キンコーズで四苦八苦―「スキャンする」はけっこう難しい仕事だとわかりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

キンコーズで四苦八苦―「スキャンする」はけっこう難しい仕事だとわかりました。

藤吉憲典の書画作品をシルクスクリーン版画にするのに、原画が出来上がったら、それをデータ化する作業があります。昨年秋に初めて制作に取り組んだ時は、原画が大きかったということもあり、最初からプロの「スキャニングやさん」にお願いしたのでした。今回は原画のサイズがすべてA2~A3以内でしたので、キンコーズで可能なサイズということで、自分でできるかなと、いざキンコーズへ。

とはいえ近所にはありませんので、博多へGO。最初にJR博多駅地下のキンコーズに行ったところ、そこにはA3までの機械しかないということで、A2まで可能な筑紫口側にあるお店を教えてもらいました。歩いていける距離に複数のキンコーズがあるなんて素晴らしい♪と思いながら移動。タイミングよくお客さんも少なかったので、店員さんに設定方法を教えてもらいながら、いざトライ。プレビュー画面で確認しながら無事USBメモリに保存完了で、会計に向かうと「画像確認なさいますか?」と店員さんがおっしゃってくださいました。聞けば店内のパソコン利用は、画像確認だけなら無料でできるということでしたので、お借りしてチェックすることに。

大きな画面で見てみると、もしかしたらそうなるかな、と心配していたことがそのまま画像に取り込まれているのが見えてしまいました。もとが和紙に描いた書画なので、水墨の水分を吸った紙が微妙に凸凹になり、影の部分ができてしまうのです。そして、予想以上に影響があったのが、和紙の紙質でした。紙の種類により、表面の微妙なざらつきが、光の跡のように残ってしまいました。裏打ちをしてからスキャンしたら多少はいいのかなぁ、などと思いつつ、現状ではこれがわたしにできる精いっぱい。とりあえず一度データを版画職人さんに見ていただいたうえで、これでは厳しいということならば、プロのスキャニングやさんにお願いするべし!という結論に達しました。前回、スキャニング屋さんにお願いしたときも「和紙に水墨画」という条件は同じでしたが、余分な影を残すことなくきれいなデータに仕上げてくださっていました。やはり違いますね。

それにしても、わたしのスキャンデータの結果はともかく、キンコーズはとっても便利でありがたいサービスです。何かあるごとに使いますが、その頻度はさほど多くはありませんでしたので、今回足を運んでついでに、どんなサービスメニューがあるのか、見て回ってきました。11月の合同商談会の準備に使えそうな項目も多々。いざというときのキンコーズですね。

合同商談会当日まであと約4か月-試行錯誤の出展準備進捗状況。

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合同商談会当日まであと約4か月-試行錯誤の出展準備進捗状況。

ここ最近のブログのタイトルを眺めていたら、我がことながら、インプットに偏っているように見えてきました。単にブログに書きたくなる内容が、そういう性質ものもだということではありますが、一応「アウトプットもしていますよ」のアピールも(笑)。

長年お世話になっている地元信金さんからのお誘いで出展を決めた展示商談会。個展や企画展には慣れていますが、展示ブースを作ってのBtoB商談会というのは、花祭窯にとってはほぼ初めて(正確には二度目、一度目は2013年ジェトロ大阪主催の海外セレクトショップバイヤー向けの小規模のもの)ですので、1月にお話をいただいてから、関連情報を集めてきました。お友だちの「せっちゃん」こと展示会活用アドバイザー・大島節子さんの著書『展示会を活用して新規顧客を獲得する方法』(笑がお書房)が、とても強い味方です。

情報を集めても、良い本があっても、自分たちの現状と出展の目的に合った形で実行に結びつけなければ成果は得られません。というわけで、ここまでの進捗状況と、これからのスケジュールを確認。


完了

  • 目的・ゴール設定
  • 事前商談マッチング申込
  • 事務局への事前連絡事項提出
  • ブースレイアウト決め→備品・電気申込

これから

  • 商談会用パンフレット制作
  • 商談会用名刺制作
  • ブース設置用作品サンプル準備
  • 動画準備
  • パネル準備
  • 直前準備リストの制作

このように書き出すと、項目数としては意外と少ないような気もします。が、ひとつひとつはそれなりに時間のかかる仕事です。特に、作品サンプルの準備は、そのキャプション制作も含めて手間暇がかかります。「まだ時間があると思っていたら、あっという間に当日になりますよ!」を肝に銘じて、早め早めに動いていきたいと思います。

「EC経営者・担当者向け1Dayセミナー」に参加してまいりました―その2。

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「EC経営者・担当者向け1Dayセミナー」に参加してまいりました―その2。

イベントのフルタイトルは

EC経営者・担当者向け1Dayセミナー makeshop day FUKUOKA 8th anniversary by GMO

ECビジネスのサービスを提供するGMOメイクショップ株式会社福岡支社さんのイベントでした。GMOメイクショップさんのユーザーでなくても参加OKということで、申し込みいたしました。登壇企業さんは、登場順に、長崎・波佐見の有限会社マルヒロさん、福岡・八女の株式会社うなぎの寝床さん、Jリーグのアビスパ福岡株式会社さん、福岡ローカルメディアの株式会社KBC UNIEさんの四社。前半2社についてのレポートは「その1」でご覧くださいね。上の写真は、会場となったアクロス福岡の「アクロス山登山」登り口。

以下、備忘。


↓アビスパ福岡株式会社「2,100回の地域イベントで実証!短期施策と長期施策で実現するLTV経営」より

  • LTV経営=Life Time Value経営。
  • 持続可能性。
  • 社会問題が集まるクラブを目指す。
  • ヨーロッパのチームでは、サステナブルな事業にスポンサーがつくのがスタンダード。
  • 日本初の「サステナビリティなパートナーシップ」を掲げるチームになろう!
  • 社会連携活動を仕組み化する。
  • サッカークラブが動くとメディアが動く、を利用する。
  • アビスパを知らない、サッカーに興味ない、人たちへのアプローチ。
  • 「アビスパは、地域(福岡)のために、何かしてくれているのか?」の声。
  • 入り口としての、チーム名を冠したボランティア活動。
  • 地域イベント・社会イベントで「タッチポイント」を増やす→仲間意識の醸成→長期的なファンの育成。
  • コミュニティを支える三要素「地域愛と強いリーダーシップ」「『参加者』から『当事者』へ」「社会性と経済性の両立」。

以上。

EC経営者・担当者向け1Dayセミナー makeshop day FUKUOKA by GMOより


このあとにもう一つ、株式会社KBC UNIE「テレビ・ラジオで取り上げられる裏技露出戦略」のお話がありました。こちらも興味深いものでしたが、なにしろタイトルが「裏技」で「ここだけの話」的な雰囲気がありますので、ブログにアップするのはやめておきます(オープンな講演でお話しなさったことですので、もちろん違法な話とかそういうものではありません(笑)。

アビスパ福岡さんのお話は、事業者としてのみならず、一市民としても、とても興味深いものでした。花祭窯はもともと佐賀でスタートしましたので、サッカーチームといえば「サガン鳥栖」なのですが、アビスパ福岡のホームゲームも、これまでに3回ほど足を運んで観たことがあります。サガン鳥栖もずっと経営難=資金繰りで苦しんできていて(おそらく現在進行形)、そういうものを打開する策の一つとして、市民向けに佐賀県内のあちらこちらで選手が活動しているのを見かけていました。アビスパもまた同じ課題を抱えていたのですね。

ところで、当日は100名を超える参加申し込みがあったということで、会場となったアクロス福岡円形ホールは、たくさんの人が出入りしていました。席が文字通り円形になっているので、どこからでも演者とスクリーンがよく見えて、ストレスなくお話を聞くことができました。アクロスにはよく足を運びながら、円形ホールでのセミナー参加は初めてだったのですが、いいホールですね。

GMOメイクショップ株式会社福岡支社さん、ありがとうございました!

「EC経営者・担当者向け1Dayセミナー」に参加してまいりました―その1。

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「EC経営者・担当者向け1Dayセミナー」に参加してまいりました―その1。

イベントのフルタイトルは

EC経営者・担当者向け1Dayセミナー makeshop day FUKUOKA 8th anniversary by GMO

ということで、ECビジネスのサービスを提供するGMOメイクショップ株式会社福岡支社さんのイベントでした。今回が8回目ということでしたが、わたしはこれまでこのようなイベントがあることを知らず、初参加。というのも、GMOメイクショップさんのサービスを利用していないもので…ですが、顧客でなくても一般参加できるということで、ありがたく参加を申し込みました。

登壇企業さんは、登場順に、長崎・波佐見の有限会社マルヒロさん、福岡・八女の株式会社うなぎの寝床さん、Jリーグのアビスパ福岡株式会社さん、福岡ローカルメディアの株式会社KBC UNIEさんの四社。いずれもテーマが興味深く、お話をお聞きするのを楽しみにしていましたが、期待以上に面白い内容でした。

以下、備忘。


↓有限会社マルヒロ「倒産危機からのV字回復ストーリー」より

  • 江戸時代~:伊万里港から出荷=伊万里焼。明治時代~:有田駅から出荷=有田焼。明治時代に鉄道が敷設されてから、そこから出荷されるものを「有田焼」と呼ぶようになった。
  • 吉兆の産地偽装問題(2007年)の余波→波佐見でつくったものは有田焼を名乗れなくなった→「波佐見焼とはなにか」を歴史から問い直す。
  • 江戸時代の「くらわんか茶碗」=安価な大量生産品・安心して使えるもの・武骨で加飾の少ないもの=「あくまでも雑器」。
  • 有田焼の「薄くて、伝統的な文様」に対して、「厚くて丈夫で、色々なもの」。
  • 有田焼の鍋島藩御用窯に対して、大村藩の藩財政収入、の位置付け→多売で稼ぐもの。
  • 「日常雑器」ではあるけれど、100均よりは高い(マグカップで1500円~)、の位置付け。
  • 買えるもの(価格)、納得して買ってもらえるもの(価格)。
  • コラボ戦略は、生き残り戦略。波佐見焼だからこそできることを考える。やきものに興味のない人たちへのアプローチ。
  • 波佐見に来てもらうための、施設公園オープン。

以上。

↓株式会社うなぎの寝床「年間2万本販売のヒット商品「MONPE」の秘密」より

  • 作っている場所に、売っている場所がない→うなぎの寝床オープン。
  • 久留米絣をいかに売り出すか→入り口としての「もんぺ」。
  • BtoB→仲間を広げる。
  • モンペの型紙を売る→箪笥の肥やしとなっている着物リメイク需要。
  • 機能的要素・文化的要素・視覚的要素。
  • 文化的要素=公共性の高い情報。
  • 商品を売ってもらうために、商品の背景にある文化への理解を促進してもらう取組。

以上。

EC経営者・担当者向け1Dayセミナー makeshop day FUKUOKA by GMOより


マルヒロさんのお話については、V字回復のきっかけとなった中川政七商店さんのお話を6月初めに聞いてきたばかりでしたので、図らずも、コンサルした側・コンサルを受けた側双方のお話を伺うことができたのは、ラッキーでした。また、わたしがこれまで語ってきた「肥前磁器」は、あくまでも有田から見たものであり、波佐見のことをある程度は知っていてもきちんと理解していなかったことに、今更ながら気づかされました。そういう意味でも、貴重でありがたい機会でした。このような機会をEC系の勉強会でいただくとは、思いがけませんでした。

「うなぎの寝床」さんは、たしか2013年ごろだったと思いますが、八女のお店に伺ってお話を聞いたことがありました。経営に携わる方々が強い個性を持ちながら、自分たちの個性を最前面に押し出すことなく、あくまでも地域への還元や伝統文化の公共性を第一に考えていらっしゃっていることが会話の端々から伝わってきて、すごいなぁと思ったことを覚えています。今考えると、訪問したのはうなぎの寝床さんが活動を始めてすぐの頃ですので、それから現在の展開にいたるスピード、すごいですね。これは体験せねばと、会場横にあるうなぎの寝床さんのショップで、MONPE買って帰りました。

思いのほか長文になりましたので、後半2社の続きは「その2」で^^

久しぶりに補助金申請-申請書類を書き上げる過程は、事業を練るのに最適。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

久しぶりに補助金申請-申請書類を書き上げる過程は、事業を練るのに最適。

お世話になっていた商工会の職員さんが春に異動となり、異動のあいさつにお越しになったときに「わたしが異動した後も、商工会、どんどん使ってくださいね!」とあらためておっしゃったので、さっそくお世話になることに。ちょうど、この11月に新しい取り組みの発表機会として「合同商談会」への出展を決めましたので、その準備に補助金申請をかませることにしました。

補助金を申請すること=事業計画を立てることです。これまでにも何回か申請をしてきましたが、花祭窯の場合は毎回、すでに取り組むことを決めている事業に、補助金のタイミングが合えばラッキー♪という感じ。ですので、計画が採択されず補助金が出なくても、計画内容を実施することは変わりません。

さっそく商工会の専門家相談制度を活用しました。これまでにも経営革新計画や事業継続力強化計画の策定で何回もお世話になっている中小企業診断士の先生と、今回の補助金申請で新たに担当してくださる商工会の経営指導員さんのお二人に、事業計画案のダメ出しをお願いしました。

その結果…赤ペン箇所が出てくる出てくる。最初に提出したものは、振り返れば、我ながら突っ込みどころ満載の事業計画書でした。ごめんなさい、「計画を立てるのは、まぁまぁ得意」だと、思いあがっていました。計画を立てるのが好きだということと、得意か(ちゃんと伝わるようにできているか)ということは、全然別ですね。

約2週間の間に商工会に三回足を運び、さらにオンラインでのやり取りでアドバイスをいただいて、ブラッシュアップ。「自分ではわかっているつもり」のことを、他者にもわかるように言語化する過程は、そのまま自分の頭の中を整理整頓する過程となりました。おかげさまで「なぜこの事業をやるのか」をいくつもの視点から言語化することができ、それは「現在の花祭窯の事業の状況」を客観的に見つめ直すことにほかならず、とてもありがたい機会となりました。

そうして状況を整理整頓したうえでも、やはりこの事業は推進すべき、という確信が持てたことが大きかったです。補助金は、締め切りの一日前に無事申請書提出完了。「ここまで詰めた計画で不採択だったら、それは仕方ない」と思えるところまでできました。計画内容を詰めたおかげで、11月までにするべき「いつ、なにを」が具体的に明確になり、とても気持ちの良い状態です。粘り強く対応してくださった中小企業診断士の先生と、経営指導員さんに、心より感謝です。お二方の労力に応えるためにも、がんばります^^

大牟田~柳川-お墓参り、大牟田市動物園、ともだちや絵本美術館、御花、立花家資料館。

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大牟田~柳川-お墓参り、大牟田市動物園、ともだちや絵本美術館、御花、立花家資料館。

ここ数年足を運ぶことができていなかった、ダンナのお父さんのお墓参りに行ってまいりました。梅雨空が続くなか、奇跡的に終日雨が降らず、うっすらと陽射しさえ見えた一日でした。最近の活動を墓前にご報告。「あなたの息子は、かなり頑張っていますよ」と、「おかげさまで、あなたの遺してくれた『書道』が生きていますよ。ここからもっと生きてきますよ」と、「だから、楽しみに見守っててくださいね」を伝えました。ダンナのお父さんは早くに亡くなっているので、実はわたしはお会いしたことがありません。遺してくださったものを通して、存在を実感するばかりです。

墓前への報告が済んだら、恒例の「大牟田市動物園」です。12月のロンドンでのクリスマス・ショウに向けて新作の制作に入るダンナ。リスザル、ゴマフアザラシ、クジャク、カンガルー、キリンなどなど、恒例の楽しみにしていた面々に会えました。現在、大牟田市動物園では整備計画を実施中ということで、工事計画・実施中のエリアには動物がおらず、そこはちょっぴり寂しかったですが、新たに整備が完了するのを楽しみにしたいと思います。

大牟田市動物園のなかには「ともだちや絵本美術館」なる美術館が誕生していました。こちらは初訪問。令和3年10月に、動物園が開園80周年を迎え、そのタイミングでのオープンということです。美術館内の「えほんギャラリー」がちょうど展示入れ替えで見ることができなかったのはとっても残念でしたが、動物関連を中心とした絵本の数々が子どもの目の高さに展示されたホールは、親子連れがゆっくりできる配慮が行き届いていて、とても良かったです。親子連れがゆっくりできる空間は、広い世代に対して優しい空間になりますね。えほんギャラリーは次の機会を楽しみにすることに。

続いては「柳川藩主立花邸御花」へ。「文化財に泊まる」をテーマに2025年1月に新規オープンした宿です。立花家の邸宅としての御花の歴史は、江戸時代1738年にさかのぼり、料亭の御花のはじまりは1925年から。柳川の観光資源としても有名でしたので、佐賀に住んでいた時からずっと知ってはいましたが、柳川はいつも通り過ぎるばかりで、今回が初訪問となりました。素晴らしい宿泊体験となりました。まずはチェックイン後夕方から文化財ツアーがあり、館内を解説付きで案内していただくことができました。所要時間は30分ほどで、簡潔に、立花家と御花の歴史、経緯を知ることができ、わかりやすくてとても良かったです。滞在中の決まった時間内は、宿泊者は自由に文化財である館内を見て回ることができるので、ツアーのあとに、自分のペースであらためて観て回ることができたのが、とても贅沢でした。

今回のツアー、ラストの訪問先は「立花家資料館」。御花の敷地内にあります。実はここの展示内容が、素晴らしく見ごたえがあり、ちょっとびっくりしました。資料で「大名文化」という言い方をしていましたが、まさに、言いえて妙と感じました。今回拝見したなかでは特に、婚礼調度品の素晴らしさに感激し、人形の面白さに脱帽しました。雛人形のお道具の数々に唸り、御所人形、加茂人形の剽軽な佇まいに大騒ぎしてまいりました。小さいものに込められたセンスと技術、最高です。約5千点の収蔵品をお持ちとのことですので、あたりまえですが、展示してあったのはほんの一部であり、ほかにもこのようなお宝があると思うと、ワクワクします。これはときどき観に行かねばなりません。

実はダンナの藤吉家には、その昔「立花家の家臣だった」という言い伝えがあったらしく、嘘か本当かわからないといいつつ、柳川の城下にはたしかに「藤吉」という地名もありますので、なんらかの縁があるのは確かなのかもしれません。上の写真は、柳川城下の古地図に「藤吉」の名前を探すダンナ(笑)。ともあれお義父さんの墓前に近況報告ができてひと安心の、大牟田~柳川ツアーでした。

藤吉憲典の公式サイトリニューアル―英語版と日本語版を分離して、読みやすくなりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉憲典の公式サイトリニューアル―英語版と日本語版を分離して、読みやすくなりました。

2016年に英語版の公式サイトを作っていただいたのをスタートに、福岡で活動するホームページ制作専門のWEBデザイナー原田大輔さんにずっとお世話になっています。最初の打ち合わせの時から、こちらの言葉足らずな説明にもかかわらず、意図をほぼ正確に汲み取ってくださる、稀有で安心できるパートナーさんです。サイト制作を依頼する際に、こちらの意図をスムーズに理解していただけるかどうかは、相性のようなものがあって、世界観をいかに共有するか言語化の難しいところがあると感じていましたので、とてもありがたい出会いでした。

2020年に「日本語・英語併記」の形にしてから、デザインはほとんど変わっていませんが、ほぼ毎年、掲載作品の追加やら略歴の最新版更新やら文言の微修正やらと、プチリニューアルを重ねてきています。今回のリニューアルの主な目的は、毎年のプチリニューアルに加え、併記していた日本語と英語を分けること。昨今、閲覧時にブラウザで自動翻訳が入るようになったため、英語と日本語を併記していると、同じ内容が二重に書かれている状態となって読みにくい、という声をいただくことが度々出てくるようになっていました。また自分自身が他の方のウェブサイトを拝見しているときに、英語と日本語が併記してあると、自分が読むべき場所(=日本語)を追いかけるのが少々面倒に感じると気が付くようになりました。

今回はさらに、ウェブ活用の方向性と具体策について技術的なアドバイスも専門家からちょっぴりいただき、反映させました。お世話になったのは、株式会社ユウキノイン代表取締役の酒匂雄二さん。SEOを活用したウェブブランディングのプロフェッショナルです。わたしがお願いしたのは、「壁打ち」と呼ばれる単発コンサルでしたので、相談に乗ってくださる側としては、「もっと本格的に改善することもできる」という思いもおありだったかもしれません。限られた時間内で最大限に親身にアドバイスくださり、まず今回優先的に取り組むべきことを明らかにすることができました。その第一が、検索の仕組みを考えたときに、日本語と英語を分けたほうがユーザーに伝わりやすい結果につながる、という技術的なアドバイスでした。

考え方の出発点も道筋も異なるにもかかわらず、デザイン目線からも、技術的目線からも、「分ける」という同じ結論にたどり着いたミラクル。というわけで、分けました!

藤吉憲典公式サイト 日本語版 https://fujiyoshikensuke.com/ja/

藤吉憲典公式サイト 英語版 https://fujiyoshikensuke.com/

完成したものを見ての第一声は「スッキリした!」でした。今までは「ビジュアル重視」な印象であったのが、デザインは変えていないのに「読みものも重視」な雰囲気も感じられるようになり、書いてある文章の内容が頭に入ってきやすくなったと思います。自分が事前にイメージしていた以上に、良くなりました。

アート作品も2024年の最新作までアップしています。お時間ありましたら、ぜひご覧くださいませ。そして、もしお気づきのこと(もっとこうしたほうがいいのに、とか)がありましたら、ご意見お聞かせいただけると嬉しいです。来年以降のリニューアル時に、改善の検討項目に入れさせていただきます^^

大阪万博視察・番外編-「竹中大工道具館」に行ってまいりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

大阪万博視察・番外編-「竹中大工道具館」に行ってまいりました。

今回の大阪出張は、万博の視察がメインイベントでした。前日入りでしたので、毎回出張時のミッションにしている、美術館博物館訪問を検討。万博に合わせて、京都・奈良の国立博物館と大阪市美術館では国宝を集めた特別展が開催されている、というのはもちろん知っていたのですが、今回は混雑するところは万博だけで十分…ということで、別の場所を選択。ずっと行きたいと思っていた「竹中大工道具館」に、ついに行ってまいりました。博多から新幹線に乗り、新大阪の一つ手前の新神戸駅で降りて、歩いて3分ほど。駅からすぐ近くの便利な場所です。

竹中大工道具館は、ご存じ関西拠点の大手ゼネコンのひとつ竹中工務店さんが、「大工道具」を民族遺産として収集・保存・研究・展示する目的で、1984年に開館なさったものです。新神戸駅の建物は、2014年に移転したものとのこと。上の写真の見事な門構えに、思わず「おおー!」と声が出ました。当日は霧雨がずっと降っていたのですが、雨の景色を見れてラッキー!とさえ思わせる美しい佇まいでした。中に入れば、見事な建築としつらえと展示の数々に、ワクワクどきどき。ずっと居たくなる空間でした。

竹中大工道具館

展示内容のすごさもさることながら、展示方法の種類・工夫がすごいです。

竹中大工道具館

引き出し式の展示ケースは、わたしのあこがれ。見事でした。

竹中大工道具館

茶室がどのようになっているかを見ることができる、スケルトンの実物大模型。靴を脱いで茶室の中に入ることができるのが嬉しいですね。写真左奥の壁の向こう(裏側)には、ちゃんと水屋もありました。

竹中大工道具館

展示室から外に出ると、小径の奥に休憩室がありました。これまた美しく落ち着く空間で、ゆっくり庭を眺めつつ、一休みすることができました。

お目当てだったミュージアムグッズの「カンナのキーホルダー」は、残念ながら売り切れで、人気が高くて入荷してもすぐ完売してしまうということで、今回は「木槌のストラップ」をゲット。カンナのキーホルダーリベンジも含め、また足を運びたいと思いました。

竹中大工道具館

そして、これは翌日万博会場に行って知ったのですが、大阪万博会場のシンボルである大屋根リングは、実施設計・施工・監理に竹中工務店さんも入っておられたのですね。知らずに竹中大工道具館に行っておりましたが、図らずもグッドタイミングな組み合わせでした。

大阪万博視察・その2-パビリオン訪問、お食事、予約と待ち時間など。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

大阪万博視察・その2-パビリオン訪問、お食事、予約と待ち時間など。

イタリア館を訪問した後は、腑抜けのようになりましたので、あとは同行してくれたお友だちに一任です(笑)。次はお昼過ぎに「日本館」。移動時間を考慮しても少し時間がありましたので、近くにある「コモンズD」館へ。すでに万博に足を運んだお友だちのレポートで、何人もの方がこの「コモンズ」シリーズがかなり楽しいとおっしゃっていたので、実は楽しみにしていたのです。

コモンズDは、25か国が参加。一つ一つのブースは広くはないけれど、それだけに各国が自国の「イチ推し」をアピールしていて、特色がわかりやすく興味深かったです。なかでもわたしが一番「おおー!」と思ったのが、岩塩のパキスタン。床も壁もオブジェも岩塩で出来ている幻想的な空間でした。入り口で迎えてくださった、その国の方であろうスタッフさんに「運んでくるの、たいへんだったんじゃないですか?」と尋ねると、「潮風に乗って、ここまで来ました」とユーモアを交えたお返事。こういうコミュニケーションの楽しさがまた、良かったです。「コモンズD 岩塩」などのキーワードでググると写真がたくさん出てきますので、興味のある方は探してみてくださいね。

さてコモンズDは次の予約時間までに回り切れず、半分以上を見逃したまま日本館へ。予約を入れると、確実に見れるという良さがある反面、時間に縛られるという不自由さもありますね。その日本館は、予約時間に到着してすぐに受付してもらえたものの、そこから館内に入るまでに長蛇の列ができており、30分以上待たされました。予約の上に待たされる…でも日々改善を繰り返しているようで、スタッフの皆さんの心配りが素晴らしかったです。日本館は「循環」をテーマにしたゾーンづくり。「藻のキティちゃん」と「火星の石」が目玉のようでした。キティちゃんはかわいかったけれど、個人的には、意図がよく理解できなかったかな、というところ。訪問前の予習と、訪問後の復習があると、より理解が深まるだろうなと感じました。わたしはといえば、勉強不足でした。

次の予約までに少し時間があるので、その間にお昼ご飯を食べることに。ランチ難民になりたくないと思いつつ、せっかくだから海外のお国柄を感じることができるような食事にありつきたいと思っていたところ、すでに14時近くになっていたからか、比較的すんなりアフリカのレストランに入ることができました。お値段は、もちろん万博価格。イタリアのサンドウィッチ1600円にも驚きましたが、アフリカのランチセットは、お野菜たっぷりの具材がかかったクスクスにハイビスカスのジュースがついて3900円也。美味しかったです&ボリュームたっぷりでお腹いっぱいになりました。わたしたちがレストランに入ったときに、ジャンベを使った太鼓演奏がちょうど始まり、観ることができたのがラッキーでした。飛び入り参加で踊り出す人があり、それがまたとてもかっこよくて、大いに盛り上がりました^^

次に予約で入ったパビリオンは「飯田グループ×大阪公立大学共同出展館」。未来の「ウェルネススマートシティ」をテーマにしていました。が、わたしの興味はといえば、会場中央に据えられた大きなジオラマ。電車も車も動いていて、夜になれば明かりが灯り、楽しかったです。ああいうものは、ずっと観ていて飽きないですね。大好きです。パビリオンが伝えたかったこととはまったく異なる目線だったとは思いますが、楽しみました。そうそう、こちらは予約のおかげで受付がスムーズだったほか、入り口から中に入るのにも、10分も待たされなかったと思います。その10分ほどの間にも、中の様子やパビリオンの概要を説明してくださる方があり、こういうサービスがあると、待ち時間も苦になりませんね。

というわけで、思いのほか長くなってしまいましたので、続きはまた次回。

↓大阪万博視察・その1はこちら↓

大阪万博視察・その1-カラヴァッジョ『キリストの埋葬』を拝んでまいりました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

大阪万博視察・その1-カラヴァッジョ『キリストの埋葬』を拝んでまいりました!

ここひと月ほどの大阪万博関連のニュースを見ていると、開幕前の酷評はいずこへ、というほどに盛り上がっている感じがします。かくいうわたしも、当初気になっていたのは、大阪万博=「カラヴァッジョの絵が来る!」その一点だけでした。友人から「チケットあるけど、行く?」のお誘いをいただいたのは、3月初めのこと。それまでまったく考えてもいなかった「万博視察」が、急に現実味を帯びてきて、即決で「行く」となったのでした。

すぐに日程を決めて、そのあとはパビリオン予約。チケットを持っている友人がすべて手配してくれて、とっても助かりました。「どこ行きたい?」に対して「イタリア館さえ見れたら、あとはどこでもOK」の希望を出していたところ、イタリア館の予約を取ってくれました。現在、イタリア館は人気が高すぎて予約がなかなか取れないようですが、3月初旬時点ではすんなりと予約が取れたようで、ありがたいことでした。

朝9時半からのイタリア館予約に間に合わせるには、オープンする9時にすぐ万博会場入りしていなければならない、ということで、前日から大阪入り。入場ゲート前には2時間前に到着するも、すでに長蛇の列ができていました。それでも広い入場ゲートのおかげで、オープンしてからはスムーズに入ることができ、朝一の誰もいない大屋根リングをゆっくり歩いてイタリア館に向かうことができました。

さてイタリア館。無事予約時間に入場。インストラクションの映像を数分見た後に本会場へと入ると、最初の空間では、1920年に飛行家アルトゥーロ・フェラーリンがローマから東京への初飛行に使用したという飛行機「アルトゥーロ・フェラーリンの飛行機」と、紀元2世紀の大理石彫刻「ファルネーゼ・アトラス」が出迎えてくれます。飛行機は、オリジナルの技術図面に基づいて忠実に再現したものだそうで、つくづくと天井を見上げてしまいました。天文学の巨神アトラス、人間と宇宙の関係を擬人化したアトラスは、今回のイタリア館のシンボル。1800年前にこのような彫刻が作られていたこと、それがここに運ばれてきて、現代のわたしたちが見ることができるということに驚愕します。ぐるりと一周回ってみることができるように展示されているので、あらゆる角度から拝むことができます。

そして次の間に進むと、目指すカラヴァッジョの絵画に会うことができました。バチカンが万博に参加したのは初めてのことだとか。小さく暗い空間に、絵だけがバン!とスポットライトを浴びていて、その圧倒的な存在感に、思わずこみあげてくるものがありました。皆さん遠慮してか、絵からかなり離れていたので前の方ががら空きで、絵の正面真ん前に陣取って至近距離でじっくりと拝見することができました。絵とわたしと、一対一(実際には周りにたくさん人がいましたが)で対峙することができた、素晴らしい時間でした。わたし的にはこの時間だけで充分、大阪万博に足を運んだ意味がありました。

大阪万博カラヴァッジョ

イタリア館、ほかにももちろん見どころの展示やお庭があり、素晴らしかったですが、わたしはもう大満足で、館内を回りつつひたすら絵の余韻に浸っていました。もうひとつ目玉作品とされていた、レオナルド・ダ・ヴィンチの「アトランティック手稿」の素描は、立ち止まらないように流れるよう促されていて、そこはちょっと残念でしたが、仕方がないのでしょうね。胸いっぱいになって館の外に出ると、ピッツァやジェラートのキッチンカー。ジェラートのところには大行列ができていたので、トマトとモッツァレラとバジルソースのサンドウィッチ(1600円也)を購入して、ベンチでかじりながら一休み。

イタリア館のテーマは「芸術は生命を再生する」。ご興味のある方、これから足を運ぶ方は、イタリア館のサイトにある展示内容の解説を読んでから行くと、見え方が一層深まるかもしれません。ちなみにわたしは、まっさらな状態で観に行って、帰ってきてから復習しております^^

イタリア館 – L’ITALIA A EXPO 2025 OSAKA