読書『「文」とは何か 新しい日本語文法のはなし』(光文社新書)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『「文」とは何か 新しい日本語文法のはなし』(光文社新書)橋本陽介著

先月参加してきた、カメリアステージ図書館の選書ツアーで選んだ本の一冊。三回目の参加となった今回の選書は、過去二回に比べて、ようやく「自分が読みたい本」よりも「図書館に来る人にお勧めしたい本」を選べるようになったのが、自分のなかで少しは進歩したかな、と思えたのでした。

「はじめに」で「国語の授業はなぜつまらないのか」と問題提起する著者が、「文法はエンタメだ」と書きあげた本書。文法に関する考察は機知に富み面白いながらも、読む側としては普段使わない頭を使い、途中でくじけそうになりながら、やっと読み終えた、というのが正直なところです(笑)

それでも読了後には、「日本語文法」という枠を出て、言語について思いをはせる自分がいました。個人的に特に興味深かったのは、次の三つのポイントです。


  • 知の枠組みはすべて西洋由来
  • 文法とは計算システムである/人間言語の特徴は、無限に「文」を生み出せる点にある
  • 言語は思考を決定しないが表現と解釈を縛る

『「文」とは何か 新しい日本語文法のはなし』(光文社新書)より


英会話を習っていると、「日本語にはうまく訳せない英語」「英語ではぴったりくる単語が無い日本語」に出くわします。そのたびに言語の背景にある文化の違いを思います。しかも不思議なもので、習えば習うほどに「翻訳するのが難しい」ものに出会う頻度が増える印象があります。「言語は思考を決定しないが表現と解釈を縛る」のですね。

日本語文法を解説する手順をとりながら、広く「言語」について考えさせる本でした。書中、いろいろな角度から文法を解いてあり、それぞれの角度(視点)を深めるための「読書案内」がついています。「ことば」に興味のある人、言葉を教えることを仕事にしている方に、ぜひ手に取って欲しい一冊です。

読書『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』(ダイヤモンド社)

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読書『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』(ダイヤモンド社)神田房枝 著

美術鑑賞の効用を説く本がまた一冊登場しました。上の写真は帯で紹介されているコンテンツ。『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)で対話型鑑賞法を説いた山口周さんはじめ、ここ数年美術鑑賞によるトレーニング・研修効果をうたう本が次々と出ていて、アートエデュケーターとしては嬉しい限りです。目についた都度、読むようにしています。

著者によれば、「その効果が科学的に検証されている、絵画観察を用いたトレーニング」について論じているのが、本書『知覚力を磨く』の強み。たしかに自らを省みても「効果があると確信を持ってはいても、それを証明しろと言われると、検証までは出来ていない」のが、鑑賞教育の担い手としての実態です。それだけに、裏付けが語られることに、とても心強さを感じました。

以下、備忘。


  • 思考の前提となる認知、すなわち「知覚(perception)」
  • 「知覚」の幅を広げるというアプローチ
  • 知覚→思考→実行
  • 純粋によく見る
  • 知覚は「コントロール」できない
  • 知覚から「知識」がはじまる
  • 「他者」の知覚を取り入れる(=読書)
  • マインドアイ(見えないものを観る力)
  • 知覚力を奪う「敵」は「認知バイアス」
  • 「具体性に満ちた全体」をとらえる
  • 点と点をつなぐ観察(=関連づけ)
  • 人文科学は、明確な答えが無い問いに対して、自分なりの答えを提案していく学問

『知覚力を磨く 絵画を観察するように世界を見る技法』神田房枝 著より


ところで著者の神田房枝さんの肩書きが「ダヴィンチ研究所ディレクター」。ダヴィンチ研究所なるものがあるのですね。ダヴィンチはアーティストであっただけでなく、他分野を横断した様々な創造・業績を残していますが、そのほとんどが独学であったということを、本書で知りました。

アーティスト以外のアート関係者、教育関係者、企業人にもおススメの一冊です。

文字・活字文化の日。

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文字・活字文化の日。

日めくりを捲るのが毎朝のルーティンです。日めくりは毎年同じものとは限りません。毎日の紙面に書いてある内容もそれぞれで面白いのです。たとえば旧暦での日付、月齢、六曜、日干支、偉人の名言など。今年使っているものは、比較的シンプルな構成です。

さてその日めくり、10月27日のページに「文字・活字の日」「読書週間」とありました。「文字・活字の日」なんていうものがあるのですね。2005年に新たに制定されたということで、読書週間が10月27日からはじまり、その初日が文化・活字の日なのだそうです。

読書週間があるのは知っていましたが、文字・活字の日は知りませんでしたので検索してみたところ、東京都江戸川区立図書館のサイトにわかりやすい解説を見つけました。

江戸川区立図書館 特集!10月27日は、文字・活字文化の日

「文字・活字文化振興法」なる法律に基づいて制定された日ということです。「『文字・活字文化』の振興を図り、知的で心豊かな生活、活力ある社会を実現していくことを目的」とする法律で、その基本理念のひとつが「すべての国民が生涯にわたり等しく文字・活字文化のもたらす恩恵にあずかれる環境を整備する」となっています。素晴らしい!

新聞、書籍、手帳と「紙に文字・活字」の文化をこよなく愛するわたしとしては、心から拍手。もちろん画面上の文字も活字には違いなく、ブログやnoteでの情報発信もまた、今後膨大な活字文化を構成していくものでしょう。「読む」「書く」の楽しみが、ずっと受け継がれていきますように!なんてことをあらためて考えたのでした。

郷育カレッジ「カメリアステージの歴史資料館を見に行こう」

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郷育カレッジ「カメリアステージの歴史資料館を見に行こう」

福津市民と福津で働く人のための生涯学習の仕組み「郷育(ごういく)カレッジ」。地元福津市のカメリアステージ歴史資料館を紹介する講座に参加してまいりました。

福津市に、歴史資料館と図書館を併設したカメリアステージができてから、まるっと三年が過ぎました。個人的にはすっかり生活の一部となっていますが、まだ三年しか経っていないのですね。開館してから何回か、歴史資料館の説明をお聞きする機会がありましたが、今回は郷育カレッジ講座でその機会をつくることができました。

講座を担当してくださったのは、福津市文化財課の専門職員さん。歴史資料館ができるまでの道のりから、展示・保存管理設備の解説、バックヤードツアーに展示解説と、1時間半という短い時間ながら盛りだくさんの充実した講座でした。

博物館資格取得課程に在籍時に学んだ内容を、思い出しました。以下、備忘。


  • 博物館法等の法令指針に従って作られた施設。
  • 表:展示・公開・教育普及/縁の下:収蔵・保存・調査・研究
  • ゾーニング
  • 所有権、所蔵権
  • 「観覧動線」と「文化財(管理・展示準備)動線」
  • バックヤード(荷解きの部屋・学芸員調査室・収蔵庫)。狭くても役割を持った部屋に「分かれている」ことが大切。
  • 展示→モニタリング→修復等→保存→展示

郷育カレッジ「カメリアステージの歴史資料館を見に行こう」より


決して広くはないスペースながらも充実した展示内容に、さらに面白さを裏付けていただいた解説講座でした。何度聞いても楽しいです。ありがとうございました!

読書『暖簾(のれん)』(新潮文庫)

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読書『暖簾(のれん)』(新潮文庫)山崎豊子著

ついに山崎豊子さんに手を伸ばしました。ずっと、いつかは読むのだろうなぁと思いながら図書館の本棚を眺めておりましたが、少し前に松本清張氏の本に手を伸ばしましたので、満を持して(?)山崎豊子さんです。

山崎豊子さんといえば「大長編」のイメージ。『白い巨塔』『大地の子』『沈まぬ太陽』『二つの祖国』…何度もテレビドラマにもなっている原作の宝庫という親しみやすさはありながら、書棚にずらりと並ぶ背表紙を眺めながら、読み終わるのにどれくらい時間がかかるだろう…!?と躊躇があったのも事実です。

本書『暖簾』は、その大長編イメージを裏切る薄い文庫本で、安心して手に取りました。240ページほど。これが処女作だったのですね。大阪を舞台にした商人ものは、時代や環境の違いはあれど、短期間ではあっても大阪で仕事をしていたわたしにとっては、思わずうなずくシーンも少なからず。これはジャンルで言えば経済小説に入るのでしょう。とても面白く読みました。

経済小説と言えば、最近は『半沢直樹』をはじめとした池井戸潤さんもずっと気になっていますが、実は池井戸潤さんの著作にもまったく手を付けていません。『暖簾』が面白かったので、まずは山崎豊子さんの長編、大長編にも取り組もうと思います。池井戸さんにたどり着くには、まだまだ時間がかかりそうです。

読書『THE CURATOR’S HANDBOOK』(フィルムアート社)

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読書『THE CURATOR’S HANDBOOK』(フィルムアート社)エイドリアン・ジョージ著 河野晴子訳

いつかは!と思って読んでいた本が本格的に活躍しそうで、ワクワクしています。『THE CURATOR’S HANDBOOK』を読んだのは、約4年前。当時は、わたしにとって仕事上なじみの深い美術館・博物館・ギャラリーなどの「文化・文化施設が果たす社会的な役割」について考察する手引きとなる本として、読んでいたのでした。

本書の日本語でのサブタイトルが「美術館、ギャラリー、インディペンデント・スペースでの展覧会の作り方」。サブタイトル通り、第1章から第12章まで “How to” の宝庫です。


目次

第1章 始動する:キュレーションの第一歩
第2章 アイデアを実現させる
第3章 プロポーザル、企画の売り込み、プランニング
第4章 予算と資金調達
第5章 契約、交渉、義務、評価
第6章 展覧会の出版物と物品販売
第7章 展覧会をつくる
第8章 オープン前の数週間
第9章 展示作業
第10章 オープン数日前と当日
第11章 プレスオープンと内覧会
第12章 展覧会会期中、そして会期後

『THE CURATOR’S HANDBOOK』(フィルムアート社)より


「展覧会」。花祭窯の場合、それは「陶芸作家・藤吉憲典の個展」です。主催してくださるコマーシャルギャラリーさんがすべてお膳立てしてくださるので、作品と作品リストをお届けすることに注力し、それ以外は全面的にギャラリーさんにお任せするのが常です。

なので、学芸員資格を持っているとはいえ、自分自身が中心となって「展覧会をつくる」ことは、「いつかできたら楽しいだろうな」と思うぐらいで、具体的にイメージしたことがありませんでした。が、ここにきて「展覧会をつくる」計画が浮上。まさに本書が活かされる状況になりそうです。

ギャラリーオーナーの方々には毎回お世話になりっぱなしです。オーナーさんがどれほどのエネルギーを注いで個展を開いてくださっているのか、身をもって理解することのできる機会になりそうです。とはいえ、まだ計画どころか「アイデア」の段階。開催できるのが来年になるのか再来年になるのか、詳細はこれからです。本書を読みなおし、準備するべきことの多さを考えると、ある程度時間がかかる(時間をかける必要もある)こともわかってきました。

一日も早く皆さんに告知ができるよう、頑張ります!

読書『ケインとアベル』(新潮文庫)

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読書『ケインとアベル』(新潮文庫)ジェフリー・アーチャー

巻末の訳者による解説で「小説アメリカ現代史」とありましたが、まさにその通りでした。アメリカのみならず第一次大戦前から現代につながるヨーロッパの情勢も含んだ、近現代史を知るのに、とてもわかりやすい小説でした。

ストーリーの面白さはもちろんで、なかなか読む手を休めることができませんでした。それだけでなく、わたし個人的には、これまでぼんやりと理解していたものが、この本のストーリーを通してよりはっきりしたという、学びの大きい本でもありました。

そのひとつは、第一次大戦・第二次大戦を通じたヨーロッパ諸国とソ連(当時)・アメリカの位置づけ・関係をうかがい知ることができたこと。当時の「新世界」アメリカの存在価値。世界史(近現代史)に出てくるできごとが、実体としてどういうものであったのか、その一端を垣間見ることができたと思いました。

もうひとつは、アメリカ的資本主義の考え方、株式・投資・恐慌というものが、ようやく理解できたように思います。わたしは経済学部出身ですので、その手の話は授業でも何回も学んだはずなのですが、どうにも実感を伴わず、字面上の理解にとどまっていました。でも、本書の中に何度となく出てくる、株式売買のシーンとその背景にあるもの、株価大暴落の前後のストーリーを読むことによって、ようやく腑に落ちたような気がします。

事実だけを並べた教科書よりも、ストーリーに載せた小説で読むほうが理解が進むことを、ここ数年の読書で思います。なるほど「漫画日本史」とか「漫画世界史」とかが売れるわけですね。もちろん小説ですから、それが史実・事実と合っているかどうかは、自分で見極める必要がありますが。

それにしても、あらためて、ジェフリー・アーチャーは政治家としても、実業家としても、栄華を体験している人なのだなぁと、思わず嘆息しました。まだまだ読んでいない本がありますので、これからも楽しみです。

令和2年度郷育カレッジ、スタートしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

令和2年度郷育カレッジスタートしました。

福津市の生涯学習の仕組み「郷育カレッジ」。郷育カレッジとは、「ごういくかれっじ」と読み、福津市民と福津で働く人のための生涯学習の仕組みです。講座の運営をサポートするボランティアスタッフとして、わたしも参加しています。

過去記事:福津市には「郷育カレッジ」があります

郷育カレッジは毎年度7月初旬の開校式を皮切りに講座を運営していますが、今年度はご多分に漏れず7月8月と開校延期・講座中止となっておりました。ようやく9月からコロナ対策を万全に心がけつつスタート。9月以降も、バスに乗っての移動を含む講座など、いくつかは感染防止対策の観点から中止のものがありますが、大切な学びの場が復活して、運営委員の一人として少しホッとしているところです。

今年度の特集講座テーマは「郷育で心も体も健康に」。「情報を集めよう!」「リフレッシュしよう!」「自分自身を知ろう!」「体を動かそう!」の四つの視点から、健康にフォーカスした講座をお勧めしています。特集講座のテーマ決定は約1年前にさかのぼりますが、なんとも今年度にぴったりのテーマでした。

コロナ対策で「密」を避けるため、当初予定していた受講人数を半分以下に絞り込むなど、今年は講座を受講できる人数も限られた中でのスタートとなりました。通常三人掛けの机に一人づつかける、受付に消毒用エタノールを設置する、一講座ごとにすべての机・椅子・出入り口の取っ手などを消毒剤で拭き取るなど、市の郷育推進課職員さんを中心に対策を施しています。

一方で、人数制限のため、せっかくご応募いただいても、抽選で外れて受講できない方が今年は多くいらっしゃる事態となり、心苦しい限りです。この点を踏まえ、来年度は、受講希望の方ができるだけ受講できるよう、人気講座は同じ内容で2回以上の開催をするなどの対策をしようと、今から来年度に向けて話し合いを行っています。

ともあれ、学びの場がオープンしたことは、とても嬉しいことです。令和2年度の講座は、おかげさまで満員御礼の講座が多いようですが、引き続き受講生受付中の講座も、まだいくつかはありそうです。詳しくは、福津市郷育推進課におたずねくださいね。福津市にお住まいの方、または福津市内にお勤めの方でしたら、ご参加可能です。

郷育カレッジに関するお問い合わせは
福津市教育部郷育推進課 電話0940-62-5078 まで。

読書『百万ドルを取り返せ!』(新潮文庫)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『百万ドルを取り返せ!』(新潮文庫)ジェフリー・アーチャー

ジェフリー・アーチャーのデビュー作。詐欺にあった作者の経験を基に書かれたという本ですが、まあなんともゴージャスな場面設定でした。映像化されることを最初から意図していたのではないかと思うほど、ひとつひとつの場面を脳内でつくるのが楽しかったです。

画廊街、ウィンブルドン、カジノ、アスコットの競馬、そしてオクスフォード…。読みながら、カラーでイメージがどんどん膨らみました。わたしは映画もドラマ版もまだ見ていませんが、こういう小説を読むと映像の美しさへの期待感が大きくなります。

わたしが「コン・ゲーム」という言い方を知ったのは、映画「コンフィデンスマンJP」で、つい最近のことでしたが、『百万ドルを取り返せ!』は「コン・ゲーム小説の傑作」という解説が。なるほど昔から使われている言い回しなのですね。

それにしても、これが著者の第一作目というのですから、衝撃的なデビューだったことでしょう。まったく古さを感じずに楽しめました。

読書『FACTFULNESS (ファクトフルネス)』(日経BP社)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』(日経BP社)

ハンス・ロスリング氏とその息子夫妻による本書。日本での出版後、すぐにあちらこちらの書評で取り上げられ、ぜひ読まねば!と思っていたのが、今になりました。

読むのがずいぶん遅くなってしまったなぁと、やや反省していたのですが、初版の発行日を確認したところ2019年1月15日。まだ2年は経っていないのですね。今年1月来のコロナ騒動を経た今読んだのは、わたしにとってベストタイミングだったかもしれません。

イントロダクションに書かれていた「(カー)ナビの情報が間違っていたら、目的地にたどり着けるはずがない」の一文に、この本で伝えたいことの本質を感じました。目指す目的地にたどり着きたいならば、正しい情報を基にしなければなりません。

では、「正しい情報」は、どうしたら手に入るのでしょうね。そして、何をもって「正しい」と言えるのでしょうね。

個人的には前々から、「統計データ」は「ある仮説を裏付けるために算出された数字」であるというイメージを持っています。数字もまた、それだけでは根拠となりえません。よく「『真実』はどこから見るかで変わるけれども、『事実』は変わらない」というような言葉を聞きますが、さて。そのわたし自身の疑問への答えのひとつが「訳者あとがき」にありました。

『FACTFULNESS』の訳者は、関美和氏と上杉周作氏。訳者あとがきで上杉氏が「事実に基づかない「真実」を鵜呑みにしないためには、情報だけでなく、自分自身を批判的に見る力が欠かせません。」と書いていらして、ドキリとしました。いわく「「この情報源を信頼していいのか?」と問う前に、「自分は自分を信頼していいのか?」と問うべきなのです。」と。

今日も報道されるいろいろな数字を前に、思い込みを排除し冷静に判断できる態度を養ってゆかねばと、あらためて考えさせられた一冊でした。