読書『甘くない湖水』(早川書房)ジュリア・カミニート著/越前貴美子訳

ここに描かれている「青春時代の苦み」は、単に若さゆえの苦さではなく、経済的弱者であるからこそ倍増される苦みでした。著者も訳者も「あとがき」で書いている通り、本書に横たわっているのは「痛み」そのもの。主人公の行動にひやひやしながらも、一緒になって拳を握り締める読書でした。