読書『キャクストン私設図書館』(東京創元社)ジョン・コナリー著/田内志文訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『キャクストン私設図書館』(東京創元社)ジョン・コナリー著/田内志文訳

いつものカメリアステージ図書館の新刊棚で見つけた本。タイトルに「図書館」とついているのを見ただけで迷わず手に取り、表紙の雰囲気に惹かれて中身をろくろく確認もせずに借りてきた一冊。こんな選び方が気軽にできるのが、図書館の良いところです。そしてこのような選び方でも、中身を読んで期待を裏切られることの方が少ない今日この頃。今回も大当たりでした。選書を担当する司書さんに感謝です。

さて中身は中編が4篇。表題にもなっている『キャクストン私設図書館』が冒頭に入っていました。ページ数にして70頁と短いながらも、まあ面白くて引き込まれました。古典的名著の登場人物が、実在の人物として目の前に現れたら…考えただけでもドキドキする舞台設定です。続く3つの中編も1日のうちに読破。サスペンスっぽかったり、おどろおどろしかったり、非日常を感じるストーリーながらも、本好きにはなんとなく親しみも感じるもので、不思議な読後感がありました。

上の写真は、前回ロンドンに行ったときにシャーロックホームズミュージアムで手に入れた、シャーロックホームズの名刺。『キャクストン私設図書館』では、シャーロックホームズも現実の世界に現れてきます。

読み終わって解説をみれば、本書は同著者の『失われたものたちの本』なる小説のスピンオフ版であったと判明。これは「元」である本を読みたい!と、さっそくカメリア図書館で蔵書検索をかけたら出てきました。即予約。ほんとうに便利ですね。

著者は1968年アイルランド生まれということで、わたしとほぼ同い年。今回読んだ中編集ではストーリーの舞台に英国が登場し、知った地名がいくつも出てくるのも嬉しく読みました。初めての著者でしたが、今後注目していきたいと思いました。すぐに著者名を忘れてしまうので、「ショーン・コネリーではなく、ジョン・コナリー」と覚えることに。ともあれ、まずは『失われたものたちの本』を楽しみにいたします。