新しい本棚がやってきた!-大川家具ドットコムさんにお世話になりました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

新しい本棚がやってきた!-大川家具ドットコムさんにお世話になりました。

本棚を新調するのは久しぶりです。花祭窯の蔵書には大きくて重たい本が多いので、「高さの調整が出来て頑丈な本棚」が必要です。本棚の整理をするたびに「この重さに耐えるのはたいへんだよなぁ」と。そんな負荷に耐えてきた本棚のひとつ、ダンナが学生時代からずっと使っていたものが、ついに限界を迎えたので、新しい本棚を迎え入れることになりました。

花祭窯の家具といえば、蕎麦猪口棚をフルオーダーで制作していただいたのをはじめ、そのお仕事ぶりに絶大な信頼を寄せる、大川家具ドットコムさん

今回の本棚は、オーダー品ではなくカタログに載っているもの。サイズを図って注文したのであたりまえといえば当たり前ですが、ピッタリとスペースに収まりました。業者さんがきちんと設置までしてくださったので、到着後すぐに本を入れはじめることが出来ました。このエリアを主に使うのはダンナなので、この本棚の整理整頓はダンナの仕事。

↓2時間ほど経過したら、この通り、かなり片付きました。左側はもともとある本棚。

本棚

昨年は、ダンナの仕事に貴重な大型版の資料が、思いがけずいろいろなところから届いたので、これらをフル活用できるようにしたいという思いもありました。本棚の整理は、頭の整理につながりますね。既存資料の再確認にもなって、新しい仕事に取り組むのに、心持ちをリセットする良い機会になったようです。

だいぶ日が長くなってきました♪

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

だいぶ日が長くなってきました♪

先週がとても寒かったので、寒気の緩んだ今週は、気持ちも穏やかになります。天気の変化が激しいと強風の日も多くなりますが、週間天気予報に晴れマークが増えてくると、やはり嬉しいです。というわけで、久しぶりに海辺を散歩。

少し前までは、夕方5時を回るともう日が暮れかかり、すぐに暗くなるので散歩に出るタイミングを逸したりもしていました。昨日は夕方5時から出て1時間近く歩いてもまだ明るかったので、日が長くなってきたんだなぁと、しみじみ。宮地浜には海に沈む夕陽を見に来ている人たちがたくさんいましたので、日の入りの時間を見てみたら午後6時ごろになっていました。

満月で潮の満ち引きが大きいときに、引いたタイミングで海に出ると、こんな感じです。下の写真は、もうすぐお日さまが沈んできて赤く染まる、その前。右端に見える影は、水産高校の建物なのですが、その後ろにお日さまが沈もうとしているところです。

西の空、海の上に向けてカメラを構えている人たちを横目に、気持ちも晴れやかになるお散歩でした。風も無く暖かかったのが良かったです。まだ2月ですから、寒さに油断はできませんが、これからお散歩日和な日が少しづつ増えてくると思うと、楽しみです^^

読書『地面師たち』(集英社文庫)新庄耕著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『地面師たち』(集英社文庫)新庄耕著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚から文庫を発見。昨年Netflixで配信されて大きな話題となっていた『地面師たち』。我が家は配信サービスに加入しておりませんので観ていないのですが、出演者の豪華な(というか癖のある)顔ぶれが気になっていましたし、ストーリーの元となっている事件は、当時新聞を読んで「あの積水さんが」と衝撃だったのでした。というわけで迷わず手に取り。

実は本書を読む前に、やはりカメリアステージ図書館新刊棚で、本書のスピンオフ版『地面師たち アノニマス』(集英社文庫)を見つけて、こちらを先に読んでいました。地面師たちが地面師たちになる前の物語の短編集。その巻末に、Netflixで「後藤」を演じたピエール瀧と新庄耕氏による対談が収録されていて、それがまた面白かったです。

さて本書。「地面師」という存在と、そのやり方に驚きつつ、こんな世界があるのね、と読みました。淡々と読んできた後に、思いがけないラストが用意してあって、ちょっとびっくり。現実の詐欺事件を報道で知ったときに「こんなに頭の回転がいいのだったら、犯罪ではない方面で生かしてもちゃんとお金が稼げるだろうに」と思うことがよくありますが、なぜ「良い方向」に行けないのか、の理由が小説の登場人物たちの背景から見えてくるような気がしました。

読み終わってから、あらためてドラマ版での配役を確認。なるほどあの役をこの人が演じたのね、とイメージが膨らんで面白かったです。配信サービスを利用していないから観ることが出来ないというのは残念でしたが、本書のあとがきで、なぜこの作品が地上波のテレビドラマや映画にならなかったのかの理由も書いてあったので、なるほどと理解(笑)。でも、これだけのヒットになったのですから、映画化の話があらためて出てくるかもしれませんね。

ところで気になっていたとはいえ、わざわざ探してまではいなかった一冊が、簡単に目に付き手に届く場所においてあるというのは、「読もう!」を後押ししてくれるとっても素敵な仕掛けですね。おかげで『地面師たち』を読めました。カメリアステージ図書館新刊棚、秀逸です^^

日本フィル in Kyushu 2025北九州公演を聴きに行って参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

日本フィル in Kyushu 2025北九州公演を聴きに行って参りました。

今年は日本フィルハーモニー交響楽団の、九州公演50回の記念年なのだそうです。福岡県では、福岡市のアクロス福岡シンフォニーホールと、北九州市の北九州ソレイユホールの二か所で公演があるので、どちらに行こうかなと思案した結果、まだ足を運んだことのなかった北九州ソレイユホールのチケットを取りました。

当日は祝日で、1週間ほど続いた寒気がやっと緩んで穏やかな晴れのお天気。JR西小倉駅から歩いて15分ほどの道なりには、小倉城、図書館、文学館、松本清張記念館、広々とした勝山公園と続きます。なるほどこの辺りは小倉の文教エリアなのだなぁと、嬉しくなりながらお散歩の先に、北九州ソレイユホールが現れました。

14時からの開演に先立ち、ロビーにはウェルカムコンサートの音が聞こえて華やかな雰囲気。席に着くときにはすでに贅沢な気持ちになっていました。そして、コンサート。もうね、ほんとうに素晴らしかったです。1曲目のエルガー「威風堂々」第一番作品39は、いつかは生で聴きたいとずっと思っていたもので、最初から泣かされました。2曲目のショパンは、ピアニスト仲道郁代さん。これまた感動的でした。そして最後は組曲「展覧会の絵」。第1曲から第10曲まであるのですね。これをすべて聴くことが出来たというのが嬉しかったですし、演奏の迫力あること、圧倒されました。

パンフレットの曲目解説で、「威風堂々」や「展覧会の絵」について、少し背景を知ることが出来たのも良かったです。

日本フィル in Kyushu 2025北九州公演

終演後外に出たら、まだ明るく暖かくて、ゆっくり帰路を歩きながら余韻をかみしめることが出来て、最高に贅沢な一日となりました。

1月の九響のニューイヤーコンサートといい、大満足の公演が続いています。次がまた楽しみです^^

読書『降りていこう』(作品社)ジェスミン・ウォード著/石川由美子訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『降りていこう』(作品社)ジェスミン・ウォード著/石川由美子訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚。こちらも「初めまして」の作家さん(たぶん)。作品社さんという出版社も、初めましての出版社さんだと思います。すべての読書記録をブログにつけているわけではないので、定かではありませんが。1979年創立で「硬派であるが人文・日本文学・海外文学・芸術・随筆など幅広いジャンルで独創的出版物を刊行」(作品社公式サイトより)ということです。その通り、読み応えのある一冊でした。

奴隷制度をテーマにした本といえば、わたしは真っ先に思い浮かぶのが『ルーツ』、そして『風と共に去りぬ』です。『ルーツ』はテレビドラマで広まったのが先で、当時わたしはまだ小学生。「人種差別」や「奴隷制度」の存在を認識した、一番最初のものだったと思います。『風と共に去りぬ』は、直接的に奴隷制度をテーマにしたものではありませんが、主人公が奴隷ではない人種・階層のため、そうした立場に都合よく描かれているという議論もあると言われていて、そうした議論も含めて奴隷制度が大きな主題のひとつになっていると、わたしは感じています。

さて本書『降りていこう』。作品社公式サイトの紹介文を借りれば「奴隷の境遇に生まれた少女は、祖母から、そして母から伝えられた知識と勇気を胸に、自由を目指す」物語です。この一文だけを読めば、冒険物語のような雰囲気も感じられますが、実際にはそのようなものではありません。「奴隷として生まれる」残酷な運命を背負ったら、そこから真の意味で自由を目指す=逃げ出すことはできない現実が押し寄せてきます。

「あんたの武器はあんた」という母の言葉を信じ、「でもその武器は何の役にも立たない」と絶望させられるいくつもの場面があり、それでも「あたしの武器はあたし自身」と自らに言い聞かせるようにして生きていく主人公の姿は、単純には言葉に形容できない強さを感じさせるものでした。

訳者のあとがきは、読後に読むことによって、本書の背景を理解するのに役に立ちました。また巻末に、アメリカ文学研究者である青木耕平氏による「附録解説」が別添されていて、こちらも奴隷制度の歴史を知る手助けになります。この附録解説は作品社公式サイト内にもPDFでファイル添付されているので、本書を手に取る前に読むことも可能です。

『降りていこう』(作品社)ジェスミン・ウォード著/石川由美子訳

読書『美学への招待 増補版』(中央公論新社)佐々木健一著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『美学への招待 増補版』(中央公論新社)佐々木健一著

移動のお伴用にゲットした新書版。持ち歩くバッグが重くならないように(本が入ってなくてもまあまあ重いのですが)、タイトル指名買いでない場合は、できるだけ文庫サイズか新書サイズの本を物色するよう心がけています。

自分のやってきていること、考え続けていることがどうやら「美学」の範疇なのだと(かなり遅ればせながら)気づいたのは、昨年末に読んだ本のおかげでした。

せっかくなので少し掘り下げてみようと、「美学」キーワードで見つけたのが本書『美学への招待』です。「増補版」とある通り、2004年に初版発刊されたものを、2019年に時代に合わせて大幅にアップデートしたというもので、わたしが手に取ったのは、2024年10月25日付の増補版6版。初版から20年以上が経っているわけですが、まったく古臭さを感じないのは、増補=アップデートによる成果だけではなく、そもそもが根本的・普遍的なことについて書かれている本だからなのだと思いました。

以下、備忘。


  • 人間の創造性が発揮される領域として、科学と並んで藝術が考えられていた、という事実
  • 魅力とは、言葉にならないもの、感ずるよりほかにないもの
  • 藝術の領域が美にあり、その美は感性的に認識される(ドイツの哲学者 A・G・バウムガルテン)
  • 人格形成への美の影響
  • 美は物質性と精神性の融合からなる
  • 「美は体験のなかでしか存在しない」という考え方
  • 感覚とは身体の持ち分であり、判断力というような知性の働きとは正反対の事柄
  • 過去の経験の記憶や考え方のパターン、概念的な知識など、多様な要素が現実の鑑賞体験に関与し、それを重層的な和音のようなあり方のものにしている
  • 哲学的な瞑想を行う場所(museumの由来となるラテン語mouseion)
  • 美術とアートとartの違い
  • マスプロダクションとしての複製と、オリジナルをコピーした複製(の違い)
  • 生のなかの藝術
  • 空間を人間化する(イサム・ノグチ)
  • 「永遠」型の藝術
  • 永遠派と現代派
  • 藝術の価値をどこに見出すかという問題
  • 藝術における伎倆の重要性の後退
  • 「幸福の約束」(ネマハス)
  • 「人生に不可欠」(ダントー)
  • 「藝術」ももとは生活世界の一部だった
  • 見てただちに捉えられる「よさ」とは、「美しさ」を措いてほかにありません。

『美学への招待 増補版』(中央公論新社)佐々木健一著より


本書はわたしにとって入門書であり教科書的な一冊となりました。巻末には、ここから先に進みたい場合に参考になる文献一覧と簡潔な紹介文が記してあり、とても親切。少しづつ読んでいきたいと思います。

『美学への招待 増補版』(中央公論新社)佐々木健一著

郷育カレッジ講座「LINEを使って必要な情報を手に入れよう」に協力してきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

郷育カレッジ講座「LINEを使って必要な情報を手に入れよう」に協力してきました。

令和6年度の郷育カレッジ講座も残すところあと二月となりました。郷育カレッジでは、専門分野を持った講師の方々にご協力を頂いておりますが、運営委員が中心となって開催する対話型の講座もいくつかあります。本LINE講座はその一つとして、今年度初めて導入したもの。1月末に開催されました。

郷育のカリキュラムには、専門家の講師による入門者向けのスマートフォンの使い方講座なども長年ありますが、今回新設したLINE講座は、さらに入門者向けのもの。いわば「何がわからないのか、わからない」状態でも参加できるように、という気持ちで設定したものです。講師が一方向的に教えるのではなく、グループになってそれぞれに自分のスマホを操作しながら、わからないところを聞き合い、教え合うという講座です。

なぜ「LINE」なのかというと、福津市がLINEでの情報提供をしていること、市の公式サイトを開いて情報を探すよりも、LINEからのアプローチの方が、覚えたらわかりやすく簡単であることなどが理由としてあります。「市役所が提供する市民のための情報をより簡単に入手できるようになる」というのが一番の目的。特に、災害時の避難情報など、有事のときに情報にアクセスするツールのひとつとして、活用して欲しいとの思いがあります。

当日は10名ほどの参加者に、グループワークのサポート役となる運営委員が6名。3~4名づつのグループで取り組みました。参加者の多くは60代、70代以上の方。使い慣れているかどうか、個人差の大きいなかで、グループごとに進捗状況に合わせながらお互いに教え合うやり方は、とても良い方法だったと思います。わからないことをわからないと言いやすい環境が大事ですね。わたしも、知らなかった「ちょっとした活用技」をいくつも知ることが出来たので、助かりました^^

「LINEを使って必要な情報を手に入れよう」。タイトルはもしかしたら少し変わるかもしれませんが、このようにグループで相互にスマホの使い方を教え合う形態での講座は、来年度以降も継続予定です。

仙厓さんカレンダー-二月の書画タイトルは「丹霞焼仏(たんかしょうぶつ)画賛」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

仙厓さんカレンダー-二月の書画タイトルは「丹霞焼仏(たんかしょうぶつ)画賛」。

「仙厓さんカレンダー」の話題は、これまでも何度かこのブログにアップしています。わたしの仕事スペースのカレンダーは仙厓さん。仙厓さんは、江戸時代の禅僧であり画家であり、わたしが茶道を習う円覚寺は、仙厓さんが長年住職を務めていた博多聖福寺の塔頭であり、勝手に縁を感じています。仙厓さんの書画のコレクターとしてもっとも知られているのは出光佐三翁で、出光美術館には作品が多数収蔵されています。その出光美術館が制作しているカレンダー。

2月に入り、めくって、画を見て、書を読み、解説を読んで、「おお!」となりました。仙厓さんの書画は、禅の教えをわかりやすく説くものでありながら、可笑しみがあってまったく説教臭さを感じないのが魅力です。2月の画のタイトルは「丹霞焼仏画賛(たんかしょうぶつ)」。禅宗画の有名な画題のようです。書いてある言葉は「若言焼仏 堕落眉鬚(焼仏というがごとく、眉鬚堕落す)」。唐の僧・丹霞が、寒いなか暖をとろうと木像(仏像)を焼いたところ、それを糾弾した寺の執事の眉や鬚が抜け落ちた、という解説がついています。

仏像とはいえ、見方を変えればただの「木」。偶像崇拝よりも、そのときもっと大切なことがあるだろう(この場合は寒さをしのぐこと)、ということだそうです。たまたま数日前に、2004年の映画『デイ・アフター・トゥモロー』を観たわたしは、そのなかにあった「図書館の大切な蔵書を燃やすシーン」とイメージが被り、「おお!」となったのでした。『デイ・アフター・トゥモロー』ストーリーご存じない方は、ググってみてくださいね。

毎月めくる楽しみのある仙厓さんカレンダーです^^

読書『モナ・リザのニスを剝ぐ』(新潮社)ポール・サン・ブリス著/吉田洋之訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『モナ・リザのニスを剝ぐ』(新潮社)ポール・サン・ブリス著/吉田洋之訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚から借りて参りました。「アート小説」と呼ばれる分野でわたしがこれまでに一番衝撃を受けたのは、なんといっても原田マハさんの『楽園のカンヴァス』でした。あのあたりから国内でも「アート小説」と呼ばれるようなものが増えてきたように思います。その後もマハさんの著作はほぼすべて読破しましたし、別の著者の著作も読んできていますが、今回久しぶりに「おおー!」というものに出会い、かなりワクワクしています。

本書のタイトルを見て思いだしたのが、『最後のダ・ヴィンチの真実』でした。2020年11月に読んだノンフィクション。これを読んでいたことは、『モナ・リザのニスを剥ぐ』の物語をより深読みする役に立ったような気がします。どちらも、美術作品の価値について、考えさせられる物語です。

内容とは別に、なんとなく文章の調子に既視感があるな、と思いながら読んでいました。新潮社の公式サイトで本書の紹介欄を見て納得。著者は本作がデビュー作(!)ということでしたが、訳者の吉田洋之さんの文章を、過去に『青いバステル画の男』『赤いモレスキンの女』(いずれも新潮社)で読んでいたので、なんとなく既視感を感じたのだと思います。わたしにはとても読みやすく、親近感の持てる訳でした。新潮社サイトでの、本書への書評(東京都美術館館長・高橋明也氏による)も読みごたえがあります。美術愛好家、美術館関係者の方々には、きっと響くところがあると思います。

それにしても、ポール・サン・ブリス氏はこれがデビュー作であり、映像作家・アートディレクターでもあるということですので、これからまたアート小説を書いてくれるのではないかと、とっても期待しています^^

『モナ・リザのニスを剝ぐ』(新潮社)ポール・サン・ブリス著/吉田洋之訳

佐賀・七山へ、手漉き和紙をつくる紙漉師さんに会いに行ってきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

佐賀・七山へ、手漉き和紙をつくる紙漉師さんに会いに行ってきました。

「新しいことをしようとすると、自分の知らない仕事がたくさんあることが、実感としてわかる。」と記事にしたのは、昨秋10月のことでした。それからもう4か月近くになると思うと、するすると進んでいるように感じる藤吉憲典の新作分野への取り組みも、それなりに時間と手間をかけていることがわかります。

そんななかでありがたいのが、信頼できる方から、信頼できる方を紹介していただけること。今回は、書画用に使う和紙を求めて、「紙漉師」を名乗る手すき和紙職人さんに会いに行って参りました。佐賀には15年ほど住んでいましたので、もちろん七山の地名は知っています。現在は唐津市七山ですが、合併前は七山村でした。佐賀県内に住んでいたときも遠いイメージのあった七山ですが、福岡の都市高速道路から西九州道で唐津方面につながったため、思いのほか近かったです。ここ津屋崎からでも約一時間半で到着しました。

山のてっぺん!と言いたくなるような場所に、目的の工房はありました。多様な種類の紙を見せていただき、材料のことやら制作方法のことやら、どのように活用されているかなど、いろいろとお話して教えていただきました。月並みな表現ですが、手間のかかる仕事ですし、奥が深いですね。藤吉憲典もようやく理想的な和紙に出会えたようで、大きな収穫でした。

藤吉憲典の新作分野=書画作品とそのエディション作品であるシルクスクリーン作品の構想は、多様な職人さんの力を借りてはじめて実現するものです。これまでにはなかった手順が必要になり、それがとても嬉しい形でつながってきているのを感じています。

さて七山での仕事が終わったら、江北・花祭へ。厳木線と呼ばれる山道を使って、七山から山を越えて約1時間で到着しました。しばらく草刈りに行けていなかったことを反省。カボスが完熟状態で残っていたのを収穫し、ずいぶんと育った侘助の見事な花を愛でることが出来ました。少し暖かくなったらまずは草刈りからです。

花祭の侘助(ワビスケ)