続・まるっと一日、福岡市美術館デー:美術館使い倒しのススメ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・まるっと一日、福岡市美術館デー:美術館使い倒しのススメ。

開催中の「キース・へリング展」を見て参りました、と書いたのは昨日のことでした。

「クールシェアスポット」という言葉がだんだんと広まってきましたね。環境省のサイトによると、「公園や図書館などの公共施設を利用することで涼をシェアする、など1人あたりのエアコン使用を見直すことがクールシェアの考え方」だそうです。ということは、美術館・博物館も、そのシェアスポットとして最適な空間ですね。クールシェアを意図したわけではありませんが、わたしの「まるっと一日、福岡市美術館デー」は、まさに酷暑のこの夏にぴったりの行動だったのかもしれません。

福岡市美術館は9時半開館。福津市にある花祭窯を朝8時過ぎに出て、電車とバスを乗り継ぎ、9時半過ぎに美術館に到着しました。博多駅からは、地下鉄または西鉄バスを使うことになります。わかりやすいのは地下鉄です。地下鉄大濠公園駅で降りたら、大濠公園内を歩いて15分ほど。お堀の周りをぐるりと約半周で、気候が良いときは最高のお散歩コースです。博多からバスを使う場合は、福岡市美術館への最寄りバス停は、路線により「福岡市美術館東口」「赤坂三丁目」「福岡城・NHK放送センター入り口」と三つあります。初めはややこしく感じるかもしれませんが、慣れるととても使い勝手が良く、バス停から美術館への距離も徒歩3~5分なので、できるだけ歩きたくない場合は、バスがおススメです。

到着したらまずは、特別展のキース・へリング展へ。人気の高い特別展も、平日の朝一番に入ると比較的混みあわず、見やすいことが多いです。キース・へリング展も、人が増えてくる前に、三往復することが出来ました。特別展を出たら、所蔵品を展示する常設展示室、まずは2階にある近現代美術の「コレクションハイライト」へ。6月に展示替えが行われたということで、前回観たときとはまた少し顔ぶれが変わっていました。美術館というと特別展が注目されやすいですが、常設展示も見どころがたくさんありますので、見逃せません。

ここまで見終わったら時計はもうすぐで12時というところ。混みだす前に、お昼ご飯にすることに。福岡市美術館のなかには、レストランとカフェが入っています。今回はゆっくりしっかりご飯を食べたかったので、レストランへ。ニューオータニ博多が運営するレストランは、お値段もそれなりですが、まずその場所が美術館内で最も眺望の良い場所にあり、贅沢な気分を味わうことが出来ます。緑豊かな景色を眺めながらいただくランチは、とっても美味しかったです。ここは予約もできますので、特に週末など混みあいそうなときは、あらかじめ予約をしておくと安心ですね。

ゆっくり時間をかけてお昼を頂いたあとは、1階にある古美術の常設展示室へ。「松永記念館室」では「表具のキホン」のタイトルで書画の名品を観て学び、企画展示室では「田中丸コレクション 華やかなる九州の桃山茶陶」のタイトルで、土ものの名品を拝むことが出来ました。松永記念館室も、企画展示室も、定期的に入れ替えがあるので、訪れるたびに見応えがあります。東光院仏教美術室ではいつもの「阿吽」を見上げ、十二神将像を愛で、こちらも大満足。

そのあとは二階にある「美術情報コーナー」で書籍や雑誌を物色。気になる記事を読み、調べることが出来ました。このような図書や資料のコーナーの規模や使いやすさで言うと、同じく福岡市が運営する福岡アジア美術館の充実ぶりに俄然軍配が上がりますが、いずれにしても、「美術館で図書サービス」は活用したいおススメサービスです。

最後は、ミュージアムショップへ。何かを買いたいというわけではありませんが、どのようなものが並んでいるのかを見るだけで、美術を取り巻く世の中の動きが見えたり、その美術館が持っている特徴や「押し」が見えてきたりするのは、面白いことです。美術関連の本が並んでいるのも楽しいですね。わたしが出かけた当日は、海外からのお客さまが多くミュージアムショップにもおられたので、その方々がどのようなグッズに興味を示すのかが伝わってきて、なるほどと思いました。

さて美術館を満喫して気がつけば、時刻はもうすぐ16時というところでした。ほんとうに一日よく遊びました(笑)。