郷育カレッジ公開講座-村上祥子先生の「食べることは生きること」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ公開講座-村上祥子先生の「食べることは生きること」。

2026年度郷育カレッジの開講式について書いたのは、つい先日のことでした。今回の公開講座は、料理研究家・管理栄養士・福岡女子大学客員教授の村上祥子さん。「レンチンレシピ」の第一人者として知られています。当日は「食べることは生きること」と題し、講演と実演をしてくださいました。90分の間に料理の実演も含めるということで、村上さんの助手として、カレッジ運営委員から3名がサポートすることに。わたしもその一人として間近でご一緒させていただきました。

さて御年84歳という村上祥子さん、登場から驚かされました。細くて一見華奢なのですが、抱えていらっしゃった道具入れのバッグの重いこと。これを人に任せることなく自分で持ってこられたのね、と、まずびっくり。そして、事前に調理で使う道具の確認と電子レンジの動作をチェックする以外は、まったくリハーサルをなさらなかった豪快さ。我々助手スタッフは、何を作るのかレシピさえも事前に聞かされることなく、ぶっつけ本番で彼女の「○○してください」に速やかに応えていくことを求められました。

約1時間という限られた時間のなかで、彼女がお得意とする電子レンジでの「レンチンレシピ」で作った料理は、カレーライス、ミルクティー、夏ミカンサワー、ポップコーン、チャーハン、温泉卵と、盛りだくさん。舞台上での実演は、テレビ出演をはじめお手のものであられるのだろうとはいえ、すごい手際でした。そして我々助手は、ひたすらに彼女の言っていること、言わんとすることを汲み取って動くのみ(笑)。初めてお会いしたのに、躊躇なく(と感じました)任されてしまうので、助手としてはそれに応えるしかありません。人と一緒に何かをすること、周りを巻き込むことに、慣れていらっしゃる方だと思いました。

まあとにかく、すごいエネルギーでした。料理研究家として長いキャリアをお持ちですが、より本格的に活動すべく西麻布に料理教室を開いた(現在はクローズして福岡に一本化)のは、53歳のときだったとか。そこから数えても30年以上のキャリアを積んでいらっしゃるということです。そうか、わたしもまだまだできることがあるぞ、と、目を開かされました。気さくでチャーミングで強い意志を感じさせる迷いのない振る舞いが、とっても魅力的な村上祥子さん。郷育カレッジの運営委員として、ごく短時間ですが彼女の助手を務めることができたのは、わたしにとって、思いがけずラッキーなことでした。

先週末は開講式でした―2026年度「郷育カレッジ」がスタート。

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先週末は開講式でした―2026年度「郷育カレッジ」がスタート。

福津市民のための生涯学習システム「郷育カレッジ」。2026年度の開講式が無事に開催され、講座がスタートいたします。毎年この日を迎えると、ホッとします。講座が実際にスタートするのは今からなので、今からが本番とも言えますが、半年以上をかけてここに向かってカリキュラムを検討していきますので、ひとつの到達点でもあるのです。ちなみに今年度の講座数は88講座。特集テーマは「自然環境と防災・減災」で、12講座をピックアップしています。

さて開講式。例年、市の中央公民館の大きなホールを使っていましたが、今年からホールが使えなくなりましたので、市の健康福祉総合センターふくとぴあに会場が変更になりました。ホールに比べるとコンパクトなサイズであり、舞台はあるものの低い位置にあってバックヤードは無し。ですが、ご来場くださった皆さんとの距離が近くなって、かえって良かったよね、という結果になりました。

恒例の「公開講座」は、毎年どなたにお願いするか悩みどころです。ここ数年は放送大学に依頼をかけていましたが、今年度はご縁があって、福岡を拠点にご活躍の料理研究家・村上祥子さんが講座を担当してくださいました。ファンの多い方ですので、いろいろと心配事もありましたが、事前申込制(無料)で受付したところ、大きな混乱もなく運営ができました。村上祥子さんの公開講座については、とっても面白い体験となりましたので、また別に記事をアップしますね^^

開講式当日は、朝からの準備、お昼前後でリハーサル、午後の本番と、比較的スムーズに進みました。毎度のことですが、郷育推進課の市職員さんはとてもたいへんだったと思います。お疲れさまでございました。そして、郷育カレッジ運営委員の仲間の皆さん、こちらも毎度のさばけた働き具合で頭が下がります。チームワークの良さで、無事に開講式を終了することができました。

郷育カレッジについてのお問い合わせは、福津市郷育推進課へどうぞ^^

読書「杉村三郎シリーズ」で、実は初めましての宮部みゆき氏著作。

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読書「杉村三郎シリーズ」で、実は初めましての宮部みゆき氏著作。

いつものカメリアステージ図書館から借りてきたのは、宮部みゆき著『ペテロの葬列』文春文庫版の上下巻。わたし史上初の宮部みゆきさんの著作読書となりました。「杉村三郎シリーズ」第三弾!ということでしたが、そもそも初読書なので、そのようなシリーズものがあるとも知らず、なるほど、この物語の「その前の話」があるのね、と。とはいえ、第三弾をいきなり読んでも、おいてけぼり感はまったく感じませんでした。さすがです。

宮部みゆき著=なんだか怖そう、の、わたしの勝手なイメージは、完全に覆されました。なんとなく、怖いストーリーのイメージだったり、時代小説の名手というイメージだったりが勝手に頭のなかで膨らんでいましたが、それらはほんの一部にすぎなかったことが実読で判明しました。多彩なジャンルでたくさんの著作がある作家さんですから、当然ですよね。本書はといえば、犯罪ものですがエンタメ要素を感じるものでした。エンタメと言い切るには、読後はスカッと感だけでなくモヤモヤ感も残りましたが。

バスジャックではじまった物語は、悪徳商法詐欺や企業人向け合宿形式の自己啓発研修など、一筋縄ではいかないどす黒い問題につながっていました。読みながら、そういえばそういうのあったわ~と、一昔前に社会問題化した実際の事件などを思い出しました。こうした犯罪だったり犯罪の一歩手前だったりは、今も形を変えながらずっと続いているのですよね。物語の中でのバスジャック犯の動機と行動が、「その動機に対してその行動でいいのか!?」と微妙にずれている感じがして、違和感がまったく無かったといえばウソになります。が、もしかしたら実際に犯罪を犯してしまう心理状態になったときって、案外そんなものかもしれないな、などとかえって現実的かもと思いつつ。

10年以上前に、ドラマ化もされていた模様。今回、初・宮部みゆき著をライトな感覚で読むことができたので、これから少しづつ広げていきたいと思います。まずは杉村三郎のその後が気になるので、図書館で続編を探します^^

宮部みゆき著『ペテロの葬列』文春文庫

2026年映画7本目は『Michael マイケル』。

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2026年映画7本目は『Michael マイケル』。

映画『マイケル』、公開前から話題になっていましたが、実は「観なくてもいいかな~」と思っていました。世代的には、1980年代洋楽シーンにどっぷり浸かっておりましたので、ドンピシャです。メディアで報じられるマイケル・ジャクソンの栄枯盛衰物語は、放っていても耳に入ってきましたし、彼の作品が素晴らしいのだから、人となりや私生活をわざわざ見る必要は無いという気持ちもありました。

ほんとうは、もっくん(本木雅弘)主演で脇を固めるキャスティングが豪華すぎる『国牢城』を観ようと思っていたのですが、上映時間の長さに迷いが生じ、「今日はとりあえずマイケル」にしたのでした。近所のシネマコンプレックスのなかでも一番広いスクリーン。こんなに広い部屋があったのね、と思いつつ足を踏み入れると、平日昼間にしてはまあまあの数のお客さまです。さすがマイケル。ほぼ皆さん「マイケル世代」とお見受けし、謎の連帯感を感じながら着席しました。上の写真は、チケットもぎりのところで「プレゼントです」と渡された冊子。

マイケルの曲が鳴り響き、映画が始まると、もうそれだけで、我ながらどうしたという感じですが、涙が出てきました。映画のなかで曲が流れるたびに、涙腺が緩みます。ジャクソン5時代のマイケルも、ソロになってからのマイケルも、とにかくその声の美しさに圧倒されました。映画での歌唱シーンは、マイケル本人の声と、演じた役者さんの声とをミックスしているという噂を耳にしましたが、どっちでもいいよね、素晴らしいものは素晴らしい!です。1980年代に入ってからの洋楽シーンは、まさにわたしも一緒にその時代に居たので、マイケルの切り拓いてきた道を眺めながら、感慨深いものがありました。映画中に登場する数々のエピソードのなかでも、当時MTVが黒人アーティストを取り上げることを渋っていたこと、そこにマイケルが風穴を開けたことに、びっくりしました。有名なエピソードだったようですが、知らずにおりました。

1982年はわたしにとって、洋楽にどっぷりはまるスタートの年でした。ラジオから流れるUKチャート、全米チャート、しばらくするとそこに深夜のMTV番組が加わります。UKチャートから洋楽のMVが流れる『ミュージックトマト』、それから少しして『ベストヒットUSA』もスタート。マイケル・ジャクソンはもちろん、マドンナ、プリンス、ブルース・スプリングスティーン、ヴァン・ヘイレン、ジャーニー…数え上げたらきりがありません。UKの「バンドエイド」による『Do They Know It’s Christmas』、それに続く「USA for Africa」による『We Are the World』へと、記憶がつながります。小林克也のいい声と流暢な英語にほれぼれしていたのも、このころ(笑)。

エンディング、1988年のロンドン公演の再現が、とても良かったです。このままもっと、映画館の大音量で、マイケルの曲を聴いていたいと思いました。観に行って、ほんとうに良かったです。同時代を生きて、80年代洋楽の洗礼を受けてきた同輩の方々には、ぜひおススメです。と、わたしが言うまでも無く、皆さん既にご覧になっていると思いますが^^

映画『Michael マイケル』

ソニーミュージックが映画公開に合わせてアップした、マイケル・ジャクソンの特設サイトも良かったです♪

北九州での九響定期演奏会は、ハイドン→ベートーヴェン→ショスタコーヴィチ♪

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北九州での九響定期演奏会は、ハイドン→ベートーヴェン→ショスタコーヴィチ♪

ときどきクラシック。九州交響楽団のコンサート会員になってから、年4~5回程度演奏会に足を運ぶことができています。わたしにとっては貴重なリラックスタイム。九響の定演はアクロス福岡のシンフォニーホールでの開催がメインですが、今回の会場は北九州芸術劇場。そういえば、先月『メアリー・スチュアート』を観に来たのもここでした。

15時開演のコンサートですが、14時半からの「プレトーク」に間に合いました。九響の演奏会では、この「プレトーク」が設定されていることが少なくありません。素人観客であるわたしにとっては、これから行われる演目の背景を垣間見ることができる、ありがたい機会です。10分程度のトークですが、主席指揮者の太田弦さんのお話はいつも、作曲家や曲に対する深い愛情が感じられるもので、拝見していて嬉しくなります。

演奏会では、毎回演目の解説が載った冊子をいただくことができます。そこで基礎知識を読み学ぶこともできますが、そもそも曲名も作曲家名もほとんど知らないわたしには、「先入観の無い状態で演奏を聴くことができる」という利点があるので(笑)、できるだけ開演前には解説を読まないようにしています。そのスタンスから考えると、プレトークは少々先入観を取り入れてしまうものではあるのですが、それはそれということで^^

2曲目、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37」なるものの演奏で、ピアニストの田所光之マルセルさんが登場。今回のわたしの席は3階の最前列でしたので、ピアノ全体を上から見ることができ、鍵盤上の手の動きが目で追える、とっても良い席でした。すごいですね。音を聞くだけでもすごいですが、合わせて手がどんなふうに動いているかが見えて、圧倒されました。そして、鳴りやまない拍手に応えたアンコール曲がまた、凄まじかったです。

北九州芸術劇場は、休憩時間に窓の外の小倉城を高い位置から眺めることができるのが、これまたご褒美的な魅力です。お城の景色を眺めつつ体操して体を伸ばして、後半へ。ショスタコーヴィチは、『グッバイ、レニングラード』を読んで以来、気になっている作曲家さんです。戦時下における芸術家やその作品の政治利用は、音楽だけでなく、演劇、絵画と古今東西でなされてきていますが、それを強く考えさせられた存在です。そんな理由で名前を覚えるというのは、少し悲しいことなのかもしれません。こうして九響の演奏会でたびたび聴く機会に恵まれるのは、社会のなかでの芸術・芸術家の在り方を考えさせられることにもなり、わたしにとってはこれも大切な時間です。もちろん、ホールの席に座って音楽を聴いているときは、あれこれ頭で考えることなく、単純に音楽自体にたいする「すごい!」の畏敬の念のみですが^^

ともあれ今回も大満足の演奏会でした。次の定期演奏会も楽しみです♪

アーツスタッフ養成講座『知的財産講座』で勉強してまいりました。

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アーツスタッフ養成講座『知的財産講座』で勉強してまいりました。

北九州市芸術文化振興財団が主催する「アーツスタッフ養成講座」に参加してまいりました。「文化芸術分野に携わるスタッフの専門性向上と現場対応力の強化を目的として、著作権や商標、契約、AI生成物の取り扱いなど、知的財産管理について実践的な知識を学びます」ということで、嬉々として申し込みいたしました。アート関係者であれば、作る側にとっても使う側にとっても、関心の高いテーマです。主催は北九州市の文化財団でしたので、北九州市内からの応募が優先されるよね、と思っていましたが、無事抽選に通りました。ありがとうございます^^

講師は明倫国際法律事務所の代表弁護士であり弁理士である、田中雅敏先生。もう10年以上も前に、わたしたちが初めて海外進出を考えたときに、当時の「福岡アジアビジネスセンター」で相談に応じてくださっていたのが、田中先生でした。おかげさまで、安心して海外との商談やお取引を進めることができました。その田中先生のお話は、パワーポイント資料87ページにわたるボリューム。毎年のように増えたり変わったりしているという知財関連の法律と解釈、考え方について、実例を交えながらユーモアたっぷりにわかりやすく解説してくださいました。

特に興味深かったのは、AI生成物との関連での権利の考え方でした。法律の制定が追いついていないというか、現実に対して後追い状態のなかで、どのように考えていくべきなのかを、いくつもの例題を出して考えさせ、解説してくださいました。アーティストやその周りの人だけでなく、今や誰もが、侵害する側・される側どちらにもになりうる状況です。実際に田中先生の事務所で担当している係争中の案件のお話を聞くこともできて、とても参考になりました。

前回アーティストマネジメント関連で知財についてまとまった勉強をしたのは、2016年の学芸員研修会でのことでしたので、ちょうど10年前になります。その後、必要に応じて単発的に弁護士相談等を活用して知識を仕入れることはたびたびありましたが、久しぶりにまとまった勉強ができて、良かったです。10年での世の中の変化の大きさと、それに伴う法解釈の変化の大きさを感じる時間となりました。変化のスピードが速いので、毎年でもこのような勉強の機会を持った方が良いかもしれないと思いました。

北九州市芸術文化振興財団は、公益財団法人。公的機関が文化芸術イベントを開催することは、あちらこちらの自治体でなされていることですが、このように人材を育てていこうとする地に足の着いた施策はあまり知りませんでした。素晴らしい取り組みに参加できた感謝を胸に、北九州を後にいたしました。

読書『立ち上がる時(上・下)』(講談社)メリッサ・デ・コスタ著/山本知子訳

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読書『立ち上がる時(上・下)』(講談社)メリッサ・デ・コスタ著/山本知子訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より。なんとなく既視感のある上下巻が並んでいたので、手に取りました。家に帰って本を開いて、既視感の理由が判明。今年のお正月休み中に読んだ『空、はてしない青』の著者でした。出版社も訳者も同じで、表紙の雰囲気も似た感じ。上下巻もの、というのも一緒です。

上下巻ありますので、まあまあなボリュームです。が、ページをめくる手が止まらず、わりと一気に読みました。激しい愛の物語であり、再生(回復)の物語です。主人公は40代の舞台俳優フランソワと、その愛人(のち妻)で20代のエレオノール。俳優として人生の絶頂にいたフランソワが、交通事故により下半身不随となり、それを支えるエレオノールとともに、舞台に戻るまでの物語。と書くと簡単ですが、まあ上下巻のボリュームのなかに、これでもかというほどの波風が立ちます。主人公二人の感情の起伏がジェットコースターのようで、先が気になり続けました。

一気に読んだ=面白かったのですが、読みながらなんだか違和感が付きまとっていました。実は前回『空、はてしない青』を読んでいたときにも同じようなことが気になっていたのですが、そのひとつが、本文中で「ここが大事だよ!」的な部分を太字にしているところ。太字やマーカーが文中にすでに入っているのは、最近の実用書やビジネス書でもよく見かけますが、わたしはあまり好きではなく、小説でこれをされると尚更です。

そしてもうひとつは、著者のあとがきを読んで違和感の理由がわかりました。あまりにも描写がはっきりと限定的であったことです。著者ご本人に言わせると、それは「映画的」に読んで欲しい=読者が画を正しくイメージできるように、ということなのですが、そういう部分はある程度読む側にゆだねて欲しいところだなぁ、と思いました。読み手を書き手の意図(イメージ)そのままに導こうとするスタンスが、ちょっぴり残念でした。そういえば映画でも、最近は「説明しすぎ」と感じるものが少なくありません。小説では特に「行間を読む」も読み手の楽しみだよね、と思いつつ。

って、がっつり楽しく読んだくせに何言っているのか、という感じですが(笑)。著者の思惑通り、映画にした時のイメージがはっきりと浮かびます。映画化されるのかもしれませんね。そのときはぜひ観に行きたいと思います^^

『立ち上がる時(上・下)』(講談社)メリッサ・デ・コスタ著/山本知子訳

読書『吸血鬼』(集英社)遠野 遥著

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読書『吸血鬼』(集英社)遠野 遥著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より、なんとなく手に取った一冊。家に持ち帰ってから表紙をよく見てタイトルが『吸血鬼』であることに気が付き、ホラーものにはあまり興味が無いので、しまった!?と思ったものの、とりあえず読み出しました。結果、まったく「吸血鬼=ヴァンパイア」は関係ありませんでした(笑)

なんとも不思議な設定でした。時代は、記憶に新しい「新型感染症」の時代であり「東京オリンピック」の時代であり、科学技術の進歩具合を見てもまあ現代なのですが、年代表記を「西暦××××年」とするなど、「現代だけど近未来」的な雰囲気。あまり上手な言い方ではありませんが、この「誤魔化し方」とでもいいましょうか、なんとも上手いなぁと感心しました。現代の話じゃありませんよ、の体を装いながら、巧妙に先回りした社会風刺というか社会批判。ありえそうな(あるいはすでに起こっている)問題を、過剰にデフォルメして、笑いを誘いつつ笑えない社会小説でした。

遠野遥さんの著作は初めまして、でした。思ったよりもサクサクと読みおわり。社会に対する鋭い目線を、批判的に丸め込んだような不思議な世界観に興味が沸きました。

追記:今朝(6/13)の西日本新聞の新刊書評コーナーに掲載されていました^^ 曰く「女性圧殺のディストピア小説」。なるほど、こういうのをディストピア小説と呼ぶのですね。

『吸血鬼』(集英社)遠野 遥著

読書『人文知は武器になる』(文春新書)山口周/深井龍之介著

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読書『人文知は武器になる』(文春新書)山口周/深井龍之介著

山口周さんといえば、2017年に刊行された『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』です。「対話型鑑賞」という言葉・概念が美術館を中心に一気に広がったのは、この本の影響が大きかっただろうと思いますし、博物館学芸員による教育普及活動の考え方に大きな影響を与えた1冊だと思います。その後、2019年に開催された「アートフェアアジア福岡」のプレイベントで福岡で、ゲストスピーカーとして登壇された山口周さんのお話を生でお聞きすることができたのは、わたしにとってラッキーなことでした。

その山口周さんのお名前と、「人文知」のキーワードにつられてゲットした1冊。本書『人文知は武器になる』は対談の書籍化です。対談相手でいらっしゃる深井龍之介氏のことを存じ上げなかったのですが、読みながら、とてつもなくすごい方だと思いました。読了後さっそく調べたところ、深井氏が代表を務める株式会社COTENは、なんと福岡市内に本社を置くベンチャーだということがわかり、勝手に嬉しくなりました。

以下、備忘。


  • 前提を疑う力
  • 「無知の知」の「態度」
  • 自分が愚かであり何もわかっていないことを自覚し続けて、認知をアップデートし続ける
  • 人・本・旅
  • 複数の視点を獲得することが人文知
  • 読書や歴史の学びを通して社会を構造的に理解しようという身体感覚
  • 真実は一つではない
  • 企業にとって大切なのは(中略)「何のために存在しているのか」という問いに対するブレない答え
  • 自分のやっていることが歴史的な流れ、大きなコンテキストの中でどういう役割を果たしているのか
  • 現状理解
  • 過去に学ぶ(中略)因果関係の体系的理解
  • 人が本能的に「これをやらずにいられない」「これは意味があるんだ」という動機
  • 求められるのは、目先の利益を上げるスキルではなく、社会を読み解く深い洞察力
  • 私たちが「当たり前」だと思っている規範の多くは、ある特定の時代・特定の生産体制のもとで「都合よく」形成されたものにすぎない
  • 自分自身をメタ認知する(自分の考え方や行動を客観的に認識する)必要
  • 読書って知的行為というよりも、身体行為(なので紙がいい)
  • 文化のベースとなっているのは宗教と歴史
  • デュアルスタンダード
  • 中観
  • 封建的資本主義
  • 利益の追求よりも、本来の事業の目的を優先する
  • 理性を信仰しすぎない意思決定
  • 中長期的な合理性
  • 人文知に投資する

いやぁ、良い本に会いました。深井龍之介氏、今後注目です^^

『人文知は武器になる』(文春新書)山口周/深井龍之介著

読書『AIで集客する仕組み』(技術評論社)住太陽著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『AIで集客する仕組み』(技術評論社)住太陽著

フルタイトルは『AIで集客する仕組み~クリックされない時代に選ばれるAI検索のセオリー⁠~』です。SEOコンサルタント・住太陽(すみ もとはる)さん。九州ECの勉強会で何度かお話を聞いていますので、著書が出たという情報に飛びつきました。その流れで、ご本人登壇の勉強会「AI検索時代に中小企業が勝つ方法~加速するゼロクリック検索を味方につける~」に参加した記事を昨日アップしておりました。順序が逆になりましたが、読書記録。読んで、勉強会参加して、読書記録付けて、で、結果として「予習復習」になりました^^

以下、備忘。


  • 信頼できるウェブページやウェブサイトとは、作者の実体験や人生経験、専門知識や専門技能が投影されており、情報源として参照されたり引用されるもの
  • 検索エンジンがあってもなくても、「実際の人々から信頼されること」は私たちが事業を運営していくにあたって必要なもの
  • 使用するブランド名を少数のわかりやすいものに絞る
  • 社名や屋号を表す「ビジネス名」は、実際に人々に使われている名称を使う
  • ニュースバリュー
  • (AIを使う)広報活動のためのアイデア出し
  • 業界の文脈に合っているか?/自社の理念から逸脱していないか?/お客さまにとって本当に価値があるか?
  • 専門家として大手メディアに寄稿する
  • 専門家として情報を発信することによって、専門家として知られるようになる
  • 実体験、鋭い洞察、深い知見、建設的な提言など、あなただけの独自の意見
  • 一次情報や当事者ならではの視点
  • あなたでなくても答えられる質問に答えるウェブページを作る必要はありません
  • あなたの会社に固有の情報ですから、あなたがきちんと発信しない限り、ウェブ上には出てきません
  • ブログ記事と同じ内容をそれぞれのSNS向けにアレンジして発信する
  • 人は、(中略)企業ではなく人と交流したいもの
  • 「だれに、どんなふうに探されたいか」
  • AIが使用した情報源は(中略)情報源をすべてリストアップし、1つ1つチェック
  • AI回答の情報源となったページに働きかける
  • 普段の取り組みの延長線上にある

『AIで集客する仕組み』(技術評論社)住太陽著より


「普段の取り組みの延長線上にある」というのが、本質だと思いました。これを、どれだけ真摯に着々と続けていけるか、ですね。

『AIで集客する仕組み』(技術評論社)住太陽著