読書『犬は「びよ」と鳴いていた』(光文社未来ライブラリー)山口仲美著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『犬は「びよ」と鳴いていた 日本語は擬音語・擬態語が面白い』(光文社未来ライブラリー)山口仲美著

サブタイトルにある「日本語は擬音語・擬態語が面白い」そのままの内容です。文学博士・日本語学者であり、日本語の「名脇役」の歴史と謎を研究する第一人者である著者の、光文社新書のロングセラーの文庫化版。このようなマニアックな本がロングセラーになり文庫化されることが、個人的にはとても嬉しいです。そして遡っては、このような本を新書として発刊してくれた光文社新書の編集者の方々の意欲に脱帽します。本書のエピローグで、新書の発刊と文庫化への経緯が書かれていますので、興味のある方は、ぜひ。

英語の3倍から5倍以上もあるといわれる、日本語の擬音語擬態語。わたしたちはふだん当然のように会話で使っていて、当然のようにお互いに意味を理解しています(と思っています)が、日本語が母国語ではない方々にとっては、とても理解しにくく困るものだということで、日本語の大きな特色であるということが、あらためてわかりました。

それにしても、面白いです。時代時代によって音の表現がことなることや、その変化のなかにも変わらないものや、規則性が見つけられること。読むほどに「なるほどなぁ」と納得したり、「そんなことが!」と驚いたり。文字・言葉を仕事にする人たちの、擬音語擬態語に向き合う態度の違いにも、面白さを感じます。これでもかというように例示と検証が登場してきます。言葉や文字を生業にする方には、ぜひ読んで欲しい一冊です。

顧みて自分自身がこのブログひとつとっても、「書く」作業のなかで、擬音語・擬態語をどのように位置づけていたかしらと、省みる機会にもなりました。一時期、できるだけ使わないようにと意識していたこともありましたが、ここ数年はまったく意識していませんでした。放っておくと、ふだんの会話では「擬音語擬態語」をかなり多用しているわたし。本書を読んで、さて今後のブログではこの魅力的な日本語表現をどのように扱っていこうかと考え中です。

『犬は「びよ」と鳴いていた 日本語は擬音語・擬態語が面白い』(光文社未来ライブラリー)山口仲美著