読書『人生劇場』(徳間書店)桜木紫乃著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『人生劇場』(徳間書店)桜木紫乃著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より、久しぶりの桜木紫乃さん。前回桜木紫乃さんを読んだのは2022年のことでしたので、約3年ぶりです。今回もまた、行間からあふれてくる「凄み」に圧倒されながらの読書となりました。

徳間書店の公式サイトに、著者自身のコメントが載っていました。曰く「書きながら改めて、生きることは滑稽だと感じました。滑稽でいいと思うところまで、書けた気がします。」と。読後に公式サイトの解説を見て、本書は桜木紫乃さんが実の父親をモデルにしたものだということがわかり、思わずうなりました。「家族」の闇の壮絶さ。その壮絶さをもって「滑稽」と断じてしまう著者の目線は、いったいどこから注がれているのか、ある種自虐的なものを感じました。

そういえば前回追っかけたときは、数冊読んだものの、もろもろの受賞作はじめ「桜木紫乃といえば」な著書は、一冊も読んでいませんでした。凄みに中てられてしまうので、いっぺんに連続してたくさんは読めない感じです。だけれども、読みたくなる。明るい本の合間に、ときどき遡って少しづつ読んでいくのがよさそうです。

『人生劇場』(徳間書店)桜木紫乃著