こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
2025年二本目-映画『教皇選挙 CONCLAVE』を観てきました。
正直なところ、昨年は「これは絶対に観に行きたい!」という映画がなくて、「今観るならこれかなぁ」という感じで、映画館に足を運んでいました。もともと事前にどんな映画なのかを詳しく調べることはほとんどなく出かけるのではありますが、観終わったときには「よかったー!」となることも多かったので、観るまではわからないというのが実際のところです。昨年観たなかでは、『フェラーリ』が(とりわけ主演のアダム・ドライバーが)まさに、期待以上にすごくよかった一本でした。
今年二本目の本作は、映画館で観た予告編で、久しぶりに「これはぜひ観たい!」と期待していたものでした。そして実際のところ、「観てよかった!」 なんなら「もう一回観たいかも」な満足度。重厚で緊張感のある2時間でした。《極上のミステリー》の宣伝文句は、そのままそのとおりです。ほとんどは「隔離」された屋内の映像ですが、とても美しく、陰影と色彩が深く印象に残りました。印象的なセリフもいくつかありました。なかでも、聖職者は「理想の姿を追い求める者」であって「理想の姿そのもの」ではない、というセリフが、その職にある人たちのリアルを感じさせました。
主演のレイフ・ファインズさんの出演作に『ハリー・ポッター』があると知って、『ハリー・ポッター』なら何回も観ているぞ!?と思い、ポスターのお顔をじっくり見ましたが、何の役をやっていたのかまったく思い浮かばず。ググったところ、なんと、ヴォルデモート卿でした。お鼻を隠してみたら、ああ、たしかにそうかもしれない!と。その主演さんはじめ出演者すべての顔ぶれが、ここまで「熟練のいぶし銀」という映画も珍しいかもしれません。すっかりその世界に引っ張り込まれました。
わたしが「コンクラーベ」という言葉を知ったのは、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世が亡くなった時のこと。ウィキペディアによると2005年4月のことですので、ちょうど20年前のことですね。宗教にまったく興味はありませんでしたが、このヨハネ・パウロ二世さんが来日した時の印象がとても強く、なんとなく親しみを感じさせるものでしたので、お名前とお顔が記憶に残っています。これまたウィキでググったら、1981年に東京・広島・長崎にいらっしゃっていました。当時わたしは10代ですが長崎に住んでいましたので、特に印象に残っているのかもしれません。その後、大学の卒業旅行でローマ・バチカンに足を運んだ時、現地ガイドの方が「あそこから教皇が手を振ってくれることもあるんですよ」と教えてくださり、友人たちと「出てこないかな~」とそわそわしたことも良い思い出でした。残念ながらお目にかかることはできませんでしたが。
偶然ですが、前回観た『ゆきてかへらぬ』も本作も、キノシネマの木下グループの配給でした。良い映画に連続で出会えていて嬉しいです♪