こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『皇后は闘うことにした』(文藝春秋)林真理子著
引き続き、遅ればせながらの林真理子著作追っかけ。なにしろ図書館に行けば、林真理子さんの既刊本は大量にありますので、気軽に手に取ることができます。ありがたいですね。今回の本書は新刊。
ちょうどひと月前にブログにアップしていた『李王家の縁談』が、とっても面白かったので、本書もそのような感じなのかな、と思って予約を入れた一冊。こちらは短編集でした。上の写真はそのタイトル目次です。読後にあとがきを見たら、本書はいわば『李王家の縁談』のスピンオフ版だという解説があり、なるほどなるほど。
現代でもなにかと大きな話題になる、皇室の婚礼をとりまくニュース。その根っこにあるものが、単に野次馬的な興味だけでなく、政治に大きな影響を与える要素だからなのだということを、あらためて思わされる読書となりました。「政略結婚」というのは、戦国時代だけのものではなく、その前後もずっと続いてきているのだよな、と。
皇族とか華族とか呼ばれる仕組みが、明治維新以降どのように政治利用されてきたかが垣間見える本でしたが、短編になっている分、わたしにはそれぞれが分離してしまって、つなげるのが難しかったです。各ストーリーの前に家系図が付いているので、それを参照すればよいということなのですが。短編でつづられたすべての物語が一つのストーリーで展開される小説が、いつか出来上がるのを待ちたいと思います^^