こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
カメリアステージ歴史資料館で開催中の「令和5年度発掘速報展」を見て参りました。
福津市のカメリアステージは、1階が歴史資料館とカフェ、2階が図書館の文化施設です。1階の歴史資料館には、世界遺産・新原奴山古墳群に関する常設展示室があります。コンパクトながら重要な遺物等を展示するための基準を満たす特別展示室がふたつ、その周りに回廊になっている展示スペース、そして机と椅子が備わり閲覧可能な書籍資料の部屋。そして常設以外に、ときどき企画展・展示解説があります。
毎年恒例となりつつある「発掘速報展」。福津市の文化財課が行っている発掘調査の成果を、展示解説で観ることが出来ます。現在、令和5年度の発掘調査の成果が展示されており、図書館ついでに覗いてきました。今回は遺物の展示はとっても少なくて、正直なところちょっと拍子抜けしてしまいましたが、それでも身近にある古墳群がどのようになっているのか、その一端を覗き見ることができるのは魅力的です。
出土した遺物のなかで「ほお!」と思ったのは、小ぶりの土師器の瓶。完全な形ではありませんでしたが、形状が可愛らしく美しく、いいなぁ、と思いました。そして今回の見どころは、写真資料による石室の様子。大きな板状の石を使った床、壁、天井、棚は、思わず「すごいなぁ」と声が出ます。このような感じの石室には、実際に古墳で何度か入ったことがあるので、写真を見ると、全体のイメージが頭に浮かびます。ここにある古墳もそんな作りなのね、と思うとワクワクし、近い将来、公開されるようなことがあったら、ぜひ行ってみたいな、と思えばさらに嬉しくなります。
報告書によれば、これまで円墳だと思われていたものが、前方後円墳である可能性が出てきたとのこと。調査によって歴史が書き換わる面白さを、ごくごく身近で感じることができる贅沢です。こういうものを見ると、また発掘調査係に登録したいなぁという考えが出てきます。わたしが掘ったことがあるのは、江戸時代の遺構でしたので、そこから歴史を大きく遡る古墳発掘は、憧れなのです。
↓昨年度の企画展の様子はこちら↓