こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『シリコンバレーのエンジニアはWeb3の未来に何を見るのか』(SB Creative)中島聡著
この手の技術系(と見える)本をわたしが手に取るときは、具体的に知りたいこと、知っておくべきだろうなと思うことがあるとき。そうでないと、そもそもがどちらかといえば苦手な分野なので、読んでも上滑りしてしまう恐れが大きいからです。
本書を読みながらまず思ったのは、著者が読者に向かって、とても平易に理解できるように書こうとしてくださっていることでした。エンジニアでもプログラマーでもなく、さして興味さえない読者(わたし)にも読めるように、わかりやすい言葉を使い、わかりやすい例を出し、大切なことは繰り返し語り、「ここだけは知っておいて欲しい」という点を強調してくださっています。おかげさまで、苦手分野にも関わらず、週末一気に読むことが出来ました。
そもそもわたしがこの本に辿り着いたのは「NFTアート」のことを知識として知っておきたいと思ったからでした。「NFTアート」のキーワードで「Web3」のキーワードに辿り着いた次第です。少し前(だいぶ前?)によく使われていた言葉「Web2.0」と、どう異なるのか、なぜ3.0ではなく3なのか、このあたりも本書でわかりやすく書かれています。Web1.0からWeb2.0への変遷の話や、著者がマイクロソフト社で取り組んでいた開発の話などは、わたし自身同時期からパソコン・インターネットに触れていた一利用者として、興味深く楽しく読みました。
本書を読んだことで、NFTアートのこと自体というよりは、その技術やサービスを支えているのがどのようなものなのか、を、なんとなく理解することが出来ました。「ブロックチェーン技術」やら「仮想通貨」やら、わたしにとって、これまで言葉だけが視界に入るところで飛び交っていた状態だったのが、少し実態を伴ってきたという感じです。
NFTアート周りの本はこれからもう何冊か読んでみる予定にしていますが、一番最初に読んだのが本書でほんとうによかった!と思える本でした。著者のエンジニアとしての矜持や信念がバンバン伝わってきました。2023年1月初版第1刷で、約1年前の本です。変化・進化の激しい分野ですので、「今」の時点では環境や意識がずいぶん変わっていることは、想像に難くありません。が、Web3というものを素人がどう見たらよいのか、基本的に大切なこと、維持すべき姿勢は、この本を読んで理解できたことのなかにあるのではないかと思います。