東京出張のお楽しみ―サントリー美術館『眼のごちそう 食器』展。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

東京出張のお楽しみ―サントリー美術館『眼のごちそう 食器』展

銀座黒田陶苑さんでの個展最終日に顔を出して参りました。藤吉憲典個展、今年も無事会期終了いたしました。ご来場、お買い上げくださいました皆さまに、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。翌日は仕事上顔を出すところがいくつか。そのほか一つ以上は美術展を観たい!というのが、毎回の出張の目的になります。何個か美術展の候補を挙げていましたが、時間的に一つしか行けないな、となると、やはりこれ!でした。

入ってまず最初に出迎えてくれた、黄瀬戸の蓋物向付の揃いに「おおお~!」です。一気に期待が高まりました。そしてそのあとに続く器の充実度合は、その期待をさらに上回るものでした。他所から借りてきていたものももちろんありましたが、サントリーさん、良いものをしっかり揃いでお持ちだなぁ、としみじみ。「食器」という括りでしたので、時代が桃山から江戸後期までと幅広く、さまざまな産地のものがあったのが魅力的でした。同じ器を展示するにも、切り口によって見え方も変わりますね。実際に食事の場面では、磁器も土ものも、いろいろなものを使いますから、今回の展示は、料理人さんの目線にとても近かったのではないかしらと思いました。

今回の展示のなかで個人的に特に目を見張ったものの多くは、景徳鎮と鍋島でした。鍋島、良いのがあるところにはあるんだなぁ…とつくづく。しゃがんで下から(裏から)見たり、背伸びして上から見たり、ケースの周りをぐるぐる回ったり、できる限りの角度から観て参りました。動きが多くて側から観たら少々(かなり?)挙動不審だったかもしれませんが、朝一番の入館でしたので来場者はさほど多くなく、納得いくまで観ることができました。ふと周りを見れば、料理人さんと思しき、一人でお越しの若い男性が何人も目に留まりました。実際に使うことを考えると、手に取って見ることができるギャラリーが勉強になりますが、歴史の流れのなかで器をとらえ基本を学ぶには、美術館が開催してくれるこのような展示機会は、とても貴重です。大満足でした。

東京出張時にサントリー美術館比率が高くなるのは、展示の魅力はもちろんのことですが、加えて立地の良さもあります。わたしが仕事で足を運ぶ範囲で考えたときに、比較的便利な場所にあるので、移動計画が立てやすいのは、大きな利点。今回も、銀座―六本木―大手町-広尾と、うまい具合に動くことができました。

サントリー美術館『眼のごちそう 食器』展

津屋崎祇園山笠2026シーズン到来!

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津屋崎祇園山笠2026シーズン到来!

ダンナの個展日程が重なっていたので、例年のようには「山笠!」という感じにならずにおりましたが、気がつけば直前になりました。7月に入ってお祭りのソワソワした感じが漂っていたご近所は、先週末からは明らかに高揚感が漂っています。ダンナも、個展初日・二日目の在廊から戻ってきて、遅ればせながらの山笠合流。夜になるといそいそと長法被に着替えて出かける姿は、これはもう仕方がありません(笑)。上の写真は、数年前の山笠当日の写真。

今年は、小学校やPTA、地域の自治会への働きかけなどで、参加人数を大きく増やすことが出来そうだということで、三つある「流」それぞれに張り切っている様子が伝わってきます。津屋崎の山笠、なかでも花祭窯の参加する「新町流」は、担い手不足による伝統継承の危機と隣り合わせでしたが、今年は「新人さん」が増えそうだということで、嬉しいニュース。福津市全体としては居住者数はずっと増え続けていましたので、ようやく行政主導で情報拡散と担い手のマッチングが進んできたという感じでしょうか。

新しい人たちが入ってくるときに一番大切なのが、怪我や事故を防ぐことです。お祭りがスタートすると、アドレナリンが出て、知らず知らずのうちに無理・無茶をすることがあります。山の担ぎ方や、交代の方法、身体にかかる負担を少なくするためのグッズなど、本番当日までにしっかり伝えるべきことはたくさんありそうですね。そういえばうちのダンナも、初めて参加した時は、約7キロほどを走る裸参りで膝をやられ、これにはエアクッション付きの地下足袋を履けばよかったのだと、あとからの情報でしったのでした。連日連夜の「新人研修」が開催されているという話を聞き、これもまた「受け継いでいく」の形だなぁ、と思いました。

今週末土曜日が、安全祈願の裸参り、翌日曜日が本番です。詳細情報は、下記の福津市の観光DMOウェブサイトでご覧いただくことができます。

津屋崎祇園山笠2026|勇壮な夏!津屋崎千軒を舞台に伝統の祭り

銀座黒田陶苑さんでの個展がスタート!

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銀座黒田陶苑さんでの個展がスタート!

銀座黒田陶苑さんが新ビルになってから2回目の個展です。この、美術館のような黒基調の会場に作品が並ぶと、見え方もまた異なります。作品を美しく見せることを第一に考えて作られた空間で、この空間にいかに応えるかもまた、作り手としての気概をごらんいただくところになるのだと思います。

初日・二日目と作家在廊で、たくさんのお客さまにご挨拶できたと喜んでおりました。暑いなか足を運んでくださいました皆さまに、心よりお礼申し上げます。ご来場、お買い上げくださいました皆さま、誠にありがとうございました。

今回は、久しぶりに「丸皿」をたくさん作っていました。基本的な形・サイズの、もっとも使われるベーシックなお皿。気がつけばここ数年は、形のユニークなものを作ることが増えていましたので、ある意味原点回帰的な顔ぶれが並びました。原点回帰的でありながら、いかに進化するかが、これまた腕の見せ所。長年お世話になっている黒田陶苑のスタッフさんから、個展作品の荷ほどきの段階で「素敵ですね。一段とパワーアップしていて圧倒されます!」とメッセージが入り、とっても嬉しくなりました。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展2026
銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展2026
銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展2026

7月13日(月)は黒田陶苑さんの店休日。7月14日(火)~16日(木)と、後半に続きます。ぜひご来場くださいませ。


藤吉憲典個展

会期:2026年7月11日(土)-7月16日(木)※13日(月)は定休日

時間:午前11時-午後6時30分

場所:銀座黒田陶苑【本店】東京都中央区銀座7-8-17-5F 虎屋銀座ビル5階

TEL:03-3571-3223

案内状到着-2026年銀座黒田陶苑さんでの個展は7月11日(土)初日です。

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案内状到着-2026年銀座黒田陶苑さんでの個展は7月11日(土)初日です。

初日まで1カ月を切り、ダンナ・藤吉憲典はラストスパート中。黒田陶苑さんが作ってくださった個展案内状が届きました。第1回目の個展が2016年だったとあるのを見て、最初の個展から10年経つんだなぁとしみじみ。毎回、紹介文を書いてくださるのですが今回も過分な評価を記していただき、作家はますますモチベーションが上がっています。

藤吉憲典個展 銀座黒田陶苑

藤吉憲典個展

会期:2026年7月11日(土)-7月16日(木)※13日(月)は定休日

時間:午前11時-午後6時30分

場所:銀座黒田陶苑【本店】東京都中央区銀座7-8-17-5F 虎屋銀座ビル5階

TEL:03-3571-3223

このたび銀座 黒田陶苑では、藤吉憲典個展を開催いたします。
江戸時代に花開いた伊万里焼・有田焼の装飾デザインの研究を続け その美意識までも咀嚼して吸収し、作品に表現する藤吉さん。
色絵と染付を組み合わせた「染錦」、色絵のみで装飾する「錦」、そして藍色の「染付」の三種の技法を自在に操り、上質で美的、かつ実用的な仕上げる実力派の陶芸家です。
今回の個展では、余白の美を標榜する作品から、器面にびっしりと描きこまれたものまで、多彩な作品が会場に並びます。この機会にぜひお手に取られてご覧いただきたくご案内させていただきます。

(銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展案内状より引用)

藤吉憲典個展 銀座黒田陶苑

個展案内状の郵送をご希望のお客さまには、順次発送手配いたします。楽しみにお待ちくださいませ。

初心にかえり「お薄」のお点前―お茶のお稽古2周目に入りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

初心にかえり「お薄」のお点前―お茶のお稽古2周目に入りました。

入門している茶道南方流では、基本のお棗(なつめ)での薄茶点前からお稽古をスタートし、平棗、中継ぎ、吹雪、弦付きなど、種類に合わせて微妙に扱いの異なるお点前に進みます。その後、濃茶手前、炭点前、懐石茶会、奥点前…と、次第に複雑になるお点前をお稽古し、最高位のお点前として天目台を用いた「お献茶」があります。ともあれ、薄茶が一番最初=基本ということです。

干支を一周する時間をかけて、わたしが「お献茶」まで辿り着き「天目」のお免状を拝受したのは、つい先月の事。お献茶までは、学ぶお点前の順番がきちんと決まっていますが、お献茶を経たのちは毎回のお稽古で何を習うかは、各人に任されます。どうしようかとさほど考えるまでもなく、一番最初に戻ることにいたしました。

なにせ習ったのが10年以上前のお薄点前。みごとに忘却の彼方です。先生に「すっかり忘れています。ご指導よろしくお願いします!」と言い訳しながら、臨みました。そうして実際にお点前を終えたときに感じたのは、なんとも言えない清々しい潔さ。先月までお稽古をしていた「天目」では、ひとつのお点前が完了するのに1時間近くかかっていましたが、30分もかかりません。とてもシンプルです。そしてシンプルだからこそ、たいせつな要素がぎゅっと詰まっているような感じがしました。

「薄茶の一番最初って、こんなふうだったのね!」と、なんだかとっても嬉しくなりました。初めて習ったときには必死過ぎて何も見えていなかったのが、少しは見えたような感じ。何が見えたのかは、いまだ定かではありませんが(笑)これからひとつひとつ復習していくのが、とても楽しみなっている2周目です。

再々読書『The Book of Tea 茶の本』(IBCパブリッシング)岡倉天心

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再々読書『The Book of Tea 茶の本』(IBCパブリッシング)岡倉天心

先日『禅と日本文化』を読みましたので、その流れで復習しようと、本書を引っ張り出してまいりました。再読書!と思いきや、どうやら3周目。最初は2015年、次は2022年。ブログの読書記録を見直すと、読むたびにどんなところに自分が引っかかっているのかがわかり、変わらないところと変わるところがあるのが面白いです。

というわけで3回目の『茶の本』、以下備忘。


  • 西洋がもっぱら「物質」や「理性」を重視するのに対して、日本は「審美」や「内省」を重んじる(松岡正剛氏による前書き「生の芸術の響き」より)
  • 紛れもなく「生の術」である茶道(「死の術」である武士道に対して)
  • (道教の教義を多く受け入れていた南方の禅宗で禅僧らが1個の茶碗から茶を飲んだ)この禅の儀式が、やがて15世紀の日本の茶の湯へと発展
  • 宋の茶は1191年、南方禅の流派に学んでいた栄西禅師の帰国とともに日本に伝来
  • (南方禅の広がりとともに)宋の茶の儀式と茶の理想も伝わった。15世紀の将軍足利義政の時代までには、茶の湯は完成
  • あなたの美的感情を受け入れ、極限まで満たせるような虚
  • ありふれた日常の事が、精神的なことと同じくらい重要
  • (茶道の理想は)人生の些細な出来事の中に偉大なものを認識する(という禅の考えからきている)
  • 見渡せば 花ももみぢも なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ(藤原定家)
  • 現在をより楽しむ
  • 過去の創造を無視するのではなく、それを自分たちの意識の中に取り込んで吸収しなくてはいけない
  • 芸術は普遍的な言語
  • 今日の芸術はまさしくわれわれのものであり、われわれの姿を映している
  • 現在こそが永遠である
  • 完璧なものは、見つけることさえできればいたるところにある

3回目の読書でまず「おお!」と思ったのは、岡倉天心の熱量でした。憤りの大きさがストレートに伝わってくる文章が随所に見られ、この方はすごく怒っていたというか、憂いていたんだなぁ、と、改めて思いました。本書の良いところは、日英の文章が見開きで両側にあるので、対応する箇所をすぐに確認できるところです。なるほど最初に英語で記述しているから、余計に直接的な言いようになっているのかもしれないな、などと思いつつ。次に読むときには、どんな読み方になるのか、我がことながら楽しみです^^

『The Book of Tea 茶の本』(IBCパブリッシング)岡倉天心

茶道の場で出会ったかけがえのない知己との時間を愉しむ座談会。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

茶道の場で出会ったかけがえのない知己との時間を愉しむ座談会。

お茶のお稽古は月に2回、博多の円覚寺へ。入門して10年以上になり、ご一緒する先輩・同輩の皆さんとも仲良く和やかな雰囲気で、毎回足を運ぶのが楽しみです。ある日、ご一緒にお稽古をしているお友だちから、「長くお顔を合わせているのに、ゆっくりおしゃべりしたことが無いね。皆さんでご飯でもご一緒したいね」と言われ、たしかに!と気が付いたのでした。

善は急げで、さっそく食事会を開催することに。お稽古の終わった後に、気の置けない数名でサクッと集まりました。美味しいものをいただきながら、おしゃべりは弾みます。話題はやはり、お茶のことに集中しました。各々の語る、自分にとっての茶道、先生方への敬意、前回のお茶会の反省、これからのことなどなど。これまでお茶室で顔を合わせたときにも、おしゃべりはしていましたが、深いお話ができたのは初めてで、とても嬉しい時間となりました。

素敵だなぁと思ったのは、皆さんがそれぞれに「あの先生のようになりたい!」という目標を持っておられたこと。南方流の先生方は、ご一緒させていただく時間が長くなるほどに、それぞれに信念をお持ちであることが伝わってくる、すごい方ばかりです。尊敬する先生方がたくさんいらっしゃって、倣い学ぶわたしたちが、自分はどのような在り方を理想とするのかを考えたときに、目指すべきお手本となる先生が目の前にいてくださるというのは、ほんとうにありがたいことです。なぜそのような在り方を目指したいのかを語る皆さんの、静かながらも熱い思いを知る機会となりました。

ところで今回ご一緒したのは、50代から70代までの面々。年齢性別関係無しに、学ぶ場所を同じくし、同じ方向を見ておしゃべりができるのは、とても嬉しいことですね。

読書『禅と日本文化』(岩波新書)鈴木大拙著/北川桃男訳

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読書『禅と日本文化』(岩波新書)鈴木大拙著/北川桃男訳

東京南青山にあるワタリウム美術館「鈴木大拙展 Life=Zen=Art」を観たのは2022年7月のことでした。そのときにミュージアムショップに並んでいたたくさんの本のなかに、もちろんこの『禅と日本文化』もあって、これは読むべき本だと思いながらそのままになっていました。このたび満を持して(!?)読了。著者は日本人であるのに訳者が付いているというのは、本書がもともと欧米人向けに英語で行った講演をもとにしていて、英文で表されたものであるから。このパターンは、岡倉天心の『The Book of Tea 茶の本』と同じですね。

ともあれ、以下備忘。


  • 「言葉に頼るな」(不立文字)
  • 心理がどんなものであろうと、身をもって体験することであり、知的作用や体系的な学説に訴えぬ
  • 知性はもともと均衡を欲するものであるが、日本人は不均衡を好む強い傾向によって、ややもすればそれを無視する
  • 鎌倉・室町時代
  • 禅は武士道精神と相提携する
  • 禅は行動することを欲する
  • いっさいの学問と文字的再構成に反する禅
  • 鎌倉・室町時代(1192-1333-1573年)は(中略)禅僧が中国文化を日本にもたらし、後日同課の道を開いたのはこの時代
  • 特に日本的と見做しうるものが、この時期を通じて孵化の過程にあった
  • 禅と儒
  • 禅には自己の哲学というようなものは無い。その教えは直覚的経験に焦点をおき、この経験の知的内容はかならずしも仏教哲学にかぎられるというわけではない。
  • 寺子屋
  • 茶は原始的単純性の洗練美化
  • 禅がまず知性と闘うのは、知性というものが実用には役立つであろうが、我々が自分の存在をふかく掘り下げようとするのを妨げるから
  • 和・敬・清・寂
  • 禅に必要なのは心の誠実であり、その単なる概念化や物理的模倣ではない
  • いつかどこかで退避の道をもたねばならぬ
  • 四畳半の茶室によって象徴される、静かな「無意識」の一隅
  • 宇宙的無意識
  • 直感的心理
  • 教育者の義務は、その生徒のもつ最も貴重なものを育て上げるために、あらゆる機会を与えること
  • 経験の連続のみが芸術の秘密な深処(中略)へ通ずる

4年前に本書に出会っていながら、読むのが今になったのには理由があったようです。先月の「南方流遠祖・南坊宗啓禅師 献茶会」でお点前を勤めるに至るお稽古のなかで、体感的に分かったと思えることがひとつだけあって、それが具体的に何であったのかを、本書を通して文字で確認することができました。4年前には読んでもわからなかっただろうことが、今だから少しはわかる、という感じです。この先また10年後20年後に読み直せば、そのたびに少しづつ分かることが増えるかしら、そうなると嬉しいな、と思いつつ。

巻末を確認したところ、本書(日本語翻訳版)は1940年第一刷発行でした。「読んでいなかった古典名作」認定です^^

『禅と日本文化』(岩波新書)鈴木大拙著/北川桃男訳

肥前磁器作家・藤吉憲典の近況-北京個展と銀座個展に向けて、鋭意制作中。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

肥前磁器作家・藤吉憲典の近況-北京個展と銀座個展に向けて、鋭意制作中。

北京での個展予定を延期にしたときに、喜水ギャラリーオーナーの楊さんから、茶器セットをもっと送って欲しい!というご相談がありました。花祭窯はふだんからあまり在庫が無いので、追加分=新たに制作になります。まあまあな数のご希望がありましたが、せっかくの個展機会ですので、了解!ということで制作に入りました。藤吉憲典の磁器制作は工程が多いので、完成までに時間がかかります。幸い北京への物流は現在はまったく問題なく動いていますので、作品がすべて出そろい次第、個展会期の検討に入る手はずになります。

一方で、7月開催の銀座黒田陶苑さんでの個展に向けても、鋭意制作中。そろそろ案内状用の作品を選んでお送りするタイミングです。個展案内状(DM)に掲載されているものをご覧になって、ねらいを定めてお越しになるお客さまも少なくありません。今回の個展でどういうものをお披露目したいのか、作家の心意気が伝わるものを、DM用にお届けしたいところです。7月という季節柄、前面に出るのはやはり染付の器になりそうです。銀座にいらっしゃるお客さまをイメージして、どれにしようか検討するのも楽しい仕事。

新たに個展案内状の郵送をご希望のお客様は、藤吉憲典公式サイトに記載のお問い合わせ方法で、ご連絡くださいませ^^

よくここまでお稽古を積んでこられましたね。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

よくここまでお稽古を積んでこられましたね。

博多の禅寺・円覚寺で受け継がれている茶道南方流に入門しています。このたび「天目」のお免状を拝受致しました。2013年春に入門し、2019年春に「初伝披露懐石」で初伝を頂戴し、この2026年4月19日「南方流遠祖・南坊宗啓禅師 献茶会」での献茶点前を務めました。いやもうほんとうにこんな日が来るとは、です。間にコロナ禍があり、お稽古ができない期間もありました。出来の悪いわたしに、いつも辛抱強く温かくお稽古をつけてくださる先生方、励ましてくださる先輩・同輩の皆さま方に、心より感謝しています。

今年1月の初釜茶会のときに、この南坊忌での献茶のお点前を仰せつかり、2月からそのためのお稽古を積んできました。『「口伝」とか「お免状」とか』のタイトルでブログを記していたのは、そのお稽古真っ最中の3月下旬のことで、それからまだひと月も経っていないのに、当時の焦りと緊張感が懐かしさを伴って伝わってきます。本番のお献茶が無事に(いくつかのミスはあったものの^^;)終わり、ほんとうにホッとしました。

「よくここまでお稽古を積んでこられましたね」は、お献茶が終わった後に、先生方のお一人からかけていただいた言葉。「お献茶」を目指してのお稽古のなかで、何人もの先生方から、たくさんのありがたい言葉をかけていただきました。なかでもお献茶当日に、わたしが「どんなに緊張してもこれだけは守ろう!」と思っていたのが、次の三つでした。

  • 「急・緩・急・緩」と唱えながらやってごらんなさい。
  • 作法の手順を間違えることは気にしなくて大丈夫、それよりも大切なものがあります。
  • 南坊宗啓禅師にお茶を点てて差し上げること、それが一番です。

献茶式が終わるや、先生方が「ご立派でしたね。安心してみていることができましたよ」と微笑んでださったり、「堂々として良いお点前でしたね」と涙を流してくださったり。それほどに気にかけてくださっていたのだと、あらためて感謝の気持ちがこみ上げました。

当日のお茶会のなかで、和尚様が正客に入る薄茶席にご一緒することができました。和尚様の茶道修行が約30年、そのお隣に並ぶ先生方は、先代の和尚様のときから50年、70年と続けていらっしゃる先生方でした。師匠たる和尚様が「わたしなどひよっこ、未熟な自分に気が付くばかりです。皆さんも末永くお稽古に励んでくださいね」とおっしゃったのが、心に響きました。ゴールの無い学びの道があることのありがたさ。これからもコツコツと続けていきたいと思います。