こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
「EC経営者・担当者向け1Dayセミナー」に参加してまいりました―その1。
イベントのフルタイトルは
EC経営者・担当者向け1Dayセミナー makeshop day FUKUOKA 8th anniversary by GMO
ということで、ECビジネスのサービスを提供するGMOメイクショップ株式会社福岡支社さんのイベントでした。今回が8回目ということでしたが、わたしはこれまでこのようなイベントがあることを知らず、初参加。というのも、GMOメイクショップさんのサービスを利用していないもので…ですが、顧客でなくても一般参加できるということで、ありがたく参加を申し込みました。
登壇企業さんは、登場順に、長崎・波佐見の有限会社マルヒロさん、福岡・八女の株式会社うなぎの寝床さん、Jリーグのアビスパ福岡株式会社さん、福岡ローカルメディアの株式会社KBC UNIEさんの四社。いずれもテーマが興味深く、お話をお聞きするのを楽しみにしていましたが、期待以上に面白い内容でした。
以下、備忘。
↓有限会社マルヒロ「倒産危機からのV字回復ストーリー」より
- 江戸時代~:伊万里港から出荷=伊万里焼。明治時代~:有田駅から出荷=有田焼。明治時代に鉄道が敷設されてから、そこから出荷されるものを「有田焼」と呼ぶようになった。
- 吉兆の産地偽装問題(2007年)の余波→波佐見でつくったものは有田焼を名乗れなくなった→「波佐見焼とはなにか」を歴史から問い直す。
- 江戸時代の「くらわんか茶碗」=安価な大量生産品・安心して使えるもの・武骨で加飾の少ないもの=「あくまでも雑器」。
- 有田焼の「薄くて、伝統的な文様」に対して、「厚くて丈夫で、色々なもの」。
- 有田焼の鍋島藩御用窯に対して、大村藩の藩財政収入、の位置付け→多売で稼ぐもの。
- 「日常雑器」ではあるけれど、100均よりは高い(マグカップで1500円~)、の位置付け。
- 買えるもの(価格)、納得して買ってもらえるもの(価格)。
- コラボ戦略は、生き残り戦略。波佐見焼だからこそできることを考える。やきものに興味のない人たちへのアプローチ。
- 波佐見に来てもらうための、施設公園オープン。
以上。
↓株式会社うなぎの寝床「年間2万本販売のヒット商品「MONPE」の秘密」より
- 作っている場所に、売っている場所がない→うなぎの寝床オープン。
- 久留米絣をいかに売り出すか→入り口としての「もんぺ」。
- BtoB→仲間を広げる。
- モンペの型紙を売る→箪笥の肥やしとなっている着物リメイク需要。
- 機能的要素・文化的要素・視覚的要素。
- 文化的要素=公共性の高い情報。
- 商品を売ってもらうために、商品の背景にある文化への理解を促進してもらう取組。
以上。
EC経営者・担当者向け1Dayセミナー makeshop day FUKUOKA by GMOより
マルヒロさんのお話については、V字回復のきっかけとなった中川政七商店さんのお話を6月初めに聞いてきたばかりでしたので、図らずも、コンサルした側・コンサルを受けた側双方のお話を伺うことができたのは、ラッキーでした。また、わたしがこれまで語ってきた「肥前磁器」は、あくまでも有田から見たものであり、波佐見のことをある程度は知っていてもきちんと理解していなかったことに、今更ながら気づかされました。そういう意味でも、貴重でありがたい機会でした。このような機会をEC系の勉強会でいただくとは、思いがけませんでした。
「うなぎの寝床」さんは、たしか2013年ごろだったと思いますが、八女のお店に伺ってお話を聞いたことがありました。経営に携わる方々が強い個性を持ちながら、自分たちの個性を最前面に押し出すことなく、あくまでも地域への還元や伝統文化の公共性を第一に考えていらっしゃっていることが会話の端々から伝わってきて、すごいなぁと思ったことを覚えています。今考えると、訪問したのはうなぎの寝床さんが活動を始めてすぐの頃ですので、それから現在の展開にいたるスピード、すごいですね。これは体験せねばと、会場横にあるうなぎの寝床さんのショップで、MONPE買って帰りました。
思いのほか長文になりましたので、後半2社の続きは「その2」で^^