新しいことをしようとすると、自分の知らない仕事がたくさんあることが、実感としてわかる。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

新しいことをしようとすると、自分の知らない仕事がたくさんあることが、実感としてわかる。

最近仕事の相談で、興味深いプロの方とお会いしました。印刷やさんと、スキャニングやさん。どちらも福岡市内にある事業者さんです。自分が詳しくない分野の話を知りたいときは、足を運んでプロの仕事場に伺い、顔をあわせてお話を伺うのが一番ですね。抱えていた課題に対し、的確な方法にスムーズに辿り着きました。移動時間を考慮しても、足を運ぶことで早い解決につながったと思います。

まずは印刷やさん。ふだんの名刺印刷や簡単な冊子印刷やはがき印刷の類は、オンラインでいつもお世話になる事業者さんが決まっています。が、先日訪問した印刷屋さんでは、一言に印刷やさんといっても、仕事の種類・仕事への関わり方はさまざまで、会社や人によって事業の範囲やレベルが大きく異なるのだという側面を、垣間見せていただきました。まずは初めましてのご挨拶、と思って訪問したところが、そのまま具体的に話が進み、仕事をお願いすることになりました。誰かからの紹介(すなわちお墨付き)ということでもなかったので、あまりにスムーズな展開に、少々驚きました。テンポよく行くときはこんなふうですね。

どうやってその印刷やさんを発見したかというと、インスタです。自分たちのやりたいことに合った提案をしてくださる技術と感性を持った方が福岡にいないかと、インスタで探していてヒット。自分たちの考えていることを具現化してもらえそうだと感じてアポを取り、訪ねて行ったのでした。「自分たちの考えていることを具現化してもらえそうだと感じて」というのは、もっぱら直感(笑)。ただその直感を支えるものとして、インスタにアップされている画像、書かれているテキストの内容、誰がフォローしているか、という情報がありました。最近の若い子はインスタ上で検索をかけるという話を前々から聞いていましたが、なるほどこういう感じなのかな、と思いつつ。

そしてその仕事を進めていただく上で必要な外注先として、紹介していただいたのが、スキャニングやさんでした。コピーやスキャンをしてくださる会社です。例えばキンコーズなどもそうですね、そのもっとプロフェッショナル版とでもいいましょうか。スキャニングやさんとの出会いは、印刷やさんでの打ち合わせ中。「この部分は外注した方がいい」という仕事をできるところを探すのに、印刷やさんがその場でいくつか電話をかけ、ネットで情報を確認し、あっという間に外注の手配まで道筋をつけてくださいました。善は急げでそのままそのスキャニングやさんへ足を延ばし、課題が一つ解決。スキャニングやさんとのおしゃべりのなかで、今後の仕事でもサポートしていただける場面がありそうだということもわかりました。

そんな素敵な方々との仕事の第一弾がどのような形で現れるのか、わたしたち自身が一番ワクワクしています。こちらでもご報告できるのを楽しみにしています。

まずやる、あとで直す―思いついたことを、まずは形にするべく動いてみる秋です。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

まずやる、あとで直す―思いついたことを、まずは形にするべく動いてみる秋です。

アート作品の貸し出し事業を準備中です、とアップしたのは、ちょうど一週間前のことでした。こちらは現在、保険会社さんから動産保険についての質問事項回答待ちの状態。ここがクリアになったら、あとは規約を完成してスタートです。

続いては、「アートカード」を活用した教育普及プログラムを検討中です。秋はいろいろと思いつきやすい季節なのかもしれません。先日受講した博物館学芸員技術研修で、アートエデュケーションツールとしての「アートカード」の可能性が広がり、まずは実際にカードを作ってみることに決定。現在、デザインを起こしている最中です。

調べてみると、国立系の博物館をはじめ、学校向けの教育普及プログラムとして、アートカードを活用している館が、けっこうあることがわかりました。アウトリーチ(出前講座)、貸し出し教材としても、人気があるようです。調べているなかで、カード実物を使うものだけでなく、「デジタルアートカード」なるサービスを展開している会社も発見。画面上で活用できるものです。デジタルアートカードを導入している館の取り組みもいくつか見てみました。スマホやタブレットなどの端末さえあれば、いつでもどこでも利用できることや、物理的な制限が無いので、何人もが同じタイミングで一斉に使うことができるのが、良いところ。ただわたし個人的には、実際に手に取って使うことのできるアートカードの魅力に軍配が上がりました。

善は急げで「カード」を制作してくれるところがあるものかと調べたところ、これまた、あるのですね。印刷会社さんのなかに、「かるた」や「トランプ」や「タロット」などのカードを制作する会社をいくつか見つけることが出来ました。一般的な印刷物との違いは、1つのデザインを複数枚印刷するという前提ではなく、デザインの異なるカードをセットで印刷すること。ある印刷会社では、1セットを54枚までと設定し、1セット当たりの印刷料金が決まっていました。セット数が増えれば、その分1セット当たりの金額が安くなる仕組み。

花祭窯のアートカード。こちらも出来上がり次第、ブログでご紹介いたします。一番楽しみにしているのは、わたし自身です^^

今年も無事に参加、精進して参りました―香椎宮での献茶式と報恩寺での野点茶会。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

今年も無事に参加、精進して参りました―香椎宮での献茶式と報恩寺での野点茶会。

人の人生に例えれば喜寿(77歳)すなわち77回目を迎えたという今年の香椎宮での献茶式。前日の準備から、楽しく充実した二日間となりました。お茶会当日がとても暑かったので、着物を着ての動きがたいへんでしたが、心配した雨には降られることなく、良かったです。

茶道南方流のお茶会は、お茶会前日の準備から始まります。準備への参加は任意で、そのとき時間を取れる人が、出来る範囲で準備をお手伝いする、というのが大原則です。お仕事やらさまざまな用事で準備に参加できなくても、お互い様ですので、まったく問題ありません。わたしができる限り準備から参加したいと思うのは、準備のなかで学ぶことがとても大きいから。お稽古の曜日や時間帯が異なって、なかなか顔を合わせることのない皆さまもいらっしゃいますので、お茶会と前日準備は、そうした方々にお会いできる貴重な機会でもあります。

入門以来ずっと年に5回お茶会があるので、わたしのなかで毎年の決まりごとのようになっています。毎年10月の香椎宮献茶式と報恩寺での野点茶会は、「お茶会の場を作るとこから始まる」という意味で、特に学びの大きい機会です。例えば、野点用の釜を吊り下げるための竹を山から切り出し、炉として地面に穴を掘るところから行う。そんなことを毎年やっている流派は、なかなか他には無いのではないでしょうか。

今回わたしは、前日準備でまず午前中は、お献茶のお点前に使う「棚」を磨く仕事を仰せつかりました。無垢の白木を乾いた布で黙々と磨き続けると、なんとなくツヤが出てきたかしら?という状態になります。これらの仕事の難しさは、「ここまでやったらゴール」の到達点がわかりにくいこと。先生に「上等上等、そろそろいいでしょう」とおっしゃっていただいて、なんとなく安心できるのですが、ほんとうにこれで良いのかしらという感じがあります。庭掃除なども似たところがありますが。

午後からは切り出された青竹を洗う作業。たわしでゴシゴシと洗います。これもまた、明らかな泥汚れなどが落ちたあとは、どこまで洗ったら良いのか、見た目の判断のしにくいところ。節の部分についた黒いシミのようなものをキレイに取り去ることをひとつの目安として、取り組みました。こちらも先輩に「もう大丈夫でしょう」とおっしゃっていただいて、お終いにすることが出来ました。

お茶会当日は、朝から会場の最終的な設定と、道具運びなど。無事献茶式が終わったら、野点茶会です。自分が席入りするとき以外は、水屋仕事を手伝います。今年も1席20名以上の、合計50名近い出席者での大きなお茶会となりました。これだけの人数がいると、終了後の片付けは早いものです。先生方・先輩方の指示に従い、一斉にあちらこちらでお片付けがはじまると、1時間もしないうちにほとんどが片付いておりました。こういう時の機動力というか、あうんの呼吸で皆さんが無駄なく動く感じが、何年やっていても、やっぱりすごいなぁと思います。

帰りは、いつもお世話になっている先生と途中までご一緒で、駅までの道中と乗り換えの駅まで、たくさんおしゃべりすることが出来ました。とっても楽しい一日でした^^

幼稚園・保育園など教育施設への「アート作品の貸し出し事業」をスタート準備中です。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

幼稚園・保育園など教育施設への「アート作品の貸し出し事業」をスタート準備中です。

きっかけは、ご近所の保育園からのお問い合せ。保育園の秋祭りイベントで、地元の作家の作品を展示して子どもたちに本物を見せたい、ついては藤吉憲典の作品を出展してもらえないかというご相談でした。「子どもたちが本物に触れる機会を提供する」ということには大賛成でしたが、2カ月前のご相談ではいろいろと難しく。提供する作品の準備やら、他の作家さんの作品との兼ね合いやら、展示方法についてやら、作品・鑑賞者双方への安全確保についてやら、きちんと準備しないと難しいということをご説明しました。できれば一年以上前にご相談いただけると嬉しいです。

ご相談にいらしてくださった園長さんによると、その園では芸術を特別なものとせず、あたりまえにそういうものが身近にある環境を目指したいということで、その考えにはわたしたちも共感しました。それならばなおのこと、イベントで様々な催しがあるなかで、半日から一日単発的にアート作品をただ展示しても、あまり意味が無いのではないかと率直に申し上げました。そして「長期的な視点で美術教育環境を提供できるような機会や方法があれば、ご協力したいと思います」ということをお伝えしたのでした。

お話をしている間は具体的には思いつかなかったのですが、しばらく頭の片隅にあったこの課題から、カタチにしようと思い立ったのが「アート作品の貸し出し事業」です。保育園や幼稚園などの施設の一角に、常に本物のアートがある空間を作ることで、長期的な情操教育的効果を期待できるだろう、というところ。そのときは意識していなくても、成長して大きくなった後に「そういえば通っていた幼稚園には、いつも絵画が(あるいは彫刻作品が)あった」というように思い出す機会があれば、大成功です。アートエデュケーターふじゆりとしては、幼児向けに、より積極的なアート体験プログラムを組むことも可能ですが、「芸術を特別なものとせず、あたりまえにそういうものが身近にある環境を目指したい」ということならば、むしろこちらかな、と。

そのような環境を作ろうとしたときに、もちろん一番良いのは、その施設がアート作品を購入して飾ることですし、そうしている教育施設は少なくないと思います。ただ、最初はハードルが高いかもしれないな、とも理解できなくはないので、将来的には購入することを目指して、まずはレンタルからスタートするのもアリかな、と思いました。それが、子どもたちにとっても、施設に携わる方々にとっても、最初のきっかけになれば、というところです。

というわけで、現在、貸し出しのための規約等を制作中。2024年内にはサービスをスタートできると思います。今のところ、対象は子ども向けの教育関連施設と考えています。オフィスなどへのアートレンタルサービスを事業展開しているところもあるのは知っていますが、オフィス=大人は、借りるのではなく買って欲しい(笑)。興味のある方は、ぜひ一度ご相談くださいませ^^

花祭窯のギャラリースペースに椅子が入りました―ようやく気に入ったものを発見♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

花祭窯のギャラリースペースに椅子が入りました―ようやく気に入ったものを発見♪

花祭窯のギャラリースペースは靴を脱いで上がる和室なので、座るときは「畳に座る」ことになります。和室に上がってしまうと「ちょっと腰掛ける」ような場所が無く、特に膝や腰の悪い方がいらっしゃったときは、申し訳ない状態が続いていました。「畳の部屋に似合う椅子」を探さないとね、と言いつつ、コロナ禍下で来客を受け入れない時期も数年あり(と言い訳しつつ)そのままになっていました。

先日おじゃました大川家具ドットコムさんの10周年パーティーが、本社ショールームで開催されたので、これ幸いと2階のショールームで椅子を物色(笑)。そしてあっさりと、気に入ったものを発見したのです。これ、けっこうすごいことかも。

座面の大きさといい、高さといい、配色といい、座り心地といい「花祭窯の和室に、これ!」という椅子です。素晴らしい出会い♪これまでに探したなかで、木製のデザインチェアーは、シックで美しいもの、座り心地の良さそうなものがいろいろとありましたが、実は「重い」ものが多いです。今回出会った椅子は、良いつくり、良い雰囲気のものでありながら、片手でも動かせる形・重さであるというのも見逃せないグッドポイント。

大川家具ドットコムさんで手に入れた椅子

正座の苦手なお客さまも、これからは安心して受け入れることが出来ます。嬉しい^^

ご質問をいただいたので、あらためて龍の文様(特に爪の数)について調べてみました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ご質問をいただいたので、あらためて龍の文様(特に爪の数)について調べてみました。

やきものに描かれる龍の絵(文様)には、三本爪、四本爪、五本爪と、爪の数の描かれ方がさまざまです。「五本爪は中国皇帝への献上品だった」(けれど、現代では中国でも日本でもあまり関係なく描かれている)というのは、この業界ではあたりまえに言われていることでしたので、その認識でずっと仕事をしてまいりました。作品に描かれた龍の爪について説明をするときも、そのように申し上げておりました。

今回、龍の掛け軸をお届けしたお客さまから「龍の爪は五本爪が本物なのでは無いでしょうか」というお問い合わせがありました。どうやら少し知識のある方が、そのような話をしたようです。その掛軸に描いていたのは四本爪の龍でしたので、お客さまのご心配を取り除くためにも、この機会にあらためて文献に当たったうえで、ご説明することに。

龍の掛け軸 藤吉憲典

中国の古いやきものの資料も、花祭窯にはたくさんありますが、ちょうどタイミングよく、つい先日中国上海から帰国した友人から『中国文様全集』の贈り物をいただいたところでした。年代別に描かれた中国の文様事典です。やきものに限らず、さまざまな場面で描かれてきた文様、造形されてきたデザインが、膨大な資料として編纂されていて、日本ではなかなか手に入らないであろう貴重な資料です。

『中国文様全集』

この全集の背表紙に描かれているのも龍で、こちらの爪は四本。資料を開くより先に「五本爪ではないからと言って、ほんものではないという言い方はできない」ことが真っ先に証明されました。本資料と、その他の資料をあたって、お客さまにご説明差し上げた「龍の爪問題」への回答は次の通りです。


  • 龍の爪の本数については、中国では、歴史的に皇帝への献上品(すなわち皇帝に認められた官窯で作られるもの)だけに許されるものとして、5本爪が描かれてきました。
  • 龍は霊獣のひとつ、そもそも想像上の存在なので、何が正しいというものはありません。猛禽類の足の鉤爪を模して龍の爪であるとする解釈があります。猛禽類の爪(足)は、前に 3 本、 後ろに 1 本の合計4本です。
  • 日本では、水墨画などにおいても、歴史的に見ても3本爪か4本爪で描かれているのが一般的です。
  • 5本爪だけが「本物」とする説は、中国の骨董品を見極めるときに、それがきちんと官窯(皇帝のお抱え窯)で作られたものかどうか、という点で語られる視点としては、ありえます。 が、これも当時からたくさんの模造品が作られていますし、現代では誰でも自由に描いています。
  • 5本爪で皇帝の権威を示すようになったのは、明時代からのようです。それ以前の時代は、3本爪か4本爪で描かれているのが一般的です。

このような回答となりました。お客さまからのおたずねで、あらためて調べ直す機会を得たおかげで、今後同様のご質問をいただいた場合にも、またきちんとご説明できそうです。

【第110回九州EC勉強会】『商品特性、経営資源別越境ECの勝ち方』に参加して参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

【第110回九州EC勉強会】『商品特性、経営資源別越境ECの勝ち方』に参加して参りました。

九州EC(九州ECミーティング)は、経営者・ECに取り組む方々が幹事となり、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う会です。現在も完全ボランティアで続いている、稀有な勉強会組織です。今回の講師は、世界へボカン株式会社代表取締役の徳田祐希氏。九州ECでは初めての本格的な「越境」のお話で、そこに越境ECのコンサルとして、今真っ先にお名前の挙がる専門家の徳田祐希氏がいらっしゃるあたりが、この勉強会の凄さだと思います。

花祭窯としては、これまでにも徳田氏には勝手にお世話になっておりました。著書やYouTube(このYouTubeチャンネルが、すごいノウハウの宝庫です)で学んだり、

YouTubeチャンネル:越境EC・海外WEBマーケティング_世界へボカン

中小機構の専門家相談で面談の時間を取っていただいたり。

というわけで、今回初めて「生の徳田さん」のお話を聞けるとあり、一も二もなくセミナーに申し込んだのでした。以下備忘。


  • あたりまえのことをコツコツ。
  • 調査→戦略立案、が先。
  • (参考)https://www.sazentea.com/en/
  • クライアントの要望と、それを解決する商品を、紐づけする商品説明。
  • Shopifyのアプリ活用:Omnisend
  • Keep in touch
  • メルマガによる信頼構築は今も有効。
  • 海外のお客さまが「買える場所」を作る。
  • ロイヤルカスタマーを大切にする。
  • 「買う理由」を直接聞く。
  • お客さまは「見たい情報」しか見ていない。
  • オムニハブ:インバウンド観光と連動する。
  • 顧客との接点を「実店舗」で持つ。
  • インバウンド向けの接客ツールとして、インスタのリールは使える。
  • 卸売ページの作り方(参考)kakuritools.com
  • 絵画や高級品にはDHLがおススメ。
  • コミュニケーションツールをできるだけ一本化する。
  • ペイパル=購入者保護の仕組みがあるため信頼性が高い。
  • 顧客との最初の接点をどこでもつか。

【第110回九州EC勉強会】『商品特性、経営資源別越境ECの勝ち方』より


徳田さんがすごいな、と思うのは、必要以上の期待を抱かせず、本音で冷静に助言をくださること。たくさんの事例をお話下さるなかで、花祭窯としてはどのような方法が考えられるかを、じっくり考える機会になりました。また個人的には、これまで他の機関での海外進出サポートをしておられて、花祭窯の海外展開の初期の頃にたいへんお世話になった方が、世界ヘボカンさんに転職しておられて、思いがけず久しぶりにお会いできたのが、嬉しかったです。

お忙しいなか九州ECでの講師を引き受け、福岡にいらしてくださった世界へボカンの徳田さんとスタッフの皆さま、勉強会を企画運営してくださる九州EC幹事の皆さまに、心より感謝です。

2024年度の中学生職場体験学習を受け入れました@花祭窯。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2024年度の中学生職場体験学習を受け入れました@花祭窯。

ここ津屋崎に花祭窯の工房を移転してきたのが2012年。翌2013年からコロナ禍に入る前はまで、毎年中学生の職場体験学習を受け入れてきました。上の写真は2015年の時のものです。「職場体験受け入れ中」のシールを学校が作ってくださり、期間中、玄関先に貼っていたのでした。これはとても良い案だったと思います。また復活したら良いのに(笑)。

さてコロナ禍でしばらく職場体験学習自体が取りやめとなっていたのが、昨年から復活したと、市の教育委員会からご連絡をいただいていました。昨年は残念ながらダンナの日程が合わず受け入れできませんでしたので、花祭窯としては今年が復活第一弾となりました。中学生の職場体験。かつては5日間の受け入れ期間であったのが、3日間に短縮となっていました。3日間で何をやってもらおうか。お互いの時間を無駄にしないためにも、ある程度考えてから受け入れねばなりません。

今年花祭窯に来てくれたのは、津屋崎中学校二年生の女子二人。3日間のうち、最終日の一日は「陶芸(絵付)体験」にして、最初の二日間のメイン仕事には「図書館での資料集め」をお願いすることにしました。ちょうど作家(ダンナ)が、年末のロンドンでのクリスマス・ショウ向けに、「Animal Boxes」シリーズの制作に入っているところですので、その資料集めです。

福津市には二つの市立図書館があります。わたしがふだん使っているのは「カメリアステージ図書館」ですが、それぞれに強みがあるため、目的がはっきりしているときには、もう一つの「福津市立図書館」に優先的に足を運ぶことも多々あります。そして動物の写真データがたくさん載っている資料本となると、実は福間にある福津市立図書館の蔵書の方が豊富です。

福津市の図書館

まずは福津市立図書館で資料を集め、ダンナにチェックしてもらって不足しているものを、次はカメリアステージ図書館に行って探す、という手順。25冊もの資料を借りてくることが出来ました。福津市の図書館は、現在のところ貸し出し冊数の制限が無いので、こういうときありがたいです。

そのほかの時間には、梱包材となる「薄葉紙」や「ぷちぷち」を適度な大きさにカットしてもらう作業や、封筒や伝票にゴム印や落款を押してもらう作業などをお願いしました。どの仕事も、わたしが「時間があるときにやろう」と後回しにしてしまっていた作業です。この機会にすっかり片付けてもらうことが出来て、とっても助かりました。

最終日には、絵付け体験。これは一日がかりになるだろうと思っていたところが、中学生二人とも「絵を描く」が好きで、絵を描くことに慣れていたため、思いがけず半日で絵付を完成させることが出来ました。余った時間は、せっかく津屋崎千軒に来たのだから、ということで、ご近所の登録有形文化財「藍の家」に行って、伝統的な建築物の見学をすることに。藍の家保存会の方にガイドをしていただき、ちょっとした社会科見学ができました。

おかげさまで、無事三日間の職場体験学習が終了しました。あとは、中学生が絵付をした蕎麦猪口が焼き上がったら、連絡して取りに来てもらって、完了です。上手く焼き上がりますように。ともあれ、やはり他所のお子様を預かるというのは責任感を伴うもので、今はホッとしているところです。

某所より「花祭窯」についてのインタビューのご依頼をいただきましたので、下準備。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

某所より「花祭窯」についてのインタビューのご依頼をいただきましたので、下準備。

「藤吉憲典/Kensuke Fujiyoshi」についてのインタビューは、これまでにも何回もあったのですが、「花祭窯」ということになると、久しぶりのような気がします。上の写真は、昨年受けた、Kensuke Fujiyoshiのインタビュー記事。「花祭窯≒藤吉憲典」ですので、大差ないだろうと思う方もあるかもしれませんが、やはり「作家(アーティスト)」への質問と、「事業」に対する質問は、少し異なるように思います。いずれにしても、ありがたく貴重な機会であることには変わり有りません。幸い「インタビューではこんなことを質問しようと思っています」と事前にいただきましたので、きちんとお伝えできるよう、こちらで下準備。


  • 花祭窯と藤吉憲典の概要

花祭窯は、陶芸家・磁器彫刻家・書画家として活動する藤吉憲典の工房です。藤吉憲典は1966年熊本生まれ。幼少期より「画家になる」と決めており、佐賀県立有田工業高等学校デザイン科を卒業後、グラフィックデザイナー/イラストレーターとして東京のデザイン事務所で3年ほどの経験を積みました。佐賀に帰省後、「磁器に絵をつける仕事」でやきものの世界へ。複数の窯元で商品開発(プロダクトデザイン)の仕事を約10年経験後、1997年に佐賀県江北町花祭で作家として独立、2012年福岡県福津市津屋崎に工房を移転し、現在に至っています。

  • 花祭窯「おかみ」の主な仕事の内容・難しさ

おかみの仕事は「作品をつくる」ことと「顔役」以外ほぼすべて。経営判断をするための「選択肢」と「判断材料」を調べ集め並べること。その難しさ(=面白さ)は、いかに「作家がほんとうにやりたいこと」に気づき、方向づけ、マネジメントすることができるか。それをやっても良いと言える根拠を並べることができるか。作家の熱狂的ファンでありながら、状況をどれだけ冷静に客観的に眺めることができるか。

  • ブランディングを上げることへの成功要因

(まだまだ成功と言える状態ではまったく無いけれど)多少なりともうまく行っている要因があるとしたら、まず第一に作家の信念(自分たちが大切にするもの)を曲げず、王道でコツコツとやってきたことが大きいと思います。そして、そこ(作家)を信頼してくださるギャラリーオーナーさんたちと出会えたこと、その先にいらっしゃる、自分の審美眼を信じてモノを見ることのできる客様たちの存在こそが、事業が継続できている要因です。

また仕事を、「伝統工芸」や「アート」だと特別視するのではなく、ふつうの事業(ビジネス)として動いてきたことが、様々な業界・分野の方々に学ぶ機会につながり、継続の力になっています。

  • 海外進出成功への要因

(これもまだ成功と言える状態ではまったく無いけれど)海外の取引先を作ることが出来たのは、国内同様コツコツと新規開拓のアプローチを続けてきた結果だと思います。様々な形で力になってくださる方々との出会いも重要でした。かかる時間や費用をコストととらえず、あくまでも投資と位置付けて考えることができるかどうかも大切なように思います。

  • 今後の展開

藤吉憲典の仕事を、世界中の「眼の力」がある人たちの視界に届かせることが、花祭窯としてこれから最優先でやっていくべきことと考えています。そのためにどうしたらよいかを、日々模索しています。これまで以上に「人の手を借りる」を仕事に取り入れ、自分達二人だけではできないこと(時間がかかり過ぎたり難しかったりすること)に挑戦していきたいと思っています。


このように準備をしておくと、まずは心構えが出来ますし、自らを振り返る貴重な機会にもなりました。花祭窯のこと、藤吉憲典のことを「知りたい」「知らせたい」と考えてくださるメディアの方々に、少しでもきちんと伝わるように、その機会をちゃんと活かせるように、というのも「花祭窯おかみ」の大切な仕事のひとつです。いつどこでこの下準備が生かされるのかは、告知解禁してからのお知らせとなります。どうぞお楽しみに。

うっかりパスポートの有効期限を切らしてしまっていたので、取り直し。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

うっかりパスポートの有効期限を切らしてしまっていたので、取り直し。

いや、うっかりしておりました。気が付いたのは、北京個展に先立ち中国渡航ビザを取得しようとしていた頃。コロナ禍が落ち着いて以降、ダンナはロンドン、ミラノ、カッラーラ、北京と海外出張しておりましたが、ふと気がつけばわたしのパスポート、有効期限切れてるじゃん…ということで。前回の海外渡航からずいぶん時間が空きましたので、こういうことがありますね。上の写真は、KLMが福岡空港に就航していた頃ですから、もう8-9年前のもの。

パスポートの申請も取得も、昔に比べたらずいぶんやりやすくなりましたが、発行に1週間ほどかかるのは変わらないので、いざという時に慌てないよう、早め早めに手配です。まずは戸籍謄本。昔は戸籍地の役所まで行かねばならず、学生の頃に親に電話をして取ってもらい、郵送してもらったことを思い出しました。「広域申請」なるものが可能になって、居住地で謄本をゲットできるようになったのは、ありがたいことです。パスポート申請用紙は外務省サイトからダウンロード。あらかじめ記入をしておけるので、これも落ち着いて記入が出来ます。電子申請も可能なのはわかっているのですが、博多への用事ついでに天神にある窓口へ。パスポートセンターの手前にあるお店で証明写真をゲット。毎回「後悔先に立たず」な証明写真ですが、これはもうそういうものだとあきらめれば、さほど気にならなくなります(笑)。

パスポートセンターにはたくさんの方がいました。年齢も格好もさまざまで、あらゆる世代の、いろいろな立場の人が、ふつうに海外渡航する時代なのだなぁと、今更ながらに感じました。たくさんの方がいらっしゃいましたが、受付をしてからは思ったほど待たされることなく、サクサクと進みました。窓口のお姉さんたちの、にこやかでテキパキとした様子はとても安心感がありました。

更新を失念していたのは「しまった!」ではありましたが、最初から申請し直すにあたり、非常時の連絡先の見直しなどが出来たのは、良かったです。うっかりも悪いことばかりではなく(笑)。