| 第一回目「土こね」。まずその土はそもそもどうやって手に入れるのか、というお話からしましょう。
ダンナがやきものを作っているという話をすると、「へぇ、お宅のあたりはいい土がとれるんですか?」ときかれることがよくあります。土もの(陶器)に関しては、いい土を探して自分で掘ったりしている作家さんもいらっしゃいますが、磁器に限っていうと、自分で掘ったものを使っているという方はめったにいないと思います。
磁器にとって柄の色の安定した美しさは商品価値として大変重要です。焼きあがるたびに生地や絵の色合いが異なっていては、話になりません。そこで登場するのが「陶土屋さん」です。磁器の原料は主に陶石です。石ですからまず粉砕する必要があります。粉砕の程度、つまり粒子の細かさは作品の美しさを左右する大きな要素であり、安心して使える陶土を提供するのが陶土やさんの役割です。
有田焼はもともと佐賀県有田町にある泉山からこの陶石が採れていたために、産地の名がついたものです。江戸末期から明治にかけて、有田で採れる良質の土は採りつくされてしまったといわれています。現在有田で使われている土はほとんどが熊本県天草産のものです。
さて、陶土やさんから調達できたら、いよいよ土こねです。土こねは「土練り」ともいいます。
有田には「土こね3年」という言葉があり、陶芸家(ろくろ士)は土こねができないと一人前とはいえないといわれるほど大切な作業です。写真は磁土を「捻じもみ(ねじもみ)」しているところです。
土こねの目的は主に以下のふたつです。
(1)陶土中の気泡を取り除く
(2)陶土中に含まれる水分量を一定にする |
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きちんと空気が抜けていなかったり、水分量が一定でないと、形を作るうえでろくろがひきにくかったり、窯に入れて焼いたときに形がゆがんだり、割れたりする原因になります。
実際のところ、たいへんに労力のかかる作業です。現在は真空土練機という便利な機械もあり、大量生産をしている大きな窯元などは導入しているところも多いですが、
ダンナいわく「自分が今から使う土の状態を直接肌に感じとるための大切な工程」です。
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「第二回 ろくろ成型」に続く! |
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