今年の茶道南方流「初伝披露懐石茶会」は2月開催でした―料理係2年目。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

今年の茶道南方流「初伝披露懐石茶会」は2月開催でした―料理係2年目。

毎年春の一大行事である茶道南方流の「初伝披露懐石茶会」。南方流の茶会は年に5回行われますが、なかでも一番エネルギーが必要なのが、この懐石茶会だと感じています。いつもは3月開催の懐石が、今年は2月で、ときおり雪の舞うなかでのお茶会となりました。

お炭手前からはじまり、お料理の給仕、濃茶点前、薄茶点前まで。一席で二時(ふたとき)=約4時間かかり、このようにフルコースでのお茶席を行っている流派は、最近はあまり無いと聞いています。南方流に入門しているからこそ体験できる、貴重な学びの機会です。

さて不肖ワタクシ、昨年から料理係を仰せつかり、あたふたしながらも先生・先輩方のご指導により、今年も務めさせていただきました。懐石料理の献立は昔から決められたものがあり、この献立を継承していくのも、入門者の大切な勤めのひとつです。下の写真はその献立。昨年撮ったものです…今年は気持ちに余裕が無く、写真が1枚もありません。

お懐石

前日の準備からお茶会は始まります。が、実はその前から着々と先生方が準備を進めてきてくださっていて、わたしたちはその最終段階をお手伝いさせていただいているに過ぎないと気が付いたのは、自分が懐石で亭主を務めてからようやくのことでした。

前日の準備では、お漬物を切ったり、含め煮用のシイタケに切り込みを入れたり、蒲鉾を刻んだり、葉蘭をとってきたり、手が足りなさそうなところを見つけては、駆け寄って行ってお手伝い。当日はお料理の盛付のお手伝いやら、飯器とご飯の管理やら、洗い物やら…「目の回るような忙しさ」という言葉が頭に浮かびました。

そんななかでも、にこやかに皆さんとコミュニケーションをとりながらの仕事は、とても楽しく、とにかく学ぶことが多いのです。2日間を終えて帰途に就くときには疲労感のなかに爽快感があり、ちょっぴりハイな状態でした(笑)。

ただ今回は、個人的にお茶席での反省がものすごく大きかったです。初めて立礼席に入ることになり、しかも末客にご指名いただきました。立礼席でのお茶会も初めてなら、末客の経験も少なく、自分にその役が回ってくると思っていませんでした。結論から言えば、末客の務めをきちんと果たすことが出来ず、グダグダ。そして「立礼が初めて」とか「末客の経験が少ない」というのは、言い訳に過ぎないと、自分自身が一番わかっているだけに、同じ席の皆さまに申し訳ありませんでした。やさしくその場で指導してくださった先生には心より感謝です。

立礼だろうとなんだろうと、ふだんのお稽古の時から、末客のする仕事を進んでお稽古したり、お茶会のときに末客の方がどのようにふるまっておられるかを観察したりしていたら、ここまでひどいことにはならなかっただろうな、と。「見ている」つもりでも、自分にその役が回ってきた時にそれが所作として再現できなければ、ダメですね。日ごろの姿勢が見えてしまいました。

そんなわけで、自分のことにいっぱいいっぱいで、今回初めて懐石茶会に参加したという方に質問されたときに、ちゃんとしたお返事を返すことが出来ず、申し訳ない気持ちでした。わたし自身が初めて参加したときには、まったく何もわからない状況のなか、皆さんがいろいろ教えてくださったからこそ、安心して席に入ることが出来たのです。自分がしていただいたことを、あとから入った方にちゃんとお伝えすることが出来なくて、自らの未熟さを痛感するお席となりました。