12月は、ご近所の国宝・豊村酒造さんで「藤吉憲典個展-酒の器、祝の器」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

12月は、ご近所の国宝・豊村酒造さんで「藤吉憲典個展-酒の器、祝の器」。

花祭窯がある津屋崎千軒のご近所には、歴史的な建造物がいくつか遺っています。豊村酒造さんの旧醸造場施設が国の重要文化財に指定されたのは、2024年1月のこと。国宝に認定されると、保存の義務が生じるとともに、近年では活用の義務も大きくなってきているようで、その一環としてお声がけいただきました。

重文豊村酒造活用事業 藤吉憲典個展―酒の器、祝の器-特設サイト

展示での活用は今回が初めてということで、その一発目になるということで、とてもありがたいことです。酒蔵ですから、酒器との組み合わせが最適。最初にお話をいただいたときから、展示イメージが沸いてきました。今回、控えの間と奥座敷を使わせていただけるということで、とてもワクワクしています。


重文豊村酒造活用事業 藤吉憲典個展―酒の器、祝の器-

会期:2025年12月19日(金) – 12月21日(日)
時間:10時 -16時
場所:豊村酒造 福岡県福津市津屋崎4-14-18

重文豊村酒造活用事業 藤吉憲典個展―酒の器、祝の器-

重文豊村酒造活用事業 藤吉憲典個展―酒の器、祝の器-特設サイト

12月下旬の週末三日間。皆さまご多忙とは存じますが、豊村酒造さんの奥座敷まで入ることができる貴重な機会です。ぜひお立ち寄りくださいませ。

新たなチャレンジはイメージ通りに進むばかりではないけれど、イメージのズレから生まれるものもある。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

新たなチャレンジはイメージ通りに進むばかりではないけれど、イメージのズレから生まれるものもある。

思えば昨年2024年11月、イタリアに出張したダンナ・藤吉憲典がミラノのギャラリーから「ケンの書画作品を、より気軽に楽しめる普及版があるともっといいのだけれど」という提案をもらって帰ってきたのが、事のはじまりでした。

運よく熱意あるシルクスクリーン職人さんと出会うことができ、書画作品から最初のふたつをイメージ通りにシルクスクリーン作品に仕上げることができたのは、ほんとうにラッキーでした。スタート時にこの小さな成功体験があったからこそ「GO!」と突き進めることができたと思います。

そこから福岡デザインワークショップでのブレストや、シルクスクリーン職人さんとの対話を通じて、台紙(和紙)の選定や「見せ方」の検討、どのようにブランディングしていくかなどを考え続けてきたこの一年。ほんとうにまる一年かかったなぁという思いです。が、一年でここまで構想が進み、具体化に至っているというのは、案外早かったのかもしれません。年明け早々に、いつもお世話になっている信金さんから誘われて、初めての「地元BtoB展示商談会」なるものへの参加を決めたのも、新規事業お披露目のタイミングを決める契機になりました。

まだまだ先だと思っていたその展示商談会はいよいよ来週。商談会で発表予定の作品ができあがったということで、シルクスクリーン職人さんの元へ出かけてきました。新たに出来上がった作品群は、原画の墨の濃淡のニュアンス表現の難しさ、台紙となる和紙の取り扱いの難しさを技術でカバーし、かなりの完成度で仕上がっていました。が、頭のなかにあった出来上がりイメージとは少々ずれているところも。その裏には、シルクスクリーン技術に関しては素人のわたしたち自身はもちろん、大量の作品制作経験を積んでいる職人さんでも予期できなかった難しさもあったようです。

そうした「難しさ」を踏まえて、ではどうするか。そこからが、アーティスト・藤吉憲典の創造力の見せ所であり、作品の魅力をアップするアイデアにつながるのですから、面白いところです。難しいからこそ、ほかの人にはできない(あるいはやろうと思わない)ことができるわけで、独自の表現になります。おかげで、最初のイメージからさらにナナメ上をいくような作品群を作り出せそうです。

藤吉憲典シルクスクリーン作品

京都の老舗・朝日堂さんで、藤吉憲典のアート作品をご覧いただくことができます。

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京都の老舗・朝日堂さんで、藤吉憲典のアート作品をご覧いただくことができます。

「国内ではアート作品はどこで見ることができますか?」のお問い合わせに、ようやく安定的なお返事が出来そうです。京都・清水寺の門前にお店を構える朝日堂さんに、藤吉憲典の陶板シリーズや陶箱シリーズを、少しづつお届けしています。今回、ロンドンSLADMOREでのクリスマス・ショウで発表する作品制作と同時進行で、朝日堂さんからご希望のあった陶箱を、ようやく制作・納品することができました。

朝日堂さんは1870年創業。京焼の取り扱いからスタートし、現在は全国各地の工芸品を幅広く扱う老舗です。5代目である現社長・淺井さんは、日本の伝統工芸文化を守り振興していくことを使命として、国内外で幅広く活動しておられます。初めてお会いした時に、その造詣の深さ、見識の広さに頭が下がりました。「鳥が好き」とおっしゃる淺井さんのご期待に応えるべく、藤吉憲典渾身のカワセミ陶箱を京都にお届け。これを第一弾として、鳥シリーズはこれからじわじわと増えていきそうです。

国内でご覧いただけるところがなかなかありませんでしたので、こうしてご紹介できるのがとても嬉しいです。朝日堂さんは、京都本店をはじめ、関西・関東エリアにいくつものギャラリースペースをお持ちです。藤吉作品をご覧になりたいときは、今どこで何が展示されているかをお電話で確認してから訪問なさると確実です^^


朝日堂 https://www.asahido.co.jp

京都市東山区清水1丁目280番地
TEL:075-531-2181
営業時間:9:30 – 18:00
年中無休

京都 朝日堂さん

大阪・阿倍野の暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」は11月1日から会期後半です♪

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大阪・阿倍野の暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」は11月1日から会期後半です♪

10月25日に初日を迎えた、暮らし用品さんでの個展。初日、二日目と在廊した作家・藤吉憲典は、たくさんのお客様とお話することができたようで、喜んでおりました。ご来場・お買い上げくださいました皆さま、誠にありがとうございました。

木・金曜日のお休みをはさんで、11月1日(土)から11月5日(水)まで会期後半となります。初日・二日目でほぼ売り切れてしまった蕎麦猪口を、この間に追加発送いたしました。蕎麦猪口をご所望の客さまは、ぜひこの機会に足を運んでいただけると嬉しいです。

暮らし用品さんでは、ギャラリーでの個展期間終了後、オンラインショップでの販売も予定してくださっています。遠方で足を運ぶことができない、というお客さまは、こちらの機会を楽しみにしていただけると幸いです。


藤吉憲典 陶展

暮らし用品

場所:大阪市阿倍野区阪南町1-45-15
電話:06-6628-2606
会期:2025年10月25日(土)~11月5日(水)11時~18時
※木・金曜はお休み。

10月は大阪です―阿倍野の暮らし用品さんで「藤吉憲典 陶展」。

12月のイベントに向けて作戦会議-初めての取り組みはなんだか面白い。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

12月のイベントに向けて作戦会議-初めての取り組みはなんだか面白い。

12月は、初めての試みがひとつあります。国指定重要文化財に指定された豊村酒造さんの活用事業として、藤吉憲典の作品を展示することになりました。ご近所さんですので、こういう形で地域貢献的なことでご一緒できるのは、とても嬉しくありがたく。そこに向かってじわじわと準備をしています。

本日は、豊村酒造さんと増田桐箱さんと打ち合わせ。増田桐箱さんにお知恵をお借りしたいことがありましたので、ご足労をお願いしたのですが、ほんとうに頼りになります。おかげさまで、決めるべきことが即座に決まりました。長年花祭窯を担当してくださっている増田桐箱の担当さんは、たくさんの事例をお持ちで引き出しが多く、プロフェッショナル。細かいことも「持ち帰り」せずその場で決めてくださるから、助かります。

会場が豊村酒造さんですから、個展テーマは「酒器」。お正月の近い時期でもありますから、「祝膳」よろしく、華やかなお膳を設えてご覧いただくことができたらいいな、と思います。会期は12月19日から21日の三日間ですから、短いのですが、足を運んでくださった方々が眼福を感じてくださるように、頑張ります。重厚な豊村酒造の主屋と本座敷をお借りしての展示、気が引き締まります。

既にプレスリリースなどは進めていて、現在イベント案内チラシの完成を待っているところです。チラシが出来上がりましたら、あらためてこちらでもイベントを大々的に告知・ご紹介いたします。どうぞお楽しみに♪

柿右衛門調酒器 藤吉憲典

↑藤吉憲典の作る酒器・チロリ↑

大阪阿倍野・暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」は今週末初日です。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

大阪阿倍野・暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」は今週末初日です。

2回目となる、暮らし用品さんでの個展です。その間に「酒器展」や「茶器展」にもお声がけいただいて参加しておりますので、まだ2回目!?という感じで、もっとお世話になっているような感じがしていますが、藤吉憲典ソロとしては2回目。

前回の2023年は、ご家庭でのふだん使いの器を意識した顔ぶれでお届けいたしました。そのときに、料理人さんからのご要望をいくつかいただいたということで、今回は、プロの料理人さんに喜んでいただけるものも、いろいろとご用意しています。様々な種類のものをお送りしましたので、愛でて楽しんでいただけるものと思います。

会期は少し長め11月5日(水)までとなります。大阪は、万博も終わり、少し落ち着いているのではないでしょうか。秋の一日、ぜひお時間を見つけて足を運んでいただけると嬉しいです。


藤吉憲典 陶展

暮らし用品

場所:大阪市阿倍野区阪南町1-45-15
電話:06-6628-2606
会期:2025年10月25日(土)~11月5日(水)11時~18時
※木・金曜はお休み。

10月は大阪です―阿倍野の暮らし用品さんで「藤吉憲典 陶展」。

10月の津屋崎千軒はちょっぴりにぎやか―波折神社のおくんちでした。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

10月の津屋崎千軒はちょっぴりにぎやか―波折神社のおくんちでした。

三連休の中日、日曜日は波折神社のおくんちでした。子どもが小さかったときは、おくんちの行列の太鼓に毎年参加していましたので、地元のお祭りであるという以上に思い入れのあるイベントでした。今年も、1週間前から神社で太鼓の練習をしている音が聞こえてきて、そろそろおくんちだなぁとしみじみ。この太鼓、いわば口伝で「地域のおじさんたち」や、これまでに参加した子どもたちが教え伝えながら練習していくのですが、最初はてんでバラバラです。それがおくんち当日に向かって、少しづつ少しづつ上達していくのを聞くのも楽しみのひとつ。

おくんち当日は、さわやかな秋晴れ!というよりは季節外れの暑さとなりましたが、ともあれ悪天候ではなく、よかったです。おくんちの行列はけっこうな距離歩きますので。お昼過ぎに神社を出発した行列が戻ってくるのは、夕方4時近くになります。遠くからだんだんと太鼓の音が聞こえてきて、そろそろ近くに来るな~、と外に出ると、ちょうど目の前を通っていくところでした。

波折神社のおくんち
波折神社のおくんち
波折神社のおくんち

良い景色でした^^

10月は大阪です―阿倍野の暮らし用品さんで「藤吉憲典 陶展」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

10月は大阪です―阿倍野の暮らし用品さんで「藤吉憲典 陶展」。

暮らし用品さんから、個展DMが届きました。これから宛名書きをして、ご希望のお客様にお送りいたします。

10月は大阪です―阿倍野の暮らし用品さんで「藤吉憲典 陶展」。

今年は春に「茶器展」でもお世話になった暮らし用品さん。10月は単独での個展です。暮らし用品さんでの個展は今回で二回目。前回はふだん使いの器を中心にお届けしていましたが、料理人さんからの問い合わせが多かったということで、今回はどちらも楽しんでいただけるような顔ぶれでお届けいたします。マグカップや蕎麦猪口から向付や豆皿(醤油皿)、珈琲碗皿まで、という感じ。もちろん藤吉憲典の代名詞「酒器」もたくさん作っています。


藤吉憲典 陶展

暮らし用品

場所:大阪市阿倍野区阪南町1-45-15
電話:06-6628-2606
会期:2025年10月25日(土)~11月5日(水)11時~18時
※木・金曜はお休み。


ご来店くださった皆様に楽しんでいただけるよう、色も形も様々な器をご用意いたします。ぜひご来場くださいませ。

芙蓉(フヨウ)の花を見ると、思い出すギャラリーオーナーさんがいます。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

芙蓉(フヨウ)の花を見ると、思い出すギャラリーオーナーさんがいます。

ご近所のあちらこちら、庭先にフヨウの花が咲いているのを見かけます。見た目にふわふわとしていて、優しさと柔らかさの象徴のような姿。

芙蓉の花

その方は、大阪梅田にある「工芸店ようび」オーナーの眞木啓子さん。初めてお伺いしたのは、藤吉憲典が肥前磁器作家として独立してから数年の頃でした。当時、器ギャラリーの名店と呼ばれるところに、作った器を持って伺い、見て(評価して)いただくということを繰り返していました。『家庭画報』『婦人画報』などに特集されていた、作家ものの器を扱うギャラリーさんは、ほとんどが東京都内や関西圏のギャラリーさん。インターネットが今ほど当たり前ではなかった時代です。ギャラリー情報を集め、実際に足を運んでお店の雰囲気を確認し、オーナーさんと対面でお話をしたうえで、双方納得してお取引がスタート、というのが藤吉のやり方でした。

肥前磁器に描かれる古典文様には「芙蓉手(ふようで)」という様式があります。下の写真の器の文様は「染付間取芙蓉手岩花鳥文(そめつけ まどりふようで いわかちょう もん)」。

染付芙蓉手輪花縁小鉢 藤吉憲典

作家として独立したての頃、藤吉憲典の描く線はとても細く几帳面でした。繊細といえばよく聞こえますが、その線は使う人に緊張を強いるものだったかもしれません。藤吉の作った芙蓉手(ふようで)の器を見ての眞木さんの第一声が「芙蓉手って、どういう文様か考えた?」ということでした。「芙蓉の花は知ってる?ちゃんと観察した?」と。「芙蓉手」は「フヨウの花のような雰囲気の文様様式」のことで、花のやさしくやわらかくおおらかな雰囲気こそが文様の魅力となります。

もう20年以上前のことですが、フヨウの花を見るたびにはっきりと蘇ってきます。この出来事が、わたし以上に藤吉本人に響いていたのは言うまでもありません。仕事を続けていると、折々に原点回帰を促される地点(あるいは出来事)が生まれてきますが、その重要な地点のひとつです。現在、藤吉憲典とようびさんとのお取引はありませんが、共通の知人から、眞木さんが「藤吉さん頑張ってるようね、元気かしら」とおっしゃってたと聞きました。ほんとうにありがたいことです。今ふりかえって考えると、ダンナが作家としてスタートした時代は、「作家ものの器」というジャンルを切り開いてきた、器や伝統工芸について造詣が深く確固たる信念を持つ、厳しくも愛情あふれるオーナーさんたちに出会うことができた良い時代でした。素晴らしいギャラリーオーナーさんたちに鍛えていただいて、今があります。

陶片ミュージアム@花祭窯、始動に向かってまずは展示資料陳列棚の検討から。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

陶片ミュージアム@花祭窯、始動に向かってまずは展示資料陳列棚の検討から。

そろそろ有言実行で、陶片ミュージアムを整備したいと思います。とはいっても、花祭窯のギャラリースペースの一角に「いつでもすぐにご覧いただけるよう、展示用の陳列棚を設置する」程度ですので、「ミュージアムを整備」という字面は少々大袈裟(笑)。畳一畳ほどの美術館からスタート!とでも言いましょうか。それでもわたしにとっては嬉しい一大事業の第一歩です^^

形から入る、というのは案外良いことなのかもしれません。容れ物が決まることが推進力になるのは確かです。花祭窯の什器でたびたびお世話になっている大川家具ドットコムさんに、今回もお世話になることは早々に決めました。どういうものを作っていただくのが良いか検討した結果、今回はオーダーメイドではなく、既存の「着物箪笥」を流用して陶片の展示棚として使うことを決定。アドバイスをいただいていくつかの候補を挙げたところ、大川家具ドットコムさんのアテンドで、メーカーさんのショールームを見学できることになりました。ありがたいことで、感謝感謝です。

いざ、福岡県大川市にあるメーカーさんのショールーム「カグハウス」さんへ。花祭窯のあるここ津屋崎からは高速道路を使って約1時間半のドライブです。足を運んで実物を拝見しに伺う理由は、頭のなかにある「陶片展示棚」のイメージがはっきりしているので、そこに当てはまるかどうか、というところです。事前のやり取りでほぼ間違いないだろうという確信はありましたので、念のための確認というところでしょうか。

大川家具ドットコムの代表堤さんのアテンドで、カグハウスさんの営業担当さんから説明をお聞きすることができました。現物は、やはりとっても素敵でした。嬉しくなって引き出しを何度も開け閉め。そしてなんと、既製品として紹介しているものの、メーカーさんだから箪笥の引き出しの数や深さを希望に合わせて作り変えるセミオーダーが可能!ということで、思いがけず活用イメージの幅が広がりました。もちろんオーダー分は有料でプラスですが、これはとても魅力的です。

というわけで、この箪笥にすることは、ショールームに入って5分もしないうちに即決。あとはどのようにアレンジしていただくか、あるいはアレンジなしでそのまま使ってみるのか、決めるだけとなりました。やはり現物を見ると早いですね。メーカーさんに直接お話を伺うことができたのも、良かったです。

おかげさまで、今年内にはまず陶片ミュージアムの第一弾展示ケースを完成させることができそうな道筋が見えてきました。嬉しいです。頑張ります♪