お客さまの熱意に、まだまだ「知ってもらうための努力」が足りないことを知る。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

お客さまの熱意に、まだまだ「知ってもらうための努力」が足りないことを知る。

先日、少し遠方から新幹線で津屋崎の花祭窯までいらっしゃった、はじめましてのお客さまがありました。『美の壺』で藤吉憲典のことを初めて知り、その後、ネットの情報やギャラリーの情報を調べたとおっしゃって、足を運んでくださいました。開口一番「『美の壺』を見てびっくりした。こんなにすごいものを作る人がいるなんて。どうして自分は今まで藤吉さんの存在を知らなかったんだろう!?」と。

聞けば熱心な陶芸コレクターさんで、自分の気に入ったものはとことん集めるとのこと。コレクションには有名作家さんのお名前が並んでおりましたが、藤吉の作品を気に入ったとおっしゃるあたり、どうやら有名無名で判断しているのではなさそうです。藤吉憲典の公式サイトで過去作品もかなり熱心にご覧になっていて、たくさん情報を集めておいででした。

このお客さまをはじめ、やはりコレクターとなられる方は、懇意にしておられるギャラリーからの情報をメインに作家・作品を探しておられることを、あらためて感じました。つまり、オフラインであり、ギャラリーオーナーとの信頼関係による情報が一番というところ。藤吉作品を扱うロンドンのSladmoreギャラリーのお客さまも、やはりそうなので、これは日本に限ったことではありません。

そう考えると、今回は『美の壺』というテレビ番組がギャラリー的な役割を果たしてくれた、ということ。そこからはご自身でインターネット上の藤吉憲典に関する情報を拾い集めてくださった、という順番で、花祭窯へのご来店につながっています。「藤吉憲典という作家のこと、作品のことを知りたい」と思っていただければ、そのための情報は公式サイトやSNSを通して発信していますので、辿り着いていただくことが出来ます。その前、一番最初のきっかけのところを、じゅうぶんに提供できていないのですね。

お客さまの「どうして自分は今まで藤吉さんの存在を知らなかったんだろう!?」の言葉を思い返すほどに、「ギャラリー」や「美の壺」にあたる部分をもっと強化することが、良い作品を待ち望んでいらっしゃる方々に喜んでいただけることにつながると確信。常々頭にあることではありますが、まだまだ「知ってもらうための努力」が足りませんでした。「こんな作品を探していたんだ!」とおっしゃってくださるお客さまの前に、きちんと情報を提供できるようにすることが大切であり、長期的な課題なのだということを、あらためて考えています。