アーティストも、経済活動をしている一事業者なので、活用できる施策がいろいろある。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アーティストも、経済活動をしている一事業者なので、活用できる施策がいろいろある。

福岡商工会議所さんのイベント「クリエイターマッチング」に参加してきたのは、ちょうど1週間前のことでした。

福岡市が『Fukuoka Art Next』として令和4年以降「暮らしの中で身近にアートに触れる機会を増やし、アーティストの成長支援に取り組む」と宣言したことは、福岡県全体に波及しているようです。今回のイベント開催もその流れのひとつであり、来場者の皆さまのなかには、マッチング先を探す事業者の方だけでなく、行政関係の方も少なくなかったように思います。

「花祭窯さんですね!」とさわやかに声をかけてくださったのは、福岡県商工部の新事業支援課の職員さん。新事業支援課は経営革新計画の審査をする部署です。この職員さんとは「初めまして」でしたが、「花祭窯さんの経営革新計画の審査、わたしがやらせてもらいました!」ということで、ご挨拶に続いていろいろとお話をすることが出来ました。

この「経営革新計画の策定」をはじめ、行政関連サービスを相当に使い倒している自負のあるわたくし。特に海外進出に関しては、ジェトロ、中小機構、福岡アジアビジネスセンターなど、国・県・市の単位を問わず「ヘルプ!」を申し立てて、さまざまな施策で助けていただいています。それらの根っことなるのが、地元の商工会。そもそも最初の経営革新計画は、13年ほど前に佐賀県で「江北町商工会」にお世話になって取得したのでした。ここ福岡に移ってからは、福津市商工会をメインに福岡商工会議所にもお世話になっています。

経営革新計画は、それ自体は策定したから何かご褒美をもらえるというものではありません。あくまでも自身のため。ただここ数年は、経営革新計画を策定していることを評価しての、補助金などの施策が少しづつ具体的に活用できるようになってきています。福岡県にもその制度がありますし、花祭窯のある福津市でも、昨年度から経営革新計画に基づいた事業計画への補助金制度がはじまりました。このように、各自治体でさまざまな施策がある可能性が高いので、調べてみる価値はあると思います。

聞けば、先般のクリエイターマッチングに参加していた50の事業者のなかで、経営革新計画の策定を行っているのは、おそらく花祭窯だけだろうというお話。法人化している事業者さんも少なくないなか、非常にもったいないことだと思いました。福岡県の職員さんによると、デザイン・アート業界では、このような制度があること自体知らない方が多いのではないかと。たしかにそうかも知れません。

実は、わたしが行政のサービスを積極的に活用し始めた10数年前は、アート系の事業に関しては「専門外だから」と言われることも少なくありませんでした。ですが、上に書いた福岡市の例のように、現在はもっと経済活動とアート業界が一般的に近づいてきていますので、さまざまな施策についても活用しやすい環境になってきていると思います。ビジネスのプロによる専門家相談や補助金活用などは、わかりやすく活用しやすい施策の代表。花祭窯の事業についても、この1年だけみても相当お世話になっています。クリエイティブを自任する皆さんにも、ぜひ上手に使って欲しいと思うので、こうしてときどきブログでも告知というか、自分がどう使ったかを書いています。

たまに、ではありますが、ふじゆりスタイルの記事を見て、「どうしたらいいか、わからなかったこと」の手掛かりを求めて問合せをしてくるアーティストさんがいらっしゃいます。つい先日は、北海道からお問い合せをいただきました。わたしの知っていることは、どんどん情報公開してまいります。趣味のアーティストではなく、生活の糧を稼ぐアーティストの皆さん、ぜひ事業者として情報を集め活用しましょう。