読書『約束』(早川書房)デイモン・ガルガット著/宇佐川晶子訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『約束』(早川書房)デイモン・ガルガット著/宇佐川晶子訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚。洋書で目に留まるものの多くが「早川書房」から出ているということに、なんとなく気が付いてはいたのですが、これもそんな一冊でした。

舞台は南アフリカ。この地のこともまた、わたしは「南ア=アパルトヘイト」的な世界史の記号として覚えているだけで、まったくわかっておりませんでした。アパルトヘイト以前から、以後の、移り行く時代を生きたある家族の物語。宗教、制度、戦争…価値観が大きく変わるなかでの生きづらさが、閉塞感を感じさせる一冊でした。

主人公の小さな女の子が少女となり、大人になり、その過程で彼女を取り巻く環境は大きく変わり、それでも彼女の持つ信念の1点はまったく揺るがず、最後には希望とも言い切れないような希望が灯って終わります。彼女がこだわり続けたものは、いったい何を象徴するものだったのか、わたしにはまだ理解しきれていないという思いが残る読書でした。

『約束』(早川書房)デイモン・ガルガット著/宇佐川晶子訳

それにしても早川書房さん、今年に入って読んだ本で、このブログで紹介したものだけでも、かなり濃い顔ぶれです。ありがたいことです。

↓こちらは洋書ではありませんが、洋書的雰囲気満載の一冊でした↓

↓わたしのフランス文学のイメージを変えた一冊↓

↓古典ミステリーの新版もありました↓

↓離婚した元夫婦の関係性が面白く描かれた名作↓

↓現代イタリアが舞台ながら普遍的なストーリーが心に刺さりました↓