今年も参加して参りました-選書ツアー2023-

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

今年も参加して参りました-選書ツアー2023-

年に一度のお楽しみ。カメリアステージ図書館の「選書ツアー」に、今年も参加して参りました!大学図書館ではずいぶん前から一般的らしいのですが、一般の公的図書館での開催はまだまだ珍しい選書ツアー。「図書館に所蔵して、長く読んで欲しいと思う本を選ぶ!」とっても魅力的なイベントです。もちろん、選んだ本すべてが蔵書となるわけではありませんが、司書さんのチェックを経て、毎年2冊程度は入れていただいています。

選書場所は、昨年に引き続き「丸善 博多店」、JR博多駅直結でアクセス至便です。アクセス至便とは言いつつも、やはり電車で出かけるというのがネックになるのか、あるいは夏休みの平日お昼時というのが厳しいのか、今年も参加者募集には少々苦戦したようです。5名の定員に対して4名の参加者で選書してまいりました。

選書用時に使うISBNコードリーダーの機械がちょっと進化している!などと細かい発見も楽しみつつ、1時間で10冊程度の候補本を選びました。選書ツアーは「自分が読みたい本」以上に「図書館に来る人に読んで欲しい本」を基準に選ぶので、ふだん自分用に本を探すときにはなかなか立ち寄らないようなコーナーもチェックします。これがまた楽しい。本棚や平積みの顔ぶれは、時事を反映していることも多く、ふだんあまり見ない分野の棚を回っていると、心のなかで「へぇ~!」の連続です。

今回参加の4名は、それぞれに得意分野がばらばらだったようで、選書中に同じコーナーで鉢合わせることもなく、1時間が経過。選書を終えた後の皆さんのお顔を拝見すると、満足感の高さを感じました。いろいろな人が選書に参加して、多様な本が選ばれることが、このツアーの一番の良さだと思います。だからこそ、定員割れはとても残念。開催の日にちや時間帯、あるいは告知方法など、工夫をしながら継続して行っていただきたいイベントだと、つくづく思います。

ともあれ個人的には、今年も大満足の選書ツアーでした。本を選ぶのってなんでこんなに楽しいのでしょうね。お世話になったカメリアステージ図書館のスタッフの皆さまに、心より感謝です。ありがとうございました!

読書『表装…』のタイトルいろいろ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『表装…』のタイトルいろいろ。

額縁の次は掛軸、という話題をアップしたのは、つい数日前のことでした。

新しいことをスタートするときの常として、わたしの行動パターンの第一歩は「本を読む」です。そしてその時に強い味方になってくれるのが、いつものカメリアステージ図書館。ネットで蔵書検索をすれば、市内の二つの図書館の蔵書から候補を上げてくれます。予約を入れて受け取りを最寄りのカメリアステージ図書館に指定すれば、まとめて受け取ることが出来ます。

今回も「表装」「掛軸」のキーワードでヒットした本のなかから、直感で5冊を選択。上の写真の通りの顔ぶれ、『掛軸』『表装生活』『表装ものがたり』『my made 表装』『表装を楽しむ』のタイトルに目を通しました。

なかでも今回、初心者のわたしにとって参考になったのは、次の2冊。

麻殖生素子さんはどうやらこの業界では有名人のようです。『表装生活』でも監修をなさっていました。『表装を楽しむ 掛軸、屏風をつくる』は、非常に実用的な内容で、半分以上のページは自分で表装を制作するための手順書になっていました。自分で手を動かすわけではないわたしとしては、手順をじっくり読みこむことはありませんでしたが、どのような手順を踏んで表装が出来上がるのかをざっくりとでも理解しておくことは、業者さんに相談し発注する際にも、大切なことです。「裂の話」「和紙の話」「取り合わせレッスン」などの項目が、簡潔にわかりやすくまとめられていたのが、ありがたかったです。

対する『表装ものがたり』は、実用書というよりは教養書とでも言いましょうか。著者が「おわりに」に書いておられる「「表装」という美術作品の裏方、名脇役ともいうべき存在を通じて、日本美術の面白さ、奥深さに迫ることを試みたものです」というのが、まさにぴったりくる内容でした。わたしにとっては本書は保存版だと感じましたので、さっそく購入することに。2023年6月初版になっていましたので、このタイミングはまさにわたしのため!?というくらいのめぐり合わせを感じました。濱村繭衣子さんは、日本近世絵画史を専門として京都芸大でも教鞭をとっておられるという方。なるほど「絵画」「美術」という視点でまとめられた表装の物語は、とても親しみを感じるものでした。

初心者にとって、本はいつもその世界への入り口になってくれます。表装の世界もまた奥が深そうで、ますます楽しみになって参りました。

福岡市美術館の常設展は、やっぱり見応えがあるのです。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

福岡市美術館の常設展は、やっぱり見応えがあるのです。

9月に郷育カレッジで講師を務める「美術鑑賞講座」の打ち合わせのため、福岡市美術館へ。今年は久しぶりに郷育カレッジでバスが使えるため、現地訪問でホンモノを鑑賞する講座となります。昨年度もお世話になった教育普及担当学芸員さんと、福津市役所郷育推進課の職員さんとで、実際の展示空間の確認も含め、約1時間ほどの打ち合わせとなりました。

打合せでも常設展示室を回りましたが、せっかくここに来たのですから、じっくり見ない手はありません。打合せ終了後にあらためてチケットを購入。福岡市美術館の常設展は「コレクション展」と名付けられています。古美術をメインとした1階の展示室と、近現代作品をメインとした2階の展示室。実は特別展よりも見応えがある!ということもしばしば感じられるほどに、充実したコレクションをお持ちです。

まずは1階へ。「東光院仏教美術室」の十二神将は、常にここで勇ましい姿を見せてくれます。ちょうど8月は、来場者に十二神将カードをプレゼント!という嬉しいキャンペーンを開催していました。上の写真は、いただいたカード。2回入場しましたので、2枚ゲット!わたしの「酉(とり)」と、ダンナの「午(うま)」です。

そして毎回見ごたえのある「松永記念館室」。戦後の電力事業で財を成した松永安左エ門氏のコレクションは、定期的に展示入れ替えがなされていますが、相当数の素晴らしいコレクションなのでしょう、見るたびにうならされます。茶道具を数多くお持ちで、今回は「懐石の器-向付・鉢・酒器」でした。いやまぁみごとな顔ぶれで、ほんとうに欲しくなる器ばかり。

酒器は「預け徳利」と呼ばれるやや大きめの徳利と、組み合わせた盃をてんじしてありました。土ものも磁器もありましたが、いずれもそうそうたる存在感を放っていました。向付も形がばっちり決まったものが揃いであり、欲しくなりました。なかでも一番気に入ったのは、黄瀬戸の鉢。形、色合い、思わず手に取りたくなるような姿でした。松永記念館室の展示は、8月20日までで入れ替えとなりますので、茶懐石の器をご覧になりたい方は、ぜひ早めにお出かけくださいね。

1階を観終わった時点で、かなり満足度マックスでしたが、せっかくですから2階も回ります。こちらは年1回の展示替えで運営されている通年展示です。ちょうど2023年度の展示替えが、6月下旬に行われたばかりでした。福岡市美術館の近現代の所蔵品は、美術好きから高く評価されています。今回目についたものとしては、ポール・デルヴォーの「夜の通り」が新鮮でした。おそらく初めて見たかな、と。

特集コーナーでは「山好きな画家たち」のテーマで展示が組まれていました。この中で目に留まったのは、畦地梅太郎氏の木版画シリーズ。とてもひょうきんな人物描写とポップな色使いが可愛らしく、部屋に飾ったら楽しいだろうな、と思える作品群でした。また九州各地の山を油絵で描いた、田崎広助さんの絵も素敵でした。キャプションを読まずとも「あ、阿蘇山だ!」「あれは桜島?」とわかる姿で、親しみのわく絵画でした。

福岡は、この福岡市美術館と九州国立博物館が、特に常設展の見ごたえがあります。特別展のタイミングで足を運ぶ方の方が多いと思いますが、常設はお得な金額で素晴らしい作品を観ることが出来ますので、実はとってもおススメです。今回も大満足の福岡市美術館訪問でした。

平面作品の楽しみ~次は「掛軸」にしてみようかな、と。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

平面作品の楽しみ~次は「掛軸」にしてみようかな、と。

少し前まで額装額装と騒いでおりました。

藤吉憲典が書画作品を制作するようになって、装飾の楽しみが一つ増えたのが、騒ぐきっかけ。おかげで昨年から今年にかけて、額縁でのサンプルはいくつかできました。サンプルを作ることで、実際に飾った場合のイメージが湧くとともに、お客さまへのご提案もしやすくなりました。もちろんそれを期待しての制作ではありましたが、ビジュアルのインパクトは、期待以上の働きをしてくれることがわかりました。やはりまずは自分が飾ってみることですね。

次はいよいよ「表装して掛軸」にチャレンジすることに。書画を現代の空間に飾ろと思う時に、額装にすることで、洋室・洋の建築へのアプローチが易しくなることは、実際に作ってみて実感いたしました。和洋折衷ではあっても、古臭さを感じさせないアプローチが必要で、「額」によってその懸念をひとっ飛びできる感覚は、とても爽快でした。次のステップとして「掛軸」でそれをすることは、額縁よりも難易度が高いだろうと想像がつきます。

掛軸用の表装の方法はある程度パターンが決まっているようなので、あとは、素材に何をもってくるのか、どんな質感のもの、どんな色の取り合わせにするか、が、腕の見せ所になるでしょう。というわけで、今まさに資料をいろいろと検討しています。額縁の時に感じたのですが、ある程度こちらでイメージを持ったところで、プロに相談に行くべし、なのです。そうでないと、あまりにも組合せの選択肢が多すぎて、溺れてしまいます。

手を動かして「つくる」仕事を専門としないわたしとしては、作品はダンナ、それを取り巻く額縁や軸装はそれぞれの職人さんが手がけるものだとしても、そこに少しでも関われるのは、とても嬉しいこと。実際に額装を何点も手掛けてみて、気がつきました。今回は、初の掛け軸。とてもワクワクしています。

花祭窯の夏の庭。

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花祭窯の夏の庭。

気がついたら八月に入っていました。8月といえばわたしの誕生日。今晩は満月だそうで、なんともめでたい!美味しいケーキを買いに行く予定です。

七月の庭をご紹介しそびれましたので、まとめてご紹介。

オニユリ

我が家の百合のなかで、先頭を切って咲いてくれたのは、オニユリでした。ヤマユリとも呼びますが。佐賀の花祭に居た頃は、山でたくさんの群生を見かけていたものです。雑草っぽい強さと、自己主張の強いオレンジ色に親近感があり、大好きです。

カノコユリ

続いて咲いたのは、カノコユリ。毎年のことではありますが、なんともエレガント。今年もつぼみが二つ付いてくれました。

タカサゴユリ

そして、どんどん増えるタカサゴユリ。一番乗りで咲いた白い花が、写真を撮ろうと思っているうちに散ってしまいましたので、第二弾のつぼみをパチリ。まだまだこれから幾つも花を咲かせてくれそうです。

フウセンカズラ

この夏の大ヒットのひとつ、フウセンカズラ。お茶の先生に譲っていただいた種から、しっかり風船がつきました。風で揺れるのでピントを合わせることが出来ず、ボケボケですが(汗)

フウセンカズラ

こちらはフウセンカズラの可憐な花。まだたくさん咲いていますので、これから風船に育ってくれるのが楽しみです。

フレンチマリーゴールド

昨年から我が家の前の花壇に登場したフレンチマリーゴールド。落ちた種から自然に増えて、今年も明るい気を放ってくれています。

フレンチマリーゴールド

どこまで増えるものやら、とっても楽しみです♪

波折神社で茅の輪くぐり 2023。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

波折神社で茅の輪くぐり 2023。

津屋崎の毎年の恒例行事のひとつ、波折神社で茅の輪くぐり神事が行われました。今年前半の穢れを祓い、無事に感謝します。全国的には6月末に実施する神社が多いと思われますが、ここ波折神社では例年7月末に行われています。18時からの神事が終わるのを境内で待ち、参加者皆が神職さんのうしろに続いてぞろぞろと、鳥居に付けられた茅の輪をくぐります。

18時を回ると、ちらほらと境内に人が集まって参りました。知った顔を見つけては、あちらこちらで井戸端会議がはじまります。我が藤吉ファミリーも、今年は全員そろって参加。昨年一昨年と、茅の輪くぐりは「密を避けて」、時間をずらして随時行われていましたので、一斉に大勢でぞろぞろと歩くのは数年ぶり。神社の外の道路にまで伸びた行列を見て、そういえばこんな風だったよなぁ、と感慨深いものがありました。

鳥居=茅の輪に向かって、左回り→右回りの順に歩き終わったら、神社にもお参りをしておしまい。社務所で記念の紅白まんじゅうをいただき、茅の輪の茅を何本か頂いて帰ります。以前は、大きな茅の輪から抜き取るようになっていたのですが、持ち帰り用にわきに準備してありました。これはグッドアイデア。茅は繊維が強いので、抜き取る際に手を切ってしまうこともありますから。その茅で、玄関に飾る「ミニ茅の輪」を作ります。上の写真は、我が家の茅の輪制作担当・ダンナがこれから作ろうとしているところ。

今年も無事、茅の輪をくぐり、玄関に飾ることが出来ました!