企画展『古代ガラスと津屋崎古墳群』@カメリアステージ歴史資料館 を見て参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

企画展『古代ガラスと津屋崎古墳群』@カメリアステージ歴史資料館 を見て参りました。

カメリアステージ図書館の1階にある歴史資料館は、展示エリアは広いとは言えないまでも、空調管理のできる特別展示室があるなど、展示設備がちゃんとしています。図書館に行くついでに歴史資料を見ることができる、それもまあまあ良い環境で観れるというのは、実はかなり嬉しいことです。そして毎年この季節、年度末を目前とした時期に、その年の発掘調査の報告展示があったり、研究成果をテーマ展示にしてくれたりするので、それがまた、とても嬉しいのです。

今年度(令和6年度)の企画展は『古代ガラスと津屋崎古墳群』。副葬品として古墳から発掘されたガラス玉は、日本各地で見つかっていますが、今自分が生活をしている近くでそのようなものが見つかるというのは、なんだかワクワクするものです。今回の展示では、組成により色の異なる玉の種類や制作技法、作られたエリアと日本へ伝わってきたルートの解説などを知ることが出来ました。

展示ケースの上には、キャプションボードに丁寧な図説の解説が掲示してあり、展示内容や展示意図がわかるようになっています。その同じ内容が、持ち帰れる資料「展示解説書」として一緒に置いてあるのがまた親切でした。最近はどの館でもペーパーレス化が進み、解説等はウェブ上で確認できるようになる一方、紙媒体での資料配布が無くなりつつあります。「紙派」のわたしにとっては、カメリア歴史資料館での資料配布はありがたいことです。

企画展に合わせて関連イベントとして、福津市文化財課の学芸員さんによる「古墳に副葬されたガラス玉と交易」と題した歴史講座も開催されました。わたしはスケジュールが合わず参加できませんでしたが、こういう講座が市民に対して開かれるというのは、これまたとてもありがたいことです。

企画展『古代ガラスと津屋崎古墳群』は、福津市複合文化センター・カメリアステージ歴史資料館(1F)で、2025年3月10日(月)まで開催中です。企画展示エリアだけでなく、通史展示・特別展示室のなかにも、古墳からの出土資料などが展示されています。お近くの方、興味のある方、ぜひご覧くださいませ。

『古代ガラスと津屋崎古墳群』@カメリアステージ歴史資料館

節分の豆まきと、立春大吉。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

節分の豆まきと、立春大吉。

先日久留米であった商談会で、お話した方の一人が中国からいらっしゃっていた方で、「もう春節ですね」なんて雑談をしていたのでした。今年の節分は先週末2月2日。旧暦のお正月、節分とそれに続く立春が、今年のスタート!と感じている方も少なくないようです。

さて節分といえば、毎年恒例、波折神社の豆まき神事です。ここ数年、わたしが「藤吉家代表」として参加することが多かったのですが、今年はダンナにバトンタッチ。波折神社の豆まきは、こじんまりとしていたのがアットホームな感じが魅力です。わたしたちが移住してきた最初の頃は、参加者もあまり多くなく、ご近所に声をかけていました。ここ数年は、年々参加者が増えているので、家族代表を送り出すスタイルといたしました。

参加してきたダンナによると、今年はまたさらに参加者が増えていたということで。でも運営してくださる側も、足を運んだ皆が福豆を持ち帰ることができるよう、いろいろとやり方を模索してくださっているようで、ありがたいことです。各地の豆まき神事を見ていると、参加者が増えすぎて、福豆の奪い合いで殺伐とした雰囲気になっているという話も耳にします。みんなが楽しんで帰れるように、そのうえで地域の人が一人でも多く参加できるのが良いですね。

下の写真は、6年前の波折神社の豆まきがはじまる前の様子。こんな感じで、皆がお互いに場所を譲り合うことが出来れば、豆まきも楽しいのです。

波折神社の豆まき。

今年もダンナが家族分の福豆を持って帰って来てくれたので、良かったです。波折神社の豆まきのあとは、花祭窯の豆まき。我が家の豆まきは昔ながらのスタイルを貫いていますので、家の内外が大豆だらけになります。毎年、翌朝は豆掃除から。掃除が終わったら手帳に「立春大吉」と書いて、春迎えです。

今年も良い一年になりますように!

読書『この星のソウル』(新潮社)黒川創著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『この星のソウル』(新潮社)黒川創著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚から借りてきた一冊。新刊棚から本を選ぶときは、「前情報」を持っていない本を手に取ることがほとんどです。そのおかげで、これまで読んだことのなかった作家さんの本を手にすることが出来ます。黒川創さんの著書も、初めまして(たぶん)!と思ったら、4年ほど前に読んでいました。

さて『この星のソウル』。1981年と1994年に韓国のソウルを訪れた経験を持つ主人公が、2024年の時点から当時を振り返る物語です。ただし、李朝最後の王・高宗とその王妃である閔妃の生涯とその時代の出来事に触れながら、というのが、一筋縄ではないところ。高宗の妃・閔妃は1895年に日本の官僚と軍人によって惨殺されています。彼らの生きた時代を考えるということは、すなわち日清・日露の戦争のこと、朝鮮を植民地化しようとした日本が彼の地で、あるいは日本国内で、彼の地の人々に対して何をしたのかを、見つめ直すということになります。

日本と朝鮮半島との間で何があったのか、近代史について、韓国や北朝鮮とのかかわりについて、あまりにも無知な自分に気づかされる一冊でした。新潮社の公式サイトでの紹介のなかに「激動の朝鮮史」という言葉が出てきます。それがどのようなものだったのか、主人公の思考のなかにあるものが綴られることによって、読者(わたし)は知ることになったのですが、残酷・残虐な歴史が淡々とした文章で語られることで、その痛みの大きさの計り知れなさを感じました。

黒川創さん、すごいですね。さっそく図書館の蔵書を検索。さかのぼって追いかけたいと思います。

『この星のソウル』(新潮社)黒川創著