サメ!?では無かった。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

サメ!?では無かった。

ある日の海コース散歩でのこと。波打ち際に近い所を機嫌良く歩いていたら、前方に「ヒレ」らしき影。即座に頭をよぎったのは、この夏、近海でなんども騒がれた「シュモクザメの群れが出現」のニュースでした。

ここから先は、写真をクリックして大きくすると、わかりやすいと思います(笑)

それにしても、手を伸ばせば届きそうな浅瀬です。ヒレが小さいこともあって「サメの赤ちゃん!?」と、しばらくは「サメ」から離れられなかったのですが、近づいてみると、背びれと思い込んでいたものは、尾っぽの上半分が海面の上に出ていたもの。スズキらしき魚であることがわかりました。

それにしても、この浅瀬にスズキ。サイズは30cmを超えていそうです。津屋崎浜には、ときどきいろいろな魚が打ち上がっているのですが、「今まさに、打ち上がってしまうかもしれない状態」に出会ったのは初めてです。とりあえず、海岸線沿い、波と平行に泳ぐスズキに伴走(走っていませんが)しつつ、スマホで撮りました。

海の深さは足首まであるかどうかというほど。必死に泳ぐ動きから、だいぶ弱ってきている感じもします。ちょっと海に入れば捕獲できたかもしれませんが、向きを90℃変えたら海に戻れるのになぁ、と思いつつ、見守りました。

何メートル一緒に歩いたでしょうか。河口と交わる場所に近づいてきました。ここは少し深くなっています。ここまで来たら、海に戻れるかもよ!と思っていましたら、じわじわと角度を変えて波に対して垂直に。この格好になったらもう大丈夫です。沖に向かって泳いでいく姿を安心して見送りました。

というわけで、ウォーキングどころではないお散歩となりましたが、なんだかとても満ち足りた気持ちになった夕方でした。

映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』を見た。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』を見た。

図書館で偶然見つけてDVD鑑賞。ここ数年、近代絵画の画家にスポットを当てた映画がよく作られているなぁ…と思っていました。「観に行きたい!」と思いつつ、ひとつも映画館で見るに至らず上映期間が終わる、ということが続いていたので、図書館での出会いはラッキーでした。

が、見始めて数分で「やっぱり映画館で見るべきものだった」との想いでいっぱいになりました。風景はもちろん、一つ一つのシーンがとても美しかったのです。自然の景色だけでなく、街の様子、室内の様子など、ゴッホの遺した絵画に登場する場所が、いくつも忠実に再現されていて、大きいな画面で没入して観たかったなぁ、と。

なんといってもゴッホを演じたウィレム・デフォーが秀逸でした。わたしにとっては、映画スパイダーマンの「親友のお父さん=ゴブリン」のイメージが一番強かった俳優さんですが、ゴッホ(の自画像)にそっくりでびっくり。ゴッホは自画像をたくさん残していますので、わたしたちはその自画像を通してゴッホのビジュアルイメージを持っていますが、そのイメージを全く裏切りませんでした。

弟テオとの関係性、ゴーギャンとの関係性。どちらも分かりやすく描かれていたと思います。ゴッホと彼らとの「手紙」のやりとりを通して残っている史実があるので、リアリティをもって描くことができるのかもしれませんね。特にゴーギャンとの関係性については、切なさがひしひしと感じられました。この辺りのエピソードについては、アートエデュケーター宮本由紀さんの著書『メンタルに効く西洋美術』がとても参考になります。「メンタルマッチョなゴーギャン」「ハイリ-・センシティブ男子、ゴッホ」として巻頭エピソードを飾っています。

映画のラスト。ゴッホは自殺だというのが定説だと思っていましたが、諸説あるうちの「他殺説」をほのめかすラストでした。たしかに映画の通りであれば、やっと心の安定が少しづつ取り戻せるかもしれない環境にたどり着いたゴッホが自殺をするというのは、考えにくいかもしれないなぁ、と考えさせられました。

終盤のゴッホのセリフに、神様が彼を産み落とす時代を間違えた(早過ぎた)、というニュアンスのものがありました。それは、古今東西ゴッホを評価するすべての人の想いだったかもしれません。それをゴッホ自身に言わせることは、ゴッホが自分が評価されないことを悲観してはいなかったということにつながります。映画のなかだけでなく、ほんとうにそうだったらいいな、と思いました。

アートフェアアジア福岡2021を見て参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アートフェアアジア福岡2021を見て参りました。

6回目となるアートフェアアジア福岡。昨年は中止になりましたので、2年ぶりの開催となりました。今年は初めて無料での開催です。会場も博多阪急に集約されました。平日を含み5日間の開催も、これまでの最長。時節柄、感染対策を考慮しての柔軟な変更だったのだと思います。その結果、いろんな方が足を運びやすくなったのではないでしょうか。

わたしも「これならお伺いできるかな」と考えた一人。博多阪急さんなら駅を降りてすぐだし、人込みを避けるべく平日午前中にお伺いしてまいりました。いつものように、まずはサッと一回り。「いいな」とアンテナに響く一角をみつけて、じっくり見ていたところ、親しげに近づいてくるお顔を発見。マスクをしているので、近くに来ないとどなたかわからずにいましたが、みぞえギャラリーの若き女性ギャラリストさんでした。

近況ご挨拶をして気が付けば、わたしが立ち止まっていたのは、みぞえギャラリーさんのブース。ブース名(ギャラリー名)を見ず、ひたすら作品だけを見ていたので、どこの出展かを意識していませんでしたが、「これがいい」と思う感覚が近いギャラリーさんであることを再確認しました。今回のアートフェアアジア福岡では、事務局として中心的役割を果たしておられます。

ずっと見ていた作品について、その作家さんについてのお話をタイミングよく伺うことができました。文字情報無しで気に入った作品をよく見た後に、背景情報を聴くことができると、作品の楽しみがさらに広がります。わたしはどちらかというと、鑑賞に文字情報は必要ないと考える方なのですが、じっくり鑑賞した後に情報を加えていくことで、鑑賞が深まるのもまたひとつの楽しみ方です。

現代日本のアートシーンを垣間見ることのできる空間です。各ブースにはそれぞれギャラリストさんがおられますので、作品や作家さんについてのお話を聞くことができるのも、嬉しい機会です。博多阪急7Fイベントホール『ミューズ』と8F催場にて、9月26日(日)まで開催。

アートフェアアジア福岡2021

磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 の様子をご紹介。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 の様子をご紹介。

9月20日に初日を迎えた、ギャラリー栂さんでの藤吉憲典展。初日、二日目と作家が在廊してまいりました。このご時世のなか、初日オープン前からお待ちのお客さまもあったとのことで、ほんとうにありがたいことです。

磁器作家藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 
磁器作家 藤吉憲典《古典とART》展@ギャラリー栂 

会期は10月3日(日)までです。

ギャラリー栂 磁器作家 藤吉憲典《古典とアート》展

ギャラリー栂 (とが)
〒709-0431 岡山県和気郡和気町清水288-1
電話0869-92-9817

磁器作家 藤吉憲典《古典とアート》展

会期:2021年9月20日(月祝)-10月3日(日)
※9月27日(月)休み
営業時間:11時~17時

松ヶ枝餅をかじりながら考えた。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

松ヶ枝餅をかじりながら考えた。

写真は宮地嶽神社の参道の先、宮地浜に沈む夕陽。

宮地嶽神社の参道には「松ヶ枝餅」のお店がいくつもあります。初めて見たときは「松ヶ枝餅!?」と思いました。なんのことはなく、太宰府天満宮の梅が枝餅が、緑色になったようなもの。生地にヨモギを練りこむことで、緑色になり、「アツアツで食べる平たいヨモギ餅」といったところです。梅が枝餅同様、素朴なおいしさ。

散歩コースに神社コースが入り、帰りがけに松ヶ枝餅を買い食いする楽しみを見いだしています。ところが、松ヶ枝餅目当てに張り切っていた初日、散歩を終えて参道に戻ると、両側に連なるお店がほとんど閉まっているという悲しい事態に。

そんななか、お店の前に何人ものお客さまが待っているお店が1軒だけありました。夕方17時を過ぎ、並びのほかのお店がシャッターを下ろすなか、そのお店だけが松ヶ枝餅を焼いていたので、お客さまが集まったというところ。

オーダーを受けてから目の前で焼くので、どうしても時間がかかります。それでも、楽しみにしているお客様にしてみれば、このお店が開いているだけでも嬉しいもの。皆さん、嬉しそうに焼いているところを眺めつつ、お待ちでした。

地元民としては、とても複雑な気持ちでした。閉店時間になっているとはいえ、お客さまがあるのがわかっていながら閉めてしまうというのは、なんとも残念です。待ち時間が長くなりそうでしたので、その日は、わたしはヨモギ餅を断念して帰路につきました。

参道のお店が17時に一斉に閉めてしまうと分かったので、翌日は少し早めにウォーキング出動。16時半では、参道の両側にあるいくつもの「松ヶ枝餅のお店」は開いているところがほとんどでした。購入する側としては、お店を選ぶことができる状態です。

ただ前日のことがありましたので、迷わず「昨日閉店時間を過ぎてもお客様対応をなさっていたお店」へ。そういえば、参道の何店かの松ヶ枝餅を食べたことがありましたが、このお店のをいただくのは初めてです。目の前で焼いてくださったものをアツアツでいただきました。

同じように見える松ヶ枝餅ですが、一店一店味が異なるのも面白く。これは実際に食べてみないとわかりませんね。週末でもあり、各お店にそれぞれお客さまがありました。やっぱり、参道にお客さまがあって外がまだ明るいうちは、お店が開いていてくれると嬉しいな、と思いつつ。

藤吉憲典《古典とART》展、スタートしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉憲典《古典とART》展、スタートしました。

気持ちの良い秋晴れで初日を迎えることができた、ギャラリー栂さんでの個展。初日、二日目と在廊するダンナ・藤吉憲典より、初日の報告がありました。

オープン前からお待ちのお客さまもあり嬉しいやら有難いやら、とはダンナの報告第一声。ギャラリー栂さんのある岡山県内も「まん延防止措置」の宣言が出され、イベント等への外出がし難い状況が続いています。そんななか足を運んでくださいました皆さまに、心よりお礼申し上げます。

アーティストトークでは、お客さまからのご質問も多かったようで、予定時間を超えて盛り上がったとのこと。7月に放送のあったNHK BSプレミアム『美の壺「青と白の粋 染付の器」』の影響もあったのでしょう、「染付」についての質問も多かったようで、たくさんお話をすることができたと喜んでいました。

会期は10月3日(日)までです。

ギャラリー栂 磁器作家 藤吉憲典《古典とアート》展

ギャラリー栂 (とが)
〒709-0431 岡山県和気郡和気町清水288-1
電話0869-92-9817

磁器作家 藤吉憲典《古典とアート》展

会期:2021年9月20日(月祝)-10月3日(日)
※9月27日(月)休み
営業時間:11時~17時

山コース、海コースの次は、神社コース。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

山コース、海コースの次は、神社コース。

台風が過ぎて、空気がまた一歩秋っぽくなってまいりました。気持ちの良い気候になったので、夏の間は頻度が下がっていたウォーキングをそろそろまた復活。

週末とあって海は人出が多く、山は山でまだちょっとやめておこうかな、という感じでした。どうしようかなと考えた末、「神社コース」を新設することに決定。新設もなにも、勝手に一人で決めているだけですが。

目標到達点は、宮地嶽神社。嵐が出演したJALのCMで一躍有名になった「光の道」のおかげで、参拝者数もとても増えていますが、敷地が広いことと、夕方なら大丈夫かなというところで、まずはお試し散歩。

我が家から神社まで歩こうとすると、参道入り口までの往復だけで約1時間。ウォーキングのルートは1時間前後にしているので、これだと境内に上らずにUターンしなければならなくなります。それでは面白みが少なく。

そこで、神社の入り口までは自転車を使うことを決定。自転車をとめてから、境内に向かって長い階段を上り、敷地内をあちこち歩くことに。「自然公苑」と名付けられたエリアには緑の芝が美しい広場があり、鯉と亀のいる池があり、ヤギとエミューのいる「みやZoo」があります。季節により菖蒲の頃には菖蒲園となり。ともあれのんびり散歩に最適なのです。

このエリアをのんびり歩いて、再び自転車で家まで戻って、約1時間。バイク&ウォーキングコースが出来上がりました。帰りに参道のお店で、名物「松ヶ枝餅」を買っておやつにできるのも楽しみです。しばらくは「自転車→自然公苑」散歩で、足慣らしです。今後もっと歩きたい!となったときには、不動神社から山手の方に行くと、自然歩道のトレッキングコースに挑戦するという手もあるようです。こちらは半日コースになりそうですが。

ちなみにこの宮地嶽神社では、明日から三日間秋季大祭です。例年ならお神輿に有名人が載り、牛車も登場しての時代行列が見どころですが、昨年に引き続き縮小開催となっています。9月22日の奉納花火だけは催行されるとのことで、夜空を見上げるのが楽しみです。

「台風の目」に入りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「台風の目」に入りました。

昨日は台風が「福岡県福津市に上陸」ということで、あちらこちらからご心配のご連絡をいただきました。ありがとうございました。幸い、台風自体の大きさも強さもそれほどでは無かったようで、おかげさまで花祭窯は被害なく大丈夫でした。

台風が福岡県に最初に上陸するのは気象観測史上初だったそうで、まずとても意外な感じがしました。でも思い返してみたら、長崎方面から入って佐賀から福岡に進んでくるルートか、鹿児島・熊本を経て福岡に到達するルートがほとんどだったのかもしれません。しかもその「初」が福津市だったということで。ともあれ周辺でも一時的に停電をした程度で、大きな被害は無く、良かったです。

個人的には「台風の目」には過去数回入っています。そのなかでも、特にはっきり覚えているのは、幼少期に東京で体験した一番最初の「台風の目」。それまでの風と轟音が止んでシーンとなり、青空さえ見えるというのは、特別な体験でした。その時のなんとも不思議な感覚を思い出すことができます。

今回の台風の目はずいぶん久しぶりのような気がしました。佐賀も福岡も台風の数は多いですが、ぴったり目の中に入るというのは、あまり無いのかもしれません。青空こそ見えませんでしたが、風も雨も止み静かになると、頭ではわかっていてもやっぱり不思議な感覚が湧いてきます。

写真は、台風前のムラサキシキブ。台風のあとはいつも、庭の草木に潮風の影響が出ないかと心配になります。潮風で枯れてしまうこともありますが、立地的に仕方がありません。たいていは翌年に復活してくれるので、今回もそれを願いつつ。

読書『クララとお日さま』(早川書房)カズオ・イシグロ

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『クララとお日さま』(早川書房)カズオ・イシグロ

久しぶりの、カズオ・イシグロ。日本ではこの3月に刊行された最新刊です。ノーベル文学賞受賞後の第一作目。読むのをとっても楽しみにしていました。そしてその大きすぎる期待を裏切らない読み応えでした。

今回も訳は土屋政雄さん。日本でのカズオ・イシグロ作品は、「早川書房×土屋政雄」が定着しているような気がします。今回もストーリーと日本語の感覚がとてもしっくりする訳でした。読みやすくて、優しくて、情景と心象が浮かんでくる日本語です。

書評が発売以前から書評があちらこちらに出ていますので、大まかなストーリーはご存じの方も多いと思います。人工頭脳を搭載したクララ(ロボットという言い方が、本書中でも意図的に避けられているように感じました)と、病弱な少女ジョジーとの、出会いから別れまでの物語。クララは「AF」なのですが、そのAFが何の略であるかの説明は本書内にはありません。「『A』I」を搭載した「『F』riend」ということなのだろうなと思いつつ。

『クララとお日さま』では、時間軸はひとつであり、シンプルです。そのなかに、人工知能活用の問題、貧富・学歴など社会格差の問題、家族の在り方、愛情の在り方などがテーマとして自然に盛り込まれていました。もちろん、説教臭いものでは決して無く、淡々と問いかけられているような感じがしました。それも頭にではなく、心に対する問いかけ。

クララが持つ自分の仕事に対する誇りと使命への忠実さ。そして「お日さま」への信仰心ともいえる敬意と信頼。その純粋さが切なくなります。気が付けば、なんとかその思いが報われて欲しいと、一緒になって願う自分がいました。わたしはこれまでのカズオ・イシグロ作品のなかでは『日の名残り』が一番好きです。『クララとお日さま』はその次に来るかも、という本。何度も読み返したい本です。

11月は福岡アジア美術館で展覧会。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

11月は福岡アジア美術館で展覧会。

気が付けば会期初日までに2か月を切っていて、ちょっと焦っています。というのも、11月の福岡アジア美術館での展覧会は、初めての花祭窯の自主開催なのです。写真は、急ピッチで制作に取り掛かっている、告知ツールのひとつ。

そもそものはじまりは、昨年のこと。コロナ禍でいろいろなことが見通し難くなりました。花祭窯として独立以来これまでも、2011年東日本での地震、2016年熊本での地震など、己の無力を突き付けられるニュースがあるたびに、「わたしたちは、日々自分たちのするべき仕事をコツコツと続けていくしかない」という想いに至っていました。

昨年の春、最初の自粛生活がスタートし「先が見通し難くなった」ときにも、その先に進むために、「今、自分たちのするべき仕事」は何かを突き詰めて考えました。その結果「一度おさらいをする」ことにたどりついたのでした。ちょうど来年は創業から25周年ということもあり、これまでの仕事を並べ直してみることに。

藤吉憲典の仕事を並べ直すことは、そのまま、肥前磁器(古伊万里)の歴史をおさらいし、今度の展開を考えていくことにつながります。そこで「肥前磁器の歴史を、藤吉憲典の『写し』でご覧いただく」という形をとることにしました。公開することで、ずっとお世話になっている「肥前磁器」の歴史や仕事、やきもの(磁器)そのものに、興味を持ってくださる人が増えたら、少しは恩返しになるかもしれない、という想いもあり。

通常、藤吉憲典の展覧会は、ギャラリー(コマーシャルギャラリー)さんが主催してくださる、販売がメインの展覧会です。その機会をいただくおかげで、生業としての陶芸家が成り立っています。それに対して今回は、まったくの非営利での自主開催。開催には少なからぬ金額が掛かります。入場料は無料ですので、売上はありません。これをコストではなく投資として昇華できるものにしなければなりません。

古伊万里の変遷と未来 古典からアートへ
磁器作家 藤吉憲典の挑戦

スタートは昨年の春ですが、その後はふだんの仕事をしながら、どう組み立てたらよいかを隙間で考えてきました。気が付けば会期まで2か月弱。やっとこさ中心に据えて取り組みはじめています。初日は1の並びが縁起の良い11月11日。ここに向かって全力投球です。

磁器作家藤吉憲典の挑戦 福岡アジア美術館