こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
続・読書『店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる―倉本長治の商人学』(プレジデント社)笹井清範 著
本書のブログ記事を上げたのはほんの3日前でしたが、
この週末に2周目を読みました。先のブログでは総論的な感想を書いたので、今回は、個人的に刺さった文言をピックアップ。
- 「真」「善」「美」
- 世に認められるには他者とのネットワークをしっかり築いて良い関係を育んでおくこと
- 「いや、30年と30秒だ」(ピカソ)/積み重ねた修練の価値
- 失敗は成功の素に、間違いは成長の糧になる
- 「物売っている 自分売っている」(「物買ってくる 自分買ってくる」河井寛次郎)
- 「恕(じょ)」(孔子)
- 常に変わり続ける決意
- 常にお客様の利益を守りつつ、かつ己の利益も外さない値決め
- そのために私たちはもっと儲けなければなりません。(中略)商人が責任を負う未来のための資源なのです。
- 目的を実現するために利益が必要なだけ
- 一つ一つの商品に実印を捺すような商売
- お客様自身はまだ気づいていないけれど、心から望んでいるに違いないとあなたが確信する品
- 「この商品をあのお客さまに出会わせたい」
- 「君子九思」(李氏篇)
- 変わらぬ真実を軸に変わり続けなければなりません。
- お茶室は四畳半 だからいつも行き届く
- 店の語源は「見世」 自分の世界観を見せる場所
- 制作において観る者を意識し、喜ばせようとする(村上隆)
- (お客様の)顕在化していない思考・意思
- どうやって真実を上手に伝えるか
- 1)あなたがやれること/2)あなたがやりたいこと/3)あなたがやるべきこと
- 物を費やして消す「消費者」/物を活かして生きようとする「生活者」
- やれることのレベルを上げつつ、やるべきことに意識を集中
- まず社会に利する
- 最上のサービスとは高価なもの
- 価値を誰よりも理解してこそ、その価値を伝え続けようとする覚悟が生まれます。
- 儲からなければ、託された役割を果たすことが出来ない「見たままを写実的に描いたものは絵ではない。筆意を加えたものが絵である」(歌川広重)
『店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる―倉本長治の商人学』(プレジデント社)笹井清範 著より
ピカソの逸話に見られる「積み重ねた修練の価値」を価格とする考え方は、そのままアーティスト・藤吉憲典の仕事における値付けにあてはまるものですし、「一つ一つの商品に実印を捺すような商売」というのは、すべての作品に「名」を入れる作家としては、すでに行っていることです。こうしてピックアップすると、いくつもアート関連の人物の名前が出てきているのが面白いですね。文章のピックアップはしていませんが、ゴッホに関する記述も出てきましたので、ゴッホの絵の写真を入れてみました。
そういえば、アーティストも経済活動をしているのだという記事を書いたのも、つい先日のことでした。
そう考えると尚のこと、本書は、アーティストの皆さんにもおススメできる本だと思います。