コラージュ(切り貼り絵)講座@郷育カレッジ、今年も開催いたしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

コラージュ(切り貼り絵)講座@郷育カレッジ、今年も開催いたしました。

もともとは数年前に、郷育カレッジに美術系の講座がほとんど無いよね…というところから、これではイカンと始まった講座のうちの一つです。美術の教育普及ワークショップメニューのひとつですが、「心の健康」へのアプローチを意図しています。コラージュ制作を通じて、自分の内側を可視化し、客観的に受け入れていくことで、心のリフレッシュを図る。わたしはこのワークショップを「Meet Me at コラージュ(=コラージュ制作を通じて自分に出会う)」と名付けています。

今回の講座では、コラージュ制作に時間をかけるだけでなく、グループワークの時間をたくさんとることが出来ました。毎年、ご参加の方々の特徴がそれぞれにあるのですが、今年はまずご参加の皆さんの集中力の高さに驚かされました。15分ほどのインストラクションを経て、「では実際に作ってみましょう」で作業をスタートしてすぐに、会場がシーンとなったのです。今までの経験からするとかなり珍しいことでした。作業時間が進むにつれて静かになっていくパターンは多いのですが。

皆さん黙々と手を動かしはじめて、すぐに制作の世界に没入されたので、予定時間通りにスムーズに進みました。あとから何人かの方にお話を伺うと、「自分が形にしたいもの」のイメージが既になんとなく自分のなかにあった、という方が少なからずおられました。もしかしたら、受講に合わせてイメージトレーニングをしてきてくださっていたのかもしれません。皆さまの意欲を感じました。

以下、受講者の皆さまからのご感想から。


  • たいへん楽しい講座でした。
  • 初めての体験でしたが、とても楽しかったです。自宅でもやってみようと思います。
  • 毎年参加しているが、自分を振り返る大事な時間になっています。
  • 切り貼り絵、参加してみて楽しかったです。またこのような機会があればと思います。
  • 初めての体験で、あっという間に時間が経ちました。ありがとうございました。
  • 初めてでしたが楽しかったです。自宅でもまた作ってみたいと思います。
  • 他の人の作品を見せてもらって、思いを話していただいたのが楽しかった。

初受講の方が楽しんでくださったこと、二回目以降の方が自分の振り返りの機会にしてくださっていることに、まずは講師としてはホッとしています。そして「自宅でもやってみる」と思ってくださった方が、何人もいらっしゃったのも、とても嬉しいことでした。そうなんです。簡単なので、ぜひ気が向いたときにやって欲しいのです。と言いつつ、自分自身そんなに定期的にできているわけではありませんが。

まずはコラージュ制作自体を「楽しい!」と思っていただけることが、一番大切です。その次の段階として、コラージュから読みとれる「自分」に関心を持って向き合うことの大切さを、じわじわと伝えていけたら良いな、と思います。美術的コラージュの良さを存分に生かしつつ、くつろいで対話を楽しめる場になるように、エデュケーターとして心がけて参ります。

再読書『コラージュ入門』(一麦出版社)藤掛明著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

再読書『コラージュ入門』(一麦出版社)藤掛明著

今月末にコラージュを活用した美術講座を行うので、資料準備の前に読み直し。わたしがアートエデュケーターとしてコラージュを取り入れるきっかけとなったのは、学芸員技術研修会の「美術館でコラージュ療法」講座でした。そのときご指導くださった、聖学院大学心理福祉学部心理福祉学科教授・藤掛明先生の本です。2021年に新刊を購入していますので、約2年ぶりの復習読書。

藤掛先生は博士号を持つ臨床心理士であり、特に芸術療法のスペシャリストとして現場での仕事をしてこられた方です。本書は「コラージュ療法入門」ではなく、あえて「療法」を外して『コラージュ入門』となっています。治療や更生を目的とした臨床的コラージュの枠を出て、誰もが(本書での言い方を借りれば「一般の人たち」が)使い、自己の成長に役立てることが出来るコラージュ。活用の場が広がっていくことへの期待を感じさせる本です。

以下、備忘。


  • 「自分を新しく発見できる」「自分が好きになれる体験」
  • 完成した作品は、独特の魅力を放つ。それは美術上の美しさというのに止まらず、自分を新たに知り、周囲との関係を考えるヒントに満ちた不思議な魅力がある。
  • コラージュで自分を知り、関係を深める
  • コラージュのイメージの心地よい流れに身をゆだね、そのイメージから、勇気づけられるもの、触発されるものを受け止めていけばよい
  • 即興的に取り組む
  • 「最近のわたしの気持ち」
  • 第一印象
  • 作者の意図を味わう
  • 多義的に味わう
  • 「印象や感想を交換する」
  • 「解釈はしない。印象を述べる」
  • その後も作品を眺め直す習慣を作る
  • 自由にイメージから入る
  • (Doコラージュは)言葉の関与が増え、表現に一定のコントロールが及びやすくなる。
  • (その結果)メッセージ性・意図性が非常に高まる。
  • (研修参加者の期待)自分を発見する
  • 自己洞察も自己表現も楽しいが、一番楽しくわくわくするのは、会場で起きる相互作用性のドラマ
  • 会場参加者全体に向かって肯定的なコメントをフィードバックする
  • 暴くのではない
  • 安全で保護された環境を用意し、開放的な雰囲気の中で、意味ある発見がもたらされる
  • 頭の整理
  • 欲しいものと要らないものがくっきりと浮かび上がってくる
  • 現実には好きなものを自由に手に入れることは無理でも、台紙のイメージの世界ならば体験できる
  • 自分の世界を自分らしく意味づけしてもよいのだという自信
  • 他者のコメントが、他者の意味付けと異なる場合でも(というか異なるからこそ)、それも多義的な意味の一つとして受け止められ、むしろ作者の世界を広げ、深めてくれることになる。
  • 新しい自分との出会いであり、多くは、少し感じていたものを言葉にしてもらったような納得感
  • 自己受容
  • 「何かがわかるものではなくて、作ったものをヒントにして、いろいろなことを考えて行く方法」
  • 作品が完成した段階では、まだイメージは多義的なままの世界をとどめている
  • 完成後の分ちあいを丹念におこなうとその時点で、統合に向けて動き出します。
  • 多様性の世界
  • 参加者一人ひとりの感想が皆意味がある
  • 描き手自身やグループメンバーが、どの意味にぴんと感じるかで、より意味のある事柄が明らかになってきます。
  • 今大切な意味が何なのかを発見しあう、探しあう
  • 一つの正解に絞り込むのではなく、一つでも多くの正解を生み出し、広げていくという感覚
  • ここがめずらしいな、この人のユニークな表現だな
  • 一つの作品の中に共通しているテーマや比喩を探す
  • 台紙の使い方の特徴から分かること
  • 描画作品の用紙は、実施者から参加者に与えられた「世界」
  • この与えられた「世界」をどう使おうとしているのかという視点
  • 空間象徴
  • コラージュ作品は、作成者本人に自由に語ってもらうのが大切
  • 相手の大切な世界を引き出す質問
  • コラージュ画面の写真が、自分自身の(比喩的に)分身であることを感じてもらう体験
  • 無意識と意識との双方にまたがっており、言葉によって介入することに向いている
  • 既存の写真に意味を与えていくおもしろさ

『コラージュ入門』(一麦出版社)藤掛明 著より


今回は特に「わかちあい」における要点をピックアップしてみました。研修の場面でも「対話」が復活し、ワークショップに取り入れることが出来るようになって参りましたので、ますますコラージュの効果が期待できます。楽しみです。

『知識要らずの美術鑑賞』ご参加の皆さんからのご感想。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

『知識要らずの美術鑑賞』ご参加の皆さんからのご感想。

福岡市美術館での美術鑑賞講座を開催してきましたのは、つい先日のことでした。

ご参加の皆さんからのご感想が届きました。今後の研修に生かすべく、以下備忘。


  • 今までこんなに作品をつきつめて鑑賞したことはありませんでした。
  • ひとつひとつの作品をじっくり鑑賞できて、とても有意義な時間を過ごしました。また美術館に行って、もっとゆっくり回りたいと思います。
  • 質問できるのがよかった。
  • 今日のような見方をしたことが無かったので、勉強になり楽しかったです。
  • 常設展示作品は観ていなかったので、今回鑑賞できてよかったです。
  • とても楽しく参加できました。ガイドの方もお話が上手で素直な感想が言えました。
  • 一つの作品をここまでじっくり観ることがなかったので、貴重な体験でした。みんなでワイワイ意見を出し合って見るのも楽しいですね。
  • とっても楽しく過ごせました。これからはゆっくりみてみようと思いました。
  • 日頃、なかなか来ることが出来ない、福岡市美術館を見学して、ボランティアガイドさんと一緒に説明してもらってわかりやすかったです。
  • 美術館は久しぶりで良かったです。説明していただき、自分だけでみるだけでなくよかったです。
  • 今日、見た作品、ちょっと不思議な作品でわかりにくかった。
  • 美術館、久しぶりでした。一人でゆっくり再度来てみたい。
  • 良かった。
  • たいへん楽しく参考になりました。
  • わからないと思った作品も自分なりに感じた事を言葉にし、見直すとちょっと違って見えるので見方が変わるようです。

美術館に行くこと自体が久しぶりだった、という方も少なからず、やはり一人で行きづらいという方もあるようで、「美術館への同行」のニーズを感じました。ひとつの作品に時間をかけて向き合う体験が初めてだったという方が多いのも、この講座では毎回感じることではありますが、あらためてこの講座を開催して良かったな、と思いました。そして何より嬉しかったのは「またゆっくり(美術館に)行ってみようと思う」というご感想がいくつもあったこと。コロナ禍をきっかけに、足を運ぶことが途絶えてしまっていた方が、また美術館に向かうきっかけとなることが出来たなら、とても嬉しいです。

郷育カレッジ講座『知識要らずの美術鑑賞』@福岡市美術館を開催してまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ講座『知識要らずの美術鑑賞』@福岡市美術館を開催してまいりました。

福津市民のための生涯学習システム「郷育カレッジ」。担当する美術鑑賞講座を開催してまいりました。今年は念願の「美術館訪問」がようやく実現。コロナ禍下では美術館への訪問が叶わず、昨年は福岡市美術館さんのアウトリーチにお世話になっていたのでした。

昨年お世話になったご縁で、引き続き今年は福岡市美術館の常設展示「コレクション展」を利用した教育普及のプログラムを活用。参加者約20名を4つのグループに分け、それぞれのグループにガイドボランティアさんが1名ついて、美術鑑賞をナビゲートしてくださいました。

ガイドさんは鑑賞用に使う題材の作品を選び、解説用の知識・情報を用意して、この日のために準備をしてくださったようです。各グループ、平面と立体を含めた3つの作品を題材に、対話型鑑賞を体験しました。参加者の皆さんは、「鑑賞」に意識を向けた体験が初めてだったようで、とても楽しんでおられました。

昨今、美術館・博物館では教育普及プログラムにとても力を入れています。今回の郷育カレッジ講座のように、館で既に提供されているプログラムを活用することが出来れば、講座の担当者が学芸員でなくても、有意義な講座を開催することが出来ます。特に公立の美術館博物館では、教育普及プログラムは無料で提供していることがほとんどですので、活用しない手はありません。

市民向け講座はもちろん、会社の研修などでも、美術鑑賞をはじめ美術を活用したカリキュラムを導入したいときは、ぜひお気軽にご相談ください。

「Meet Me at Art 美術館同行サービス」の概要。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「Meet Me at Art 美術館同行サービス」の概要。

「美術館同行サービス」スタート。と書いたのは、昨年末のことでした。

自分の背中を押すために書いたのでしたが、さっそく友人数人から好意的なリアクションをいただき、「よし!やるぞ!」と勇気100倍に。尊敬するお友だちからの声援は大きな力になりますね。ご希望の方にすぐにでもご案内できるよう、具体的に組み立てていくことにいたしました。

以下、概要をつらつらと。


「対話型美術鑑賞」の技法を盛り込んだ美術館同行サービスです。観察眼を磨き、視野を広げ、自分の内側を覗き込む。そんな深い美術鑑賞体験をナビゲートいたします。別のアプローチとしては、ご希望により「回想法」の技法を活用した鑑賞法も可能です。どのような美術館体験をしたいか、ご相談により最適と思われる方法をご提案して参ります。

と書くと、なんだか堅苦しい感じがしますが、単純に「一人ではなかなか美術館に足が向かないから」「鑑賞した感想を誰かと分かち合いたいから」という理由でオーダーいただくのもウェルカムです。通常は常設展示での同行を想定していますが、このような場合は「特別展」での同行も検討可能です。

どこの館で行うかは、これもご相談によりますが、通常対象館と出張対象館の二つのパターンを想定しています。出張対象館では、既定の美術館同行サービスの料金に講師の旅費交通費が加算されます。

  • 通常対象館:福岡市美術館/福岡アジア美術館/福岡県立美術館
  • 出張対象館:福岡市博物館/九州国立博物館/ご相談により日本各地のご希望の館

基本的には、各館の常設展示室を使っての開催となります。特別展は人が多いことが想定され、ゆっくり鑑賞に集中することが難しいので。同行サービスは基本的にはマンツーマン、または2名様までです。3名以上の人数になる場合は「講座」扱いとなり、別プログラムとなります。時間は1時間半程度を基本としますが、ご相談により調整可能です。また複数回を組み合わせたプログラムにすることも可能です。

(2023年1月24日掲載→最終更新日1月26日)


とまあ、こんな感じです。まだまだ情報が足りない部分もあるかもしれませんので、これを基本に、随時加筆して参ります。料金については、個別にお問い合せ下さいませ。その他ご質問等、お気軽にどうぞ。

お問い合わせ先やアートエデュケーターのキャリアについては、下記のページをご参照くださいませ。

郷育カレッジ「コラージュ講座へようこそ」開催いたしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ「コラージュ講座へようこそ」開催いたしました。

「コラージュ」はフランス語で「糊付け」の意味。ハサミで紙を切り、糊で台紙に張っていく作業を通して、自分の内側を覗き見てみましょう、という講座です。美術の表現技法のひとつでありながら、心の安らぎ・健康を目指す側面を伴うのは、わたしが最初にコラージュを学んだのが、心理療法として長年臨床で取り組んでこられている先生の講座であったからにほかなりません。

かといって、わたしは心理の専門家ではありませんので、アート・エデュケーターとしての範囲内でのナビゲーションになります。それでも、コラージュ制作を通して得られる心理的効果は、自分自身がとても感じています。まずは受講生の方々にいかに楽しんでいただけるかが一番!

例えば「今から絵を描きましょう」と言われたら、ちょっとしり込みしてしまいますが、コラージュなら気軽に手を動かすことが出来る。それが、わたしがコラージュが好きな理由のひとつです。とても優れた美術的表現方法だなぁ、と思います。

講座を開催するごとに、集まる方々は十人十色ですから、進め方も少しづつ変わります。今回、受講生の皆さんはほとんど迷うことなく、すぐに制作・思索に取り掛かられたので、ナビゲーションは必要最小限にして、見守りに徹するかたちで進みました。グループの規模もちょうど良かったのかもしれません。計画していた時間内で、皆さんほぼ完成させることが出来ました。

出来上がった作品には、それぞれの個性がとてもよく表れていて、拝見していて嬉しくなりました。一人一人違うと分かっていても、毎回実際にそれを目の当たりにすると、やっぱりすごいことだなぁと嬉しくなるのです。そして今回は、作品完成後に、グループでそれぞれの作品の「分かち合い」をすることが出来ました。「分かち合い」では、出来上がった作品に対して、自分の思いを説明するとともに、他の方の作品には一言コメントをプレゼントすることです。コロナ禍下で対話が憚られていた時期にはこれが出来なかったのでしたが、やっぱり、お互いに作品の感想を分かち合うと、作品の解釈がさらに広がって、とてもいいですね。

講座終了後に、皆さんが晴れやかなお顔になって会場を後にするのを見送り、ホッと致しました。講座後の受講生アンケートでも、皆さん嬉しい感想をたくさん寄せてくださいました。なかでも「日常思っていることを、コラージュ制作を通して整理することが出来ました」「『テーマ』を決めて創り出す、迷ったら『テーマ』に立ち返る。このポイントをこれからも生かしていきます」というご感想は、まさにわたしのコラージュ講座が一番伝えたいことであり、ほんとうに嬉しく思いました。

楽しく取り組んでいただくのがなによりのコラージュ講座。受講生、運営の方々のおかげで、無事に開催することが出来ました。ありがとうございました!

『知識要らずの美術鑑賞』開催-備忘。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

『知識要らずの美術鑑賞』開催-備忘。

2022年度の郷育カレッジ講座で開催した『知識要らずの美術鑑賞』のご報告をしたのは、つい先日のことでした。

その後、受講者の皆さまからのご感想が届きましたので、それらを踏まえて、以下備忘。


  • 学芸員の仕事や、どうしたら学芸員になることが出来るのかなど、学芸員や美術館の仕事について知りたいと思っている方も多い。
  • 鑑賞前の作業(絵を描いたりコラージュしたりの作品づくり)は、思いがけなかったという反応とともに、楽しく良い経験だったと好評。
  • 作業→鑑賞で、意欲が高まり、話を聞くのに集中できた、というご反応。
  • 最後に、学芸員による絵の専門的な解説があったのが、さらに満足度を高めた。
  • 複製画とはいえ、実物大の名作に会えた喜び。→美術館での開催を希望。
  • 継続的に参加したいというご要望。

ご参加者約30名の反応は、大きくまとめると上の通り。絵を描いたりの創造的な作業があったことに対しては、思いがけず全員が好意的な反応。作業があったことによって、その後の座学への集中力が高まったという反応は、とても嬉しいこと。

次回以降の鑑賞講座に、たくさんのヒントをいただきました!

郷育カレッジ講座『知識要らずの美術鑑賞』開催しました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ講座『知識要らずの美術鑑賞』開催しました。

福津市民のための生涯学習システム「郷育カレッジ」。担当講座『知識要らずの美術鑑賞』を開催いたしました。この美術鑑賞講座、郷育カレッジのプログラムに入ったのは3年前でしたが、天候不良やコロナ禍で中止が続き、昨年3年目にしてようやく初開催。

受講生と美術館に足を運び、美術鑑賞をすることを目的とした講座ですが、コロナ禍のため研修室で座学での開催となっています。今回も座学ながら、福岡市美術館さんのご協力を得て、ちょっぴり美術館訪問気分を味わっていただくことを目指しました。

学芸員技術研修会などでご一緒した福岡市美術館の学芸員さんにご相談し、福岡市美術館内での協議を経て、試験的に福津市でのアウトリーチ(出張講座)をしていただけることが決定したのは、今年度初めのこと。「福岡市」美術館なので、アウトリーチも福岡市内での対応を想定しているものの、市外からの問い合わせも増えつつあるということで、今後の市外対応可能性を検討するためのテストケースとして、採用していただくことになりました。

ひと月前に詳細打合せを行い、当日は、教育普及担当の学芸員さんがお二人、今回のアウトリーチで使用するシャガールの複製画の解説に、近現代西洋美術専門学芸員さんがお一人、計三名で対応してくださいました。ワークショップあり、鑑賞タイムあり、シンキングタイムありで、密度の濃い1時間半でした。特に、シャガール「空飛ぶアトラージュ」の複製画鑑賞後に意見交換し、専門の学芸員さんからお話を聞くことが出来たのは、受講者の皆さんにとってもとても良い時間になったと思います。

今回も満員御礼、定員いっぱいの皆さんにご参加いただくことが出来ました。福津市内には美術館がありませんが、皆さんの美術的な体験への関心の高さを強く感じた講座となりました。あらためて、講座協力をしてくださった福岡市美術館の皆さまに、心より感謝です。来年はそろそろ美術館訪問での講座ができることを祈りつつ。

祝・開校20周年!令和4年度「郷育(ごういく)カレッジ」パンフレットが出来上がりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

祝・開校20周年!令和4年度「郷育(ごういく)カレッジ」パンフレットが出来上がりました。

今年度2022年の郷育カレッジ講座一覧のパンフレットが出来上がりました!今年はなんと「カレッジ」が開校して20周年という記念年です。今年も引き続き感染症対策を最優先にするため、派手にお祝いすることは残念ながらできませんが、講座の中身はとっても充実しています!毎年外せない人気の定番講座に加え、時代に沿った新規講座、リニューアル講座が目白押しです。

7月16日(土)の開講式からスタートする今年度の特集テーマは、「わがまち福津再発見」。数ある講座のなかで、わたしの個人的なイチオシは、福津市の8つの「郷(さと)」を歩く「ふくつ散歩」です。ふくつ散歩講座がスタートしたのは、数年前にさかのぼりますが、今年度ようやく8地域すべてのエリアが揃いました。福間、南福間、神興、神興東、上西郷、宮司、津屋崎、勝浦の8エリアを、地域の「郷(さと)づくり」の方々のご案内でお散歩します。

わたし個人を振り返ってみると、郷育カレッジの運営委員に入ったのは、2016年。その前2014年~2015年の二年間は、社会教育推進を検討する郷育推進委員を務めましたので、福津市の社会教育に関わるようになってから9年目に入ります。この9年間、時代の変化のスピードはとても早く、特にこの2年コロナ禍下での変化は、社会教育を取り巻く環境をも大きく変えました。そんななかで、市職員の方々と運営委員の諸先輩方とご一緒に、社会教育に関わることが出来ているのは、とても学びが多く幸せなことだと感じています。

市と市民が一緒になって作り上げる、福津市ならではのスタイルの社会教育講座。福津市民の方、福津市に通学通勤なさっている方ならどなたでも受講できます。福津市内にお住まいの方は、6月の市報と一緒にパンフレットが入ってくるので、是非チェックしてみてくださいね。パンフレットが入らなかった方は、福津市の郷育課にお問い合せ下さいね。

令和4年度郷育カレッジ講座一覧

Meet Me at Artのアートエデュケーション(美術教育)スクールプログラム。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

Meet Me at Artのアートエデュケーション(美術教育)スクールプログラム。

Meet Me at Artのアートエデュケーションに「見る・知る・触る、やきもの(陶磁器)」プログラムをリリースします。と書いたのは、昨日のことでした。

さっそく、小中学校・小中学生向けには他にどんな美術教育プログラムがあるの?というお問合せをいただきましたので、この機会にご紹介。


「美術探検!スクールプログラム」

はじめに、小中学校で取り組まれている「絵を描く」「版画を彫る」などの作品を作る活動は、「美術」というよりは「図工=図画工作」です。美術館などで行われる、何かを作るワークショップも、図工であることが多いです。でも、美術教育=制作とは限りません。

Meet Me at Artのアートエデュケーションは、「見る」「分析する」「解釈する」「言葉にする」ワークショップを通して、視野を広げ感性を磨き、想像力・創造力・表現力を育むことを目的とします。トレーニングの成果物は、目に見えるモノとは限りません。「得意」も「苦手」もなく、十人十色の正解があります。

スクールプログラムには、受講者に応じて次のようなパターンがあります。

  • 授業の一環や校外活動としての生徒用プログラム
  • 指導する側である先生用プログラム
  • PTAのレクレーション用プログラム

ワークショップの種類は、次の4つが柱となります。

  • 鑑賞:対話型鑑賞法(ビジュアルシンキング)
  • 表現:なりきりアクティビティ
  • 表現:Do! コラージュ
  • 鑑賞:見る・知る・触る、やきもの(陶磁器)

それぞれ参加する方々の目的や人数、所要時間などに合わせて、その都度プログラムを立ています。目的により、他の教科、例えば社会科とのつながりや、国語とのつながりを組み込んだプログラム作成も可能です。

スクールプログラムのパンフレットも、あらたにリリースした「見る・知る・触る、やきもの(陶磁器)」を加えた最新版を現在作っています。ご希望の方はお知らせいただきましたら、パンフレット完成次第ご案内差し上げます!