読書:「奥田英朗をより深読みするには」その1。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書:「奥田英朗をより深読みするには」その1。

お友だちから頂いた「奥田英朗をより深読みするには」リスト。

  1. 『最悪』『無理』『邪魔』
  2. 『延長戦に入りました』『泳いで帰れ』『用もないのに』
  3. 『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』『町長選挙』

3冊づつの3ジャンル。この順番で読むと面白みが増すとの教えに従い、その第一弾『最悪』『無理』『邪魔』を読み終わりました。

いずれもひたすら「社会の底辺」と「救いの無さ」が、これでもかと描かれています。そもそも、奥田英朗著作の最初に読んだ『罪の轍』が、わたしが著者追っかけするきっかけとなったのですが、その最初のイメージも「社会の底辺」と「救いの無さ」でした。

そんな二つのキーワードは決して小説上の他人ごとではなく、自分自身の生きている場所が、常に隣り合わせであることを思いながらの読書となりました。特に『最悪』に登場する川崎の町工場の社長が陥る窮地は、零細の自営業者なら容易に実感をもってイメージできるものであり、もし自分がこんなふうに追い詰められたらどのように変貌してしまうだろうかと思うと、かなり怖いものを感じました。

いずれの三冊も、一気読みです。ここから「奥田英朗をより深読みするには」その2、に入ります。