北九州市漫画ミュージアムがすごかった!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

北九州市漫画ミュージアムがすごかった!

ずっと気になりながら行けていない美術館・博物館が、いくつもあります。そのなかのひとつだった北九州漫画ミュージアムに、ようやく足を運ぶことができました。場所はJR小倉駅から徒歩2分。電車で約1時間というすぐ近くにありながら、そして小倉にはたびたび足を運んでいながら、やっと!です。

今では、美術館や博物館で漫画やアニメを題材にした特別展は珍しいことではないどころか稼ぎ頭になっていますし、全国各地に「漫画ミュージアム」が存在しています。この北九市漫画ミュージアムが設立したころにはまだ「漫画を公立の施設で?」という声が、多少あったような気がします。わたしはこれまでに博物館学芸員の研修で、なんどか北九州市漫画ミュージアムの学芸員さんのお話を聞く機会があり、「漫画だから」のご苦労をお聞きしたことがありました。

さて漫画ミュージアム。『「見る!」「読む!」「描く!」の3つのテーマで楽しめる!』ということで、常設エリア入ってすぐに「なぜ、北九州市で漫画ミュージアムなのか」を理解することができる展示がなされていました。上の写真は、入館者を最初に出迎えてくれる、写真撮影OKのメーテル^^ 漫画の仕組み、漫画の歴史、北九州市ゆかりの作家たちに関連する収蔵作品の展示などを観ながら進んでいくと、圧巻の「閲覧ゾーン」が目の前に広がります。

蔵書数7万冊という漫画が棚を埋め尽くし、ゆっくり座って読むことのできるスペースがかなり広く確保してあります。わたしが訪問したのは日曜日でもあり、まあとにかくたくさんの人が黙々と漫画を読んでいました。老若男女問わず、家族連れも多く。一瞬、ネットカフェっぽいと思いましたが、その空間が広々と明るいことが大きな違いでした。大量の漫画ですが、漫画家のお名前五十音順の分類と棚の表示は明確で、試しに何人か思いつく漫画家名で探してみましたが、いずれも難なく見つかりました。

うっかりすると、ここで漫画を読むだけで一日過ごしてしまう、なんてことが容易にイメージできました。危険です(笑)。なので今回は「1冊だけ」と決めて、「一条ゆかり」先生の『有閑倶楽部』を探しました。検索性の高さ、すごいです。ぱっと見つかり、すぐ横に空いていたソファーで読みました。うん、何十年ぶりかで読みましたが、やっぱり面白かったです。こうなると、そういえば…といろいろな漫画のタイトルが思い浮かんで、危険な状態に。さほど漫画に夢中になったわけではない自分でもこうなのですから、マンガ好きの人にはたまらない空間だろうな、と思いました。

常設展の観覧料は大人480円で、当日内ならば何度でも出入りOKという太っ腹。7万冊が読み放題ですから、めちゃめちゃお得です。そして入館時に観察していると、大人も子どもも「年間パス」を持っている人がとても多かったのが、おお~!と思いました。ちなみに年間パスポートは大人で2400円。これは、近所に住んでいたら、年間パスポートを絶対買いますね(笑)。

これまでの人生の中で、一度でも漫画にハマった時期がある方には、ぜひ足を運んでいただきたいミュージアムです。

北九州市漫画ミュージアム

続々・「天氣晩来秋」北京の喜水ギャラリーさんで藤吉憲典個展。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続々・「天氣晩来秋」北京の喜水ギャラリーさんで藤吉憲典個展。

いよいよ明日8月29日(土)初日を迎えます。北京・喜水ギャラリーさんでの、藤吉憲典個展「天氣晩来秋」。喜水のオーナーさんが立て続けに、詩的で素敵な個展告知文章を出してくださるので、ご紹介したくて「続々」のブログアップです。

中国語で書いてくださっていたものを、AI翻訳して、意味が通るようにわたしが手直ししています。


藤吉憲典個展 天氣晩来秋

  • 喜水gallery:北京市朝阳区广渠东路1号创1958园区 3-9F
  • 2026年8月29日(土)-9月2日(水)

藤吉憲典は、創造力の源泉は、日々の暮らしの中で身近に感じる自然の美しさにあると語っています。色を目で見て、形に触れる――そうした五感を通じた体験こそが、ものづくりの原点なのだと。彼は、器を実際に使う日常の中で、器と芸術が持つ意味や力を感じてもらいたいと願っています。その素朴で誠実な思いこそが、彼の作品が国境を越えて人々の心を動かす理由の一つなのかもしれません。

藤吉憲典の制作姿勢には、古来の中国思想にいう「格物」に通じるものがあります。「格物」とは、目の前にある一つひとつのものを深く観察し、考え、その本質を見極めていく姿勢です。一本の線、一つの余白に至るまで、何度も見直し、考える。その積み重ねの先にあるのは、流行に左右されず、時を重ねてもなお美しさを保ち続ける、気品と静けさなのです。

(喜水ギャラリーのインスタグラムより)


「格物」という言葉の意味を知りませんでしたので、調べてみました。いろいろと出てきましたが、雑誌『サライ』のウェブ版に掲載されている記事がわかりやすかったです。ご興味のある方は、ぜひご参照くださいね。その文章を拝読したうえで簡略にまとめると…

儒教の基本文献といわれる四書五経のひとつ『大学』にある「格物致知(かくぶつちち)」に由来します。『大学』に「知を致すは物を格すにあり」とあり、人間本来の知恵、生きる力は、実際に物事にぶつかり体験することによって初めて得られると解釈されています。そして「学び続ける姿勢」と「真理への探究心」この両輪が大切であると説いています。

告知以降、「北京にいる友人に、個展開催を紹介しました」などの嬉しいメッセージもいただいております。ありがとうございます!

続・「天氣晩来秋」北京の喜水ギャラリーさんで藤吉憲典個展。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・「天氣晩来秋」北京の喜水ギャラリーさんで藤吉憲典個展。

8月29日(土)~9月2日(水)開催の、北京・喜水ギャラリーさんでの個展。

喜水のオーナーさんが、個展タイトルの「天氣晩来秋」について、解説をしてくださっていましたので、こちらでもご紹介をいたします。中国語で書いてくださっていたものを、AI翻訳したものです。


前回は、「空山新雨後」と題し、藤吉憲典の陶芸の世界を初めてご紹介しました。そのときの青花染付は、まるで新しい雨に洗われた遠山のように、また赤絵は、雨上がりのやわらかな日差しのように、静けさの中に生き生きとした息吹を感じさせるものでした。

今回は、詩の続きをたどり、「天気晩来秋(天気は晩来、秋となる)」という一節へと進みます。「新雨の後」から「晩来秋」へ――雨上がりの清々しさから、夕暮れとともに静けさが深まっていく情景へと移ろいます。藤吉先生の作品は、まさにこの詩情と見事に響き合っています。

青花の青は、秋の夕暮れにゆっくりと色を深めていく空のようであり、赤絵の赤は、霜を迎えようとする草木の葉の、まだ鮮やかさを残したあたたかな色合いを思わせます。

藤吉先生が描く唐草や流水、祥雲、楼閣などはいずれも古典に由来する意匠ですが、その線は洗練され、色彩は典雅。華やかさや喧騒とは無縁の、静かで落ち着いた趣をたたえています。そこには、古い和陶にも通じる穏やかさとともに、漢詩に宿る抑制の美と悠遠な趣が感じられます。


晩秋の訪れとは、雨が上がり雲が晴れたあとの静けさであり、暑さが和らいだあとの涼やかさであり、また、時を重ねるなかで器物にゆっくりと宿っていく、あたたかな艶でもあります。

藤吉先生の筆先と磁器の上には、数多くの古典的な文様が描かれています。中国に伝わる唐草、流水、祥雲、山水を一筆一筆丁寧に描き込む一方で、日本の市松、青海波、麻の葉、桜なども、互いに競い合うことなく、華美に走ることなく、静かに配されています。

そこには、中国と日本、二つの文化が響き合う独自の世界があります。その出会いは、遠い時代から受け継がれてきた美意識が、今によみがえるような趣を感じさせます。

青花は、夜の景色や遠くに連なる山々。赤絵は、夕日のぬくもりや秋の情景を奏でる色彩。冷たさと温かさ、そのあわいにこそ、東洋の美に通じる慎ましさと静けさが宿っています。

(喜水ギャラリーのインスタグラムより)

※「青花」とは染付(そめつけ)のことで、呉須(ごす)の青色で描かれた文様を指します。


前回の喜水ギャラリーさんでの個展は、ちょうど二年前のやはり8月でしたが、今回の方が少し季節が下っています。漢詩でご紹介いただくと、なんだかとても洗練されたような感じがして、嬉しいですね。

「天氣晩来秋」北京の喜水ギャラリーさんで藤吉憲典個展。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「天氣晩来秋」北京の喜水ギャラリーさんで藤吉憲典個展。

当初2026年春節に予定をしていた北京での個展が、諸事情で延期になっていました。ようやく会期が決定、8月29日(土)初日です。

個展タイトルは「天氣晩来秋」。喜水ギャラリーでの個展は、毎回オーナーがタイトルをつけてくださいます。「天氣晩来秋」は古典漢詩に含まれる一節のようです。雨上がりの夕方に、気がつけば秋の気配がする、というところで、詩全体としては景色の美しさを詠んだもの。

北京喜水ギャラリーで藤吉憲典個展「天気晩来秋」

今、北京では特に赤絵の器が人気だということで、喜水ギャラリーのオーナーさんから、赤絵の器、特に中国茶器をたくさん並べたいとご要望いただいておりました。

北京の喜水ギャラリーさんで藤吉憲典個展

DMができました!と送っていただいたのが、この三枚。

北京の喜水ギャラリーさんで藤吉憲典個展

オーナーさんが喜んでくださったことが、とっても伝わってくる三枚で、こちらも嬉しくなりました。

今回は残念ながら作家在廊がありませんが、北京の皆さんに楽しんでいただけることを願っております♪

福岡市美術館の常設展示室がますますパワーアップ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

福岡市美術館の常設展示室がますますパワーアップ。

このところ年中行事となりつつある、福岡市美術館の常設展詣で。今年も郷育カレッジの美術鑑賞講座が9月に開催されるので、その下見と打ち合わせのために出かけて参りました。打ち合わせは午後からでしたので、その前にじっくり下見です。まずは2階の「コレクションハイライト」の部屋から。

2階の常設展示室は、数年かけて部分的に閉めながら工事をしていましたが、やっとフルオープンになっていました。まずはエントランスからガラッと変わっていてびっくり。一番大きく変更されていた部屋は、壁面・天井・床とすべて変わっていて、まるで特別展のような雰囲気がありました。照明にも専門の展示業者さんが入ったということで、なるほど納得です。

これまでに何度も観たことのある収蔵作品も、展示が変われば見え方も変わります。思わず「ほほぉ~!」と感心しながらの鑑賞となりました。一つ一つの作品が、これまでよりも大切にされている感じが伝わってきました。上の写真は、それを大きく感じたひとつ、ダリの『ポルト・リガトの聖母』です。没入できるような部屋のつくりになっていて、とても贅沢でした。この絵の前で写真を撮る人も多々。そうよね、撮りたくなるよね!と心のなかで声をかけました。

夏休み期間中とあって、子ども向けのワークショップやイベントが工夫されていました。特にいいなぁと思ったのは、展示室のなかで作品に囲まれた状態でワークショップができるスペースを設けてあったこと。展示室とは別のエリアにワークショップ用の部屋を設けてある美術館は多いですし、福岡市美術館にももちろんあります。展示スペースと同じ場所にワークショップコーナーを設けることは、作品保護の観点からも、反対されることが多いだろうとイメージできます。でも、ホンモノの美術作品を見ながら、自分の手からも何かを生み出すことができるのは、とても素晴らしいこと。担当学芸員さんの頑張りがあったことが伺えました。

続いて古美術の1階へ。まず、茶人・松永翁のコレクションは安定の素晴らしさ。8月9日までは仏教美術特集ということで、堪能致しました。企画展示室では「仙厓展」が開催されていました。何度見ても楽しい仙厓さん。今回は「レジェンドコレクターズ」特集ということで、個人蔵の作品がいくつも出ていたのが面白かったです。もう一つの企画展示は「模倣と創造」で、「写し」について深く考えさせられる展示となっていました。学芸員さんの目の付け所に、ニヤリとする感じです。

鑑賞のラストは、毎度おなじみ東光院の仏像の数々のお顔を拝みます。毎度おなじみと言いながら、ここに並んでいる仏像の皆さんはさりげなく入れ替えが行われていますので、前回お会いした方々とは違っている可能性があります。ともあれ、十二神将の方々を一周して眺めると、とっても嬉しくなります。

じっくり鑑賞して1時間ちょっと、というところ。大満足でした。この後、福岡市美術館の教育普及担当学芸員さんと打ち合わせして、ミッションコンプリート。来月の美術鑑賞講座がまたまた楽しみです

読書:図録『眼のごちそう 食器』サントリー美術館 発行

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書:図録『眼のごちそう 食器』サントリー美術館 発行

先日観に行ってまいりました、サントリー美術館での同タイトルの展示会図録です。わたしが展覧会を観た後に図録を購入するのは、まあまあ珍しいことです。図録を買わなくていいぐらいに、現地で実物を納得するまで見る、というのが、ふじゆり流の美術鑑賞。特に出先では、図録は重くて嵩張って持ち運ぶのがたいへんなので、よほどのことが無いと買いません。が、今回は「これは持って帰らねば!」と、現地購入しました。上の写真は、サントリー美術館での展覧会鑑賞前後に気兼ねなくゆっくりできる、お気に入りのスペース。

一番の購入理由は、作品解説をはじめとした巻末の資料が欲しかったから。展覧会会場では、基本的に「キャプションをほとんど読まないで、見るに徹する」のを旨としています。が、今回の展覧会はテーマが「食器」ですから、自分の勉強のために解説資料も読みたいと思いました。実際に自分の目で見てきたインパクトを前提に作品解説を読むことで、さらに理解が深まります。解説を読んでは写真で器の姿を再確認し、そしてまた解説を読み、という繰り返しをするのに、図録はとっても便利です。

さて持ち帰って本書を開いてみると、まず巻頭のサントリー美術館副学芸部長・安河内幸絵氏による「所感 近世の陶磁器の食器」の文章が、簡潔にまとまっていながら、とても興味深くおもしろかったです。ふだん、ややもすると「肥前磁器」の括りのなかだけでものを考えがちになってしまうわたしに、「日本の近世の陶磁器の食器は、もっと多様なのだよ」と諭してくれる内容でした。しばらく仕事机の上に鎮座しそうな一冊です^^

サントリー美術館で開催中の「眼のごちそう 食器」展は、2026年8月30日(日)まで。

気がつけば20年以上-このたび「オンラインショップ」サービスを終了いたしました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

気がつけば20年以上-このたび「オンラインショップ」サービスを終了いたしました。

と、タイトルを書いて、これってまあまあ大きいことというか、節目感のあることかもしれない、と思いました。わたしが今でいう「EC業界」に足を踏み入れたのは、花祭窯をダンナとともにスタートして3年が経った30歳のころ、2000年のことでした。今でこそ、世間ではそのころのことを「EC黎明期」と呼んでいますが、当時はECという言葉もありませんでした。通信環境僻地であった佐賀の山の中でダイヤルアップ接続からスタートし、ISDN、ADSLと変化を経て、Wi-Fiが当たり前の今を考えると、実に隔世の感があります(笑)。

2026年7月、花祭窯蕎麦猪口倶楽部(https://hanamatsurigama.com/)を藤吉憲典公式サイト(https://fujiyoshikensuke.com/)に統合し、オンラインでのカートによるショッピング機能を終了いたしました。これまで長きにわたりオンラインショップ「蕎麦猪口倶楽部」と、その前身である「やきものや ふじゆり」に親しんでくださいました皆さまに、心より感謝申し上げます。ほんとうにありがとうございました。

ここ数年、蕎麦猪口や小皿豆皿の制作が追いつかず「在庫切れ」表示が常態となっていたことを、申し訳なく思っていました。もともと2000年当初から「受注制作」での販売を行っていましたが、ここ数年は、お待たせする期間が半年以上になることも少なからず。個展開催がどうしても限られた場所になってしまうため、全国各地の皆さまにお買い求めいただく機会として、オンラインショップを維持したいと考えていたのですが、機能し難い状態になっておりました。藤吉憲典が作品を「一人で作る」スタイルは、今後も基本的には変わりませんので、制作数(ひいては在庫)を増やすことは難しく、今回の決断に至りました。

幸い、藤吉憲典のお取引先のギャラリーさんでは、オンラインショップも手掛けておられるオーナーさんがいらっしゃいますので、今後はギャラリーさん経由でお求めいただけるようになればと考えております。

百福さんのオンラインショップ

暮らし用品さんのオンラインショップ

もちろん、メールやお電話でのお問い合わせには、花祭窯でも引き続き対応しております。例えば「この写真の器が欲しい」というようなご希望やご質問がありましたら、お気軽にメールでお問い合わせいただければ幸いです。これまでに発表した蕎麦猪口や小皿豆皿のラインアップは、藤吉憲典公式サイトに写真と情報を掲載いたします。現在まだ作品情報を追加している最中(途中)ですが、ご覧いただくことができます。

藤吉憲典公式サイト VESSELS(器)

佐賀の山の中から、いかにして「藤吉憲典の器」の情報を発信するか。なんの後ろ盾も伝手もコネもなく独立したわたしたちにとって、「オンラインショップ」という方法が目の前に現れたのは、ありがたいことでした。器を置いていただきたいギャラリーさんに足を運んで、オーナーさんに作品を見てもらい知ってもらうという、真正面からのアプローチをする側ら、藁にもすがる思いで「インターネット」の可能性に手を伸ばしました。パソコンの向こうから応援してくださる皆さんの存在に、どれだけ励まされ助けられたか、言葉に尽くせない思いがあります。

オンラインでの情報発信とお問い合わせ対応は、引き続きオープンしております。

今後ともご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます!

東京出張のお楽しみ―サントリー美術館『眼のごちそう 食器』展。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

東京出張のお楽しみ―サントリー美術館『眼のごちそう 食器』展

銀座黒田陶苑さんでの個展最終日に顔を出して参りました。藤吉憲典個展、今年も無事会期終了いたしました。ご来場、お買い上げくださいました皆さまに、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。翌日は仕事上顔を出すところがいくつか。そのほか一つ以上は美術展を観たい!というのが、毎回の出張の目的になります。何個か美術展の候補を挙げていましたが、時間的に一つしか行けないな、となると、やはりこれ!でした。

入ってまず最初に出迎えてくれた、黄瀬戸の蓋物向付の揃いに「おおお~!」です。一気に期待が高まりました。そしてそのあとに続く器の充実度合は、その期待をさらに上回るものでした。他所から借りてきていたものももちろんありましたが、サントリーさん、良いものをしっかり揃いでお持ちだなぁ、としみじみ。「食器」という括りでしたので、時代が桃山から江戸後期までと幅広く、さまざまな産地のものがあったのが魅力的でした。同じ器を展示するにも、切り口によって見え方も変わりますね。実際に食事の場面では、磁器も土ものも、いろいろなものを使いますから、今回の展示は、料理人さんの目線にとても近かったのではないかしらと思いました。

今回の展示のなかで個人的に特に目を見張ったものの多くは、景徳鎮と鍋島でした。鍋島、良いのがあるところにはあるんだなぁ…とつくづく。しゃがんで下から(裏から)見たり、背伸びして上から見たり、ケースの周りをぐるぐる回ったり、できる限りの角度から観て参りました。動きが多くて側から観たら少々(かなり?)挙動不審だったかもしれませんが、朝一番の入館でしたので来場者はさほど多くなく、納得いくまで観ることができました。ふと周りを見れば、料理人さんと思しき、一人でお越しの若い男性が何人も目に留まりました。実際に使うことを考えると、手に取って見ることができるギャラリーが勉強になりますが、歴史の流れのなかで器をとらえ基本を学ぶには、美術館が開催してくれるこのような展示機会は、とても貴重です。大満足でした。

東京出張時にサントリー美術館比率が高くなるのは、展示の魅力はもちろんのことですが、加えて立地の良さもあります。わたしが仕事で足を運ぶ範囲で考えたときに、比較的便利な場所にあるので、移動計画が立てやすいのは、大きな利点。今回も、銀座―六本木―大手町-広尾と、うまい具合に動くことができました。

サントリー美術館『眼のごちそう 食器』展

銀座黒田陶苑さんでの個展がスタート!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

銀座黒田陶苑さんでの個展がスタート!

銀座黒田陶苑さんが新ビルになってから2回目の個展です。この、美術館のような黒基調の会場に作品が並ぶと、見え方もまた異なります。作品を美しく見せることを第一に考えて作られた空間で、この空間にいかに応えるかもまた、作り手としての気概をごらんいただくところになるのだと思います。

初日・二日目と作家在廊で、たくさんのお客さまにご挨拶できたと喜んでおりました。暑いなか足を運んでくださいました皆さまに、心よりお礼申し上げます。ご来場、お買い上げくださいました皆さま、誠にありがとうございました。

今回は、久しぶりに「丸皿」をたくさん作っていました。基本的な形・サイズの、もっとも使われるベーシックなお皿。気がつけばここ数年は、形のユニークなものを作ることが増えていましたので、ある意味原点回帰的な顔ぶれが並びました。原点回帰的でありながら、いかに進化するかが、これまた腕の見せ所。長年お世話になっている黒田陶苑のスタッフさんから、個展作品の荷ほどきの段階で「素敵ですね。一段とパワーアップしていて圧倒されます!」とメッセージが入り、とっても嬉しくなりました。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展2026
銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展2026
銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展2026

7月13日(月)は黒田陶苑さんの店休日。7月14日(火)~16日(木)と、後半に続きます。ぜひご来場くださいませ。


藤吉憲典個展

会期:2026年7月11日(土)-7月16日(木)※13日(月)は定休日

時間:午前11時-午後6時30分

場所:銀座黒田陶苑【本店】東京都中央区銀座7-8-17-5F 虎屋銀座ビル5階

TEL:03-3571-3223

お客さまが嬉々として作品を選ぶご様子に、こちらまで嬉しくなる。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

お客さまが嬉々として作品を選ぶご様子に、こちらまで嬉しくなる。

お取引先のギャラリーオーナーさんが、京都から福岡方面への出張ついでに、花祭窯にも立ち寄ってくださいました。ここ津屋崎は、福岡市内博多から車でも公共交通機関でも1時間~1時間半ほど、つまり往復だけでも2~3時間かかります。冷静に考えると、何かのついでに「寄る」には微妙に距離と時間がかかるところです。過密であろう出張スケジュールのなか、「行きます!」と言ってくださるありがたさ。

挨拶もそこそこに「見ていいですか?」と立ち上がり、嬉々として次々と作品を手に取るお姿を拝見すると、ほんとうに好きなんだなぁと思います。実は、花祭窯の工房ギャラリーにお越しになっても、ご覧いただける在庫がほとんどないこともあります。せっかく足を運んでくださっても、こればかりはなんともならず。今回は、まあまあのボリュームをご覧いただくことができましたので、良かったです。こういうのって、タイミングがありますね。

手に取りながら、気になる点や箱についてのご要望などを次々と問いかけてこられるオーナーさんの表情を見ていると、どういうお客さまに向けて、どのような形でご提供するか、頭のなかで明確にイメージができていることが伝わってきます。ロンドンのギャラリーでもそうなのですが、作品を見たときに、ある程度お客さまのお顔がイメージできているというのは、ギャラリーとその先にいらっしゃるお客さまとの信頼関係が垣間見えるところ。選んでいる間ずっと、ほんとうに楽しそうで、やっぱり「好き」の気持ちが一番だと思いました。

これから箱を整えて、準備が出来上がったものからお届けいたします。ほんとうに好きだと思ってくださる人のところに作品を送り出すのは、毎度ワクワクと嬉しい仕事です。そして、藤吉憲典の作品を扱ってくださっているギャラリーオーナーさんたちは、皆さんそういう方々であることが、わたしたちの喜びであり誇りです^^