読書『表装…』のタイトルいろいろ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『表装…』のタイトルいろいろ。

額縁の次は掛軸、という話題をアップしたのは、つい数日前のことでした。

新しいことをスタートするときの常として、わたしの行動パターンの第一歩は「本を読む」です。そしてその時に強い味方になってくれるのが、いつものカメリアステージ図書館。ネットで蔵書検索をすれば、市内の二つの図書館の蔵書から候補を上げてくれます。予約を入れて受け取りを最寄りのカメリアステージ図書館に指定すれば、まとめて受け取ることが出来ます。

今回も「表装」「掛軸」のキーワードでヒットした本のなかから、直感で5冊を選択。上の写真の通りの顔ぶれ、『掛軸』『表装生活』『表装ものがたり』『my made 表装』『表装を楽しむ』のタイトルに目を通しました。

なかでも今回、初心者のわたしにとって参考になったのは、次の2冊。

麻殖生素子さんはどうやらこの業界では有名人のようです。『表装生活』でも監修をなさっていました。『表装を楽しむ 掛軸、屏風をつくる』は、非常に実用的な内容で、半分以上のページは自分で表装を制作するための手順書になっていました。自分で手を動かすわけではないわたしとしては、手順をじっくり読みこむことはありませんでしたが、どのような手順を踏んで表装が出来上がるのかをざっくりとでも理解しておくことは、業者さんに相談し発注する際にも、大切なことです。「裂の話」「和紙の話」「取り合わせレッスン」などの項目が、簡潔にわかりやすくまとめられていたのが、ありがたかったです。

対する『表装ものがたり』は、実用書というよりは教養書とでも言いましょうか。著者が「おわりに」に書いておられる「「表装」という美術作品の裏方、名脇役ともいうべき存在を通じて、日本美術の面白さ、奥深さに迫ることを試みたものです」というのが、まさにぴったりくる内容でした。わたしにとっては本書は保存版だと感じましたので、さっそく購入することに。2023年6月初版になっていましたので、このタイミングはまさにわたしのため!?というくらいのめぐり合わせを感じました。濱村繭衣子さんは、日本近世絵画史を専門として京都芸大でも教鞭をとっておられるという方。なるほど「絵画」「美術」という視点でまとめられた表装の物語は、とても親しみを感じるものでした。

初心者にとって、本はいつもその世界への入り口になってくれます。表装の世界もまた奥が深そうで、ますます楽しみになって参りました。