読書『幸福論』(日経BP社)アラン著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『幸福論』(日経BP社)アラン著

年の初めに『読書大全』からリストアップした「読みたい本」のなかから、図書館に蔵書のあるものを、徐々に読みはじめています。リスト中に古典的名著が多いので、蔵書にあるものが多く、気軽に手に取ることができるのは、とても助かります。大学生の時に哲学書はわりと読んだような気がしていたのですが、内容を忘れているうえに、自分が思っているほどには冊数読めていなかったことに気づかされる今日この頃です。

さて、アランの幸福論。読めていなかったものの一つです。裏表紙にある言葉にすっかり参りました。いわく「もう深刻ぶるのはやめて のんきにやろう」。日経BP社版です。もとは日経ビジネスオンラインのウェブ上で、ビジネスパーソン向けに連載されていたものをまとめたものということで、かなり読みやすく意訳されています。幸福論は複数の出版社から出ているので、どれを手に取るかで、印象が変わる可能性大ですね。そのうち他者から出ているものも読んでみたいと思います。ともあれ、この日経BP社版であったのは、わたしにとってはラッキーでした。

読みはじめて半分も行かないうちに「ぜんぶここに書いてあったのね!」と思いました。どうして今までこの本を手に取らなかったのか不思議です。あるいは哲学に興味があった大学生時分は、ある意味「深刻ぶりたい」年頃で、アランには食指が動かなかったのかもしれません。そういえば当時一番はまっていたのは、デカルトの「我思う、ゆえに我在り」でした。

93の考察が載っています。珠玉の言葉が盛沢山で、ここで紹介するよりは、ぜひ本書を読んで欲しいと思います。なかでも、今の自分にとって「!」と刺さったのは、「情念から私たちを解放してくれるのは、思考ではなく行動なのである」。そして、別の本で目にしたことのあった「幸福だから笑うのではない、笑うから幸福なのだ」。ほかにも、このフレーズ聞いたことあるぞ!?というものがたくさんあって、近年出版された書籍のなかにも、アランの『幸福論』のエッセンスがたくさん入っていることに気づきました。影響を受けている著作者がたくさんいるということですね。

図書館で借りて読みましたが、座右にしたいので、購入決定。そのうち時間があれば、別の出版社からの『幸福論』も読んでみたいと思います。それぞれがどんなふうに意訳されているものか、興味深いです。