6月9日は開窯記念日-おかげさまで花祭窯は29年目に入りました―

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

6月9日は開窯記念日-おかげさまで花祭窯は29年目に入りました―

昨日の夕食後、ふと「今日ってもしや6月9日?」と気が付きカレンダーを確認。記念日に執着がないので、ついつい「いつだったか」「何年目だったか」を忘れがちです。ここ数年は、このブログに記事を残すことで「〇年目」を確認しやすくなりました^^。ということで、花祭窯29年目に突入。今年もこのようにブログを更新できるありがたさです。弱小なわたしたちを、いろいろな場所・場面で、さまざまに支え助けてくださる皆様に、あらためて心より感謝申し上げます。

少し前のこと。長年にわたりお世話になり、存在自体がわたしたちにとって精神的な支えであるギャラリーさんから、1年後の閉店を決めたとご報告いただきました。ギャラリーの仕事もまた作家と同じで、ほんとうに好きでないとできないし、オーナーの価値観世界観がそのまま空間に反映されるものです。「誰かが継げるものではない」と考えておられるのは、以前からお聞きしていましたし、その通りだと思っていました。ご自身の体力気力が充実しているうちにとご判断なさったとのことで、それもまた共感できます。とはいえ、いつかそういう日が来るとわかっていても、実際にそのご決断をお聞きすると、やはり衝撃は大きいものでした。これまでわたしたちを見守ってくださったオーナーさんに、「藤吉憲典」の道を切り拓いて、面白く進み続ける姿をご覧いただくことが、最大の恩返しになると信じています。

さて29年目。器作家として・磁器彫刻家として・書画家として、という作品作りから、「藤吉憲典」の世界観を全体として楽しんでくださるファンが増えると嬉しいな、というところを目指しています。我ながらうまく言語化できていませんが…。一見ジャンルの異なる作品群も、作家のなかではすべてがつながっていて、幼少期から現在までのさまざまな体験・キャリアに基づいていると明らかに実感することが、年を経るごとに増えています。「無駄な経験などない」と聞くことがありますが、まさに「あのときのあれは、ここにつながってたのね」という「腑に落ちる瞬間」であり「確信」です。

今年は前半に器の展覧会が二つありましたので、年明けからここまでは器づくりに集中していました。ここから後半に向かっては、ひとまずアート方向にかじを切ります。書画作品制作に磁器彫刻作品制作。いくつものジャンルを手掛けるのは、作家にとって良い気分転換になるようで、それぞれの仕事が刺激にもなってお互いに良い影響をもたらしていることが、側で見ていてもわかります。違う脳ミソを使い、手や体の使い方も異なるからこそ、飽きることなく集中できる、という要素があるようです。

「四十、五十は洟垂れ小僧」の世界、今年作家はその50代ラストイヤーを迎えます(まだ先の話ですが)。洟垂れ小僧から卒業できるかどうかは、今年の仕事にかかっています。応援してくださる皆さんが、楽しんでくださる、喜んでくださるものを生み出せると嬉しいです。