麦猪口のように、
ぐるりと一周同じ文様の繰り返しになるものもあります。

うえの写真は左から

  • 染付網文蕎麦猪口(そめつけ あみもん そばちょこ)
  • 染付芝垣文蕎麦猪口(そめつけ しばがきもん そばちょこ)
  • 染付寿字文蕎麦猪口(そめつけ ことぶきじもん そばちょこ)

いずれも「どこが正面か」はほとんど気にする必要が無いので、
器を使うときも置くときも、気楽です。

染付網文蕎麦猪口

魚をとる網の文様。
そこから大漁への願いのこめられた縁起文様のひとつです。
古伊万里の時代から人気の文様で、
網のなかに魚を描き、大漁の喜びを強調したものもあります。

 

染付芝垣文蕎麦猪口

これもまた、古伊万里の時代から描かれている定番文様です。
なんの変哲も無い垣根が文様になる面白さ。
もともと自然や景色(山水)だけでなく生活風景や道具までもが文様になる肥前磁器
蕎麦猪口に美しくデザインされた垣根には、江戸時代の陶工たちのセンスが感じられます。

 

染付寿字文蕎麦猪口

文字もまた、文様の題材として人気。
なかでもこの「寿」は「福」と並んで喜ばれるおめでたい文字です。
「寿」のついたものだけでも相当数の文様のバリエーションがあり、
お祝い事を喜ぶ気持ちの大きさを感じさせます。

今回ご紹介している「寿」字は篆書体(てんしょたい)風にデザインされていて、
ぱっと見では「寿」と読めなかったりもします。
実際に江戸時代の陶工たちのなかには文盲の人も多かったといわれており、
字というよりは絵あるいは記号としてとらえられていたようです。
蕎麦猪口の文様の面白さ、ぜひ現物を手にとってご覧くださいね(^^)


藤吉憲典 蕎麦猪口展
2016.6.25(土)-7.3(日)

Bistrot & Bar SUNNY
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL096-355-4188

月曜定休

営業時間
火/木/金:18-26時
水/土/日:13-16時18-26時

「アートの教科書」と書いてあったので。

こんにちは。花祭窯の番頭役ふじゆりです。

本屋さんも大好きですが、図書館も大好きです。
我が家の周りには残念ながらわたしの好きなタイプの本屋さんが無いので、
ふだんは図書館利用が多くなります。

図書館に行ってまずすることは雑誌の新刊チェック。

図書館でザッと目を通して「もっと読みたい。持っておきたい」と思ったものだけを本屋さんで購入。
最近は、手元に持っておきたいと思う雑誌があまりなかったのですが
久しぶりに購入したのが「Pen」2016年6/15号でした。

 

特集「アートの教科書」

表紙の太文字につられてなかを開いたら、ビンゴです。
そうそう、わたしは「現代アートとはなんぞや」を体系的に学んだことがなかったのでした。

というよりも、考えてみたらこれまでに「現代アート」について学ぼうと読んだ本といえば、
カイカイキキ村上隆さんの著書や、ギャラリスト小山登美夫さんの著書が中心で・・・
ある意味とても偏っていますね。

今回手にとったPenの特集。
あくまでも「パリ・ポンピドゥー・センターの見解」ということになるのだとは思いますが、
なるほど現代アートにまつわる「?」の解説の数々。とてもわかりやすく読むことができました。

なかでも興味深く共感したのがこれ。

デザインとアートは、どう違うのですか?

「デザインとアートはどう違うのですか?」というクエスチョンに対する
パリ・ポンピドゥー・センター国立近代美術館デザイン・工業デザイン展望部主任学芸員さんの回答、

「デザインとは決まった規格での表現。建築家やデザイナーがアートを手がけ、その逆もある。
越境は自由なのです。」(「Pen」2016年6/15号より)

花祭窯・藤吉憲典が日頃から取り組んでいること、制作のスタンスがあっさりと肯定されて
なんだか嬉しい拍子抜けでした。

もちろん、誌面にはこのひと言を補足する丁寧な解説が加えてありますので、
興味がある方は、ぜひ手にとってみてくださいね(^^)

 

染付の定番人気~知ると楽しい文様のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役ふじゆりです。

いよいよ明日、6月25日(土)からはじまる熊本SUNNYさんでの
『藤吉憲典 蕎麦猪口展』を存分に楽しむ!をテーマに
文様について小話を展開しております。

これまでにご紹介したのはこちら。


江戸時代から人気の定番文様の蕎麦猪口

うえの写真は左から

  • 染付独楽筋文蕎麦猪口(そめつけ こますじもん そばちょこ)
  • 染付波兎文蕎麦猪口(そめつけ なみうさぎもん そばちょこ)
  • 染付酒樽文蕎麦猪口(そめつけ さかだるもん そばちょこ)

蕎麦猪口に限らず、肥前陶磁の文様は江戸時代にたくさん生まれました
そして、その当時の文様が今でもたくさん引き継がれ、描かれています。

今回の三つも江戸時代からの人気文様。

染付独楽筋文蕎麦猪口

シンプルな横線文様です。
いわば「ボーダー柄」ですね。

それが肥前陶磁的には「独楽筋(こますじ)文」となります。

シンプルな横線文様をまわり続けるコマの様子に見立てた名付けは、
独楽⇒まわり続ける⇒縁起が良い
という、いかにも江戸気質な解釈からだといわれています。

というわけで、独楽筋文もまた吉祥文様のひとつ。

 

染付波兎文蕎麦猪口

人気のウサギは、江戸時代から染付・赤絵さまざまに描かれています。
なかでもこの波兎は超定番の人気文様です。

もともと日本では桃山時代から工芸品に波兎が描かれるようになったとか。
おそらくは神話「因幡の白兎」にちなんでデザインされたと思われる「波」と「兎」の組み合せ。
これまた 波兎⇒波に乗り飛躍する というような江戸的おめでたい解釈。

対してやきもののルーツ中国では、明の時代に「月に兎」の題材がよく描かれています。
これは「月に不老不死の霊薬をつくる兎とガマが住んでいる」という伝説を題材にしたものだそうです。

というわけで、この波兎文の背面には月が描かれています。
日本由来の縁起と中国由来の縁起を担いだおめでたい吉祥文様です。

 

染付酒樽文蕎麦猪口

日本では日常の道具類を「宝」として図案化したものが数多くあり、酒樽はそのひとつ。
宝なので、やはり吉祥文様。婚礼をはじめとした祝儀に用いられます。

酒樽に盃の連続文様は見た目にもおめでたい感じがわかりやすいですね。

「外濃(そとだみ)」と呼ばれる絵付けの方法で、
まわりを染付の藍色にし道具を白く浮かび上がらせています。

 

いずれも江戸時代からの定番文様。
蕎麦猪口の文様の面白さ、ぜひ現物を手にとってご覧くださいね(^^)


藤吉憲典 蕎麦猪口展
2016.6.25(土)-7.3(日)

Bistrot & Bar SUNNY
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL096-355-4188

月曜定休

営業時間
火/木/金:18-26時
水/土/日:13-16時18-26時

赤絵の蕎麦猪口~知ると楽しい文様のこと

こんにちは。花祭窯の番頭役ふじゆりです。

6月25日(土)からはじまる熊本SUNNYさんでの
『藤吉憲典 蕎麦猪口展』を存分に楽しむ!をテーマに
文様について小話を展開しております。

これまでにご紹介したのはこちら。

●松竹梅~知ると楽しい文様のこと

●立てば芍薬座れば牡丹~知ると楽しい文様のこと

●植物・気象・動物~知ると楽しい文様のこと


かわいくておめでたい赤絵の蕎麦猪口

うえの写真は左から
染錦扇文蕎麦猪口(そめにしき おうぎもん そばちょこ)錦桃文蕎麦猪口(にしき もももん そばちょこ)
赤絵万暦鳳凰文蕎麦猪口(あかえまんれき ほうおうもん そばちょこ)

いずれもおめでたい吉祥文様です。

染錦扇文蕎麦猪口

扇は神事、舞い、儀式の場に欠かせない道具です。
末広がりの形がめでたく、吉祥文様のひとつ。
江戸の古来から人気です。

赤は魔除けの意味を持つ色
吉祥文様を赤で描くことで、その意味を特に強くします。

お正月はじめ、お祝いの席に喜ばれる文様です。

 

錦桃文蕎麦猪口

桃の実も、おめでたい吉祥文様のひとつ。
桃を吉祥文とするのは、やきもののルーツ中国に由来します。

中国では三果文(さんかもん)と呼び、仏手柑・桃・石榴 の三つの実ものが
「子宝の象徴」「魔除けの力を持つもの」として人気です。

日本でも、神話で鬼を追い払うのに桃が使われたり、
昔話で桃から子どもが生まれてきたり、
やはり「子宝」「魔除け」の実として昔から親しまれています。

 

赤絵万暦鳳凰文

「赤絵万暦(あかえまんれき)」というのは、やきものの文様の描き方の様式のひとつです。

鳳凰(ほうおう)は中国で神聖視された霊獣のひとつ。
良いことの兆しを告げる吉兆の霊獣です。
中国では龍や麒麟(きりん)と並んで吉祥文様として描かれる人気文様。

これもまた、お祝いに喜ばれる文様です。

 

今日は赤絵のおめでたい文様を三つご紹介しました。
蕎麦猪口の文様の面白さ、ぜひ現物を手にとってご覧くださいね(^^)


藤吉憲典 蕎麦猪口展
2016.6.25(土)-7.3(日)

Bistrot & Bar SUNNY
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL096-355-4188

月曜定休

営業時間
火/木/金:18-26時
水/土/日:13-16時18-26時