「丁寧に作られたもの」を手に入れると、丁寧に使おうと意識が働くので、長持ちにつながる。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「丁寧に作られたもの」を手に入れると、丁寧に使おうと意識が働くので、長持ちにつながる。

ありがたいことに、ふだんからダンナ・藤吉憲典の仕事が身近にあるので、身の回りに「丁寧に作られたもの」の気配を常に感じます。丁寧に作られたものは長持ちする、というのは、わたしの勝手な思い込みかもしれませんが、こと自分が使っているものに関しては、真と言えそうです。

その一番の理由は、丁寧に作られたものを使うときは、丁寧に使おうという意識が働くから。「いかに丁寧に作られているか」が伝わってくると、使う側としてもそれに応えようと思うのですね。そういう自分自身の傾向に気づくに至り、省みてモノを供給する側として、そのものの背景にある「丁寧な仕事」のストーリーをきちんと伝えることの大切さを、あらためて考えさせられています。

きっかけのひとつは、100年企業である久留米絣の宮田織物さんから購入した靴下でした。odd socks(オッドソックス)と名付けられた靴下は、通常商品の布地作りに使っていらっしゃる上質の綿の残糸を使用したアップサイクル商品。残糸を廃棄処分することなく活用すること、1枚1枚異なる不揃いの色合いになることに、工業製品的な均一の価値ではなく彩りの価値を見出すこと、同じ地元の企業さんとのコラボレーションで商品化を実現すること。靴下が出来上がるまでの「丁寧な仕事」のストーリーが、しっかりと伝わってきました。

そうして手元に届いた靴下を実際に履いたとき、まずストーリーを裏切らない質感を感じて嬉しくなりました。そしてその靴下の色合いが自分のモノだけだという特別感。洗濯をするときにも、表示を確認するまでもなく洗濯ネットを使って洗おうという気持ちが自然と働きました。大切に扱おうという気持ちは、長持ちにつながります。

「サステナブル」とか「エシカル」とか「SDGs」とか、他所から借りてきたような言葉と概念が流行している昨今ですが、難しいことを言わなくても「丁寧な仕事」を突き詰めていけば、そういうことにつながるのだと思う今日この頃です。