映画「ゲティ家の身代金」

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

映画「ゲティ家の身代金」

写真は、親戚のおじさんが「ドンキで見つけた」という面白グッズ100万円札。

上映時間133分、ストーリーに引っ張り込まれてあっという間でした。この映画が公開されると知った時の「ゲティさんのことを少しでも知りたい」というある種実務的な目線は、映画が始まってすぐに、すっかり忘れ去られておりました。

ゲティさんのこと。

ジャンルとしてはサスペンスになるのですね。たしかにドキドキしながら観ていました。そしてまた、イタリアのシーンも、イギリスのシーンも、中東のシーンも、美しいシーンが多くて、その美しさにもドキドキ。

クリストファー・プラマー演じるジャン・ポール・ゲティの存在感が圧倒的でした。ジョン・ポール・ゲティ3世を演じたチャーリー・プラマーもとってもキュートでした。

ひとつだけ残念だったのが、予告編などで目にしていた映像で、本編に見つけられなかったものがけっこうあったこと。撮り直しと編集の結果なのでしょうね。133分はわたしにとっては決して長くなかったので、もっと映像を盛り込んだバージョンがもしあるのならば、ぜひ観たいなぁなどと思いつつ。

もちろん「美術品のコレクション」のもつ側面をいくつか垣間見ることもできました。J・ポール・ゲティ美術館に訪問できる日がますます楽しみになってきました。

 

梅雨入り2。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

梅雨入り2。

梅雨シーズンになると嬉しくなる文様は、食の器だけにとどまりません。

染錦蛙と紫陽花陶箱 藤吉憲典
染錦蛙と紫陽花陶箱 藤吉憲典

染錦蛙と紫陽花陶箱。「染錦(そめにしき)」というのは、「染付(そめつけ)」と呼ばれる藍色を出す絵具を使う絵付けと、「錦手」とか「赤絵」と呼ばれるカラフルな上絵の具を使う絵付との組み合わせで文様を描く技法です。

梅雨空の下に色とりどりの紫陽花が映えるように、この陶箱も染付の濃い藍色のなかに、色とりどりの紫陽花を描いています。そして、カエル。

花祭窯の創業の地である花祭は自然豊かで、梅雨時になるとこのような鮮やかな緑色のアマガエルが常に家の周りにおりました。

この陶箱のデザインは藤吉憲典のオリジナルですが、身の周りの自然を取り込んで描く在り方は、江戸の昔の肥前磁器の文化を踏襲しています。

 

読書『名画の謎』(文藝春秋)シリーズ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『名画の謎』(文藝春秋)シリーズ。

花祭窯、大型連休もほぼ平常通りの営業で仕事をしております。そういえば、ここ数年は5月といえばロンドンでの展示が続き、ゴールデンウィークはその準備や出張でテンション高く過ごしていたのでした。

ひさしぶりにゆっくりの「黄金週間」なので、平常運転で仕事をする傍ら、まとめて本を読むことに。ずっと気になりながら読んでいなかった中野京子さんの本を手に取りました。中野京子さんといえば『怖い絵』シリーズが有名ですが、今回わたしが手に取ったのは『名画の謎』シリーズ「ギリシャ神話篇」「旧約・新約聖書篇」「陰謀の歴史篇」の3冊。

面白かったです!まったく予備知識無しで読みだしたのですが、ちょっとシニカルな目線に、独特のユーモアあふれた語り口がツボにはまり、一気に読みました。西洋文化史の専門家でいらっしゃるのですね、さりげなく文章に入っている背景の解説がとても分かりやすかったです。

絵画や美術を読み解く本はいろいろと出ていますが、個人的には、美術の専門家ではない方が書いたものの方が面白いことが多いと感じています。あくまでもこれまでの読書経験からの感想ですが、美術をアカデミックに学んできた方の解説は、その専門性ゆえにでしょうか、見る人の想像力の広がりを許容しないようなところがあるかな、と。

ともあれ、中野京子さんの『名画の謎』面白いです。『怖い絵』シリーズも読まねば(^^)

お酒を呑みながら建築のお勉強・その8

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お酒を呑みながら建築のお勉強・その8

毎回楽しみな隣町・宗像にお住まいの建築家、株式会社藤井設計室・藤井さんご夫妻のご好意で開催されるスライドショー&勉強会。今回も素晴らしい時間でした。

昨年来、西洋美術史関連の本を読み漁りつつ、わかってきたことがあります。それは「お酒を呑みながら建築のお勉強」で少しづつ素地を積み上げてきたおかげで、西洋美術史の本に書いてあることへの理解が格段に深く良くなっていること。あくまでも自分比ですが(笑)

すなわち西洋史のなかで、建築史=美術史をほぼ同義に読みとることができる時代が長いということなのですね。多くの芸術家が建築家であり彫刻家であり画家であり、というような時代はもちろん、その前後においても、建築と芸術は切り離せないものだとつくづく。

さて今回のスライドショーは、番外編。「住む」という「必要性」にスポットが当てられた内容でした。ヨーロッパ各地の、「ここに住むしかなかった人たち」が築いた、住み家・街の景色とその背景についての解説。状況が語る悲壮感に反して家や街に質素な美しさがみられることに、人間の強さと美意識を感じました。

それにしても、切り口(テーマ)によるさりげない問題提起も含め、藤井さんの実体験に基づいたスライドショーならではの奥深さ。このような機会に参加できることが、ほんとうにありがたいのです。

 

読書『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

読書『イギリスと日本ーその教育と経済ー』(岩波新書)

先日、直方谷尾美術館に行ったときに、常設展示室で偶然開催されていた直方図書館の古書交換会で手に入れた一冊。ちょうどイギリスの教育に興味が湧いてきていたところにこの本を発見し、「若干情報が古いかも!?」と思いつつもありがたく頂戴してきたところでした。

読んでまず思ったのが、この本と出合えた幸運。著者の森嶋通夫さんは、経済学者でロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の名誉教授。この本を執筆なさったときはロンドン大学教授の肩書です。2004年にご逝去されており、この本に出合わなければ、わたしは存じ上げることのない方だったかもしれません。

1975年の講演をもとに1977年に第一刷がでている本書。つまり40年前の本なのです。が、アマゾンで調べたら2003年1月21日刷がでてきました。それはつまり、40年前に書かれたこの本から、今もなお考えるべきことがたくさんあるということですね。

ページをめくると最初に現れる「はしがき」に、「日本でいま教育問題が大きな社会問題になっていますが、その解決策とまではいかなくても、せめて改善策を見つけるための、一つの資料を提供するという意図で、イギリスの教育についてお話したいと思います」と1977年当時の筆者が書いておられます。

が、2018年の現在も同様に日本は「教育改革」の方向性をいかにすべきか試行錯誤の状態。常にベターな状態を目指すべき「教育」ですから、「これが正解」に辿り着くことは永遠にないのかもしれません。そんな教育問題を考察するうえで大きな示唆のある本であると思いました。

1975年といえば終戦後30年。その当時の統計的裏付けを含みながらの、日本とイギリスの比較文化論。講演ならではのわかりやすい語り口の文章であることも相まって、とても興味深く面白く読みました。

教育の在り方について考察を深めたい方に、おススメの一冊です。

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その4。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ギャラリー栂さんに持っていくもの。その4。

本日、岡山のギャラリー栂さんでの藤吉憲典作品展は初日です。

野鳥とピラカンサスをテーマにした陶箱は、もう何代目でしょうか。いずれも気がつけば SOLD OUT。つくるたびに、形・サイズ・野鳥の枝へのとまり方・ピラカンサの枝ぶりなどが異なりますが、持つ雰囲気は一貫しています。

肥前磁器の伝統文化が現代的に昇華した」ものとして、わかりやすいひとつ。日本のお客さまには「新しいけれど、なんとなく懐かしい」、ロンドンのお客さまには「日本らしさ(日本人らしさ)が滲み出ている」作品と受け取っていただいているようです。

今回の箱は、蓋の枝ぶりがまた見どころ。平面から立体へ。その美しさをご確認ください(^^)

藤吉憲典、鳥陶箱


花祭窯 藤吉憲典作品展
4月17日(火)~4月27日(金)
(注)4月23日(月)は定休日
10:00~17:00

《美酒の会》4月21日(土)18時~(お食事5000円+お酒代)
美酒の会のご予約は、栂さんにお電話(TEL0869-92-9817)にて。

ギャラリー栂
岡山県和気町清水288-1(TEL0869-92-9817)(地図はこちら)

 

ゲティさんのこと。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ゲティさんのこと。

先日映画館に行ったら、予告チラシのなかに「ゲティ家」の文字を発見。ちょうどゲティさんについて、背景知識を学んでおこうと思っていたところだったので、なんというタイミング!と驚いたのでした。

「ゲティ」といえば、アメリカにあるゲティ美術館。ゲティ財団は、美術品のコレクターとしても知られた石油王ジャン・ポール・ゲティにより設立された私的財団で、芸術機関としては世界一の資産を保有。カリフォルニア州ロサンゼルスにあるゲティ・センターとゲティ・ヴィラの2カ所にあるゲティ美術館を運営しているほか、ゲティ基金・ゲティ研究所・ゲティ保存修復研究所があります。(参考:Wikipedia)

ゲティ財団 http://www.getty.edu/

わたしの言っている「ゲティさん」は、レディ・ゲティ。石油王ジャン・ポール・ゲティ卿のご子息サー・ジョン・ポール・ゲティ・ジュニアの3番目にして最後の奥さんです。サー・ジョン・ポール・ゲティもまた、特に英国での芸術・文化への多大な支援と多額の寄付を行った方。

そんなサー・ポール・ゲティの奥さんレディ・ゲティもまた、美術品蒐集家として有名な方で(というのもギャラリーオーナーから教えていただいて初めて知ったのですが)、セラミック・アーティスト藤吉憲典の作品コレクターの一人でもあるのです。2014年のロンドンデビュー以来、Sladmore Contemporaryギャラリーを通して、継続的に藤吉の作品をコレクションに加えてくださっています。

芸術・文化活動に造詣の深いゲティ一族に名を連ねるレディ・ゲティのプライベートコレクションに作品が入っているというのは、アーティストとして純粋に嬉しいこと。そんな経緯で、レディ・ゲティひいてはゲティ家のことを少しは勉強しておかなければと思っていたところなのでした。

映画「ゲティ家の身代金」は5月25日公開。

でも、それよりもなによりも、ゲティ美術館のあるロサンゼルスに行かねば!です。

 

(注)プライベート・コレクターのお名前を出すことについてSladmore Contemporaryの了承を得ています。

 

 

 

西洋美術史、2冊。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

西洋美術史、2冊。

本屋さんの同じ棚で発見。

  • 西洋美術史 世界のビジネスエリートが身につける教養』(ダイヤモンド社)
  • 『いちばん親切な 西洋美術史』(新星出版社)

最近、ビジネスマンに向けてアートを語る本が少しづつ増えてきたな、と感じています。これまでに紹介したところでは『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』、『コレクションと資本主義』、『巨大化する現代アートビジネス』あたり。

そんななか、ダイヤモンド社の『西洋美術史』(木村泰司著)をあちこちの書評で目にして気になっていました。先日本屋さんに行った際、美術書系の棚を眺めたら、そのビジネス書っぽい表紙をすぐに発見。そしてすぐ近くに、もう一冊『西洋美術史』が!新星出版社から池上英洋・川口清香・荒井咲紀共著の『西洋美術史』。こちらはいかにも美術の教科書的な表紙です。

ダイヤモンド社が2017年10月、新星出版社からは2016年7月に出ていました。同じ「西洋美術史」というタイトルで、アプローチの方法が大きく異なるものが、わりと近いタイミングで出版されていることが面白くて、思わず両方手に取りました。まず1冊目読み進めていますが、それぞれの感想はまた次回以降に(^^)

読書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』

読書:『コレクションと資本主義』

読書『巨大化する現代アートビジネス』(紀伊國屋書店)

 

2017年もありがとうございました!

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

2017年もありがとうございました!

花祭窯の開窯20周年を迎えた2017年。5月のロンドン初個展西麻布桃居さんでの個展でスタートし、6月熊本SUNNYでの蕎麦猪口小皿豆皿展、7月神戸壺屋さんでの個展、12月鹿児島壺中楽さんでの個展まで、おかげさまでしっかりと走り切った1年となりました。(実は年末ぎりぎりまで窯を焚いていますので、まだ終わってはいませんが^^;)

忙しいなかにも、夏には台湾から翡翠青瓷文化芸術基金会理事長を花祭窯にをお招きして意見交換の機会をいただき、秋には藤吉憲典がミラノ・フィレンツェを訪問視察するなど、今後に向かっての動きを採り入れることができたのは、とても有難いことでした。

新しい取り組み、学ぶべきことも多いなかで、たくさんの方々にご協力いただき、助けていただきました。心よりお礼申し上げます。ほんとうにありがとうございました。

来たる2018年が、皆様方にとっても、素晴らしい一年になりますように!

 

続々・海外発送四苦八苦(笑)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

続々・海外発送四苦八苦(笑)

「海外発送四苦八苦(笑)」での失敗から、主に二つのことを学びました。

1)運送会社の選び方。(こちらは「続・海外発送四苦八苦(笑)」で)

2)貿易実務+アートの特殊性に伴う書類準備の必要性。

発送時に伝票と一緒に添付するインボイスのほかに、「アーティストとギャラリーの間での海外輸出入に関して明記すべき、いくつかの必要事項がある」ことを知ったのも、実際に発送してチョンボをしてからでした。

その結果、実際に添付しているのは、次の二つの書類です。

●Works of Art Declaration(芸術作品宣誓書)

●List of Inventory on Consignment on Loan(委託借用品の目録リスト)

( )内の日本語訳は、わたしがしたものなので、正式な呼び方はちょっと違うかもしれませんが、悪しからず。

「Works of Art Declaration」は、「積載品であるアート作品が、アーティスト本人から発送されたオリジナル(プライマリー)作品であり、付加価値税の減免対象である」という宣言書です。これはすべての国で求められるものではなく、欧州内でこの制度が適用される国に対して発送する際の必要書類になるということで、書式はFedExのオンラインから発行できました。

そう。FedExはオンラインで伝票を作成すると、インボイス以外に対象の国や地域・荷物の内容に応じて必要な書類がある場合、「この書類も印刷できますよ」とサジェストしてくれるのでした。

「List of Inventory on Consignment on Loan」は、個展やアートフェアのような場面で、アーティストがギャラリーに作品を貸し出す際の書類です。作品が戻ってくる際にも必要になる書類なので、必要項目がわかりやすく書けていることが大事かなと。ネットで検索すると雛形がいろいろ出てきたので、真似をしつつ自分の書きやすいレイアウトでつくっています。

発送する内容によっても、相手国によっても、書類上必要なものが変わってくるのですね。また同じ国でも法律や制度の変更によって変わるものもあるようで。今後も引き続き、失敗しながら、学びながら、ということになりそうです。