こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『孫正義2.0 新社長学 IoT時代の新リーダーになる7つの心得』(双葉社)嶋聡著
このところの読書がすっかり小説か美術系かと二極化しておりましたので、久しぶりのビジネス書です。ビジネス書という言い方が正しいかというと、それもちょっと違うかもしれません。限られた期間でのお話ではあるものの、伝記的要素も強く感じました。「社長室長」として孫さんの間近で仕事をしてこられた著者の目を通して、孫さんの姿・思想を垣間見ることが出来ます。
孫さんについて書いた本は、たくさん出ていますが、わたし自身は、「本」という形で読むのは、ノンフィクション作家佐野眞一氏が著した『あんぽん 孫正義伝』に次いで2冊目。孫さんのことは好きなので、インタビュー記事などはたびたび読んでいますが、本としてまとまっているものは意外に読んでいませんでした。『あんぽん』もいつ読んだかしらと、自ブログ内検索をかけたところヒットせず、わたしがこの本を読んだのは、ずいぶん前だったようです。ちなみに刊行は2012年となっていましたので、出てすぐに読んでいたのかもしれません。
わたしがこのブログ内で孫さんのことを書いていたのは、1本だけでした。
ともあれ『孫正義2.0』、たまたま手に取りました。最新刊というわけではなく、刊行は2016年。すでに7年近く経っていますので、本書が書かれた時点で予言的に描かれていた諸々のことが、2023年時点の実際はどうなのか、現在に照らしながら読むことが出来ます。ただ、本書が書かれた数年後に世界的な「コロナ禍」という出来事がありましたので、いろいろな前提が変わっているとのは当然のことと含んで読む必要はありますが。
孫さんのこれまで(孫正義1.0)と、これからの孫さん(孫正義2.0)が、著者が見た孫さん自身の行動・言葉とともに描かれています。『あんぽん』が、いわば「孫正義1.0」が誕生した背景にある生育環境を中心に描いたものだったのに対して、こちらは完全に事業家としての孫さんの姿を語っています。双葉社サイトでの紹介に『新時代の「新社長学」を明かす』『IoT時代を生き抜くための、ビジネスマン必読の教科書』とあるのを読むと、やはりジャンルとしてはビジネス書なのでしょう。
ストーリーに孫さんの思考・行動のすごさを感じるのは当然のこととして、発言のなかにたくさんの金言を見つけて嬉しくなりました。孫さんの発言は、常に多数のメディアで取り上げられていますので、聞いたことのある言葉もたくさんありますが、どのような背景があって、どのような場でその発言になったのかを知るとまた面白く、桁外れの人物であることをあらためて思い知らされます。
本書でしつこいほど言われていることで、一番響いたのは、やはり
大風呂敷を広げる。
これに尽きます。
先に書いたように、7年前の本になります。なので、読み終わってまず感じたのは、コロナ禍を経た今、孫さんはどのように考えどんなことに取り組んでいるのだろうか、ということ。最近は、わたしのなかでは「孫さん=ホークスオーナー」という側面が強くなっていましたので、事業家・孫さんの情報にもアンテナを張っていきたいと思いました。